会社の売上を伸ばす方法とは?考え方や戦略の重要ポイント解説
最終更新日:2024年07月29日
会社経営を行う上で見過ごせない、売上アップの課題。
安定した事業を長く続けるためにも、売上向上に特化した戦略を練っておくことが大切です。
ここでは、会社の売上を伸ばす方法を、売上の成り立ちから紐解いていきます。
自社の商品・サービスを「価格」ではなく「魅力」で選んでくれる購買意欲の高いユーザーに絞って集客できる方法についても紹介しているので、ぜひ戦略の参考にしてみてください。
売上とは
売上が成り立つための重要な要素は「集客数」「成約率」「客単価」です。
顧客ばかりを集めても成約につながらなければ意味がありませんし、客単価ばかり気にしていては、顧客満足度が低くなってしまうリスクもあります。
売上を求める際には、以下のような計算式を使います。
このいずれか、またはすべての要素を上げれば売上アップが実現するということになります。
これに従って、売上をつくる各要素が向上する施策は何かを考えていきましょう。そのためにも、まずは現状をしっかりと把握することが大切です。
集客数を上げるには
集客数を上げるには、たくさんの人に自社について知ってもらい、新規顧客獲得につなげるための母数を上げておくことが大切です。
また、一度自社の商品・サービスを利用したことのある既存顧客に対しても、再度購入を促したり固定客になってもらったりするための施策を打ち出す必要があります。
認知度を高める
リスティング広告やアフィリエイトなどのWeb広告出稿で自社情報の露出度が高まると、認知されるようになります。実店舗や飲食店などはWebに限らずチラシや新聞折り込み、地域に根差したフリーペーパーなど、紙媒体への広告掲載も認知度アップに効果的でしょう。
自社のターゲットなるユーザーをしっかりと設定し、どういった方法で情報収集をするのか、どういった情報に興味があるのかという点を分析できれば、広告などで利用するメディア・媒体も選びやすくなります。
認知しているユーザーが増えることで集客できる可能性も高まるため、無理のない範囲で広告掲載を実施していきましょう。
イベントを行う
季節ごとのセールなど、普段の販売とは違った趣のイベントを開催することで、従来よりも集客数を伸ばせる可能性があります。
イベントでは、いつもとは違う特別感や目を引く演出を取り入れるのがおすすめです。
その場での売上にはつながらなくても、親近感を与えて印象に残るため後々の集客につながります。
リピーターを増やす
リピーターが増えると購入数も増えるため、おのずと会社の売上を伸ばすことができます。
リピーターになってもらうには、商品やサービスを購入した際に、顧客がもう一度来店したい・買いたいと感じる「価値」を提供できたかが大切です。
例えば、飲食店であれば味や値段はもちろん、接客やお店の雰囲気、利便性などの要素から顧客は価値を見出します。複数の要素の組み合わせによって、他社にはない価値を感じていることもあるでしょう。
顧客の目線に立って自社の価値とは何かを知り、アプローチできているかがポイントです。
成約率を上げるには
成約率を上げるには、見込み率の高いユーザーを多く獲得できるかがポイントです。
そのためには、自社の魅力や強み、自社商品・サービスを利用することで得られるメリットなどの価値を、比較検討段階でしっかり認知してもらうことが必要になります。
顧客に価値を伝える
自社が提供する商品・サービスのこだわりや魅力、会社そのものが提供している価値を顧客に伝えることで、より成約に近いユーザーを集めることになり、成約率アップにつながります。
素材や質にこだわって製造している、周辺の地域でこの商品(技術)を専門的に扱う唯一の会社など、顧客に自社の価値を積極的に伝えていきましょう。
ただし、顧客ニーズに沿った価値でないとミスマッチとなってしまうため、成約率アップには至りません。
ターゲットユーザーや顧客が何を求めているのか、市場でのニーズはどのようなものかを詳しく知っておく必要があります。
既存顧客に紹介してもらう
既存顧客から新たな顧客を紹介してもらう方法も、成約率の高いユーザー獲得に有効です。
紹介者からすでに良い情報を入手しているユーザーが集まるため、興味関心が高まった状態でWebサイトや店舗に訪れてくれます。
紹介をつなげてもらうには、紹介者や紹介されて来店した顧客に対して特典を付与するといったキャンペーンが効果的です。
紹介したくなるような高品質な商品・サービスの開発を心がけるのはもちろんですが、紹介客を集めることでも売上につながりやすくなるでしょう。
ユーザーの行動に合わせたマーケティング戦略
日々多様化するユーザーのニーズを踏まえ、顧客の行動に合わせたマーケティング戦略を展開していくと的確なアプローチができるようになり、成約率アップを目指せます。
ユーザーのネット上での検索行動やSNSでの情報収集などを定期的に調査し、今はどんなニーズやトレンドが生まれているか、自社が応えられる独自の価値があるかをしっかりとチェックしておきましょう。
客単価を上げるには
いつも購入してもらっている商品以外のものも購入してもらう、いつもよりもランクの高い商品を購入してもらうと客単価が上がります。
購入を促すために効果的な販売手法が「クロスセル」と「アップセル」です。
クロスセル
クロスセルとは、分かりやすく言うと「セット販売」のことです。
いつも購入する商品の関連商品やシリーズを組み合わせることで商品価値を高める、セット販売によって割引を受けられるなどのメリットを提示して、セット購入につなげます。
例えば、スマートフォンを購入した顧客に対して液晶画面の保護フィルムや傷や衝撃から守るスマートフォンケースなどを販売することがクロスセルにあたります。
広告費用や人件費などの追加コストがかからないため、新規顧客を獲得するよりも低コストで客単価を上げられるのがメリットです。
アップセル
ある商品を検討している顧客に対し、より高額な上位モデルへの乗り換えを勧めることです。購入点数は増えないものの、商品の単価アップを狙えます。
例えば10万円のパソコンを検討している人に対して、より高品質で高機能な15万円のパソコンを購入してもらえるよう勧めます。
ただし、アップセルは実際に顧客がそれを本当に必要としているか、上位商品に価値を感じているかを見極めながら勧める必要があります。接客や営業の手腕も試されるところです。
また比較検討の期間の長い、高額な商品や法人向けの商品の場合は、あらかじめユーザーに有益な情報を提供して、信頼感を醸成しておくことも重要です。例えばコンテンツマーケティングなどが代表的な方法です。
この会社の言うことは信用できるとユーザーが思ってくれていれば、商品の購入はもちろん、自社からのアップせる提案も前向きに検討してもらいやすくなります。
売上構成の傾向を知る
売上を構成する要素を考えるとき、パレートの法則というマーケティング視点が役立ちます。
パレートの法則とは、「ある数値の8割は、全体を構成する要素のうちの2割の要素が生み出す」という分布の偏りのことです。
「80:20の法則」「8:2の法則」などとも言われています。
売上の構成要素にも、このパレートの法則があてはまります。
多くの飲食店では、20~30%の常連客やリピーターからによる売上が売上全体の70~80%を占めているといいます。
パレートの法則に従うと、自社の商品・サービスの売上のうちの8割は、2割の顧客によってもたらされると考えることができます。
既存顧客の再来率を上げたい、客単価を上げたいときは、パレートの法則にもとづいた営業活動をしてみましょう。
売上の8割を占めると思われる上位2割の顧客、つまり「常連客」にあてはまる顧客と、下位8割の顧客を区分します。
上位2位の顧客には社内のリソースを集中させて積極的にコミュニケーションをとる、丁寧なサポートを行うなどで再来率アップを目指します。
そして、下位8割の顧客には電話やメールなどを使うなど、コミュニケーションを効率化しながらアプローチします。
ただし、これはあくまでも経験則であり、パレートの法則とは異なる売上構成になっているケースもあります。
「顧客の分布に偏りがあるかもしれない」という仮説を立てた上で、現状分析や施策の立案を行う際に役立つ考え方です。
現状分析に有効なフレームワーク
3C分析
3C分析とは、
- Customer …市場や顧客
- Competitor …競合他社
- Company …自社
の3つの関係性を分析することです。
自社が狙うべき市場や顧客の属性を見つけて、他社と差別化を図りながらマーケティング戦略を構築していくのに役立ちます。
客観的に自社を分析することで、自社の置かれている立場(ポジション)や強み・弱みを再認識することができます。
STP分析
STP分析とは、
- Segmentation(セグメンテーション)…市場の細分化
- Targeting(ターゲティング)…狙う市場の決定
- Positioning(ポジショニング)…自社の立ち位置の明確化
それぞれの頭文字をとって表した分析方法です。
STP分析を行うと、どの市場やターゲット層を狙い、市場においてどの立ち位置から自社の商品・サービスをアピールすべきかなど、効果的なマーケティング施策を導けるようになります。
自社が狙うべきターゲットにアプローチできているか、アプローチの仕方は適しているかを振り返ることができ、業種を問わず活用できます。
4C分析
4C分析は、以下の4つの頭文字からきています。
- Customer value…顧客にとっての価値
- Customer cost…顧客の負担
- Convenience…顧客にとっての入手容易性
- Communication…顧客とのコミュニケーション
すでにSTP分析を終えた状態なら、分析結果をより活かすために4C分析も行いましょう。
自社の商品・サービスが、顧客からみてどのような価値があるか、価格は適切かなど、顧客の目線に立って考えることで、実際に提供している自社の「価値」と顧客のニーズにズレがないかを認識できるようになります。
会社の売上を伸ばしたくても売上が伸びずに悩んでいる際の振り返りや、今後の戦略立案にも役立つ分析方法です。
成約率・単価アップには自社とマッチする層の集客が重要
成約率や客単価を上げるためには、自社が提供できる価値を魅力に感じてくれる、つまりニーズがマッチするユーザーの集客数をどれだけ上げられるが重要です。
自社の強みを効果的に伝えるWebマーケティング施策の一例として「ポジショニングメディア戦略」をご紹介します。
購買意欲の高いユーザーに絞って集客できるポジショニングメディア
ポジショニングメディアをひと言であらわすと、「市場内での自社のポジション(立ち位置)をユーザーに伝える」メディアです。
自社の市場でのポジションを明確にし、強みや魅力とユーザーニーズをマッチさせて親和性の高いユーザーの集客を図ります。
例えば、比較サイトやポータルサイトなどのメディアでは、サイトの規模やアクセス数が大きいと、ある程度の反響は得られる可能性があります。
しかし、課題を解決したいと情報を収集しているユーザーに対して、自社がそれに応えられるという「提供できる価値」を示していない場合、他の競合他社との比較軸がないためにユーザーは自信を持って選べません。
また、上記のようなメディアに集まるユーザーはニーズが多様なため、反響を得られても自社の提供価値とマッチせず、成約につながらないまま遠ざかってしまう、といったことが往々にしてあります。
見込み率の有無にかかわらず「とにかくたくさんのユーザー(リード数)を集める」のではなく、自社の魅力に興味を持ってくれるユーザーに絞って集客しようという考え方がポジショニングメディアの戦略です。
ポジショニングメディアを通した問い合わせは自社商品(サービス)の強みや価値を十分に分かったユーザーからのものが多いため、一般的な問い合わせよりも成約率が高まります。
また、集客するユーザーは、自社の価格以外の強みや価値で選んでくれるため、客単価もアップする傾向にあり、他社との価格競争にもなりません。
リーチできるユーザー数は限定的にはなるものの、購入に近い良質なユーザーからの問い合わせが増えることによって成約率が上がり、結果として売上アップにもつながります。
実際にポジショニングメディアを導入した企業様からは、自社の強みや価値をあらかじめ認識してくれていることによって、「問い合わせからの商談率8割以上」「受注単価が2.5倍に」「成約までにかかる時間が1/3に短縮」といった成果を実感するお声もいただいています。
「狙ったターゲットをうまく集客できない」「集客はできるが、競合と比較されてしまう」「見込み薄の問い合わせばかりで営業効率が悪い」など、既存の集客施策では成約につながりにくい…とお悩みでしたら、ポジショニングメディア導入もぜひ検討してみてください。
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