販路拡大を図るときに活用したいオンラインとオフラインの方法を解説
公開日:2021年06月27日
販路拡大とは何か?なぜ必要性があるのか
販路拡大とは、文字通り「販路を拡大すること」です。販路は自社の製品やサービスを販売するルートを指します。つまり販路拡大は、自社の製品やサービスを販売するルートを開拓し、新規顧客を獲得することを意味します。
販路拡大は、事業をスムーズに展開するため必要といえるでしょう。行き当たりばったりで営業活動を行うよりも、自社の製品やサービスを販売するルートを開拓してから営業活動を行った方が効率的です。
販路拡大は、新規ビジネスにおいて特に重要になります。起ち上げたばかりのビジネスでは、自社の製品やサービスを販売するルートが存在しないからです。まずは自社の製品などと顧客をつなぐルートを開拓しなければなりません。
同様に既存ビジネスにおいても販路拡大は重要です。販路を拡大しないと、事業の成長を見込みづらくなるからです。現在の売上が安定していたとしても、いつまでも同じ状態が続くとは限りません。
例えば大手企業の参入や競合他社との競争激化により、業績が悪化することも考えられます。継続して販路拡大を図り、リスクに備えておくことが重要といえるでしょう。ただし販路を急激に拡大すると、黒字倒産を招くことがあります。販路拡大は、一歩ずつ着実に進めていかなければなりません。
おさえておきたい基本的3ステップ
販路拡大を図るにあたり、おさえておきたい基本の3ステップを紹介します。
マーケティングミックス(4P)をおさえる
最初にマーケティングミックスの理論である4P理論を用いて、自社製品・サービスを分析します。4P理論の強みは、製品やサービスを販売するために必要な事柄を幅広く分析できることです。
4P理論の4Pは、以下の4つを意味します。
- Product(製品)
- Price(価格)
- Promotion(プロモーション)
- Place(流通)
4P理論を用いて「どんな製品」を「どれくらいの価格」で「どのような販促方法」を用いて「どこで売るか」を分析します。製品やサービスの特徴を見直すことで、新たな切り口を見つけやすくなります。
市場のリサーチを行い、ターゲットを設定する
次に、市場リサーチを行います。市場リサーチのポイントは、過去の販売実績を分析することです。具体的には使用していた販路と購入していた顧客を分析します。
販路と顧客を分析することで、意外な市場を見つけられることがあります。これまで気づいていなかった市場を見つけたらターゲットに設定します。ターゲットに設定する理由は、競合他社も見つけていない可能性が高いからです。競合他社が存在しない市場であれば、簡単に販路を拡大できます。
ボリュームの大きな販路・顧客だけでなく、ボリュームの小さな販路・顧客もしっかり分析する必要があるといえるでしょう。
最適な販路を定める
次に、4P理論、市場のリサーチ、ターゲットの設定で得た情報をもとに販路を定めます。すでに必要な情報は集まっているので、最適な販路を設定できるはずです。
例えば流行に敏感な10代の若者に需要があるとわかれば、SNSを使って集客するなどが考えられます。効果を検証しつつ、販路拡大を進めていくとよいでしょう。
BtoB目的とBtoC目的では戦略が変わる
BtoB企業とBtoC企業では、販路拡大の戦略が異なります。BtoB企業は法人を対象に事業を展開している企業、BtoC企業は消費者を対象に事業を展開している企業を指します。どのような違いがあるのでしょうか。
BtoB企業の場合
BtoB企業の販路拡大は、取引先からの紹介が中心でした。非常に効率的ですが、紹介先も同分野になることが少なくありません。
ある程度、事業が拡大すると、継続して販路を拡大していくことが難しくなります。そこで用いられているのが、展示会への出展や業界紙への掲載です。展示会へ出展することなどで、新しい顧客に自社の存在を知ってもらえます。
新しい販路拡大の戦略として、インターネットを活用した方法も用いられています。具体的には自社Webサイト、ウェビナー(Webセミナー)、マッチングサービスなどが用いられています。
BtoB企業の販路拡大に自社Webサイトなどが用いられている理由は、インターネットを活用して情報収集を行う企業が増えているからです。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、インターネットを活用して情報収集を行う企業の割合は高まっています。現在では、取引先の紹介や展示会ではなく、自社Webサイトなどが最初の接点なるケースが少なくありません。
BtoB企業では、インターネットを活用した方法の重要性が高まっているといえるでしょう。競合他社に先駆けてインターネットを活用した販路拡大に取り組めば、市場で有利なポジションを築ける可能性があります。
BtoC企業の場合
BtoC企業の販路拡大戦略は、すでにインターネットを活用した方法が主流になっています。もちろんマス広告やDMなども有効ですが、ネットショップ、ECモール、自社Webサイト、ブログ、SNSなど、インターネットを活用して販路拡大を図る企業が増えているのです。
BtoC企業の販路拡大にネットショップなどが用いられている理由は、消費者の行動が変化しているからといえるでしょう。
スマートフォンが普及したことなどにより、消費者は商品を購入する前に、必要な情報を自分で調べるようになっています。だからインターネットを活用して販路拡大を図る企業が増えているのです。
ただし、マス広告などが不要になったわけではありません。それぞれの方法に強みがあるので、各方法の特徴を活かし、効果的に販路拡大を図ることが重要です。
オフラインで販路拡大を図る方法
販路拡大の方法は、大きくオフラインとオンラインに分かれます。代表的なオフラインの方法として、以下のものが挙げられます。
テレアポや飛び込みでの営業活動
昔から用いられている販路拡大の方法が飛び込み営業です。飛び込み営業の強みは、実際に製品やサービスを確認してもらえることといえるでしょう。製品やサービスを手に取ってもらえるため、特徴を的確に伝えられます。
ただし、飛び込み営業先が自社の製品やサービスに興味をもっているとは限りません。したがって効率よく販路を拡大することは難しいといえるでしょう。また、飛び込み営業に不快感を示す方もいます。企業のイメージが悪くなる恐れがある点にも注意が必要です。
飛込営業の弱みは、テレアポでカバーできる可能性があります。事前に訪問のアポイントを取っておけば、スムーズに商談に進めます。ただしテレアポの対象も、自社の製品や商品に興味をもっているとは限りません。飛び込み営業とよく似た問題を抱えています。
イベントや展示会への参加
イベントや展示会への参加も、BtoB企業を中心に昔から用いられているオフラインの販売拡大方法といえます。イベントや展示館の魅力は、テーマに関心のある顧客だけが会場へやってくることです。
自社の製品やサービスとマッチング率の高いイベントなどに参加すれば、効率よく販路を拡大できる可能性があります。
ただしイベントや展示会への参加には、ある程度のコストと手間がかかります。また参加企業が多いと、思うように集客できないこともあります。効果的なオフラインの販路拡大方法といえますが、しっかりとした準備が必要と考えられます。
取引先などからの紹介
取引先や顧客からの紹介で販路を拡大することもできます。BtoB企業が主に取り組んでいるオフラインの販路拡大方法です。
取引先などから紹介してもらうメリットは、それぞれが信頼している企業などが仲立ちしてくれるため、関係構築に手間がかからないことです。お互いのニーズがマッチすれば、スムーズに取引を進められます。
ただし、無制限に販路を拡大できるわけではありません。紹介できる企業などには限りがあるため、紹介だけに頼るといずれは頭打ちになってしまいます。また基本的には同業他社の紹介となるため、異業種への販路拡大も難しいと考えられます。
セミナーの開催
自社の製品やサービスの魅力を紹介するセミナー、顧客の悩みや疑問を解決するセミナーを開催して、販路を拡大することもできます。セミナーの魅力は、自社の製品やサービスに関連する情報に興味をもっている顧客を効率よく集められることです。業種やテーマによっては、有効な販路拡大方法になりえます。
魅力的な方法といえますが、セミナーの開催にはコストと手間がかかります。イベント、展示会への参加と同じく、しっかりとした準備が必要です。
オンラインで販路拡大を図る方法
BtoC企業はもちろんBtoB企業でも、オンラインを活用した販路拡大の重要性が高まっています。インターネットが普及したことにより、消費者や企業が自ら情報を収集するようになっているからです。オンラインを活用した代表的な販路拡大の方法として以下のものが挙げられます。
自社サイトやメディアでの情報発信
オンラインを活用した販路拡大の方法として広く用いられているのが、コーポレートサイトやコーポレートサイト以外の自社Webサイトを用いた情報発信です。Webサイトへ訪れた顧客を、お問い合わせや資料請求などに誘導することで販路拡大につなげます。
Webサイトを活用するメリットは、自社の製品やサービスに関連する情報を発信できることと、自社の製品やサービスに関連する情報を求めている顧客にアプローチできることです。
顧客が求めている情報を発信し続ければ、自社の製品やサービスの知名度を高めることや自社のファンを増やすことなどができます。公開したコンテンツが自社の資産になる点も魅力です。削除するまでWeb上に残り続けるため、中長期的な集客と販路拡大を期待できます。
非常に効果的な方法ですが、販路を拡大するには自社Webサイトを検索結果の上位に表示させる必要があります。検索結果の上位表示に欠かせないのが、質の高いコンテンツです。
つまりWebサイトを用いて販路を拡大するには、特定のキーワードを検索したユーザーの悩みや疑問を解決するコンテンツが求められます。質の高いコンテンツを作成するには、ある程度の労力がかかります。
また検索結果の上位に表示させるには、ある程度の時間がかかります。Webサイトを用いた販路拡大は、じっくりと取り組みたい方法です。
ソーシャルネットワークを使った情報発信
ソーシャルネットワークを活用した情報発信も、販路拡大に有効なオンラインの方法です。代表的なSNSとして、Twitter、Facebook、Instagramなどが挙げられます。SNSの投稿を見た顧客を自社Webサイトへ誘導する、投稿を拡散させて自社の製品やサービスの知名度を高めるなどが考えられます。
SNSの強みは、拡散を期待できることです。話題性のある投稿は、ユーザー間で瞬く間に拡散されます。自社の製品やサービスの知名度を短期間で高めたいときに有効です。
フォローしているユーザーの口コミが、購買行動に影響を与えやすい点も魅力です。SNS上で良い口コミが広がれば、販路拡大につながる可能性があります。大きな可能性を秘めた販路拡大の方法ですが、注意点がないわけではありません。SNSによりユーザー数、利用者層は異なります。
Twitterは10~30代、Facebookは20~40代、Instagramは10~30代の利用率が高くなっています。したがって自社の製品やサービスとマッチしているSNSを活用しなければなりません。
また基本的には、年代が高くなると利用率は低くなるため、若い世代に適した販路拡大の方法といえます。ターゲットなどを明確にしたうえで、SNSを活用しましょう。
メルマガやステップメールを使った発信
メルマガやステップメールを使ったメールマーケティングも効果的なオンラインの販売拡大方法です。メルマガは企業などが購読希望者に一斉にメールを配信する手法、ステップメールは資料請求や会員登録などを行った顧客に、用意しておいたメールを段階的に配信する手法を指します。
メールマーケティングのメリットは、大きな手間とコストをかけずに自社の商品やサービスに関連する情報を発信できることです。広告費はもちろん、印刷代や切手代もかかりません。
属性ごとに顧客をグループ分けして、それぞれのグループに別々の情報を発信できる点も魅力です。しっかりと準備をすれば、効果的な販路拡大の方法になりえます。
注意したいデメリットは、販路拡大のため顧客リストが必要になることです。メールの配信に大きな手間とコストはかかりませんが、顧客リストの作成には大きな手間とコストがかかる恐れがあります。
配信したメールが必ず開封されるわけではない点にも注意が必要です。タイトルを工夫することなどで、開封率は高められます。開封率を把握して、試行錯誤を繰り返すとよいでしょう。
外部ECサイトやビジネスマッチングサービスを活用
外部ECサイト、ビジネスマッチングサービスを活用して販路を拡大することもできます。ここでいう外部ECサイトはモール型ECサイト、ビジネスマッチングサービスは売りたい企業と買いたい企業をマッチングさせるサービスを指します。
外部ECサイトなどのメリットは、自社で積極的に集客を行う必要がないことです。基本的には各サービスが集客をしてくれるので、販路拡大の手間と時間を削減できます。各サービスが用意している問い合わせフォームなどのツールを利用できる点も魅力です。
ただし、多くのサービスで利用料がかかります。販路拡大にコストをかけたくないなどの希望がある場合は、適していないといえるでしょう。
ポジショニングメディアの活用
ポジショニングメディア事例 詳細はお問い合わせください
ポジショニングメディアの活用も、有効な販路拡大の方法といえます。ポジショニングメディアは、ターゲット市場に自社の強みや自社と他社との違いを浸透させるWebサイトです。一般的なコーポレートサイトなどとは目的が異なります。
ポジショニングメディアの強みは、自社が提供できる価値などをもとにテーマを絞り込むため、自社の製品やサービスと親和性の高いユーザーを集客できることです。
アクセスが成約などにつながりやすい傾向があります。自社と他社との違いをはっきりと打ち出すことにより、市場内で独自のポジションを確立できる点も魅力です。比較検討を行っているユーザーを強力に後押しできるメディアといえるでしょう。
ポジショニングメディアについては、下記ページでさらに詳しく解説しています。興味のあるご担当者様は、こちらをご覧ください。
行政や他社サービスを使った販路拡大も検討すべき
販路拡大には、補助金や他社サービスも活用できます。具体的にどのようなものを活用できるのでしょうか。
助成金の検討や行政サービスを活用
自治体などの中には、企業の販路拡大を支援する助成金や補助金を実施しているところがあります。代表的な補助金として挙げられるのが、中小機構が運営主体となっている「小規模事業者持続化補助金(一般型)」です。
小規模事業者が、地域の商工会などから助言を受けて作成した経営計画に沿って販路を拡大する場合、50万円を上限として販路拡大にかかる費用の3分の2を補助してくれます(認定市区町村による特定創業支援等事業の支援を受けている場合は上限100万円)。
「小規模事業者持続化補助金(一般型)」以外にも販路拡大を支援してくれる助成金や補助金はあるので、利用できるものを積極的に活用するとよいでしょう。
コンサルティングサービスを使ってプロの目から販路を見出す
計画通りに販路を拡大できない場合は、経営コンサルタントに相談すると問題点や解決策を発見できることがあります。経営コンサルタントの多くは、販路拡大以外の相談にも応じてくれます。
例えば販路拡大後のマーケティング戦略について相談することなどが可能です。自社だけで販路を拡大できないときは、プロの力を借りるとよいでしょう。
販路拡大する際には海外マーケットにも注目
販路拡大を計画している企業は、海外市場にも注目する必要があります。少子高齢化と少子高齢化に伴う人口減少の影響で、国内市場は一部の業界を除き縮小すると予想されているからです。
市場が縮小すると、販路は拡大しづらくなります。海外に目を向けると、日本とは対照的に市場が拡大している国がたくさんあります。
言語の違い、商習慣の違い、ビジネスインフラの不足など、さまざまな障害を乗り越えなければなりませんが、海外で販路を拡大できれば大きなリターンを期待できます。海外マーケットも視野に入れつつ販路を拡大するべきといえるでしょう。
販路拡大を図るときに活用したいオンラインとオフラインの方法を解説まとめ
販路拡大には拡大したい販路を定義するだけでなく、最適な販路拡大施策が伴わなければなりません。
Zenkenでは集客や販路の拡大、ターゲットユーザーへのブランド浸透といった様々な用途をはじめ120業種以上のクライアント様へWebマーケティング支援を行ってまいりました。
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