採用に関するサービスといえば、採用コンサルティングを思い浮かべる人もいるかもしれません。しかし採用コンサルティングは自社主体で採用活動を進める必要があり、マンパワーの足りないベンチャー企業にはハードルが高いです。
業務のすべてまたは一部を外部に依頼する採用代行サービス(RPO:Recruitment Process Outsourcingの略称)を導入すれば、採用にかかる自社の手間暇を削減することができます。
この記事では、各社が提供する採用代行サービスの特徴や機能、料金プランについて紹介します。また、導入することのメリットや選定ポイントについても解説しています。サービス導入を検討する際の参考にしてください。
ベンチャー向け採用代行サービスの一覧表
ここでは、各社が提供する採用代行サービスを一覧で紹介しています。サービスは自社に合ったものでなければ高い効果が得られないため、サービスごとに異なる機能性や料金プランを比較して、自社にぴったりのシステムを見つけることが大事です。
会社名 | サービスの特徴 |
---|---|
イノベル |
経営陣と共に伴走!採用ブランディングが社内ノウハウ化するまで支援
|
採善策 |
10年以上の経験!100種類以上の求人媒体を取り扱う広告代理店
|
TARGET |
専属採用チームを編成!伴走型サポートで採用成功を導く
|
HR BUILD |
この会社の選考を受けて良かった!最高の選考体験を提供
|
i-recruiting |
リピート率96%!返金保証付き採用代行サービス
|
エアリク |
採用特化型SNS運用代行で1,900名以上の応募を実現
|
DYM |
Z世代への効果的アプローチ!採用特化型TikTok運用
|
まるごと人事 |
月額制で採用業務をまるっと代行! |
即戦力PRO |
10万件以上のデータと検証に基づいた採用支援 |
ネオキャリア |
10,000社超の実績!多様な採用課題に応える総合力 |
キャリアマート |
月額1万円から始められる柔軟な採用代行 |
アイティ人事 |
IT 企業に専門特化した採用プロ集団が担当 |
トライアンフ |
蓄積された幅広い業務を代行する経験とノウハウを活用 |
パーソルテンプスタッフ |
オフサイトセンターを活用したオン・オフ並行稼働も可能 |
アールナイン |
600社以上の採用代行実績 |
マンパワーグループ |
大量の応募者にも対応可能な設備と人員体制 |
ベンチャーで採用代行が注目を集めている理由
ベンチャーで採用代行が注目を集めている理由としては、企業の採用担当が抱える業務は増加の一途を辿っており、転職・キャリア採用が一般化したという背景があります。
ひとつの企業で対応すべき応募者数が増えたことや、WebやSNS型メディアの普及によって、採用手法の多様化・複雑化が進みました。採用トレンドやノウハウの把握が必要になったことが理由として挙げられます。
特にベンチャー企業が注目する理由には、採用活動に多くのマンパワーが必要になったことも考えられます。
採用チャネルの多様化や就職活動期間の早期化・長期化の影響でより多くのマンパワーが求められるようになりましたが、ベンチャー企業には採用にそこまでリソースを割けないという事情があります。
近年はマンパワーを充足させなければ、新卒からの応募を十分に集められない状況にもなっています。したがって採用活動に関わる担当者の負担を軽減するために、採用代行の導入を検討する企業が増えてきています。
また採用業務の効率化だけではなく、優秀な人材確保に向けて、自社の採用力を向上させたいと考える企業にも注目されています。
では、採用代行サービスで実際にどのような採用業務を委託することができるのでしょうか?おおよそ下記があります。
- 母集団形成(集客)
- 候補者対応
- 選考
- 内定
- 採用計画
母集団形成(集客)
「募集計画の立案」から、「実際の集客に活用する求人サイトやダイレクトソーシングサービスの選定」、「求人広告・求人票・スカウトメールの作成」、「インターンシップや企業説明会」、「各種採用イベントの企画・運営」、「リクルーターの選抜」など、人材募集に関わる様々な業務を委託できます。
多くの採用代行サービスは、採用チャネル選定に関するノウハウ、求職者の動向、採用市場のトレンドを把握しているため、採用代行サービス業者に対して自社のニーズを正確に伝えることで集客力の向上が期待できます。
候補者対応
「応募書類の回収や管理」、「候補者からの問い合わせ対応」、「候補者データの管理」、「面接日程の調整」、「応募・選考に関わる各種連絡業務」など、候補者対応に関する様々な事務作業を委託可能です。
これらの事務的で煩雑な業務をアウトソーシングすることで、自社の人事部門のリソースを企画や選考といった採用におけるコア業務に集中させやすくなります。
選考
「書類選考や筆記試験」、「Webテストの実施・運営」、「面接会場の設定」、「面接当日の受付・案内」、「各選考段階における成績管管理、合否連絡」など、選考における周辺業務の委託が一般的です。
しかし大規模な採用活動を行う企業では、採用のコア業務とされている面接や合否決定も採用代行サービスに委託することも珍しくありません。
書類選考と一次面接のスクリーニングのみを採用代行サービスに委託し、重要な最終面接・最終選考については社内の役員と人事部門が担当するなど、選考のフェーズによって役割分担を行うケースも多く見受けられます。
内定
「内定者への連絡業務」、「内定辞退者へのヒアリングや個別面談」、「研修や懇談会、説明会といった内定者向けのイベント企画・運営」など、内定者とのコミュニケーションにおける様々な業務を委託することもできます。
ただし、新卒採用における内定者管理は非常に重要な業務となるため、新卒採用に関する豊富な実績・ノウハウを持った採用代行サービスを選定する必要がある。
採用計画
「現状の人材採用や人材活用に関する課題抽出」、「各種採用施策に関する費用対効果の分析」、「採用管理システム(ATS)の選定・導入支援」、「転職エージェントや求人メディア運営会社のコントロール」、「SNSやオウンドメディアを中心とした採用広報施策の企画立案」、「社員定着率向上施策の企画立案」、「面接官・採用担当者・リクルーターの選定とトレーニング」など、人事・採用コンサルティングと呼ばれる領域に近い業務を委託することもできます。
単純な事務的業務の代行ではないため、すべての採用代行サービスが対応できるわけではありません。
また、これらの業務を委託する場合は、会社の経営や事業の根幹に関わる情報を共有しなければならないため、信頼のおける採用代行サービスに対して段階的に委託していくことが望ましいです。
ベンチャーが採用代行を導入するメリット
ベンチャーが採用代行を導入するメリットとしては、下記が挙げられます。
- 採用開始までのスピードが早い
- 安定した稼働が見込める
- 業務におけるコストが削減できる
- コア業務に集中できる
- 質の高い採用を期待できる
採用開始までのスピードが早い
採用代行を活用することで、スピーディーな採用活動の開始が見込めます。
採用活動は時間との勝負になり、必要なポジションにいかに早く、また優秀な人材を集められるかが事業や組織の成長スピードに影響します。
特に採用担当が不在の場合は自社で採用計画を立て、採用部門を立ち上げる必要があるため、採用代行の利用がおすすめです。
安定した稼働が見込める
自社の採用担当が急な欠勤や退職となった場合には、採用業務が止まってしまうことも考えられます。
特に採用担当が急に退職をした場合に、ノウハウが自社に残らず苦戦しているケースも見受けられます。
そのような場合でも採用代行であれば、欠勤や退職などの自社の状況に左右されず安定した稼働を見込むことができます。安定的な運用体制こそ、採用成功のベースです。
業務におけるコストが削減できる
採用へのノウハウがなく、慣れない採用業務は想定以上に時間がかかってしまいますが、採用代行に業務を委託することで採用担当が抱える業務の軽減が図れます。
また、募集をかけて待つのではなく、求職者に直接アプローチをするダイレクトリクルーティングを採用代行サービスに委託するのもいい手です。効果的に運用することで、採用単価の削減や、適切な媒体選定によるムダな運用コストの削減につながります。
コア業務に集中できる
採用業務は多岐にわたり、特にベンチャー企業では全てをこなそうとすると手が回らず、大事な面接などに集中できない懸念があります。
そこで採用代行に求人票の更新や候補者とのスケジュール調整などのノンコア業務を任せることで、自社の採用担当は面接や選考、採用企画などのコア業務への集中が可能です。コア業務に注力することで、採用成功の可能性が高まり、自社の採用力強化につながります。
質の高い採用を期待できる
採用代行の担当者は、さまざまな業界や職種での採用業務を行っているため、豊富な知見があり、最新の採用トレンドも熟知しています。
知見を持っているからこそ、自社だけで採用活動を行うより、質の高い採用を期待できるのです。
ベンチャーが採用代行を導入するデメリット
ベンチャーが採用代行を導入するデメリットとしては、下記があります。
- 委託費用がかかる
- 委託先とのコミュニケーションが必要
- 自社に採用ノウハウが蓄積されにくい
委託費用がかかる
導入にあたっては初期費用や委託費用がかかります。自社の採用課題を的確に把握し、上記のメリットと併せて費用対効果を考えることが重要です。
委託先とのコミュニケーションが必要
導入にあたっては初期費用や委託費用がかかります。自社の採用課題を的確に把握し、メリットと併せて費用対効果を考えることが大切です。
採用成功に向けては、委託先の担当者と綿密なコミュニケーションが必要です。
採用活動を任せきりにしてしまうと自社と委託先との間で認識のズレが生じ、求める人材を採用できないケースもあり得ます。
そのため、委託先の担当者とはこまめに連携を取り、自社の状況共有や、要望の伝達を行うなど、認識のズレを生まない工夫が重要です。
自社に採用ノウハウが蓄積されにくい
採用業務を委託するため、自社での採用ノウハウは蓄積されづらくなります。
将来的に採用業務の内製化を検討している場合は、委託先の担当者とともに採用活動を行い、積極的なノウハウや知見の吸収をすることをおすすめします。
自社の採用担当と委託先との間で業務の引き継ぎが発生する場合は、引き継ぎ方法を事前に確認しておきましょう。
ベンチャーが採用代行サービスを導入する際によくある質問
Q1.採用代行サービスにどのような業務を委託できるのか?
一般的には、募集計画の立案から、実際の集客に活用する求人サイトやダイレクトソーシングサービスの選定、求人広告・求人票・スカウトメールの作成、インターンシップや企業説明会、各種採用イベントの企画・運営などの採用計画に関する業務を委託することができます。
ただし、委託できる業務内容は各採用代行サービス業者によりまちまちですので、自社のニーズに合った採用代行サービスを選ぶことがポイントです。
Q2.採用業務をすべて委託しても大丈夫か?
採用代行の担当者はさまざまな業界や職種での採用業務を行っているため、豊富な知見があり最新の採用トレンドも熟知しています。自社で行うよりもずっとうまく採用業務をこなすことが多いです。ただし、そうした採用業務が自社のニーズとずれていると、二度手間や自社の求めていない人材の採用などといったトラブルの発生もありえます。
やはり採用業務を丸投げにするのではなく、採用代行の担当者とこまめに連携を取り、自社の状況共有や、要望の伝達を行うなど、認識のズレを生まないようにするのがポイントです。
採用代行サービスの導入を考えている方は、本ページに掲載している「ベンチャー向け採用代行サービスがひと目で分かる比較表」をご覧ください。
ベンチャー向け採用代行サービスまとめ
採用代行とは、採用にかかる業務のすべてまたは一部を請け負うサービスです。
採用開始までのスピードが早い、安定した稼働が見込める、業務におけるコストが削減できる、コア業務に集中できる、質の高い採用を期待できるなど、ベンチャー企業にとってはメリットが大きいといえます。
ただし、委託費用がかかる、委託先とのコミュニケーションが必要、自社に採用ノウハウが蓄積されにくいなどの注意点もあります。
自社が委託したい業務はなにか、委託したい業務に対応できる採用代行サービスか、採用代行担当者と円滑なコミュニケーションができるかといったポイントを踏まえた上で、ベンチャー向け採用代行サービスを利用してみましょう。
- 免責事項
- 本記事は、2023年9月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。