採用サイトのつくり方ガイド!制作のポイント解説
最終更新日:2024年05月29日
「少しでも自社にマッチした人材と出会いたい」「数よりも応募者の質をあげたい」採用活動をすすめる上で、多くの人事・採用担当者がそう考えていますよね。
自社に最適な人材を集めるために有効なのが採用サイト。すでに多くの企業が取り入れている採用戦略のひとつです。
ここでは、採用サイトの持つ役割やメリットなどの基礎知識をまとめながら、応募者が集まりやすい制作のポイントをお伝えします。
これから採用サイトを制作する方もリニューアルを検討している方も、作成の流れとコツを知って魅力的なサイトづくりを目指していきましょう。
採用サイトの必要性
少子高齢化により、企業の慢性的な人手不足はなかなか解消されず、応募者数を集めるのも厳しい時代。今や求職者が企業をじっくり選べる「売り手市場」状態です。
ただでさえ応募が少ない中、自社にマッチする人材にアプローチできていなければ、求める人物像と出会ってうまく採用につなげるという目標は、日に日に遠のいていきます。
そこで役立つのが採用サイトです。
エントリー数ではなくエントリーする人の「質」を高めるために、仕事や会社に対するイメージを、ユーザーに対してより分かりやすく示します。
採用サイトは自社に対する理解を深め、興味や期待を抱いた応募者の直接的なエントリーにつながります。よって、社風や考え方がマッチした「求める人物像」と出会える確率が高くなる方法のひとつです。
「知りたい」ニーズを満たす
ほとんどの応募者は、興味を持った企業をさらに深く知るために、就職サイトなどの求人情報だけでなく企業のホームページなどを訪問して詳しい情報を入手しています。わからないことがあったらすぐに「ググる」という時代背景も意識すべきです。
会社について検索されたとき、採用サイトがあるのと無いのでは、そこで受け取られるイメージにずいぶんと差がついてしまいます。採用サイトを持っている会社であれば「採用に力を入れている」と認識されるため、採用サイトを持っていない企業よりも応募が集まりやすくなるのです。
他コンテンツとの相性が良い
多くの採用サイトは、画像や文章だけでなく動画やSNSとの連携など、さまざまなバリエーションのコンテンツで構成されています。
SNSではユーザーとコミュニケーションを図りながら会社の魅力を伝えることができ、親近感が生まれて応募につながります。
文章だけでは伝わりにくい魅力を、分かりやすく動画で伝えるのも有効でしょう。
さらに、SNSや動画は拡散されやすく、チャネルを拡げる役割も持っています。
コンテンツの一部がシェアされることで、より多くのターゲットが採用サイトや企業サイトを訪れる機会が自然と増えていきます。
採用サイトの制作で得られるメリット
SNSや動画などとの相性が良く、ユーザーニーズを満たすだけが採用サイトの魅力ではありません。
採用する企業側の視点から見ても、採用活動を効率化させるメリットがあります。
ターゲットに情報を届けやすい
採用に特化した情報を掲載できるのが採用サイトです。「採用ブランディング」という言葉があるように、採用サイトはその名のとおり、採用だけを目的に制作します。
企業サイトと採用サイトでは、想定するターゲットの時点で異なります。企業サイトのターゲットが顧客や取引先なのに対し、採用サイトは学生や求職者です。
企業のホームページだと、顧客や取引先、株主に対しては会社の魅力を伝えられても、「ここで働く魅力」までは伝わりきれません。応募者に対して「商品・サービス」ではなく「仕事内容や働く魅力」を伝える役割を持つのが採用サイトです。
採用に特化した情報を掲載することで、ターゲットに対し伝えたい情報を確実に届けやすくなります。
応募数の増加を狙える
今では、就職を考えている人の半数以上が応募前にまず企業サイトを閲覧すると言われています。
Webサイトの検索でたどり着くユーザーは、すでに自社を認知・認識している人です。なかにはすでに応募を検討しているかもしれません。
魅力的な採用サイトがあれば、ターゲットの目に留まったときに応募意欲を高められます。結果として、応募数の増加につながります。
ミスマッチを防止する
採用サイトを通して自社の魅力や働き方を存分に伝えることで、応募者と企業との間に理解不足が起こりにくくなり、ミスマッチの防止に役立ちます。
また、エントリーの時点で自社と親和性の高いユーザーである可能性が高く、大きなズレも生まれにくいでしょう。
応募者の離脱を防げる
「採用サイト」と聞くとエントリー前の応募者が訪れるイメージが大きいですが、実際は、選考過程にすすんだ応募者は、エントリー後も複数回にわたりサイトを訪問する傾向にあります。
これは、会社の理念や考え方に本当に共感できるか、社員の人柄や働くイメージが本当に自分にあっているかを確認するためで、エントリー後も採用サイトを通して企業とのマッチ度を推しはかっているということです。
採用サイトがあることで、応募者の離脱防止につながることが分かります。
採用コストの削減につながる
採用活動では、求人サイトや人材紹介サイトなどのさまざまなツールで集客を目指せますが、多くの媒体に掲載しようとすると相当の費用が発生しますし、掲載される期間には限りがあります。
採用サイトは、企業サイトと同じく初期費用の投資が必要です。コンテンツの充実度やページ数によって、相応の費用が発生するでしょう。
しかし、採用サイトは一度つくってしまえば期間を問わず情報を提供できるため、半永久的に効果が持続します。
一時的に費用を要したとしても、継続的に応募を獲得できればかなりの採用コスト削減につながります。
採用サイトをつくる際のポイント
ここでは、採用サイトを制作する際に必要な考え方、失敗を防ぐために注意すべきことをまとめました。
獲得したい人物像が定まっているか
まずは、どんな人材を迎え入れたいのか、自社の求める人物像を明確にすることからはじめましょう。
このとき、「優秀な人」「元気・やる気がある」「コミュニケーション力がある」など、求める像を抽象的にするのではなく「堂々と人前でプレゼンできる」「人の話を聞ける」など具体的に定義しておくことが大切です。
どんな人材が必要かを明確にしておくことで、採用サイトのコンセプトやコンテンツづくりの軸となっていきます。
求職者目線のコンテンツか
獲得したい人物像を設定できたら、採用サイトに掲載するコンテンツについて考えていきましょう。コンテンツとは、サイトに掲載される全体的な情報(文章・写真・動画・イラスト)のことです。
採用サイトでは、求職者の目線に立ったコンテンツを制作できるか、という点が最も大切です。求職者がサイトを通して知りたいことは何か、どんな情報に魅力を感じるかといったニーズを探ることが「求める人材」からの応募につながります。
シンプルで分かりやすいデザインか
採用サイトでは、サイト全体のデザイン設計も大切です。見た目のインパクトや「かっこ良さ」だけを重視して、複雑で分かりにくい設計にしてしまうと、せっかくサイトを訪問してくれた求職者が離脱してしまうおそれもあります。
どこにどんなコンテンツが配置されているかが分かりやすいよう、全体の構造をシンプルにしましょう。
詳しく伝えたいことは各ページに入ると細かな情報が載っているような、閲覧しやすいデザイン設計がおすすめです。
制作会社に任せっきりにしない
採用サイトを制作してくれる制作会社に依頼する場合にも、丸投げにするのは良くありません。いくらプロであっても、サイトのコンセプトやターゲットが明確でないと、自社の魅力を十分に伝えるサイトに仕上げるのは困難だからです。
第三者に丸投げして完成した採用サイトは、自社の求めるターゲットどころか、訪問してくれたユーザーすべてに魅力が伝わらず、応募にはつながらないと考えてください。
採用担当者と制作会社がコミュニケーションをとり、コンセプトやターゲット、表現したい要点をしっかりと伝えてから形にしてもらうことが大切です。
フェーズごとに制作物を確認し、ズレがあればその都度修正を依頼するなど、協力しながら仕上がりに持っていけるとベターです。
採用サイトのつくり方
採用サイトは、社内で制作すればプロの業者に依頼するよりもコストを削減できます。人手不足や社員の負担軽減にもつながるでしょう。
ここでは、採用サイトを社内で制作する場合とプロに依頼する場合とで、制作の流れやちがいを説明していきます。
採用サイト制作を自社でつくる場合
社内で採用サイトを制作するときは、以下のような流れですすめていきます。
- 求める人物「ペルソナ」の設定
- サイトの目的や役割を決める
- 情報を収集・整理する
- ワイヤーフレームの作成
- デザインの設定
- コンテンツの制作
- コーディング
- サイトを公開する
- 効果を検証・分析し改善につなげる
採用サイトを自社で制作するとき、はじめに行うのがターゲットやコンセプトの設定です。自社の求める人物をより細かく決めるために「ペルソナ設定」を行いましょう。
また、自社でサイトを制作する場合、プロに依頼するのとちがってサイトのワイヤーフレームやデザイン制作、コンテンツ制作、コーディング・公開などの工程も社内で行う必要があります。
サイトやコンテンツの制作部署がない、経験者がいない場合はプロに任せるか、経験者に協力してもらいましょう。
採用サイト制作をプロに依頼する場合
制作会社にサイト制作を依頼する場合の流れはこちらです。
- ヒアリング・取材
- 情報や素材の提供
- 制作開始
- 確認・修正
- サイト公開
- 運用・改善依頼
制作会社に制作を依頼する場合にも、すべての工程を任せるわけではありません。取材を受けたりコンテンツに使用する画像や情報を提供したりと、担当者と協力しながら制作をすすめていく必要があります。採用サイトのコンセプトや求める人材像、とくに伝えたいメッセージはしっかりと共有して、認識のずれが起きないように進めていくことが大切です。
また、コンテンツの制作のみを任せるか、運用までをお願いするか、契約内容によって社員がやるべきこともちがってきます。
公開までの制作依頼であれば、公開後にどんなコンテンツを追加していくのか、制作をはじめる段階から計画を立てて社内で備えておく必要があります。
採用サイト制作までのステップ
ペルソナを設定する
どんな人材を採用したいのかを洗い出します。求める人物像があいまいだと、いくら情報を発信しても採用サイトのコンセプトが定まらず、思うような人材からの応募につなげることができません。
サイトの目的や役割を決める
自社における採用サイトの目的や役割を決めましょう。単にエントリー数を増やしたいのか、他の求人媒体からの流入を目指すのか、企業説明会に来てほしいのか、採用サイトを通して何を目指すかを具体的にしていきます。採用サイトを訪れた人が、コンテンツを見た後にどのような心理状態になって欲しいかを考えながら定めるのがおすすめです。
情報収集と整理
質の高い採用サイトにするために、情報の収集や整理を行います。コンテンツをつくるにあたり、十分に情報が揃っているかを確認して、足りない部分があれば補いましょう。
これまでの求人情報や採用活動で使用していた情報を精査して、採用サイトでも紹介したい情報か、逆に更新すべき情報がないかをチェックして整理しておきます。
ワイヤーフレームの作成
ワイヤーフレームとは、Webサイトのレイアウトを決める設計図のようなものです。各コンテンツや項目をサイトのどの位置に配置するかを設定します。
例えば、社員や社長のインタビュー記事を読んだあとにエントリーフォームのリンクを設置するなど、ユーザーの訪問後の心理状態や検索行動を考えながら導線を設計していきます。
デザインを決める
シンプルで分かりやすく、コンテンツの内容を理解しやすいデザインを心がけましょう。
見た目やグラフィックにこだわるのも良いですが、あくまでユーザーから見たとき、サイトを訪れたときにどう映るかを考えながらデザインすることが大切です。
コンテンツを制作する
コンテンツ内容は、候補者の興味・関心度を高めたり応募数を増やしたりすることに直接的につながります。
企業の風土や文化の紹介のほか、今後の展望といった将来性を伝えるために、代表・社員のインタビューなどを使って魅力を紹介する方法もあります。また、職場の雰囲気や仕事内容が伝わりやすい動画コンテンツもおすすめです。
コーディング
コンテンツに使用する文章や画像、イラストなどが揃ったら、コーディングを行いサイトを実際に形にしていきます。
最近ではスマホやタブレットで情報を収集する人がほとんどなので、サイトの「レスポンシブ対応」は必須です。応募フォームのほか、電話で直接問い合わせができるボタンがあると、さらに応募効果を高めます。
公開
採用サイトのコーディングが完了したら、制作物を確認して公開作業に入ります。公開されたタイミングでInstagramやTwitterなどのSNSと連携できているとベターです。SNSによる拡散効果を目指して、積極的にアピールできるようにしておきましょう。
効果・検証を忘れずに
採用サイトの運用がはじまると同時に、分析のデータをとっておきましょう。流入数や滞在時間、離脱率などを分析して、今後の運用につなげていきます。
分析に便利なGoogleアナリティクスなどを活用するのがおすすめです。
成功する採用サイトをつくるコツ
採用サイトを成功させるために必要なコツやポイントをまとめました。サイトを公開する前に、かならずチェックしておきましょう。
必要事項の抜け漏れチェック
募集要項
いくら説得力のある文章や画像で訴求しても、ユーザーが知りたい肝心な項目が抜けていては、ユーザーの離脱を招いてしまいます。雇用形態や勤務条件、社会保障、休日・待遇などの基本要綱に情報抜けや誤りがないか、入念にチェックしましょう。
事業内容
ユーザーニーズに沿った情報をしっかりと示せているかは、サイトづくりにおいて重要です。
企業サイトと同じように、採用サイトでも「どんな事業をしているか」「社員にどんな仕事を任せているか」など事業や業務の内容を詳しく紹介しましょう。
ターゲット層に合ったサイトになっているか
代表メッセージやインタビュー
代表メッセージや社員インタビューは、会社のビジョンや事業性に共感した応募者を集めるために有効です。社員の1日の仕事の流れを紹介する、職場の雰囲気を紹介するなど、工夫次第で分かりやすく伝えるコンテンツはさまざまあります。
「何を用意すれば良いか分からない」という方は、他企業の採用サイトをいくつも訪れて、研究してみるのもおすすめです。
入社するとどう成長できるか
入社するとどんなことができるようになり、その先にどんなキャリアが待っているかといった、将来を描けている採用サイトは秀逸と言えます。「ここで働いてこんな風に成長したい」と思った求職者からの応募にもつながるため、求める人材とマッチする確率も高くなるでしょう。
採用サイトの事例
採用サイトは、求職者に「ここで働きたい」といかに思わせられるかがポイントです。
企業の社風を直観的に感じ取れるデザイン性や「グッとくる」キャッチコピーが秀逸な採用サイトを集めました。
HONDA
引用元:本田技研工業株式会社(http://www.honda-recruit.jp/)
求める人物像をキャッチコピーで表現
サイトを訪れるとさまざまな画像がスライドショー形式で流れ、ホンダが手掛ける事業や職場の雰囲気などを瞬時につかめるようになっています。
キャッチコピーとなっている「どうなるかじゃない、どうするかだ」という強いメッセージは、ホンダが求職者に求める「仕事に対する姿勢」をあらわしていることが分かります。
サイボウズ
引用元:サイボウズ(https://cybozu.co.jp/company/job/recruitment/)
社員の団結をひと目で感じさせるデザイン
「チームワークあふれる社会を創る」というメインキャッチの背景画像には、多様な働き方を楽しんでいる社員や社内の様子が次々と映し出されています。その下には社長のメッセージコンテンツを配置。デザイン全体を通して、さまざまなチームのもとに会社が成り立っている様子が表現されています。
三菱地所レジデンス
引用元:三菱地所レジデンス(https://www.mec-r.com/recruting_board/)
瞬時に伝わる企業理念
社員の真剣なまなざしとキャッチコピーがマッチしつつ、企業の堅実なイメージが伝わる採用サイト。働くよろこびや「やりがい」を求める人材を募集したいという会社の意思も、ファーストビューでしっかりと感じられます。
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