採用計画の立て方・作り方のポイントは?立案のステップをチェック

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採用計画の立て方とポイント

新卒・中途・契約とさまざまな採用について、事前に採用の目的や予算に合わせた「採用計画」を立てることが大切です。

採用計画は目的や目標の設定・選考時期と方法の考案・募集媒体の選択の3ステップに分けられます。それぞれのステップごとのポイントをみていきましょう。

採用の目的や目標、予算の設定

採用計画のはじめに、採用の目的と辿りつきたい目標(ゴール)を設定します。

  • 過去の採用活動を振り返り改善点を洗い出す
  • 採用にかける日程・スケジュールを決定する
  • 採用担当者・役員などの人材を手配する
  • 求める人物像や採用したい社員像を設定する
  • 部署や部門に応じた採用人数を決定する
  • 採用にかける予算の決定(過去の活動も参照)

はじめに過去に行われた採用活動を振り返ります。

スケジュールや予算の設定に問題はなかったか、イレギュラーな状況にどのように対処したか、スタッフの連携は取れていたかなどの項目から改善点を見出し、改めてスケジュールや予算を決定します。

採りたい人材のイメージの具現化と採用人数の決定、採用担当者・役員へのオファーも忘れずに行ってください。

面接の段階が分かれている職場では、採用担当者以外に上層部との連携も重要になります。スケジュールが確定次第、早めにコンタクトを取り連携を行いましょう。

予算については、あらかじめ設けた上限を超えそうな場合はコストダウンができないかを考えます。

自社サイト以外にもオフラインのセミナーや説明会、オンラインセミナー、SNSの活用に至るまで採用活動のための媒体をすべてピックアップして検討してください。

選考の時期と方法を考案

選考スケジュールが決まったら、具体的な選考時期も決定しましょう。

選考は採用計画の後半部分にあたり非常に重要な局面です。応募が予想より少ない場合と多い場合の2通りについて考え、計画が最後までスムーズに進むように対応の流れも押さえてください。

優秀かつ自社に見合う人材を採用するためには、選考方法についても明確な基準がなくてはなりません。

自社に必要な人材を具体的にイメージし、最低限備えていなければならないスキルをピックアップし評価項目とします。

求職者の人間性(性格)・熱意・表現力・チャレンジ精神・コミュニケーション能力・協調性・向学心などは最低限チェックしておきたい項目。職場環境によってはストレス耐性や即戦力としてのスキルも評価項目に入ります。

評価項目を判断する際には、求職者への「適切な質問」も用意しなければなりません。

考えに一貫性があるか(その場かぎりの応答をしていないか)をチェックするためにも、質問は相手のパーソナリティに訴えかけるものを用意する必要があります。

評価項目は曖昧にならず、採用のハードルが高すぎないように設定します。採用担当者・面接官・役員の間で採用したい人材像のコンセンサスを取っておくことも、ミスマッチの予防に役立ちます。

募集媒体の選択

採用計画においては、募集媒体の選択も重要な項目となります。

自社サイト内に採用ページを用意するのか、オウンドメディアとして別に採用サイトを作るのか、募集をかける求人サイトの数や期間についても細かく検討してください。

また求職者のライフスタイルや仕事に対する考え方が多様化しているため、求職者に合わせて募集媒体を決める方法が有効です。

「新卒の求職者(未経験者可)」を求めるなら、新卒者が多く利用する大手の求人サイトの利用を第一に検討しますが、新卒者が多く利用するSNSで直接声を聞いてやり取りを行う方法も検討できます。

求職者の持つコミュニケーション能力を重視するなら、SNS上で直接やり取りを行ったり、オンライン・オフライン問わずセミナーや説明会を開いて見極めることもできます。

もっとも大切なのは自社が求めている求職者の目に留まるかどうかですから、求職者の層に合わせて媒体を選択していきましょう。

採用計画立案に活用できるフレームワーク

採用計画立案に活用できるフレームワーク
採用計画を立てる前に、まず市場と求職者の状況、自社・他社の採用状況をしっかりと分析するようにしましょう。

ここでは市場から求職者まで細かな分析に役立つフレームワークとして、「3C分析」「SWOT分析」「4C分析」を紹介します。

順序としては、3C分析やPEST分析で情報をまとめたあとにSWOT分析で具体的な事実情報を解釈し、採用計画の最終的な目標を設定します。

3C分析

労働市場の調査分析

3C分析のひとつである「市場(Customer)」は、採用計画を立てる場合「労働市場」と置き換えて考えられます。

労働市場の規模や現況、求職者の年齢層や割合を踏まえて、自社が労働市場のどこに焦点を当てれば良いのかを考えていきます。

分析のポイントとしては、市場の中で求職者がどのような立ち位置であり、どこを目指しているのかを考慮し、そこに合わせて自社の課題と競合他社の動向も含めていくようにしましょう。

自社の採用課題を分析

次に「Company(自社)」について分析を加えていきます。

自社の立ち位置を把握しながら、求職者にアピールできる強みをチェックしアプローチに繋げます。

他社にない社内風土や時代背景に即した福利厚生など、競合が真似できない部分はそのまま強みとして良いでしょう。

一方で他社より劣っている弱みについても分析を加えます。

その弱みこそが採用市場において自社が選ばれない理由である可能性もあるため、競合優位性を明らかにするためにもしっかりと分析を行ってください。

競合他社の採用状況を調査分析

最後に「Competitor(競合他社)」の分析を行います。

すでに採用市場において自社と他社の立ち位置がわかっている場合、競合はどの点で自社よりも優位であるのか、どのような部分を売りにしているのかについて掘り下げていきましょう。

求職者の目線で自社と競合他社を比較し、競合他社がどのような戦略をとって人材を集めているかも事前に分析しているか(どのようにして成功してきたか)も確認してください。

SWOT分析

自社採用活動の強み

SWOT分析のトップバッターである「強み(Strength)」には、自社の経営資源・技術・事業の規模・待遇・求職者から見て好ましいと思える部分・人材・ノウハウなどが挙げられます。

強みを徹底的に分析すると他社との相違や優位性に気づきやすく、求職者にアピールする媒体も検討しやすくなります。

魅力的な人材が揃っている環境ではSNSや動画でのコンテンツとして発信できますし、直接社員の顔が見える説明会やオンライン上でのイベントの企画が検討できます。

自社採用活動の弱み

強みのあとは必ず「弱み(Weakness)」もチェックし、他社に見劣りする部分を確認しましょう。

競合他社に比べて少しでも劣っているところは弱みであり、特に求職者の目線で考えてどこが弱みであるかを考えることが大切です。

目標達成を阻むものも弱みとしてカウントできますが、採用活動における弱みの原因(企業内の問題か外部に原因があるものか)を区別し、対処ができるものと難しいものに分けて考えてみましょう。

今後の採用機会

強み・弱みを分析したあとは「機会(Opportunity)」として、自社の採用活動にとって追い風になる要因をチェックします。

たとえばSNSでの発信にノウハウを持っている企業にとって、SNSの普及は追い風になります。

反対にオフラインでのセミナーやイベントに強みを持っている企業は、オンライン発信への転換が課題となるでしょう。

採用に対する脅威

最後の「脅威(Threat)」は採用に関して脅威となるポイントのこと。自社の企業努力では防げないさまざまな採用リスクを洗い出す方法です。

  • 市場の状況が前年度よりも悪化している
  • (業界内または全体で)求職者が減っている
  • 競合他社が増えてきている
  • 自社よりも圧倒的に優位な競合他社がいる

このように採用活動が円滑にいかない理由はすべて脅威として考えられます。

4C分析

応募者にとっての価値

4C分析はマーケティングの手法として知られていますが、採用計画を詰める段階にも活かせるフレームワークです。

「顧客にとっての価値(Customer Value)」は「求職者にとっての自社の価値」に置き換えて考え、求職者から見て「会社に入った場合に得られるメリット」を指します。

自己実現のしやすさやワークライフバランスのとりやすさ、開放的な社内風土や高待遇などの魅力を抽出しましょう。

採用活動にかかる費用

「Customer Cost(顧客の負担)」は求職者からみると「入社後の負担やリスク」となります。

これは入社後に労働力を割いたにも関わらず給与が上がらない可能性や市場価値が身につかない不安感、その他ブラック企業への懸念が挙げられます。

決して費用だけの問題ではなく、求職者の視点に立った場合「労力」や「精神的な負担」もCostに含まれるということです。

一方企業側の視点で見ると「採用活動にかかる負担」となります。

採用活動にどれほどのコストがかかるのか、またコストを減らす手段はないのかが焦点となり、予算を超えないように計画を立てる必要があります。

募集採用のしやすさ

「Convenience(顧客にとっての入手容易性)」は、求職者を主語にすると「応募のしやすさ」となりますが、主語を企業に置き換えると「募集採用のしやすさ」になります。

募集・採用のかけやすさは人材を集める意味で重要ですが、求職者側から見て自社がどう映っているかを把握することも採用活動には重要ですから、双方の視点で考えてバランスを取るようにしましょう。

採用活動上のコミュニケーション

最後の「Communication(コミュニケーション)」は、求職者・企業の双方に共通するポイントで、採用前に両者が取るコミュニケーションを指します。

応募前の求職者とどの程度コミュニケーションを取るか、どの媒体で採用ターゲットに近づけるかを考慮し、求職者からの応募があった後はどれだけ個人に対してメッセージが伝えられるかも重視しましょう。

他社との差別化のために採用計画に取り入れたい手法

他社との差別化のために採用計画に取り入れたい手法
いくつかの優れたフレームワークを使い採用計画を立てたあとは、いよいよ実施段階に入ります。

ここでは求人サイトのような他社の採用媒体だけではなく、「オウンドメディア(採用オウンド)」の活用もおすすめです。

オウンドメディアリクルーティングの必要性

自社で所有するWebサイトをオウンドメディアと呼びますが、オウンドメディアには求職者が求める情報に加えて、自社の強みや特徴をアピールできます。

売り手市場となり採用の難易度が以前にもまして高まっていることを踏まえても、優秀な人材に「この職場で働いてみたい」と思わせるためには、上辺だけの情報ではアプローチができません。

オウンドメディアには求職者を「個」として尊重しながら必要な情報をすべて発信する役割や、自社を魅力的に見せる効果があります。

新型コロナウイルスの影響によって対面でのリクルーティングが難しくなり、また売り手市場で求職者が多くの企業を取捨選択できるようになった現代では、オウンドメディアリクルーティングの需要が高まっているのです。

オウンドメディアリクルーティングによる求人募集と採用選考

オウンドメディアリクルーティングでは、自社の特徴や事業内容を紹介したあとで採用サイトに誘導することができます。

オウンドメディアというWebサイトで共感や興味関心を呼び起こせば、そのまま応募に進んでもらいやすくスムーズな流れが期待できます。

優秀な人材は他社との違いや差別化を望んでいますから、オウンドメディアで大第的にPRを行った後は求人募集へ進めるようにサイトを構成しましょう。

オウンドメディア内で採用についての情報も提供するとより親切です。選考に関する情報や先輩のメッセージ・アドバイスがあると、求職者が安心して応募に臨みやすくなります。

フレームワークを活用して計画を策定する

フレームワークを活用して計画を策定する
採用マーケティングでは、同じ業界に存在する多くの企業が互いに競い合って差別化を図ります。

そのため自社と他社の分析や目標設定が曖昧であると採用活動の難易度はより高くなり、思うように人材が集まらない可能性も。

記事内で紹介した「3C分析」「4C分析」「SWOT分析」はいずれも採用計画を突き詰めて自社に特化させるためのフレームワークなので、ぜひマーケティングだけではなく採用活動にも取り入れてみてください。

また採用マーケティングにおいては、採用計画以外にも「求人施策」や「内定・入社後のフォローアップ体制」について考えなくてはなりません。

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