【中小企業の採用戦略】求職者に選ばれるポイント

【中小企業の採用戦略】求職者に選ばれるポイント
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就職先を選ぶ際、求職者や学生などは知名度や規模で選ぶことが多く、「中小企業は大企業に比べて不利になってしまう」
「自社が求める優秀な人材の応募が少ない…」
このようなお悩みを抱えている中小企業も多いのではないでしょうか。

しかし、大企業や有名企業と比較して知名度や規模で引けを取ったとしても欲しい人材を獲得する方法があります。それが、これからご紹介する採用戦略です。
この記事では、採用における戦略の重要度や、中小企業が採用において知っておきたい課題、さらには中小企業におすすめの採用戦略の考え方をご紹介します。

中小企業が採用戦略を考えるべき理由

では、ここからは中小企業が採用戦略を考えるべき4つの理由を紐解いていきましょう。

中小企業の採用市場の厳しさ

1つ目に、中小企業が置かれている採用市場の厳しさが背景にあります。

リクルートワークス研究所が行った第37回 ワークス大卒求人倍率調査(2022年卒)によると、ここ10年の従業員5,000人以上が在籍する企業の求人倍率は1倍以下。一方、従業員数300人未満の規模の企業はというと、常に3倍以上であり、2019年3月卒では9.91倍、2020年3月卒は8.62倍と厳しい市場動向が分かります。2021年3月卒では3.4倍と一旦下がったものの2022年3月卒になると5.28倍と、さらに学生採用が難しい状況に陥っています。

新型コロナウイルスの感染拡大があったものの、飲食業や運輸業を除き、従業員5,000人以上が在籍する企業の75.2%が、採用数は減らしていないと回答。300人未満の企業においても70.1%が採用数を減らしておらず、逆に雇用回復の兆しが見えていることも影響しているのでしょう。

参照元:「第38回 ワークス大卒求人倍率調査(2022年卒)|リクルートワークス研究所」

知名度の低さ

2つ目の理由は、大企業と比較して知名度が低いことです。

そのため、メディアなどでの露出度が低く、求人を出していても名前に見覚えがないことから、求職者は名前を知っている大企業などに流れてしまいがちです。

待遇や安定性の低さ

3つ目の理由は、給与など待遇面が大企業より劣るという点でしょう。

また、企業規模が小さいため安定性に欠けるのが中小企業のネックになりがち。「経営状況が給与やボーナスなどに響くのでは」と考えられてしまうことも要因の一つです。そうなると、自分のキャリアビジョンが描きにくいと感じる求職者も増え、敬遠されやすくなります。

差別化がはかれていない

企業規模でみると、日本では中小企業が企業の9割を占めるといわれます。どの中小企業も、人手不足により求人数を増やしていることから、採用競争は激化。

その一方で、求職者や学生からみると、どれも似たような求人内容で差が分からず、結局のところ選んでもらえないということに陥っているのです。
そのため、大多数の中小企業のなかに埋もれてしまわないように、戦略的採用を練ることが欠かせないのです。

就活生の「企業の魅力と働き方」に関する意識調査アンケート【2021年卒版】から、就活生がどのような企業に魅力を感じるかの上位3位をみてみましょう。

1位 社内の雰囲気が良い 75.6%
2位 成長できる環境がある 50.3%
3位 給与、待遇が良い 48.5%

つまり、給与や待遇もしかりですが、社内の雰囲気や成長できる環境を大事にしたいという意向が強いのがわかります。学生や求職者が企業に求めている待遇を調査しながら採用戦略を練ることで、大企業に勝つだけでなく、中小企業のなかでも差別化を図ることは可能でしょう。

参照元:就活生の「企業の魅力と働き方」に関する意識調査アンケート【2021年卒版】

中小企業の採用における課題とは

では、採用戦略を考える前に、中小企業が抱える採用における4つの課題を整理しておきましょう。

他の求人に埋もれやすい

1つ目は、知名度のなさから、数百万あるといわれる他の企業の求人に埋もれてしまいやすい点でしょう。そのため、ターゲットとする学生に確実に出会うための戦略を練ることが欠かせません。

採用コストに限りがある

2つ目は、中小企業は採用コストに限りがある点です。

2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査によると、上場企業の採用費が1,783.9万円に対して、非上場企業は375.1万円と、大きな格差があることが分かります。

コストをかける点で大企業と競争するのは厳しいと言えます。限りあるコストを最大限に活用して、採用活動を進めることを意識する必要があるでしょう。

参照元:2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査

採用に十分な人材と時間が割けない

3つ目は、採用活動に採用に十分な人員と時間が割けないことです。

人手不足の中小企業では、通常の労務や経理などを兼任していることが多く、業務タスクの多さから、採用の問い合わせに対するレスポンスが遅れてしまう可能性があります。レスポンスの遅れにより、時間差で求職者を他社に取られてしまうことも少なくありません。

少なくとも採用活動時は、採用活動に集中できる環境を作ることも大切でしょう。

内定辞退が多い

4つ目の課題は、内定辞退が多いこと。

大企業などから採用をもらったことで辞退するケースと、それ以外の理由で辞退するケースが考えられます。6~8月頃であれば、大企業など他の企業とのバッティングの可能性大。それ以外の時期の場合、社内の内部事情に何か問題があることが多いものです。

内定後も含め、求職者とのコミュニケーションを密にすること、自社に入社する魅力や働きたいと感じさせるイメージを与えることが欠かせません。

中小企業の採用戦略

中小企業の採用に戦略が欠かせない理由や具体的な課題が分かったところで、戦略を考えていく上でのポイントをご紹介していきます。

自社の強みと弱みの洗い出し

採用戦略はある意味、自社の商品やサービスを販売するのと同じです。自社に魅力を感じてもらい、そこで働きたいと思えるようにプロデュースすることが欠かせません。

そのためには、自社の強み(魅力)と弱みの双方を丁寧に洗い出すことからはじめましょう。その際は、採用部署の人間だけで行うのではなく、実際に働いているスタッフの声もぜひ盛り込んでください。スタッフが魅力に感じていることのなかにこそ強みがあり、不満に感じていることが弱みといっても過言ではありません。

以下のようにそれぞれのポイントを絞って考えてみることをおすすめします。

  • 賞与を含めた給与面
  • 待遇面
  • 休み(有給、育休など)の取りやすさ
  • 社内の雰囲気
  • 年代や男女比
  • 社内教育の充実度
  • 仕事上の魅力
  • 事業の成長性
  • 業界からの注目度

強みとなる部分は、採用の際のキャッチコピーなどにも使えます。弱みにはどうしても目を向けたくないものですが、それを見直すことで自社の改善が促進され、魅力をより増やすことができるでしょう。

また、一般的に弱みに感じがちな点も見方を変えれば、強みになることもあります。たとえば、「給料は少なめだけれど、休みやすく子育てしながらも勤められる」と考えれば、子育て中の方には魅力を感じてもらえるでしょう。また、「平均年齢は高いが、アットホームで丁寧なサポートが強み」とあれば、勤続年数が長い人が多い企業だから安心して勤められそうと感じてもらえる可能性があります。

求める人材の人物像を明確化

採用後のミスマッチを防ぎ、早期離職を回避するためにも、どのような人材と一緒に働きたいかを明確にすることもかかせません。

ここでのポイントは、能力的な面と人間的な面の両側面から考えることです。

能力的な面では、最低限できてほしいことを明確にし、より○○に長けている人がいいといった具合に考えましょう。人間的な面では、工場などであれば協調性のあるタイプ、営業であれば物怖じしない積極性のあるタイプといった具合に、求める人材の性格面を考えてください。その際には、今いるスタッフとの相性も考える必要があるでしょう。

求職者のニーズを知る

ミスマッチをなくし、より自分に合った職場だと感じてもらうためには、求職者のニーズを知ることもかかせません。

自社が募集している職種を求める人が、その仕事をしたい理由や何を求めているのかといったことを、自社のスタッフなどにも聞いてみると糸口が見えてきやすいでしょう。

アプローチ方法や採用ツールの見直し

アプローチ方法を変えるのも1つの方法です。ハローワークなどに限定することなく、スマホ対応の求人サービスに登録することで、より多くの人に見てもらうことができるでしょう。

また、中小企業向け合同説明会に参加したり、自社の社員などから紹介を受けるリファラル採用、SNS採用に目を向けたりするなど、露出度を増やすことも大切です。

中小企業の採用戦略まとめ

中小企業だからといって、よい人材を得られないということはありません。自社が持っている強みを明確にし、求職者や学生のニーズに合うように打ち出していくことで、大企業に負けることなく欲しい人材に選ばれる採用活動が期待できるでしょう。

下記のページでは採用戦略を立て方をまとめています。もし採用戦略に煮詰まっている状況でしたらぜひご参考ください。

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