エンジニアの採用を成功させるペルソナ設計の方法
最終更新日:2021年09月28日
エンジニア採用におけるペルソナの役割
ペルソナとは、具体的な人物像のことです。以下のような項目を定めることでペルソナを設計し、採用したい一人の人物がイメージできるようにします。
性別、年齢をはじめ職業や年収、家族構成や好みなど、こまかく設定が必要です。「20代の男性」のように、多くの人があてはまる漠然としたターゲットを決めることとは異なるので、混同しないように気をつけましょう。ペルソナを設計することの役割を2つ紹介します。
また設計したペルソナを活かし、マッチする人材だけを狙う採用戦略として「ポジショニングメディア」も併せてご紹介しています。
採用する人材像に関する人事と現場のズレを防ぐ
ペルソナを設計することで、採用したい人物像を明確にできます。これにより「人事と現場で求める人物の認識がずれたまま採用活動をする」ことを防げるでしょう。
ペルソナは採用活動を始める前に決めて、採用に関わる全員で共有しておくことが大切です。共通の認識を持っておくことで、採用したい人物だけを選考で通過させられるようになり、採用活動がスムーズに進みます。
求職者に対するアピールポイントを明確にする
求職者に対するアピールポイントを明確にすることも、ペルソナの役割です。ペルソナを設計すれば、採用したいエンジニアがどんな仕事や職場に魅力を感じるのかが想像できるので、効果的に自社をアピールできます。
たとえば「自分のスキルを最大限に発揮したい」「言いたいことを率直に言える職場で働きたい」といった、求職者が心の中で持っている希望を、自社なら叶えられると面接の際に伝えられます。すると求職者は「自分のことを理解してくれている」と感じるため、自社に入社したいと思ってくれるでしょう。
エンジニア採用のペルソナの作り方
エンジニア採用におけるペルソナの作り方を、4つの手順で解説します。
1.組織の目標と求める人物を明確にする
まずはどのようなエンジニアを採用にしたいのか、求める人物像を明確にしていきましょう。その際には「経営者と現場の社員」に加えて「社内で活躍中の人材」にも話を聞くと良いです。
経営者と現場にヒアリング
経営者は会社全体を見渡したうえで、会社の目標の達成のために、どのようなエンジニアが必要かを判断します。人材の採用は会社の経営戦略においても重要な問題なので、経営者へのヒアリングは行っておくべきです。
現場の社員からも話を聞いておきましょう。エンジニアを採用した後に、実際に一緒に仕事をするのは現場の社員だからです。新入社員となったエンジニアが現場で歓迎されるためにも「現場がどんなエンジニアを求めているのか」を把握しておくことが大切です。
社内で活躍中の人材にヒアリング
社内で活躍中の人にヒアリングをすることで、採用したい人物像がよりはっきりします。たとえば活躍している人が「いつも機嫌がよくて周りの人が話しかけやすい」のだとわかれば、その要素をペルソナに盛り込むと良いでしょう。
ヒアリングのデータを蓄積することで「社内で活躍しやすい人の特徴」がわかってきます。それは人材採用において、大きな武器になるでしょう。
2.仮のペルソナを作成する
ヒアリングの結果をふまえて、仮のペルソナを作成しましょう。これをペルソナを磨き上げていくための土台とします。
ペルソナに必要な項目(例)
ペルソナにどんな項目を含めるかは、自由に決めてかまいません。代表的な項目は下記のとおりです。
- 性別
- 年齢
- 職業
- 年収
- 居住地
- 家族構成
- 性格
- 趣味
代表的な項目以外にも、自社の採用に必要な項目があれば加えていきましょう。
ペルソナの具体例
上記の項目を元にペルソナを作成すると、たとえば以下のようになります。
「27歳の男性で、年収400万円のシステムエンジニア。千葉市の実家に両親と住んでおり、兄弟は東京で暮らす兄が一人いる。真面目で細かいことにもこだわる性格。子どものころからゲームが好きで、流行のシューティングゲームはかなりの腕前」
ペルソナを作る際には、どんな人物なのかが目に浮かぶくらいまで、具体的に設定することが大事です。
3.関係者とすり合わせペルソナの設定を調整する
仮に決めたペルソナを関係者に伝え、認識が合っているかを確認しましょう。経営者と現場でペルソナに違いがあれば、どちらかを優先するなどして、調整する必要があります。
特に年収や職業をどう設定するかは、求人の募集条件に直結します。関係者の間で、絶対にずれがないようにしましょう。
4.作ったペルソナに沿った採用活動を行う
ペルソナが確定したら、ペルソナに沿って採用活動を行います。ペルソナにあてはまるエンジニアの行動を想像しながら、発見してもらえそうな場所に求人情報を出しましょう。
書類選考や面接においては、ペルソナを意識することで、誰を次の選考段階に進めるべきかが決めやすくなります。最後には経営者も現場も納得するエンジニアを採用できるでしょう。
よいペルソナを設計するためのコツ・注意点
エンジニア採用にペルソナを取り入れようとすると、最初のうちはやってしまいがちな失敗があるので、あからじめ注意しておきましょう。よいペルソナを設計するためのコツ・注意点を3つ紹介します。
競合他社との競り合いも視野に入れる
ペルソナを設計する際には、競合他社とエンジニアを取り合うことも想定しておきましょう。価値のある人材ほど、他社も採用しようと力を入れるからです。「高いスキルを持っていて、真面目で、向上心がある」といったエンジニアであれば、どの企業でも採用したいと思うでしょう。
他社と取り合うエンジニアに自社を選んでもらうには、他社とは違った項目も考慮して、ペルソナを作成しておくと良いです。たとえば「他人と関わるのが嫌い」な人をペルソナに設定します。
そのうえで「一人のエンジニアに仕事をまるごと任せるため、他の社員とのやり取りが最小限で済む環境」を作っておくのです。ペルソナに当てはまるエンジニアは、仕事環境に魅力を感じて、他社ではなく自社を選んでくれるでしょう。
人事・採用担当だけで作成しない
ペルソナは人事・採用担当だけで作成してはいけません。経営者はもちろん、現場で働く人の意見も必ず取り入れましょう。現場にいる人にしか、わからないことがあるからです。
たとえば「ミスをしないように気をつける人」は、エンジニアとして好ましいように思われます。しかし現場ではミスをしないことよりも、とにかくたくさん試して、データを大量に集めることが求められる場合があります。
ペルソナを設計する段階で現場の人の意見を聞けば、「ミスをしないように気をつける人」かどうかは重要ではないと、人事・採用担当も気づけるでしょう。現場での仕事がうまく進められる人の条件を、正しく見極めることが大切です。
実在しそうな求職者を具体的に作る
実在しそうな求職者として、ペルソナを設計しましょう。理想的すぎるペルソナを作っても、当てはまるエンジニアがいなければ、あまり意味がないからです。
たとえば自社が山形市にあり、かなりスキルが高くて若いエンジニアを採用したいとします。その際に「25歳の男性で年収は1000万円。東京で働いていたが、結婚して妻の実家がある山形市に引っ越すことになり、山形市でエンジニアの仕事を探している」という自社に都合の良いペルソナを設計しても、あてはまる人がいる可能性は低いです。
現実とかけ離れたペルソナを作ると、採用活動の方針も決めにくくなります。実在する可能性が高いエンジニアを想像しましょう。
エンジニア採用はペルソナ作成でミスマッチを回避
エンジニアを採用する際のペルソナ設計についてお伝えしました。採用活動を始める前に、経営者と現場の意見を聞いてペルソナを設計することで、自社に合ったエンジニアを採用しやすくなります。ぜひペルソナを採用活動に活用してみてください。
またペルソナを明確に設定し、さらにそのエンジニアのニーズまで深く調査・分析することで、自社にマッチする人材に見つけてもらいやすい採用施策を考えることができます。
どういった媒体をチェックしているのか、どういったキーワードで転職先の検索を行うのかなどがわかれば、採用に活用するメディアやコンテンツなども決めやすくなります。
自社と相性の良い人材だけを狙う採用戦略「ポジショニングメディア」
しっかりとペルソナを設定したら、上記の通り採用戦略に落とし込まなければ意味がありません。
設定したペルソナの通りのエンジニア人材を狙う採用戦略として「ポジショニングメディア」という戦略があります。
ペルソナの人物像のニーズを徹底的に分析、そしてそのニーズにマッチする自社ならではの強みを競合と比較しながら見せることで、求職者は「自分のニーズにあう企業はここだ」と、納得して選ぶことができます。
このように特定の市場や採用環境における、自社の立ち位置を明確にする戦略のため「ポジショニングメディア」と呼ばれます。
ポジショニングメディアを経由してくる求職者は、すでに自社の強みや自身との高い親和性を把握した上で応募してくれるため採用率が高まる傾向があります。
ポジショニングメディアを導入したことで、「エントリー数が10倍に増えた」といった効果を実感する声もいただいています。
キャククルを運営するZenkenでは、クライアントの強みを軸とした集客・マーケティング戦略をご提案しており、いままでに120業種以上のクライアント企業を支援してまいりました。
そのノウハウを採用戦略においても活用し、よりクライアントにマッチした人材を採用するための戦略提案や、メディアの制作・運用までワンストップで対応しています。
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