顧客接点(タッチポイント)を増やす方法とは?接触強化のポイント
公開日:2022年03月24日
マーケティングにおいては、顧客と企業を繋げる「顧客接点(タッチポイント)」が非常に重要です。
今回は顧客接点を強化する際のポイントや成功事例などをまとめてご紹介します。
顧客接点(タッチポイント)とは?
「顧客接点(タッチポイント)」とは、企業が販売する商品・サービスと顧客との接点のことを指します。
商品を購入する時点だけではなく、「SNSや口コミサイトで口コミを見た」「広告で商品のことを知った」なども顧客接点(タッチポイント)の一つです。そんな顧客接点は、以下のような種類・段階に分けられます。
顧客接点(タッチポイント)の種類
顧客接点には、大きく分けてオフラインとオンラインの2種類があります。
オフラインの顧客接点例
テレビCM、交通広告、雑誌広告、チラシ、店舗販売、パッケージ、カスタマーサポート(電話)…など
オンラインの顧客接点例
Webサイト、オウンドメディア、ECサイト、SNS、口コミサイト、メルマガ、アプリ、オンラインセミナー、ユーザーコミュニティ…など
顧客接点(タッチポイント)の段階
オフラインとオンラインに分類される顧客接点は、さらに購入前・購入時・購入後という段階にも分けられます。
購入前の顧客接点例
広告(テレビCM、交通広告、雑誌広告、Web広告)、パンフレット、チラシ、Webサイト、オウンドメディア、口コミサイト、SNS、オンラインセミナー
購入時の顧客接点例
店舗販売、パッケージ、ECサイト、アプリ
購入後の顧客接点例
カスタマーサポート(電話)、メルマガ、アプリ、ユーザーコミュニティ
顧客接点(タッチポイント)を意識する重要性
企業と顧客の顧客接点は、身近なところに数多く存在しています。企業が商品・サービスの売上を拡大するためには、この顧客接点の強化が欠かせません。
顧客接点を意識しなければいけない理由として、主に以下のような理由が挙げられます。
消費者の購買行動の変化
2020年に起こったコロナウイルス流行の影響により、消費者の購買行動は大きく変化しています。
第一の大きな変化としては、あらゆるもののオンライン化が進んだという点です。リアルイベントや店舗販売といったオフラインの顧客接点を代替する形で、ウェビナーやECサイトといったオンラインの顧客接点が広く普及しました。
社会環境の変化やニーズの変化などに合わせて、効果的な顧客接点も変わっていきます。自社で対応ができていない顧客接点は強化が必要です。
購買行動の多様化
スマートフォンやSNSの急激な普及に伴い、オンラインの顧客接点がこれまで以上に重要視されるようになりました。
スマートフォンやSNSが普及する以前は、テレビCMや雑誌広告、実店舗での販売、電話によるカスタマーサポートなど、オフラインでの顧客接点が中心でした。
しかし、購買行動のオンライン化進むにつれて顧客接点も多様化し、これからはオンラインの顧客接点が主流となっていきます。
テレビを見ない若年層も増え、このような世代にアプローチを広げるためには、SNSなどのツールを活用して顧客と接点を持つことが必要です。
商品の販売方法についてもECサイトだけでなく、「SNSのショッピング機能を活用する」「商品の検索から購入まで可能なアプリをリリースする」など、購買行動の多様化に合わせて顧客接点も戦略的に強化することが重要になります。
顧客接点(タッチポイント)を増やす際のポイント
顧客接点は消費者の購買行動に合わせて、継続的な改善、強化が必要となります。ここからは、顧客接点を設定する際のポイントを、5つの段階に分けて説明します。
【準備】ブランドイメージの確認
顧客接点を設定する前準備として、企業のブランドイメージを明確にしておく必要があります。
ブランドイメージの認識がズレた状態で顧客接点を闇雲に増やすと、「押し売りが鬱陶しい」など企業のイメージがマイナス評価に繋がりかねません。
「顧客に対してどのような印象づけを行うか」「顧客に対してどのように価値提供するか」を今一度再確認しておきましょう。
1.ペルソナ設計
顧客接点を設定するために、まずはペルソナの設計から行います。ペルソナとは、ターゲットをより具体的に絞った、自社の商品・サービスの利用者像のことです。
ペルソナは「30代の女性」のように、ざっくりとした属性ではなく、以下のようにできる限り詳細な人物設定を行います。
- 30代の女性
- 独身
- 平日は都内の企業では働いている
- 情報収集の手段はスマートフォン
- 美容、グルメ、ファッションの話題に興味がある
- 通勤時間は女性向けWebメディアをよく閲覧している
- 休みの日はYouTubeを見たり、オンラインショップで服やコスメを探している
細かくペルソナを設定しておくことで、どこが効果的な顧客接点がわかったり、各施策の方針がブレたりするのを防ぐことができます。
2.カスタマージャーニーマップの作成
ペルソナが決まったら、カスタマージャーニーマップを作成してペルソナの分析を行います。
カスタマージャーニーマップでは、ペルソナの購買行動を下記の段階に分けて、段階ごとの悩み・課題を洗い出します。
- 認知
- 興味関心
- 情報収集
- 比較検討
- 購入
- 利用
- リピート
段階ごとの悩みや課題に合わせて必要な顧客接点を精査し、不足部分を強化する必要があります。それぞれの段階で適切な顧客接点が見つかれば、自社と接するタイミングを増やすことにつながり、ユーザーの印象にも残りやすくなります。
3.顧客接点を決めて施策を実施する
前の段階で強化するべき顧客接点が明確になったら、優先順位をつけて施策に落とし込みます。
足りない部分を強化するだけでなく、不要な顧客接点を切り捨てることも検討が必要です。
顧客接点(タッチポイント)を増やすことの効果・メリット
ここまで、顧客接点を強化する際の手順について説明してきました。それでは、顧客接点を強化することで、商品・サービスの販売において、どのようなメリットや効果が期待できるのでしょうか?
自社の認知度向上
顧客接点を強化する最大のメリットは、企業の認知度向上です。多様な媒体からのアプローチが増えるほど、顧客が自社の商品・サービスに触れる時間も長くなります。
アプローチの仕方が良ければ、ターゲットが商品・サービスを必要とした時に、自社を選んでもらいやすくなるため、結果的に売上げアップに繋がります。
企業のブランディング・ブランドイメージの発信
ブログなどのオウンドメディアやSNSを上手く活用することで、企業のブランディング、ブランドイメージの発信が可能です。
単に広告を出して商品を買ってもらうだけではなく、ブログやSNSのコンテンツを充実させることで自社のファン獲得にも繋がります。
ユーザーのニーズ・行動の把握
顧客接点に対する反応を分析することで、ユーザーのニーズや行動を把握することができます。
例えば、複数のECモールに出店している場合、A社の売上の方が多く、B社での売上が少ない場合、ターゲットは日常的にA社を使って商品を購入することが多い(需要がある)、といったような行動分析が可能です。
ユーザーのニーズ・行動を正しく理解することで、自社の効率的なマーケティングに活かすことができます。
顧客接点(タッチポイント)強化の成功事例
ここからは実際に顧客接点強化に成功した企業の事例をいくつかご紹介します。
無印良品
無印良品は自社のオリジナルアプリ「MUJI passport」を活用することで、購入前の顧客接点の強化に成功しています。
一般的なショップのアプリは、来店して商品を購入した時にポイントが貯まる、システムのものが多いです。しかし、「MUJI passport」は店舗にチェックインするだけでポイントが貯まる仕組みとなっています。
結果的に、無印良品の店舗で実際に商品を購入する時も、約3割の顧客がレジでアプリを提示しており、日常的に顧客接点を増やしてターゲットとの関係構築に成功しました。
アコム
消費者金融のアコムは、カスタマーサポートシステムの一元化を実施し、顧客一人あたりの問い合わせ対応時間の削減に成功しています。
アコムのシステムは一元化される以前、コンタクトセンターで顧客の申込みを受付、サービスセンターでATMのサポート対応、というように2つのサービスが別体制で運営されていました。
これらのサービスを統合することで、部門間の連携がスピーディーに行えるようになりました。結果的に、顧客一人ひとりの対応時間短縮に繋がり、問い合わせ数が増えたことで利益アップに繋がりました。
ユニクロ
ユニクロは自社の専用アプリを活用することで、顧客の囲い込みに成功しています。
アプリ内の「マイストアニュース」では、商品の情報だけでなく、商品を使ったコーディネートも合わせて提案。価格の安さだけを訴求するのではなく、商品そのものの魅力を発信しています。
プッシュ通知をつけてファッション情報をアプリから発信することで、顧客が実店舗やオンラインショップへ訪問しなくても、定期的に顧客と接点が持てる仕組みづくりができています。
顧客接点についてのまとめ
ここまで顧客接点を増やす方法とメリットについて説明しました。現在、自社の顧客接点(タッチポイント)は適切に設定できているでしょうか?
この記事でお伝えした通り、顧客接点を意識して強化していくことは様々なメリットがあります。また購買行動の変化に合わせた改善は必須といっても過言ではありません。
顧客の購買行動は、その時のトレンドや情勢によって大きく変化します。以前は、効果のあったアプローチ方法でも、顧客を取り巻く環境の変化によって、需要がなくなるケースも少なくありません。
そのため、顧客接点はターゲットのニーズや行動を把握した上で、臨機応変に設定することが重要です。ぜひこの機会に自社の顧客接点の改善を検討してみてください。
購入や成約につながる顧客接点(タッチポイント)とは
顧客接点はあくまでもきっかけであり、ゴールは自社商品やサービスの購入・契約になると思います。いくら自社のサイトへの流入が増えても成約がゼロでは、よい顧客接点が築けても効果は半減してしまいます。
売上などの成果を見据える場合は、その顧客接点でつながることができたユーザーに対して、自社のなにを見せるのか・どう伝えるのかが重要です。
そのためには競合・市場の環境なども分析して、自社ならでは強みも明確にしておく必要があります。ユーザーニーズに応えつつ、自社の魅力が伝わるコンテンツ内容を、顧客接点の先にしっかり準備しておきましょう。
もし上記のように成果へとつながる顧客接点の構築とコンテンツ制作、全体的なコンテンツマーケティング戦略にお悩みでしたら、ぜひZenkenへご相談ください。
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