建設業にSWOT分析が必要な理由と目的について

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SWOT分析とは

SWOT分析は事業の現状を効率的に把握するために1960年代に考案され、今もなお行われているフレームワークです。Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の頭文字から命名されています。

経営環境が目まぐるしく変わる時代に、昔と同じ経営戦略は通用しません。業績不振が続くと、社内・社外からの信頼も薄くなり、協力も得にくくなると企業存続そのものが危うくなりかねません。

強み・弱み・機会・脅威4つを組み合わせて、企業全体の状況を把握・理解することにより、市場機会や事業課題などを発見、今後の戦略策定やマーケティング、ビジネス機会の発見や経営資源の最適化などを図りましょう。

ビジネスにおいては外部環境(組織内で変えることが不可能なもの)・内部環境(組織内で改善することが可能なもの)を正しく把握し理解・分析することが必要不可欠です。

SWOT分析を使用して他社と比較することによって、自社のコアコンピタンス(他社には真似できない強み)も見えてきます。コアコンピタンスを見つけることで、自社に最適かつ実現性の高い事業戦略を立案することができます。

SWOT分析のテンプレートが欲しい方はこちら

SWOT分析にチャレンジされたい方向けにダウンロードできるテンプレートを用意しました。

こちらのページよりダウンロードしてください。

建設業においてのSWOT分析具体例

建設業においてのSWOT分析具体例

建設業においてのSWOT分析の最大の目的は、現場の状況を把握することです。現場監督が実際に対面している現場での問題点を挙げて、事業全体の課題や問題に照らし合わせて設定することが大切になってきます。

新築事業が激減する中で競争が激化して低収益事業が増えると、技術革新への取り組みも必要になり、SWOT分析を取り入れることによって足りていない部分も見えやすくなってきます。

より細かいSWOT分析は現場での人材配置にも応用することができ、日常的に携わる現場監督だからこそできる細かな分析もあるのです。

スケジュール管理や予算を決めるうえでも重要なので、上手に使いこなすことが大切になってきます。ポイントとしては具体的かつ事細かに取りあげることです。いくつか挙げてみます。

Strength(強み)

  • リーダーシップがとれる。
  • 新資材を開発できる
  • 売上高が高い
  • 従業員のやる気と士気が非常に高い
  • 営業能力が高い

企業が持っている特徴の中で、目標達成に向けて大きくプラスになる要素のことを指します。

Weakness(弱み)

  • 頼れる技術者が少ない
  • 営業力が弱い
  • 資材をストックする倉庫が無い(または少ない)
  • 開発資金不足
  • 利益率が低い
  • クレームが多い
  • 現場と事務の意思疎通が少々おろそかになっている

目標を達成するために障害となりうるものや要素のことを指します。

Opportunity(機会)

  • 営業地域外(県外)での仕事が増えた
  • 従来は請けることが少なかったリフォーム工事が増えた
  • 同業他社の倒産が増えてライバルが減少している
  • プロポーザル式の入札増加
  • 入札制度の総合評価方式移行

外部環境の中でも企業にとって大きなプラスになる要素のことを指します。

Threat(脅威)

  • 原材料費が高騰している
  • 他業種や大手資本会社が参入してきた
  • 遠方工事が増え、交通費が増えた
  • 建築申請が難しくなったことで新規建築数が減少している
  • 若者労働者の減少

外部環境の中で成長の障害になりうる要素のことを指します。例としていくつか挙げてみましたが、SWOT分析は内部要因だけではありません。

機会や脅威といった自社の努力だけではどうしても変えることができない外部要因もあるので、そこにもしっかりと目を向けなければいけません。

たとえ強みがあっても競合する他社が同じ強みを持っていたとしたら、あまり大きな効力を発揮することができないでしょう。自社の成績は努力によって決定するのもでもなく、取り巻く外部の影響を大きく受けることも確かです。

根拠になるデータなしに強みや弱みを語ることもただの感想でしかないので、実際のデータや数値を根拠とした正確な把握が必要になってきます。主観的に決めないことも大切で、現状を客観的に分析する能力も求められてくることになります。

SWOT分析の結果はクロス分析に落とし込む

SWOT分析の結果はクロス分析に落とし込む

SWOT分析の4項目を挙げ、企業内外の現状を理解することができたのちに行うのがクロス分析です。分析しただけでは、自社の特徴を列挙しただけなのであまり意味がありません。

出てきた結果をきちんと役立ててクロス分析を行うことが、マーケティング戦略を立てるうえでとても大切になり、それぞれを掛け合わせることで現状を理解・分析して戦略に落とし込む方法です。

掛け合わせる内容によっても向き不向きがあるので、内容を踏まえてからきちんとクロスSWOT分析をする必要があります。

強み(S)×機会(O)

  • 最大の強みをチャンスに向けて発揮していくための戦略方法。

強み(S)×脅威(T)

  • 強みを利用し脅威を切り抜けるための戦略方法。

弱み(W)×機会(O)

  • 機会による利益を最大限にするため、弱み克服するための改善策を考える。

弱み(W)×脅威(T)

  • 最悪の事態を避けるために守りに徹する、事業を縮小したり撤退したりするなど、弱みを踏まえて脅威からの影響をできる限り小さく抑えるための方法。

一番重要なのが「強み×機会」で、自社の強みをしっかりと活かしてビジネスチャンスをしっかりつかみ取ることが基本になります。4つのクロスを万全にすれば、現在のチャンスをしっかり活かして脅威すらも最小限に抑えることができる戦略を立てることが可能になるのです。

クロス分析を行って戦略を挙げたとしても、たくさんありすぎるとどこから手をつけていいのか悩んでしまうこともあるし、同時に実行できるものばかりではありません。

大切なのは共有と実行すること

大切なのは共有と実行すること

今持っている能力・強み・弱みとともに、周りの環境を総合して効率の良い計画を立てるために必要なのがSWOT分析です。

SWOT分析はテンプレート化されているので、実際に書きこんでいくことによって頭の中だけでは整理できないことが整理でき、戦略も立てやすくなったり実行もしやすくなったりします。もちろん出てきた課題を全体で共有することも大切です。

今まで述べた中ではわかりにくいこともたくさんありますので、詳細な方法について解説するページがあります。

SWOT分析とは?
SWOT分析を事例つきで解説!

SWOT分析を行い、ありがちな情報収集だけで満足してしまうのではなく、結果を踏まえて実行に移すことがこれからの建設業界においても必要不可欠です。

会社全体にはかかわらなくても、建設業の現場であれば役に立つ戦略も出てくるでしょう。より詳しく、他の方法などを知りたい場合は下記の記事もご覧ください。

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