ポジショニングとは?マーケティングの基礎「STP分析」のポイント解説
最終更新日:2022年01月18日
STP分析の中でポジショニングがどのような意味を持つか、ポジショニングがなぜマーケティングに必要なのかを解説していきます。その重要性や考え方への理解を深めることにより、マーケティング戦略の立案と実行に役立ちます。
また、「対面営業の機会が減って新規リードの獲得が難しい」「自社にマッチした広告媒体がわからない」「BtoB向けのマーケティング手法が知りたい」という方にキャククルが推奨したい、「ポジショニングメディア」という反響重視の集客施策も紹介します。この施策はSTP分析の「P」にあたるポジショニングに則したマーケティング施策です。
ポジショニングメディアを導入した企業では、「商談率の8割超え」や「受注単価の2.5倍アップ」という成果が上がっています。従来のマーケティング施策で効果が得られなかった方はぜひこちらもご覧ください。
STP分析におけるポジショニングとは?
ポジショニングとは、自社の商品やサービスの価値を最大限に伝えるための手法や活動を指す言葉で、マーケティング理論の基礎ともいえるSTP分析の「P」にあたる分析項目です。
自社の商品やサービスが消費者や顧客にどのような価値提供ができているのかを正確に把握しておかないと、ポジショニング、すなわち市場での立ち位置を明確にすることはできません。
あくまでも顧客目線で、競合他社の商品やサービスと自社の違う点をハッキリさせ、顧客が求める価値がどれだけ提供できるかで競争優位性を持たせます。
ポジショニングの重要性とその役割
ポジショニングが重要なのは、購買意思決定プロセスと密接に関係しているからです。消費者の購買意思決定プロセスには5つの段階があります。以下のプロセスのうち、「情報をもとに購入を検討する段階」でユーザーが離れてしまうケースは少なくありません。
- 何かを欲しいと認識する
- 欲しい商品やサービスの情報を探す
- 情報をもとに買うかどうか検討する
- 購入を決定する
- 商品を利用し満足もしくは不満を感じる
買うに値するかどうかを消費者や顧客が判断する際に不要であると除外されてしまった場合は、その製品やサービスのポジショニングが問題である可能性があります。
新商品だというだけで購入するユーザーは一定数存在しますが、物がありふれている現代では、他社製品やサービスと比べて何らかのメリットや魅力を感じないと購入には至りません。
消費者に購入の動機づけを行うのが、ポジショニングの役割です。もしも、「情報をもとに買うかどうか検討する」段階で消費者が離れてしまう場合は、ポジショニングを分析しなおして市場やターゲットを選定しなおすことにより、売上アップも期待できます。
ポジショニングが勝敗を分ける
正しいポジショニングによって自社の商品やサービスの魅力や強みを引き出し、それを「買いたい」と思う人たちに届ける。商品やサービスが提供する価値を認知してもらえるようになると、ビジネスは軌道に乗ります。
つまり言い換えると、市場やニーズを分析して正しいポジショニングをとれば、消費者にインパクトを与える強みを発信できるようになります。
例えば、競合が時間をかけて商品を届けているのであれば、早さを売りにすることで響く層は一定数いるでしょう。「安くて早い!最短翌日に届く」と「3か月待ち!プロが一から手作り」というキャッチコピーでは消費者が受ける印象は全く異なります。
消費者向けであれ、B向けであれ、万人受けする製品やサービスは時流ではありません。今後よりパーソナライズが進む中で、どのポジションを狙うかが勝敗を分ける可能性もあるということを認識しておきましょう。
ポジショニングを確認する3つのステップ
ここからは、ポジショニングの設定方法と、手順を解説していきます。ただ強みをアピールすれば良いというものでもないため、以下の手順で取り組んでみましょう。
1. 市場のニーズを踏まえて商品・サービスカテゴリの設定をする
細分化した市場で自社が狙うべきターゲットを決めたら、ターゲットのニーズを踏まえたうえで、自社商品に関連がある2つの軸を決定します。例えば、高級品で手作りを売りにしているなら、横軸に高い・安いといった価格を設定し、縦軸に手作り・量産品といった製造方法を設定します。
すると、市場で自社商品は高い・手作りのポジションを確立しているなどと、自社のポジションがわかります。上述した2つの軸を使って、競合がどの位置にいるかもあわせて確認します。競合と自社が異なる位置にいる場合は、差別化を図れる状態です。
ただし、競合と同じポジションにいる際は差別化を図れないので、異なる軸を設定してもう一度強みが何か考え直す必要があります。
2. 条件を満たしているかチェック
軸を設定したら、ポジショニングが適切かどうかを確認しましょう。以下の条件を満たしていると、競合と自社の差別化が図れます。
- ターゲットサイズが合っているか
- 顧客に正確に伝わるか
- 顧客が共感できるか
- 自社自体のポジショニングと、製品のポジショニングが合っているか
- 組織の理念や方針と製品やサービスがぶれていないか
3. ポジショニングマップを作成し可視化する
ポジショニングは口頭で説明しても共有しづらいため、関係者全員がわかりやすいようにポジショニングマップを作成して可視化します。ポジショニングマップを作成すると、自社と競合を一目で区別できるので、どのような強みを全面的にアピールすれば良いのか把握しやすくなります。
とくに多数の人間が関わるプロジェクトの場合や外部パートナーとの連携が必要な場合にも、ポジショニングマップがあれば共通認識を持ちやすいといったメリットもあります。
ポジショニングがはまって成功した好例
ポジショニングがはまって成功した事例を見ると、よりイメージがとらえやすいかもしれません。同じメーカーの商品ですが、これまでにないポジションを獲得した事例を2つ紹介します。
エムケー精工「TEGARU=SEIRO(手軽せいろ)」
エムケー精工といえば、ポジショニングが得意なメーカーで、ひと味違う製品を世に送り出し続けています。2020年9月に発売された「TEGARU=SEIRO(手軽せいろ)」もそのひとつ。
従来のガスを使うせいろは焦げる心配があって目を離せず、かといって普通の蒸し器を使うと見た目が悪いというデメリットがありました。
そこで、「せいろを使いたいけれど、焦げの心配など調理方法に不安がある」といったニーズに応えるために生み出されたのがこの電気せいろ、「TEGARU=SEIRO(手軽せいろ)」です。
食材と水を入れてスイッチを押すだけで簡単に肉まんやシュウマイ、ソーセージなどが蒸せるようになっており、忙しい朝でも大活躍すると人気を博しています。
器は従来のせいろをそのまま採用しているため、見た目のはそのままに、手軽に蒸し料理が楽しめるようになっています。蒸し器ではなくせいろにすることで食卓にそのままサーブでき、機能性と見た目の良さの両立に成功。
競合商品とは異なるポジショニングを獲得、消費者からの支持を集めることができました。
参照元:エムケー精工株式会社 公式ホームページ(https://www.mkseiko.co.jp/ls/products/em/em-185k.php)
エムケー精工「もちブレンダー」
エムケー精工で大ヒットしたもうひとつの商品が、「もちブレンダー」です。ポジショニングが秀逸で、従来切り餅と餅つき機は競合関係にあったところを、あえて切り餅を活かす方法を取り入れています。
今まで餅つき機・切り餅の市場しかありませんでしたが、「切り餅を使った餅つき機」というまったく新しいポジションを確立しています。
餅つき機を使う手間であるモチ米を洗米して水に浸し、水きりをして投入して蒸してと時間も労力もかかる。面倒くさいと感じる消費者がいることが開発のきっかけとなりました。
そこで、もちブレンダーでは思い切って切り餅を使い、材料の準備・下準備の手間をなくすことに成功。つきたての餅を食べたいけれど、準備が面倒くさいと考えている人のニーズを満たすことに成功し、一時は在庫切れになるほど注文が殺到する人気商品となりました。
参照元:エムケー精工株式会社 公式ホームページ(https://www.mkseiko.co.jp/ls/products/mochi/rmb-02hw.php)
STPがそろって初めてポジショニングが活きる
セグメンテーションで市場を細分化し、ターゲティングで細分化したグループの中からどの市場(顧客)を狙うかを決めたうえで、ターゲットに定めた市場における自社の立ち位置を明確にする。この3ステップがコンプリートしてやっと、マーケティング戦略の骨子が固まります。
勝ち目の見えない市場に打って出たり、経営理念や方針、製品やサービスのポジショニングにずれが生じていたりすると、マーケティングにも一貫性が生まれません。
「勝ち易きに勝つ」という言葉通り、どの市場なら勝てるかを見越したマーケティング戦略を立案し、その戦略を関係者全員がよくよく理解したうえでプロモーションを進めていく。これが王道のやり方であり、失敗のリスクを避ける方法です。
ここで製品やサービスのポジションを確立させられる集客施策を紹介していきます。
自社にマッチするターゲットだけを狙える集客戦略「ポジショニングメディア」
詳細についてはお問い合わせください
Zenkenが提供するポジショニングメディアは、まさにSTP分析のPに当たる部分で、狙う市場のどの位置に自社がいるのか明確にして戦略的に展開するマーケティング手法です。
自社製品やサービスにマッチングした顧客だけをターゲットにするポジショニングメディアは、自社と相性の良い顧客を集中的に集客することで、客単価や受注率のアップが期待できる施策です。
ポジショニングメディアはココが強い!
ユーザーが何らかのサービスや商品の購入を検討している時、ホームページやポータルサイトなどで情報を収集します。しかし、ある程度の知識がないと、どの商品が良いか迷いが生じます。
そこで、整合性のとれた比較軸で各社を比較して、ユーザーの背中を押してあげるのがポジショニングメディアの役目です。
ポジショニングメディアの強みは、ユーザーが自分に合った商品やサービスを比較検討している中で見つけられる点にあります。説得するのではなく、ユーザー(顧客)自身が納得して選択できるよう、後押ししてあげるだけです。
その結果、自社の商品・サービスを魅力的に感じた顧客が問い合わせをしてくれるので、成約や購買につながりやすくなるという特徴があります。
実際にポジショニングメディアを導入した企業からは、
- 自社の強みに惹かれた顧客から問い合わせが来るので、商談率が8割を超えた
- 自社製品にマッチするユーザーを集客できるようになり、受注率が2.5倍に増えた
- 自社サービスの特徴を理解してくれている顧客が増え、契約までのリードタイムが3分の1まで短縮できた
といった反響が寄せられています。
膨大な情報にさらされ辟易している顧客に対し、いくつかのニーズで製品やサービスを絞り込んであげて、「あなたの頭の中にある悩みや要望を叶える商品はこれですよ」と、中立な立場で教えてあげることができます。
このポジショニングメディアの成功事例が多数紹介されている資料が下記よりダウンロードできます。自社製品やサービスで参考になりそうなものがないか、確認してみてください。
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STP分析やポジショニングがよくわからない場合は
マーケティング分析はけっして簡単なものではなく、専門部署や知識のある社員がいないと、なかなか思うように進められないものです。そんなときは、マーケティングのコンサル会社など外部パートナーの力を借りて効率的に進めてみましょう。
Zenkenではクライアントならではの強みや価値を軸とした集客・マーケティング戦略をご提案していますが、業界ごとの特性を勘案しながら、マーケットの分析やターゲットの絞り込みなどを実施したうえで、Web戦略を組み立てています。
これまで10年以上に渡り、120業種を超える中小企業のマーケティングを支援してまいりました。徹底した各種分析から戦略提案、Webメディアの制作・運用までワンストップで対応できるのが、弊社の強みでもあります。
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