STP分析でH&Mを成功へと導いた取り組みを紐解く

STP分析でH&Mを成功へと導いた取り組みを紐解く
share
Facebook Twitter はてなブックマーク Pinterest

この記事では、世界各国に進出しているファーストファッションブランド「H&M」をSTP分析の視点から解説していきます。貴社のマーケティング戦略の策定にお役立ていただければ幸いです。

なお、この記事に合わせて自社と競合の分析を通じてマーケティングを成果に繋げるためのワークシートも提供しています。自社でSTP分析を行う前、または行ったあときこちらも活用すれば、自社のマーケティングを更に強化させることができます。ご興味のある方はぜひダウンロードしてみてください。

今すぐ無料でダウンロード

H&MをSTP分析

STP分析とはマーケティング論の権威者として有名なフィリップ・コトラー氏が提唱した基礎フレームワークです。業種問わず幅広いマーケティングに利用され、日本でも多くの企業が導入しています。

Segmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)の頭文字をとりSTP分析と名付けられました。ここではその3つの要素をもとにH&Mを分析してきます。

H&Mキャプチャ画像
引用元:H&M Japan 公式サイト (https://www2.hm.com/ja_jp/index.html)

H&MにおけるSegmentation

セグメンテーションとは、自社で狙う市場を細分化し、競合に勝てるセグメントを導き出すことです。セグメンテーションで重要になるポイントは、顧客のニーズに注目するところにあります。

H&Mが活躍しているセグメントは、「メインストリームで求めやすい洋服」です。こちらのセグメントは、「ファストファッション」とも呼ばれます。

アパレル市場にはオートクチュールセグメント・高級セグメント・メインストリームセグメント・ディスカウントセグメントなどがありますが、H&Mがメインストリームセグメントを選定しています。商品のデザイン性や素材の質へのこだわりを抑えて、広く浅く「一般的なカスタマー」を狙うセグメントです。

ここで注目したいのは、「ディスカウントセグメント」ではないことです。ディスカウントセグメントの商品は一番求めやすいですが、一方で「安っぽい」とも認識されます。H&Mは、「低価格の商品が良い」と思いながらも、一定の水準のおしゃれや質もほしい顧客が多い市場セグメントを選んでいます。2008年9月に日本に上陸して、すぐ成功をおさめることができました。

H&MにおけるTargeting

ターゲティングとはセグメントで分類したグループの中から、狙うべきターゲットを決定することです。ここで注目するは、顧客のより具体的な属性です。顧客の属性とは、たとえば女性か男性か、家族持ちか独身か、などです。

属性に注目すると自然と、顧客の深いニーズが発見できます。顧客の細かなニーズを理解し、適切なグループにくくることでH&Mのような成功をおさめることが可能となります。

H&Mがターゲットとしている顧客は、低価格で一定のファッション性を求めています。毎日着ることができる、「普通の洋服」が欲しい顧客です。このような顧客に具体的にどのような人がいるかと掘り下げて考えてみると、洋服にお金がかけられない10代や20代の学生や、お金はあるがファッションにさほどこだわりがない社会人などが考えられます。

「イノベーター理論」を当てはめてみると、H&Mの顧客はいわゆる「レイターマジョリティ」に属していることが分かります。ファッションの流行が普及して低価格で手に入れるようになってから、初めて買おうと思う客層です。H&Mはこのような消費者をターゲットとして設定し、事業を展開することで成功を収めた企業です。

H&MにおけるPositioning

STP分析の最後の作業であるPositioningは、自社の立ち位置を明確化する役割があります。競合と比べたときに優位に見えるように、アピールの仕方も明確にする必要があるのです。

H&Mの競合として挙げられるのは、大手ファッションブランドとして有名なユニクロやGAP、GUではないでしょうか。ここではGUを例にH&Mのポジショニングについて解説いたします。

GUもH&Mと同じく低価格帯のファストファッションブランドとして2006年に誕生し、2012年以降はファッション性を高めたことで急成長を遂げました。

ライバルが急成長する事態に直面したとき、H&Mは量より質を重視する戦略を選択しました。商品の取捨選択を行い、需要に応えるマーチャンダイジングに力を入れました。さらにファッションはグローバルなものであるとして、日本限定商品・日本人向けの商品開発をあえて行わないように方針を決めました。

その後、H&Mは年間10店舗以上の出店を実現できています。ライバル企業との差別化を図り、独自のポジションを確立しています。

参考:ジーユーについて | GU(ジーユー)(https://www.fastretailing.com/employment/ja/gu/jp/storestaff/company.html)

H&Mは量より質を重視したSTP分析で成功した

H&Mは量より質を重視したSTP分析で成功した

STP分析で大切なのは、適切なSegmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)を行うこと。事業の規模や業種などによって、STPの内容も大きく異なります。

H&Mはターゲットを明確化し、需要をしっかり理解しているからこそ多くの人に支持されているのです。

継続的な集客にはライバルだけに気を取られず、狙うべきターゲットの決定と立ち位置の明確化を漏れなく行いましょう。

キャククル運営元のZenkenは120業種以上の集客支援を行ってきた実績があります。集客やマーケティングについて悩んでいる方は、Zenkenまで気軽にお問い合わせください。

Web集客のご相談はこちら

ページトップへ