STP分析でGAPのターゲット市場や特徴を解説
最終更新日:2022年01月18日
この記事では、世界的に人気のファーストファッションブランドGAPの特徴などをSTP分析の視点から解説していきます。貴社のマーケティング戦略の策定にお役立ていただければ幸いです。
なお、この記事に合わせて自社と競合の分析を通じてマーケティングを成果に繋げるためのワークシートも提供しています。自社でSTP分析を行う前、または行ったあときこちらも活用すれば、自社のマーケティングを更に強化させることができます。ご興味のある方はぜひダウンロードしてみてください。
GAPをSTP分析
STP分析とはSegmentation(市場細分化)、Targeting(狙う市場の決定)、Positioning(自社の立ち位置の明確化)それぞれの頭文字をとった分析法です。
STP分析はマーケティング論で有名なフィリップ・コトラー氏が提唱したフレームワークで、業種・商材問わず幅広い分野で活用することが可能です。
どの市場やターゲット層を狙い、どの立ち位置から自社の商品をアピールしていくかなど、効果的なマーケティング施策を導き出すために重要な役割を果たします。
ここでは、GAPにおけるSTP分析について解説していきましょう。
GAPにおけるSegmentation
Segmentationは市場を細分化し、同じニーズを持つ顧客にグループ化することを意味します。
パソコンを例に挙げてみると、「ワードやエクセルなどの処理をスムーズにしたい」「オンラインゲームをしたい」「持ち運びしたい」など多様な顧客ニーズが存在します。
ニーズを把握したら次にすべきなのは、顧客属性の把握です。「ワードやエクセルなどの処理をスムーズにしたい」「持ち運びしたい」などは、仕事でPCを活用する法人が多いでしょう。逆に「オンラインゲームをしたい」は比較的個人のニーズのほうが高いと思われます。
このようにSegmentationを行う場合は、顧客のニーズを可能な限り細かく分類し、属性を見極めることで最適なマーケティングを行うことができるのです。
GAPはアパレル市場で、一般的に「ファストファッション」と呼ばれるセグメントに属しています。商品は比較的低価格で求めやすく、際立ったデザイン性がないのが特徴です。GAPはシンプルかつ着回ししやすい「アメリカン・カジュアル」スタイルのコーディネートを好む顧客のニーズを的確にとらえています。
GAPにおけるTargeting
TargetingはSegmentationで決めたグループの中から、狙うべき市場や見込み顧客をを絞る作業です。
顧客・競合・自社の視点(3C)から、ターゲットを明確にしていきます。また、規模・成長性・優生順位と波及効果・到達の可能性・競合状況(5R)を視野に入れたターゲット評価も行います。
GAPはシンプルな定番アイテムに比重を置いている特徴があります。そして、どの商品もリーズナブルな価格でお財布に優しいのもポイントです。
このことから、GAPはある程度の基準を求めながらも、服装に多くのお金を使いたくない客層をターゲットとしているといえます。ファッションへの関心は比較的低めで、斬新なスタイルよりも流行りすたりのないアイテムを求めている客層です。年齢は10代から30代、中流階級またはそれ以下でしょう。
GAPにおけるPositioning
Positioning(ポジショニング)は、市場の競合商品・サービスを参考に自社の立ち位置を決定する作業です。
つまり、ポジショニングでのメインポイントは、競合ごの差別化・差異化です。値段・品質・サービス・店舗数といった指標で、自社ならではの提供価値を明確にします。
GAPはリーズナブルな値段や定番アイテムなどで差別化を図ってきました。また2007年にはGAPのデザイナーであるパトリック・ロビンソンが、当時注目デザイナーと言われたいた「ドゥーリ(Doo.Ri)」、「ロダルテ(Rodarte)」、そして「サクーン(Thakoon)」の3人のデザイナーとコラボを企画し、大きな注目を集めました。
このようにGAPは、値段、アイテムや企画の差別化により市場で自社の立ち位置を明確化し、成功を収めたのです。
値段・アイテムの取り揃えを重視したSTP分析で成功したGAP
ファッションブランドといえばトレンド性を重視したアイテムを多数取り揃えるのが、近年の定番となってきている印象。しかしGAPはあえて定番性を重視したアイテムを取り揃えることで、他ブランドとの差別化を図ったのです。
さらにリーズナブルな価格を好む10代~30代の顧客をtargetingしたSTP分析で成功を収めました。競合の強い市場で成功を収めるためには、GAPのように他社との差別化を重視する必要があるでしょう。
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