「ポケモン」の販売戦略における3つの成功要因とは?
最終更新日:2022年01月18日
長期的な人気を誇るポケモン販売戦略における3つの成功要因について解説。メディアミックス戦略を駆使したポケモンの販売戦略などについてもまとめています。
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ポケモンの販売戦略には3つの成功要因があった
1996年にゲームボーイ用ソフトとして「ポケットモンスター 赤・緑」が発売され、2021年には25周年を迎えるポケモン。なぜ、ポケモンビジネスはこれほどまでにヒットし、長期的な人気を誇ってきたのでしょうか。
ポケモンの販売戦略に秘められた以下の3つの成功要因について分析してみました。業界が違ってもその販売戦略には学ぶところが多いはずです。
- メディアミックス戦略
- ゲームシステムと収益構造のリンク
- キャラクターのブランド化
1.メディアミックス戦略
1つ目は「メディアミックス戦略」を駆使している点です。メディアミックスとは、テレビや新聞、雑誌、ラジオ、インターネットとなど異なる複数のメディアを組み合わせてプロモーションを展開する戦略です。
同時多発的なメディアミックスを実現させることによって、同時に大勢の人に知ってもらうことができるとともに、消費者一人ひとりに複数のメディアを通したアプローチできる可能性が高まります。
もちろんゲームそのものが面白いという大前提はありますが、雑誌でもテレビでプロモーションを展開することで、お菓子やキャラクターグッズ、トレカなど、購買意欲をかきたてる仕掛けがポケモンを社会的ブームにまで押し上げました。
ターゲットを特定のゲーム愛好家に絞り込まず、高齢者から子どもまで幅広い層を取り込むために、新聞、テレビ、雑誌、インターネットとマスメディアやデバイスごとに露出を図りました。
結果的には子どもだけでなくその親やシニアにまで流行が広がり、ニュースにまで取り上げられるブームを巻き起こしています。メディアミックス戦略で成功しているものはアニメ系が多いですが、ゲームにおけるメディアミック戦略は最強のプロモーションにつながります。
ポケモンが実際にメディアミックス戦略として取り組んでいるのは、以下の4つの事業です。
- ゲーム事業
- アニメ・映画事業
- カードゲーム事業
- ライセンス事業
キャラクターのメディアミックス総収益のランキングでは、ポケモンが堂々の第1位を獲得。あのディズニーをも上回る売り上げで、日本発のキャラクター、ポケットモンスターは総収益921億ドル(約10.1兆円)にも上ります。
スマホ用ゲーム「ポケモンGO」のヒットが収益に大きく貢献。米国ではスマホゲームが開始されてからたったの1週間で利用者が6500万人を超えたといいます。
メディアミックスが総収益に大きな影響を与えたと同時に、「ポケモンGO」の世界的流行によって最終利益が大幅に増加しています。
ポケモンの2021年2月期の決算は、売上高1200億1900万円、営業利益278億0400万円、経常利益279億7000万円、最終利益186億3000万円でした。最終利益は前期比で21.2%の増益となっています。
※参照元:株式会社シー・エヌ・エス・メディアウェブメディア「FINDERS」(https://finders.me/articles.php?id=1492)
※参照元:株式会社ソーシャルインフォ「Social Game Info」(https://gamebiz.jp/?p=297085)
2.ゲームシステムと収益構造のリンク
2つ目は「ゲームシステムと収益構造のリンク」が挙げられます。ゲームシステムを確立するうえで、課金システムなどの収益構造をうまくリンクさせる必要があります。
メディアミックス戦略を巧みに駆使して、ユーザー(消費者)の収集欲や育成欲といった購買意欲を刺激する仕組みづくりをしています。さまざまな収益チャネルから売り上げを上げることができている背景には、消費者心理を読んだゲームシステムの確立と、収益構造をうまくリンクさせているからです。
新しいポケモンを集めて、育て上げ、友達と交換して対戦ができるという、消費者の購買行動を促進する仕組みは秀逸です。
- 収集
- 育成
- 交換
- 対戦
一見なんの変哲もないユーザー行動ですが、普遍的な消費者行動だからこそ、グローバル市場でも成功したのだと思います。
多くのゲームは、高度なゲームシステムなどを駆使することでコアなファンを集めようとします。しかし、これはゲームを始める子どもたちや久々にゲームをしたいと考える大人には、手を出しにくくさせてしまうものです。
そこで、ポケモンはコアのファンも楽しめる仕掛けを残しつつも「収集・育成・交換・対戦」という独自のゲームシステムとシンプルな操作性を保持することで、多くのファンの心を掴むことに成功したのです。
3.キャラクターのブランド化
3つ目は「キャラクターとしてのブランド戦略」の確立です。
ポケモンは、キャラクターそれぞれがしっかりと作りこまれており、ユーザーが感情移入しやすい世界観を持っています。800種類を超えるキャラクターのすべてに詳細なキャラクターが設定され、戦う相手との相性などにも細かい決め事があります。
モンスターを収集するユーザーそれぞれに、個々のキャラクターへの思い入れやコンプリート願望などが生まれ、ポケモン消費が長い期間継続されます。キャラクターがブランド化されている事例はハローキティ(総収益世界第2位)などもありますが、「ピカチュウ」も絶対的な存在となっています。
これらのキャラクターを使用したライセンスビジネスを展開している点でも、収益性に優れています。
ポケモンのイラストなどを使用するライセンス契約をマクドナルド、タカラトミーなど450社以上の企業と結び、より広範囲に認知度を高め、定着させています。同時にライセンスの使用料を得るビジネスとして確立しています。
まさにキャラクターブランド化の成功事例の筆頭といっても過言ではありません。
ポケモンの販売戦略まとめ
ポケモンの販売戦略は、ゲームビジネスにしか参考にならないかというと、決してそうではありません。企業キャラクターのメディアミックス戦略や地方自治体のゆるキャラビジネスなど、日本ではさまざまな成功事例が誕生しています。
Zenkenではキャラクタービジネスもゲーム開発も行なっていませんが、Webメディア独自のキャラクターを誕生させ、ユーザーの興味を引く施策などもご相談に乗ることができます。
メディアミックス戦略だけでなく、マーケティング戦略全体を俯瞰で見て、貴社に最適なプロモーション手法をご提案させていただきます。
自社の販売戦略に課題を感じている、もしくは悩みを抱えている場合は、一度弊社までご相談ください。ご要望があれば、オンライン商談システムを活用して直接お話をうかがうことも可能です。