プル型営業とは?営業手法やプッシュ型営業との違いを解説!
最終更新日:2021年12月29日
「なかなか成約率がアップしない」「展示会などで獲得するリード(見込み客)の質が落ちている」「架電してもなかなかアポが獲得できない」と、お悩みの経営者や営業部長が少なくないのではないかと思います。
このページでは、従来型のプッシュ型営業だけでは限界があると感じている方に向け、「プル型営業」の可能性や具体的なノウハウについて解説しています。
また、キャククルが推奨する、「ポジショニングメディア」という反響重視の集客施策も紹介します。
ポジショニングメディアを導入した企業では、「商談率の8割超え」や「受注単価の2.5倍アップ」という成果が上がっています。従来のマーケティング施策で効果が得られなかった方はぜひこちらもご覧ください。
プル型営業とはどのようなもの?
顧客からの問い合わせきた際に対応する、顧客主導の営業方法のことをプル型営業いいます。
セミナーや展示会などを実施して、自社の商品やサービスを顧客に認知させ、顧客の商品への関心を高め、最終的に顧客に自発的な行動を起こさせて売り上げにつなげる手法です。
セミナーや展示会のほか、自社で運営するサイト、広告、ソーシャルメディアなども、自社製品やサービスを顧客に知ってもらう方法などもプル型営業の一種です。一方で、新聞広告やテレビ、ラジオなどはプル型営業には含まれません。
架電によるアポ取得や訪問営業など従来の営業手法がプッシュ型であるのに対し、上記のようにいわば「顧客を待ち受ける」のが、プル型営業のスタイルです。
問合せや資料請求など顧客が自らアクションを起こすよう仕向ける手法を「インバウンドマーケティング」といい、コロナ禍の影響下で急激に注目されるようになったマーケティング手法です。
プル型営業がなぜいま必要とされているのか
インターネットが普及し、多くの人たちがパソコンやスマホを使って、ネット上で買い物を済ませます。この流れは個人のみならず、企業に対しても影響を及ぼしています。
これまで営業を通して必要な商品やサービスを購入していた企業のなかには、ネットでの購買に切り替えているところも存在するのです。
さらに、営業から直接商品に関する説明を聞かなくても、ネットで情報を調べられるので、わざわざ営業担当に聞く必要もなくなります。商品購入の検討材料となる、利用者の口コミや評判もネットで簡単に探し出せます。
上記の理由より、現在は営業担当と直接会って話す必要性がない、と感じる顧客が増えているという現実があります。したがって、プル型営業は取り入れていくべき手法であるといえるのです。
インターネットでの情報収集段階で、ある程度製品やサービスを絞り込んでからアクションを起こすという顧客が今後ますます増えていくと考えられますので、待ち受けるプル型営業の体制を整えておくことが得策です。
プル型営業とプッシュ型営業のメリット・デメリット
プル型営業に対して、プッシュ型営業と呼ばれる営業方法が存在します。プッシュ型営業とは、企業側から顧客にアプローチする営業スタイルのことです。
顧客からアクションするプル型営業とプッシュ型営業、両方の営業スタイルには、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
プル型営業のメリット
プル型営業にはどのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは、プル型営業のメリットをご紹介します。
営業活動の効率化を図れる
プル型営業では自社の商品やサービスに関心のある顧客、自発的に問い合わせをしてきてくれる顧客に対して営業を行うことから、成約率が高くなる傾向にあります。
また、自社メディアの分析やMA(マーケティング・オートメーション)などのツールを活用すれば、顧客がどのようなアクションを起こしているかもわかります。
起こしているアクションを確認することで、その顧客がどれほど自社の商品・サービスに興味を持っているのかを把握できるため、ターゲットのニーズを探りつつ、ベストタイミングでのアプローチができるという特徴があります。
さらに、一度の活動で多くの顧客にアプローチできる点が、プル型営業最大のメリット span>と言えます。このように、プル型営業を実施することで、効率的な営業活動が実現できるのです。
顧客に嫌な思いをさせずに済む
商品を強引に売り込まれると、不快な思いをする顧客は少なくありません。あまりに強引な営業をすれば、自社に対するメージが悪くなってしまう可能性もあります。
一方でプル型営業は顧客に関心を持たせて自発的な購買行動を促進する手法なので、顧客に嫌な思いをさせません。また、自社に対してマイナスイメージを持たせずに済みます。
このように、プル型営業は顧客に不快な思いをさせない営業スタイルなので、顧客と長期的に良好な関係を築きやすいといえます。
営業活動のコスト削減につながる
プル型営業では、自社のサイトやブログ、TwitterやFacebookといったSNSなどを利用して活動を行えるので、自ら顧客や企業の担当者に訪問する営業と比較すると、コスト削減につながります。
さらに年末年始や夏季休暇など社員が休みをとっている期間や営業時間外にも、顕在性の高い見込み客への継続的なアプローチが可能です。
コスト削減と同時に営業機会を拡大させるメリットがインバウンドマーケティング、プル型営業にはあるのです。
営業活動を効率化できる
プル型営業は、インバウンドで見込み客の顕在性を確認してから訪問できるため、徒労に終わる訪問営業の数を減らすことができます。
無理矢理獲得した訪問アポではないため、一度で決まらなくても中長期的に営業候補として追うことも可能となり、無駄な営業活動を減らして効率的な営業ができるようになります。
プル型営業のデメリット
プル型営業のデメリットは、結果が出るまで時間がかかることです。特に、あまり知られていない小さな企業の場合は、成果がでるまで時間がかかる傾向にあります。
また、顧客側からのアクションを待つ必要があり、自分たちのタイミングで商談や提案といったアプローチができないのも、プル型営業のデメリットとして挙げられるでしょう。
さらに自社サイトやSNSを活用する場合、SEO対策やSNS集客に関する専門知見や経験がない人たちだけで運用しても、なかなか顧客育成につながらない可能性もあります。
プル型の営業戦略を立てる場合は、インバウンドマーケティングにくわしい外部専門会社に運用を依頼するなどして、社内に知見を貯めていくことが重要です。
プッシュ型のメリット
企業主体の営業方法であるプッシュ型営業のメリットは、こちらがターゲット顧客を選択できることです。
また、自社で提供する商品やサービスが顧客に認知されていない場合でも、営業パーソンがしっかり説明したり、顧客のニーズに応えられそうなものを紹介したりすることで、成約に結び付けていけます。
さらに、商談では自社が主導できることから、状況や顧客に合わせて商品やサービスの提案ができるのも、プッシュ型営業のメリットといえるでしょう。
プッシュ型営業のデメリット
一方で、プッシュ型営業のデメリットは、自分たちから顧客にアプローチすることから、やり方や相手によっては嫌がられてしまう可能性があります。狙うべきターゲットを誤り、相手のニーズに合わない商品やサービスを提案すると、不快に思われるかもしれません。
そして、相手のニーズに合致しなければ、当然断られてしまいます。商談成立にたどり着くまでに何度も断られてしまう場合もあり、クレームへと発展してしまうリスクもあります。
さらに、営業訪問や電話でのアプローチに関しても、一日に何度も行えるわけではありません。このように、プル型営業と比べると非効率な側面 があります。
プル型営業を導入する場合の注意点
ここからは、プル型営業を進める際の考え方や注意点などをご紹介します。プル型営業を取り入れたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
プル型営業とプッシュ型営業のバランスを考える
プル型営業を進める際、プッシュ型営業とのバランスを考えましょう。プル型営業は結果が出るまで時間がかかる営業方法です。
一方で、プッシュ型営業ならすぐに成果を出すことが可能なので、「今すぐ客」を追うには、プッシュ型営業が適しています。
プッシュ型とプル型の2つの営業スタイルをバランスよく行うことで、それぞれのデメリットを補い合えます。
そのため、プッシュ型営業からプル型営業に完全に移行することは、あまりおすすめではありません。多くの企業では、プッシュ型営業とプル型営業の両方をバランスよく取り入れながら、営業を行っています。
部署を超えたチーム連携が非常に重要
プル型営業は、プッシュ型営業のような個人プレーによる成果は得られません。情報をシェアしたり、話し合ったり、効果を検証したりして、チームで協力し合わなければ成果につながらない営業方法です。
営業部署内にインバウンドチームとの連携担当を置くなどして、部署を超えた協力体制を整えるようにするのが理想です。
プル型営業の進め方・方法
プル型営業をスタートさせるには、自社サイトやSNS、広告など用いる必要があります。そこで、プル型営業で使われている方法について、それぞれ説明していきます。
自社サイト
プル型営業を導入するにあたって、欠かせないのが自社サイトです。自社のサイトには、サイトにたどり着いたユーザーが調べていること、知りたいと思っていることを記載する必要があります。たとえば、自社の製品やサービス、組織などについての詳しい説明が必要です。
そのため、もし自社サイトに商品や企業についての説明が、ほとんど掲載されていない状態なら、自社サイトを見直さなければなりません。また何の説明もなく製品画像と簡単なスペックだけを記載している場合も同様です。
ホームページなどが古いまま更新されていない、価格やスペックが間違っている、最新の情報が掲載されていない場合などは、せっかく訪問してくれたユーザーが離脱してしまう原因になります。
画像や動画がある方が商品の魅力を伝えられる場合は、画像やわかりやすい動画コンテンツを掲載するなどして、ユーザーに自社の魅力が伝わるものにしてください。
自社のサイトを検索結果で上位表示させるため、SEO対策も不可欠です。コンテンツをアップさせる際はキーワードや共起語を盛り込む、外部対策や内部対策を行うなどし、サイトへの流入増加を目指しましょう。
SNSを活用
自社サイトと共に、Twitter・Facebook・インスタグラム・TikTok・YoutubeといったSNSも運用することで、企業の認知度アップやサービスの周知などにつながります。
さらにフォロワーとコミュニケーションが取れる、キャンペーンなどで集中的な集客ができるなどのメリットもあります。
BtoB営業をしている場合は、実名性が担保されているFacebookのビジネスアカウントの活用、ターゲットが20代や30代の場合は、Twitterがおすすめです。
Twitterには拡散力があるため、多くの人たちに拡散してもらえれば、自社や自社の商品の認知度向上につながります。
ビジュアルやデザイン性をアピールしたい企業はインスタグラム、10代の若者をターゲットとした商品の販売をしている企業はTikTokを検討してみましょう。最近では採用活動にTikTokを活用している事例もあります。
YouTubeは動画を通して商品の魅力を伝え、ユーザーを自社サイトへ誘導できますが、動画を制作するコストや時間がかかるため、優先度を考えて導入すると良いでしょう。
Web広告
広告もプル型営業に役立ちます。たとえば、GoogleやYahooといった検索エンジンの検索結果画面にあるリスティング広告を用いれば、ホットリードの獲得を目指せます。ただし、ビッグワードは競争率が高く単価が高いので、ビッグワードを狙う場合は工夫が必要です。
また、バナー広告を取り入れるのも良いでしょう。バナー広告を設置する際は、少ない文字数で分かりやすい文章にすることや、重要なことは読まれやすい左上に配置することがポイント。画像を使うのなら、自社の商品について、またその良さが具体的に伝わるものを選択してみてください。
メルマガ
メルマガを使って自社や商品の情報を配信するのも、プル型営業で使われている方法の一つ。メルマガなら低コストで始めることが可能。
DMよりもピンポイントで最新の情報が届けられますし、顧客に親しみを感じてもらえる効果があります。さらに、プッシュ型営業と連携する体制を整えて、顕在見込み客にアプローチすることもできます。
ただし、「特定電子メール法」により、相手の同意をもらってからでなければ、メルマガを配信できませんので注意してください。また、売り込み感を読者に感じさせない文章を心掛けましょう。
セミナー
顧客との信頼関係を築きたいと思っている企業におすすめなのが、セミナーです。セミナーは顧客との信頼関係を築きやすいほか、一度で大勢の人たちに自社や自社の商品・サービスについて知ってもらえるメリットがあります。
また、自社のセミナーに集まる人たちは、既に自社や自社製品に関心のある人たちです。そのため、セミナーの内容が良いものであれば、成約率も高まるでしょう。
参加者が何かを学べるような内容のセミナーや、オンラインセミナーなどの開催を検討してみてください。
展示会
展示会もいわばプル型営業と言えます。最近ではオンライン展示会なども徐々に増えてきています。
展示会もセミナーと同様に、自社や自社の商品に興味のある人たちが集まるので、成約につながりやすいのがメリットです。その場で成約に至らない場合でも、後でフォローすることで成約につながる可能性があります。
リアル展示会の場合は見込み客を追っても成果が出にくくなってきている、という声もありますが、オンライン展示会であればユーザーの行動を追えますし、メルマガなどへの誘導も自然な形で実行できます。
プル型営業を実現する近道となる「ポジショニングメディア」
ポジショニングメディア事例 詳細はお問い合わせください
Webサイトを活用したプル型営業をより効果的にするための方法として、「ポジショニングメディア」があります。
ポジショニングメディアとは、競合とも見比べられるような形で、自社ならではの強みや独自の価値をわかりやすく伝えることで、市場の中での自社のポジション(立ち位置)を示すことができるメディアです。
ポジショニングメディアを見たユーザーに対して「〇〇といえば自社」と印象付けることが可能となり、ユーザー側は「自分のニーズに一番合っているのはこの会社だ」と納得して選ぶことができるようになります。
納得感を持って問い合わせてくれたユーザーは、すでに自社の強みを理解してくれているため、商談や成約にもスムーズにつながりやすくなります。
実際にポジショニングメディアを導入した企業では、自社の強みをあらかじめ理解している問い合わせが増えたことで
- 競合他社との差別化に苦しんでいたが、サイト経由の成約率が5割にもなり差別化の成功を実感
- 契約までのリードタイムが3分の1に短縮、競合から転換できていることが大きいと感じている
- サイトで自社商材を理解してくれてからの問合せなので、これまでと比較するとアポ率が3倍近くになった
といった反響が寄せられています。
たとえば
- 顕在性の低い顧客の問い合わせが多く非効率
- 競合他社との比較で負けてしまうことが少なくない
- 自社の強みを商談相手に理解させるのに時間がかかる
ポジショニングメディアによって、獲得するリード(見込み客)の質を高めることによって、より効果的・効率的なプル型営業が実現できます。
反響が成約にならず無駄が多い…、プル型営業を強化していきたい!といったお悩みや課題がありましたらぜひ導入をご検討ください。
このポジショニングメディアの成功事例が多数紹介されている資料が下記よりダウンロードできます。
プル型営業とプッシュ型営業のいいとこどりがおすすめ
プル型営業は多くの顧客にアプローチできるなど、営業活動の効率化を図れる営業スタイルであることがおわかりいただけたと思います。
また、顧客側からのアクションを待つ方法なので、顧客に嫌な思いをさせずに済みます。営業活動のコストを抑えられるのも、プル型営業のメリットです。
多くのメリットがあるプル型営業ですが、プッシュ型営業と組み合わせながら、バランスを考えて実施してみましょう。また、お伝えしたとおり、プル型営業に自社サイトの活用が必須となります。
さらに顧客認知度を高める必要があるために自社サイトがユーザーの目に触れなければ意味がないため、上位表示させるためにSEO対策が必要になります。
しかし、一朝一夕で検索画面のトップには表示させられません。自分たちでSEO施策が難しい場合は、プロに依頼すると良いでしょう。
また、SNSやセミナーなどもプル型営業の戦略に必要なツールです。自社の商品・サービスを分析し、顕在顧客にリーチしやすいツールを活用しましょう。
プル型営業支援のマーケティングのことならZenkenへ
Zenkenでは、クライアント企業ならではの強みを活かした集客・マーケティング戦略のご提案を得意としています。いままでに120業種・7500サイト以上のマーケティング支援をしてまいりました。
そのノウハウを生かして、ニーズや市場の分析、戦略提案、Webメディアの作成・運用までワンストップで対応可能です。
そもそもの集客戦略やマーケティング施策がうまくいっていない、改善したいが問題点がわからない…といった際にはぜひお気軽にご相談ください。
その解決に欠かせないのが、戦略を持ったマーケティング施策の充実です。広告などの対策は費用さえかければできますが、効果的な打ち手を打つには緻密な分析が欠かせません。
キャククル運営元であるZenkenでは、これまで120業種・7500サイト以上のWebマーケティング支援を行ってまいりました。
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