大和証券の営業戦略のポイントとは
最終更新日:2022年02月25日
中高齢層が多くを占める日本では、営業戦略を変える企業が増えています。大和証券もその一つで、人生100年時代をカバーできる「中高齢層向けの営業戦略」を打ち出しています。
ここでは、大和証券の営業戦略のポイントと、大和証券の事例から分かる営業戦略の立て方を紹介していきます。営業戦略に課題を抱えている経営者・営業責任者の方は、大和証券の営業戦略を参考にしてみてください。
ニーズが多様化し、あらゆる市場での競争が激しくなっているなかで成果を得るには、しっかりした経営戦略の策定が必要不可欠です。その中でも、営業・マーケティングのコスト削減と利益の最大化が重要となっています。下記のページには、今後営業・マーケティングを効率化するための方法を紹介している無料資料を用意しています。ぜひこの記事に合わせて自社の経営戦略策定にお役立てください。
引用元:大和証券(https://www.daiwa.jp)
大和証券の営業戦略のポイント
大和証券では、国民の金融資産の多くを占める60~85歳に注目して、中高齢層向けのサービスに注力しています。営業戦略のターゲットを中高齢層に決め、多様化するニーズを巻きとるために、営業所を増やす作戦に出ています。2019~2020年にかけて20カ所以上、在籍する社員が少ない営業所をつぎつぎと出し続けているのです。
大和証券の営業戦略
・在籍する営業員が少ない営業所を出して、富裕層の中高齢者をピンポイントで狙う
小規模店舗でお客さんとの距離が近くなる
小規模店舗は、顧客訪問をメインに活動する拠点という位置づけのため、お客さんと営業員の距離が近くなるメリットがあります。実際に、出店している営業所に在籍する営業員は、全社員の3%しかいないにもかかわらず、新規開拓のシェア率は全社の6%を占め、資産導入率は全社の30%に達しています。効果を得られるまでのスピード感が速いので、大和証券では小規模店舗の展開に力を注いでいるのです。
小規模店舗出店のメリット
・お客さんとの距離が近く、効果が得られるまでのスピートが速い
顧客満足度をNPSで調査し、中身で差別化を図る
大和証券では、営業所を増やし続けるにあたって、顧客ロイヤルティを数値化できるNPSを採用しています。共通した指標で満足度を調べることで、営業所の大きさではなく、中身で差別化を図れる店づくりを行っているのです。
NPSの導入により、お客さんや従業員の声を取り入れた営業体制を確立することに成功しています。取り入れるときは全社へ大きな影響が出ることを懸念して、グループに分けて段階的に導入をすすめ、各支店が創意工夫をこらして成功する事例が増えつつあります。
NPS導入による成果
お客さんの満足度が可視化され、幅広いお客さんのニーズ・悩みにしっかりと対応できるようになった。結果的に、相続・贈与・不動産・M&Aといったソリューション提供型案件の獲得が増えています。
プロダクトアウト型からボトムアップ体制へ改革
大和証券ではこれまでプロダクトアウト型戦略をつづけていましたが、中高齢層をまきとるためにボトムアップ体制へと改革を行っています。
プロダクトアウト型戦略では会社の進めたいサービスを展開していましたが、ボトムアップ体制ではお客さん・従業員の声を反映させたサービス展開に変えています。
お客さんに寄り添った利便性の高い店舗を実現するために、大きな支店をひとつにまとめ、営業所を増やすことで広範囲をカバーできるようになったのです。
大型支店を増やすよりも、営業所を増やすことは比較的ローコストで実現できる上、顧客密着度が上がるため高いリターンを得られる戦略になっています。
ボトムアップ体制の成果
お客さん視点で利便性を高めた結果、ローコストで小型出店をし、高いリターンが得られるようになった・
大和証券の営業戦略まとめ
大和証券では、日本国民の大部分を占める、中高齢層をターゲットにした営業戦略で成長をつづけています。というのも、実は日本では、2019年10月1日時点で、65歳以上は総人口の28.4%とかなり多くを占めています。今後ますます中高齢層は増えていくとみられるため、中高齢層をターゲットにする営業戦略が必要となってくるでしょう。
大和証券のように、多様化するニーズをとらえるには大切な取り組みだといえます。
- 中高齢層を意識した、顧客満足をアップさせるNPSの導入
- 広い地域をカバーできるように、大規模店から小規模店舗への移行
営業戦略の見直したいという方には営業戦略の立て方や立案時に使えるフレームワークに関する解説記事がありますので、ぜひご覧ください。
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