ハーゲンダッツのプロモーション戦略について調査
最終更新日:2022年01月18日
年間500億とも言われている売り上げを叩き出し、アイスクリーム業界でトップクラスの売上と人気を誇るハーゲンダッツ。性別や年齢問わず愛される商品ですが、ハーゲンダッツがメインターゲットとしているのは、20~34歳の女性いわゆるF1層です。
メインターゲットに向けて、ハーゲンダッツが行なってきたプロモーション戦略を調べてみました。事例をあわせて紹介いたします。
ハーゲンダッツのプロモーション戦略のポイント
数多くのプロモーションを打ち出してきたハーゲンダッツですが、今回は3つに絞ってまとめました。
徹底されたブランドイメージの確立
ハーゲンダッツが日本に進出した1984年は、アイスクリーム=子どもが食べるものと位置づけがされており、大人がアイスクリームを食べる機会はそこまで多くありませんでした。
アイスクリームが50円台で買える中、高級アイスクリームとして販売したところ、瞬く間に人気となり、アイスクリーム=子どもが食べるものとした概念が崩されました。
ブランドイメージを決定的にしたのは、当時放送されていたテレビCMです。大人の男女がアイスクリームを一緒に食べるシーンが大胆かつ官能的に表現されたことで、ハーゲンダッツは大人の贅沢な品として、定着していきました。
創り上げたブランドイメージを崩さないように、品質へのこだわりはもちろん、値下げをしないことでブランドイメージを確立。現在でも企業努力がされています。
コンビニと連動した市場開拓
ハーゲンダッツジャパンが設立された1984年、東京青山にてハーゲンダッツの専門店がオープン。開店当初からおいしいと評判は高く、毎日お店の前には行列ができるほどでした。
社会現象とも呼ばれていましたが、ハーゲンダッツの名を日本中に示せたのは、コンビニやスーパーでも購入ができるようになった点でしょう。
当初は専門店のみの販売でしたが、1990年にスーパーやコンビニエンスストアにて販売開始。気軽に買えるようになったことで、一気に販売市場が広がりました。
当初から「高級アイスクリーム」を謳っていたハーゲンダッツ。コンビニと連動することで手に入りやすくなった結果、仕事帰りに自分へのご褒美としてプチ贅沢品にハーゲンダッツが選ばれるようになり、確固とした地位を確立しました。
メインターゲットに向けたSNS戦略
テレビCMを打ち出していたハーゲンダッツですが、時代と共にテレビ離れが進み、メインターゲットであるF1層へのアプローチにズレが生じてきました。そこで、F1層の生活スタイルに合わせてメイン広告をテレビCMからSNSに変更。「Facebook」「Twitter」「LINE」「インスタグラム」をメインに広告を展開しました。
SNSの活用により、2016年の時点で登録数は1,000万人越え。ターゲットが求める情報や拡散しやすい映えを追求することで、2021年現在も多くのファンを獲得しています。
ハーゲンダッツがSNS運用でこだわったのは、SNSの使い分けです。Facebookではブランディングも兼ねてオフィシャルな情報を発信。インスタグラムでは商品の紹介画像にこだわり、一目見ておしゃれ!と思ってもらえるように、拡散目的も兼ねて映えを意識したコンテンツに仕上げました。
商品の販売お知らせの投稿一つとっても、そのSNSがもつ特性を最大限に活かしてSNSを活用することで、ファンの一人ひとりが情報拡散者となる工夫がされている点が、ハーゲンダッツのSNS戦略の強みと言えるでしょう。
ハーゲンダッツが展開するSNS戦略
- Facebook:official情報の発信がメイン。商品のブランディングを目的に活用
- ツイッター:素早い情報発信(速報性)が魅力。新商品への期待感や熱量を高めるためにも有効
- インスタグラム:企画性の高いコンテンツを作りやすい。また視認性の高い画像で魅せる手段がとれる
- LINE:定期的なお知らせ発信が目的。更新頻度をあえて低くすることで、くどくならない程度に情報を抑えたい方向け
ハーゲンダッツのプロモーション戦略まとめ
緻密なプロモーション戦略のもと、築き上げてきた高級アイスクリームのハーゲンダッツブランド。自社製品がもつ魅力とその魅力が一番に刺さるメインターゲットをきちんと描けたことで、時代とニーズにあったプロモーションを可能としました。
最適なプロモーション戦略を練っていたことが、今日のハーゲンダッツを支えていると言えるでしょう。ハーゲンダッツが行なってきたように、自社製品の良さを最大限届けるためにも、アプローチするべき層や手段を明確にする必要があります。
下記記事より、プロモーション戦略の立て方や事例について紹介をしています。ぜひご覧ください。
プロモーション戦略の立て方とは?
事例も交えて解説