ポカリスエットのポジショニング戦略のポイントと学べること
最終更新日:2022年01月18日
健康的な清涼飲料水として高い人気を誇るポカリスエット。今では知らない人のほうが少ないポカリスエットですが、販売当初はポジションの確立に苦戦していました。ではそうした状況の中で、一体どのようにしてポジショニング戦略を立てたのでしょうか。ここではポカリスエットのポジショニング戦略のポイント3つを解説していきます。
なお、自社が市場において取るべきをポジションを見つけるには、自社の強みと顧客のニーズに加え、競合との違いの洗い出しが必須です。この記事に合わせて、自社と競合の分析を通じてマーケティングを成果に繋げるためのワークシートも提供しています。こちらもぜひ自社のマーケティングにご活用いただければ幸いです。
ポカリスエットのポジショニング戦略のポイント
健康的な清涼飲料水の確立
ポカリスエットは健康的な清涼飲料水としてポジションを確立しています。販売当初は今とは異なるポジションを目指していました。それはスポーツ飲料としてのポジションです。
しかし当初スポーツ飲料の中でも、特に強いポジションを勝ち取っていたアクエリアスにはなかなか及びませんでした。アクエリアスはオリンピック公式スポーツ飲料を謳っていたため、それより強いポジションを確立するのが難しかったのです。
そこでポカリスエットは健康的な清涼飲料水としてリポジショニングすることに。ここでポイントとなるのが「健康的な」の部分です。
これまでの清涼飲料水にはなかった味を持つポカリスエットは、清涼飲料水の中でポジションを確立するのが難しかったといえます。そこで健康飲料であるポジションを狙いました。未経験の味になじんでもらうためにサンプリングを繰り返し実施し、認知向上を目指したのです。
最終的には「水分と電解質を手軽に補給できる飲み物」としてのポジションを確立。現在は若者から高齢者まで幅広く認知されています。
「青春の味」による幅広い層からの指示獲得
ポカリスエットは2015年にCMを一新、「青春の味」のイメージづけに成功し、唯一無二のポジションを勝ち取っています。人気の高い女優を起用し、青春時代に飲む飲料としてのイメージを与えました。
2016年には青春時代を過ごす中高生向けに、TwitterとInstagramを活用した「#ポカ写」キャンペーンを実施しています。
さらに2017年にはポカリスエットガチダンス選手権を実施。ポカリスエットガチダンス選手権は2017年以降、3年以上続く大きなプロモーションに成長しました。CMやキャンペーンを通したポジショニング戦略により、中高生はもちろん幅広い層からの支持を獲得しています。
発展途上国に絞った海外展開
ポカリスエットは東南アジアをはじめとして多くの国で販売されています。2021年時点では日本を含む16か国で販売。健康的な清涼飲料水としてのブランドイメージを活用し、発展途上国に絞った海外展開をしているのです。
人々の健康に貢献する飲料としての認知が広がっており、今後もさらにグローバル展開が進められると予想されます。
ポカリスエットのポジショニング戦略から学べること
ポカリスエットのポジショニング戦略は、臨機応変なリポジショニングが成功の大きな要因といえるでしょう。販売当初スポーツ飲料としてポジショニング戦略を立てていましたが、競合のポジションを踏まえ、健康的な清涼飲料水としてリポジショニングしたのです。
さらに健康的な清涼飲料水のイメージを活用したブランディングと海外展開を実施。柔軟な対応力とターゲットを絞った戦略により、現在のポジションの確立に成功しています。
リポジショニングで成功したポカリスエット
的確なリポジショニングにより、「健康的な清涼飲料水」としてのポジションを確立したポカリスエット。一見不利に思える清涼飲料水というポジションから、一歩踏み込んだ「健康的な」清涼飲料水として人気を集めているのです。
柔軟なポジショニング戦略こそが成功のポイントといえるでしょう。ポカリスエットのような効果的なポジショニング戦略を立てるには、ポジショニングマップの作成が有効です。キャククルではポジショニングマップのテンプレートを配布しているため、ぜひお役立てください。
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