ポジショニング戦略で差別化!中小企業だからこそ必要な経営競争力
最終更新日:2024年02月02日
STP分析の構成要素である「ポジショニング」ですが、戦略まで落とし込むためには関係者全員が正しく理解することが大切です。
そこでこの記事では、ポジショニング戦略とは?という基本から、ポジショニング戦略と差別化がどうかかわってくるのか、中小企業が経営面で競争力をつけるために、なぜこのポジショニング戦略が重要なのかを解説していきます。
またポジショニングの考え方を突き詰めて、自社の独自性や強みを認知させた上で集客ができる「ポジショニングメディア戦略」についても、記事後半でご紹介しています。
- 自社コンセプトにマッチした見込み顧客が増え、契約単価が1000万円向上した
- 商材の強みや特徴を理解した上で反響に至るため、価格競争から脱却し受注単価が2.5倍になった
- 数ある競合から自社に興味を持ってもらえるようになり、反響獲得後から契約までの期間を3分の1に短縮できた
上記のような成果にご興味のある方はぜひ最後までご覧ください!
ポジショニング戦略とは業界内で自社ポジションを差別化・独立化すること
ポジショニング戦略とは、業界内における自社のブランドや商品・サービスの立ち位置(ポジション)を確立させて、ユーザーにとってナンバーワン・オンリーワンの存在になること。
例えば、カレーチェーンについて聞かれると、真っ先にイメージされやすいのは全国に1,000店舗以上構える「Coco壱番屋」です。
「日乃屋カレー」や「ゴーゴーカレー」など、カレーチェーンは他にも存在しているのですが、規模としては10~60店舗程度になっています。(※)
つまり、国内のカレーチェーン業界はCoco壱番屋の一人勝ち状態であり、他とは比較にならないと言っても過言ではないため、ポジショニング戦略は文句なしに成功しているというわけです。
※参照元:Yahoo!ニュース「2019年、国内主要カレーチェーン店の出店数」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200107-00249002-bizspa-bus_all
Coco壱番屋のようなナンバーワンの存在になれると、それだけで差別化・独自化につながります。なぜなら、ナンバーワン以外の存在は、ユーザーの記憶に残りにくいからです。
実際、Coco壱番屋以外のカレーチェーンについて聞かれると、カレー好き・外食好きのユーザーでもない限り、すぐ名前は出てこないでしょう。
ポジショニング戦略で抑えておくべきポイント
ポジショニング戦略を立案する前に注意しなければならない重要なポイントとしては「そのポジショニングが顧客のベネフィット、顧客の視点で策定されているか」という点です。
これを無視して十分な市場分析もせず、自社に都合がいいようなポジショニングをしてしまうと、失敗する可能性が高い。
ポジショニングの策定には、以下6つの要素を満たせているかどうかをチェックしてください。
- 企業側(売り手)の考えるポジショニングがユーザーに伝わるか
- ビジネスが成立するだけのターゲットが存在しているか
- 売り手都合ではなく顧客目線のポジショニングになっているか
- 売り手が策定したポジショニングにユーザーが共感してくれるか
- 競合との差別化の明確化ができているか、その差をユーザーが理解できるか
- 企業理念やポリシーと製品・サービスのポジショニングに整合性が認められるか
いくら独自性があるといっても、それを求めているターゲットが少なければビジネスはストレッチしませんし、売上にも期待できません。
また自社の思い込みだけで「こんなにすばらしい価値があるのだから、多少高い値段でも買うだろう」というポジショニングに舵を切ったとして、顧客はそうは思わないかもしれない。
顧客が価値や魅力を感じなければ、ポジショニング戦略は成立しないのです。
業界内でブランドポジションを確立できる集客メディア
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ポジショニング戦略のメリット
ポジショニング戦略を成功させることで、下記のようなメリットが得られます。
- 業界内の価格競争から脱却できる
- ユーザーが離れない
- 効果的にブランディングできる
- 集客・売上を安定させることができる
ポジショニング戦略導入時の各メリットについて理解を深められるよう、ひとつつずつ掘り下げて解説していきます。
業界内の価格競争から脱却できる
自社が携わっている業界内で独自のポジションを確立すれば、競合他社との価格競争から脱却することができます。
仮に商品・サービスの価格が他より高かったとしても、自社ならではの機能や価値が備わっていれば、ユーザーから選んでもらえる可能性は高いのです。
逆に独自のポジションを確立させないと、ユーザーには「似たような商品・サービスの1つ」などと認識されてしまいます。
そうなると価格で勝負するしか選択肢がなくなってしまうため、利益を上げるどころか赤字経営に陥りかねません。
ユーザーが離れない
業界内におけるナンバーワン・オンリーワンの存在は、ユーザーにとって非常に魅力的です。一度ポジションを確立することができれば、ユーザーが「ここの商品を買っておけば安心」といった感じで“指名買い”を続けてくれる可能性が高まります。
指名買いなら他の商品・サービスと比較せずに選んでもらえるため、ユーザーが競合他社に移ってしまうことがありません。
つまり、ユーザーが自社から離れないため、利益もしっかり確保できるのです。
効果的にブランディングできる
業界ナンバーワン・オンリーワンという肩書きは、ブランディングの観点から見ても大きな意味を持っています。
自社だけが提供できる独自の価値を見出し、それをポジショニング戦略で確立すれば、ユーザーに「あのメーカーの商品だから欲しい」といったブランドイメージを持たせることができるのです。
例えば、自社ブランドを銘打ったバッグとノーブランドで安価なバッグがあった場合、特徴に大した違いがなければ大抵のユーザーは後者を選びます。
しかし、しっかりブランディングができていれば、ユーザーはブランドそのものに価値を感じるため、価格が10倍だろうが自社のバッグを選んでくれるというわけです。
集客・売上が安定する
ここまで解説してきたメリットを踏まえれば、ポジショニング戦略の成功によって、自社の集客・売上は安定すると言えます。
指名買いを続けてくれるユーザーを一定数獲得できる上、価格競争にも巻き込まれないからです。
ユーザーは自社の独自性やブランドに価値を見出しているので、もし商品・サービスの価格が相場より高く設定されていても、しっかり集客できる市場を作ることができます。
それに伴い、売上アップも狙えるため、より大きな利益へとつながるのです。
目指すべきポジショニング戦略
ポジショニング戦略において最も重要なポイントは、競合他社より上を目指すことではなく、自社独自のポジションを確立することです。
業界や企業規模にもよりますが、商品・サービスの価格・品質を見直すなどして、競合他社に真っ向勝負を挑んでも、そう簡単に勝つことはできません。
なぜなら、競合他社もそれに負けじと対抗してくるからです。
しかし、競合他社とは異なる独自のアプローチを実行すれば、中小企業でも大企業より優位なポジションを得ることができます。同じカテゴリー内で競い合うのではなく、市場内に新規カテゴリーを作ることで、ユーザーの注目も集めやすくなるのです。
また、新規カテゴリーなら競合他社に先駆けて行動できるので、ナンバーワン・オンリーワンを目指しやすいと言えます。
後から競合他社が参入してくる可能性もありますが、一度でもポジショニング戦略が成功すれば、ユーザーの印象に強く残るため、簡単に顧客を奪われることもありません。
つまり、ポジショニング戦略の秘訣は「戦わずして勝つ」ということに尽きます。
競合他社が激戦を広げている市場ではなく、その隙間にあるニッチな市場から攻めることが大切です。
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ポジショニング戦略の考え方
ポジショニング戦略と一口に言っても、業種や企業規模によって適切なアプローチは変わってくるため、絶対的に正しい方法というものはありません。
ただし、押さえておくべき考え方や知識については共通しているので、そちらを中心に解説していきます。
まずは現状把握
ポジショニングは、市場における自社の立ち位置の明確化です。ポジショニングを行うことで競合と差別化を図るわけですが、そのためにはまず、
- 競合にはない、自社ならではの強み
- その強みを求めている具体的な顧客像
- 自社を取り巻く競合環境
の把握が必要です。「自社にはこれといった強みはない」という方がいるかもしれませんが、上記の3つの要素を細かく分析していけば、ポジショニング戦略に活かせる強みは必ず見つかります。
現状把握を簡単に進めるには、「Company(自社)」、「Customer(顧客)」、「Competitor(競合)」のそれぞれの頭文字をとって名付けられた「3C分析」というフレームワークがおすすめです。下記のページには、印刷して記入するだけで3C分析が進められるワークシートを用意しておりますので、ぜひ活用してみてください。
ポジショニングマップの活用
ポジショニング戦略を検討するにあたり、ぜひ活用して欲しいフレームワークが「ポジショニングマップ」です。ポジショニングマップでは、ユーザーのニーズも視野に入れながら、市場を見極める必要があります。
ユーザーを置いてけぼりにすると、優れた商品・サービスを生み出したとしても、その価値が十分に伝わらないため、結果的にポジションを確立できなかったり、価格競争に陥ったりしてしまうのです。
ポジショニング戦略にとって差別化・独自化は大切ですが、それはあくまでユーザーに基づくということを忘れないようにしましょう。
ポジショニングマップにおける「軸」
ポジショニングマップを使う場合、どんな要素を「軸」として設定するかによって、最終的に確立できるポジションが変わってきます。そのため、軸を決めるプロセスは非常に重要です。
軸には様々な要素を設定できますが、購入や申し込みといった「コンバージョン」につながるかどうかが主な基準となります。
質と量、デザインと機能、短期的と長期的など、ユーザーのニーズや性質に合わせて検討することが大切です。
また、軸を決めるにあたり「セグメンテーション」と「ベネフィット」という考え方も重要なので、合わせて解説していきます。
セグメンテーション
「セグメンテーション」とは、市場を同じニーズや性質を持つユーザーの塊(セグメント)に細かく分類することです。
マーケティングにおける基本知識の1つで、市場細分化と呼ばれることもあります。
セグメンテーションを実行するにあたり、下記の4つの方法(変数)が切り口になってきます。
- デモグラフィック(人口統計的変数)
- ジオグラフィック(地理的変数)
- サイコグラフィック(心理的変数)
- ビヘイビアル(行動変数)
各変数について、具体例も含めつつ解説していきます。
デモグラフィック(人口統計的変数)
年齢・性別・職業・所得・学歴・家族構成など、人口統計のデータに基づいてセグメンテーションを行う方法です。
ユーザーの消費行動と最も関連性が深いことから、マーケティングでもよく用いられています。
ジオグラフィック(地理的変数)
国・都市・市区町村・路線・気候・人口規模など、地理的な情報からセグメンテーションを行う方法です。
特に実店舗型ビジネスと関連性が深く、出店エリアやメニュー内容を検討する際に役立ちます。
サイコグラフィック(心理的変数)
価値観・性格・趣味・ライフスタイル・購買動機など、ユーザーの心理・感性に基づいてセグメンテーションを行う方法です。
元となるデータは定性的なものですが、Web上の行動履歴やサイト訪問履歴から把握することができます。
ビヘイビアル(行動変数)
商品・サービスの利用時間・利用頻度・利用場所、ユーザーの購買状況・態度・知識などによってセグメンテーションを行う方法です。
こちらもWebの発展によりデータを取得しやすくなったので、マーケティングにおける重要性も増しています。
ベネフィット
「ベネフィット」を一言で表すなら“商品・サービスから得られる満足感”です。
例えば、包丁を売りたい場合、「よく切れる」だけではなく「よく切れるからスムーズに料理できる」と伝えれば、ユーザーはベネフィットを感じられるため、購買にもつながりやすくなります。
ポジショニング戦略の軸についても、ベネフィットを意識して考えることが大切です。ベネフィットは下記の3種類に分類されます。
機能的ベネフィット
安い・早い・美味しい・軽い・便利など、商品・サービスの機能や性質によってもたらされるプラス効果のことです。
情緒的ベネフィット
楽しい・カッコいい・安心感・充実感など、商品・サービスを利用することで得られるプラス感情のことです。
自己実現ベネフィット
自分に自信が持てる・自分の理想を叶えられるなど、商品・サービスによって実現できる自己表現のかたちです。
ポジショニング戦略は実行あるのみ
ユーザーや競合他社を分析して、良いポジションを見つけることは準備段階に過ぎません。ポジショニング戦略は実行して初めて意味を持つからです。
もちろん、資金やスケジュールなど都合もありますが、全部は無理でも一部のアプローチなら少しずつ始めることができます。そのため、戦略のプランを立てたら、キレイにまとめなくてもいいので、まずは言語化してみましょう。
- どのユーザーに
- 他にはない特徴や強みを持っている
- どんな商品・サービスを提供して
- どのようなことを実現して欲しいのか
このように狙うべきポジションを言語化したら、あとは実行に移すのみです。
ポジショニング戦略はユーザーとの接点を持てることで発揮する
ポジショニング戦略は他社との違いや商品ポジションを設定するだけでは成功はしません。どれだけユーザーとの接点が持てるかということがとても重要です。
複数のタッチポイントで、自社が勝てると見込んだ市場で多くのユーザーに「このポジションにおいて最高に価値がある」と知らしめることが大切です。
例えば商品の省エネさを売りに打ち出したいと考えたとしても、検索時に自社が表示されなかったり、競合と一覧的に並べられたりしているだけでは無意味です。
つまり、競合他社との違いだけでなく、顧客に「買う理由」が提供できなければポジショニング戦略は成功しないのです。
- 購買における動機付け(=自分に合った商品だというポジショニング)
- 検索等のユーザー接点におけるブランディング(=最も省エネだというポジショニング)
この2点が実現できれば、競合他社が参入しにくい自社だけが勝てる市場を生み出せるということになります。
「ポジショニングメディア」を用いた「ポジショニング戦略」
詳細についてはお問い合わせください
ポジショニングが決まったら、どのように自社を打ち出せばいいのか分かったら、そのポジショニングをユーザーに認知してもらう必要があります。
例えば、安さ重視であれば「○○ 最安値」等、安さ重視のユーザーに対してアプローチします。
しかし、価格ではなく高品質重視や特定のニーズを狙い撃つようなポジショニング設定であれば、少しひねった戦術を練る必要があります。
この自社のポジションをしっかりユーザーへ浸透できる手段がポジショニングメディアです。
ポジショニングメディアを展開することで、その市場におけるWebブランディングも同時に実行することができ、売上に直結する集客の実現、市場へ自社イメージの浸透を図ることができます。
ポジショニングメディアを導入した結果、
- 欲しかったターゲット層を効率的に集客でき、受注単価が2.5倍に上がった
- 数ある競合他社から自社に興味を持ってもらい、商談から契約までの時間が3分の1に短縮できた
- 自社の「強み」を理解してくれる顧客が増えてアポ率が3倍以上になった
といったマーケティング効果を提供することができています。
ポジショニングメディアの概要や事例を簡潔にまとめた資料もございますので、ぜひご覧ください!
ポジショニングメディアの
制作事例一覧
ポジショニング戦略を落とし込んだ戦略にお悩みならZenkenへ
先述した通り、ポジショニング戦略は策定するだけでは意味がありません。
自社のポジションをユーザーに伝えなければならないため、それを踏まえたマーケティング施策を考えることが大切です。
とはいえ、マーケティング分析や戦略立案、具体的な施策の選定をするのは大変な作業量です。
- そもそも適切な分析ができていない
- 分析はできたが、それを支える戦略と戦術まで落とし込めていない
- 分析や戦略までは組み立てたが、戦術と連動していない
というのが、正直なところではないでしょうか。
マーケティングの専門部署がない、くわしい人材が確保できないといった場合には、弊社のような外部の専門会社に依頼するのがベター。慣れない業務で時間をとられるのは効率的ではありませんし、かけた時間が成果につながる確証もありません。
Zenkenでは、貴社のマーケティング課題をお伺いした上で、貴社がどんな市場でどんなターゲットでどんな強みを打ち出していくべきかを分析し、策定させていただくところからサポートさせていただきます。。
なかでも120業種・8,000サイト以上のWebメディアの制作・運用の実績に基づいたコンテンツマーケティングに関しては、きっとお役に立てると思います。
もしマーケティング戦略にお悩みがございましたら、下記フォームよりお問い合わせください。お待ちしております。