無印良品のポジショニング戦略のポイントとは?
最終更新日:2022年01月18日
生成りの衣服やシンプルなパッケージデザインが特徴的な日本初のブランド「無印良品」。衣類のほか、食器や掃除用品、文具、生活雑貨、化粧品、寝具、家具・家電まで、生活に関わるさまざまな商品を取り扱っています。
飾らないシンプルなデザインが男女問わず長く使えると人気で、無印良品のアイテムをこよなく愛す熱狂的なファン「ムジラー」という言葉まで生まれたほどです。
無印良品は、どのような戦略をとって根強いファンを獲得しているのでしょうか?ここでは、無印良品のポジショニング戦略のポイントを紹介しています。貴社のマーケティング戦略の策定にお役立ていただければ幸いです。
なお、自社が市場において取るべきをポジションを見つけるには、自社の強みと顧客のニーズに加え、競合との違いの洗い出しが必須です。この記事に合わせて、自社と競合の分析を通じてマーケティングを成果に繋げるためのワークシートも提供しています。こちらもぜひ自社のマーケティングにご活用いただければ幸いです。
生成りの衣服やシンプルなパッケージデザインが特徴的な日本初のブランド「無印良品」。衣類のほか、食器や掃除用品、文具、生活雑貨、化粧品、寝具、家具・家電まで、生活に関わるさまざまな商品を取り扱っています。
飾らないシンプルなデザインが男女問わず長く使えると人気で、無印良品のアイテムをこよなく愛す熱狂的なファン「ムジラー」という言葉も生まれるほどです。
無印良品は、どのような戦略をとって根強いファンを獲得しているのでしょうか?ここでは、無印良品のポジショニング戦略のポイントを考えていきます。
無印良品のポジショニング戦略のポイント
さまざまなモノやサービスがあふれる現代において、無印良品がとったのは「これでいい」というポジションでした。高級感や流行の色使い・デザイン性などをすべて取り除き、シンプルを追求することで、「ちょっと迷ったとき」に選ばれる存在になったのです。
「これがいい」ではなく「これでいい」
無印良品の公式サイトに、なぜこれがいいではなく、これでいいというポジションを選択したのかについて、以下のように説明されています。
無印良品はブランドではありません。無印良品は個性や流行を商品にはせず、商標の人気を価格に反映させません。無印良品は地球規模の消費の未来を見とおす視点から商品を生み出してきました。それは「これがいい」「これでなくてはいけない」というような強い嗜好性を誘う商品づくりではありません。無印良品が目指しているのは「これがいい」ではなく「これでいい」という理性的な満足感をお客さまに持っていただくこと。引用元:無印良品公式サイト「無印良品の未来」(https://www.muji.net/message/future.html)
無印良品がブランドではない、と聞くと意外ですが、上記引用からもわかるように戦略的に「これでいい」というポジションを取りに行っていることがわかります。
実質本位という独自のポジション
無印良品は、設立された1980年当初「わけあって、安い」をキャッチフレーズに、商品の規格からは外れてしまうような安い「ノーブランドの商品」という発想で企画をスタートしていました。
その後、「素材の選択」「点検工程」「簡素な包装」によって品質を守り抜くことで、「実質本位の商品をより安く提供する」というコンセプトを確立。
「安いけど、長く安心して使える商品がほしい」という消費者ニーズに合わせた商品開発・企画を徹底したことで、今では多くの人に「適正価格で品質の良い商品を提供する会社」として認識されています。
もの作りの本質を消費者に問いかけることで、「ノーブランドだから安い」というイメージだけだった価値観を「シンプルな商品は高品質で美しい」という認識に変えました。時代や日本人の持つ「美意識」に合ったことも相まって、これまでのブランドになかった独自のポジションを築き上げています。
「主張しすぎない」がブランドの存在感に
「感じ良い暮らしの実現」をブランドコンセプトに掲げている無印良品の商品は、素材や工程にこだわりながらも個性的すぎないデザインで、高すぎず安すぎず、主張しすぎないようシンプルにつくられています。
個性や流行を商品に反映させないことで、年齢や性別、ファッションセンスなどで選択に偏りが出ないブランドになりました。無印良品の商品すべてが、幅広い年代層や性別にマッチし「誰が着ても、誰が持っても似合う美しさ」という価値を生み出しているのです。
シンプルの中にある美意識や豊かさは国を超えて共感され、海外でも人気に火が付く要因となりました。
主張しすぎないことがブランドの存在感となり、さらにはターゲットを選ばない広い集客につながっています。
無印良品のポジショニング戦略まとめ
どこにでもあるシンプルなデザイン性と標準的な価格帯。モノやサービスがあふれる現代で、ちょっと迷ったときに無印良品が手に取られやすいのは、シンプルながらも常に消費者側の目線で品質と満足度を追求し続けているからでしょう。
他社との差別化ばかりを気にして、個性的な商品・サービスをつくることが必ずしも独自のポジションにつながるとは言えません。
無印良品のように、デザイン性や価格で主張するのではなく、品質や満足度を追求し、それを「消費者(ユーザー)に分かりやすく伝える」ことが独自のポジションや価値の創出につながっていくこともあります。
自社のポジショニングを確認したい、とお考えであれば、キャククル内にご用意した「ポジショニングマップのテンプレート」をご活用ください。下記より無料でダウンロードできます。
業界における自社のポジションを見直したい、効率的なマーケティング戦略で集客を実現したいという方は、ぜひ一度キャククルまでご相談ください。これまでに培ってきた7,000件以上の広告支援・実績をもとに、御社に最適な集客施策をご案内いたします。