PEST分析でトヨタを取り巻く外部環境要因を解説します
最終更新日:2022年03月02日
ここでは、世界で最大級の自動車メーカー「トヨタ」を、PESTで分析していきます。自社の外部環境分析の参考にしてみてください。
なお、PEST分析を早速自分でやってみたい方のためには、下記のページにて無料でダウンロードできる記入テンプレートを用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
トヨタのPEST分析
PEST分析とは、以下の4項目で構成される分析フレームワークです。
- Politics(政治的要因)
- Economy(経済的要因)
- Society(社会的要因)
- Technology(技術的要因)
企業とその周囲の環境を異なる視点から分析し、外部環境の中にひそむ自社のチャンスととリスクを整理することで、影響度の評価が行えます。本記事では、世界的企業として知られるトヨタ自動車についてPEST分析を加え、実際の分析方法を順番に実施していきましょう。
トヨタにおけるPolitics
Politicsは国内・海外の政治動向や制度・法律・取り組み・国民の政治的関心事を含めたトピックです。近年は地球温暖化や水資源の問題、持続的な環境維持が世界的な関心事であり、各国が政策に取り入れています。
トヨタ自動車ではこの流れを受けて「6つのチャレンジ」という地球環境を考慮した二酸化炭素排出量削減・水使用量の最小化と排水管理・循環型社会構築の取り組みを実施しています。
環境にやさしく安全な車の開発製造を実施し、10年先までを見据えたSDGs目標を掲げています。今後さらに環境への関心が高まるほどにトヨタの取り組みは高く評価されていくと予想されます。
トヨタにおけるEconomy
Economyは国内・海外の経済活動状況・産業・消費者の動向と心理・物価指数・株価・金利の動向を指します。トヨタを取り巻くEconomy要因としては、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて外出自粛傾向が強まり、遠出や旅行をする人が世界的に減少しています。
一方、トヨタでは2020年に世界首位の座をドイツのフォルクスワーゲンから奪還し、コロナ禍にも関わらず販売台数が好調に推移しています。主な原因は、コロナ禍の回復が比較的早かったアメリカと中国市場での良好なパフォーマンスでした。また、電気自動車のSUVの開発など、「ポストコロナ」のユーザーニーズ対応に力を入れています。
トヨタにおけるSociety
Societyは社会の様相・ライフスタイル・インフラ・交通状況などを指します。近年、「若者の車離れ」という言葉が生まれるほど若年層の自家用車の保有率が減少傾向にあります。
トヨタではこのSociety要因を踏まえて自動車のサブスクリプション(定額課金)サービスを開始し、申し込み数を伸ばしています。サブスクリプションは若者からの支持を増やすとともに、会社の信頼性やブランディングにも繋げられる手法であり、若年層の車離れの解決策として注目されています。
トヨタにおけるTechnology
TechnologyはIT技術・特許技術・イノベーション・技術開発の総称です。外部要因としては、車にAIや自動運転技術が搭載されることでますます安全かつ快適な走行ができるように取り組みが始まっています。
トヨタではこの流れに素早く対応し、環境に配慮するCO2削減車はもちろん、将来を見据えて「電動化」や「事故予防」にも積極的に取り組んでいます。
特に「EDR」と呼ばれる機能は、車両に衝撃が加わった際にその瞬間の状態を記録し、あとから改善を施す新しい技術です。高齢者による踏み間違い事故や逆走事故が問題視されるなか、トヨタでは今後さらにEDRの精度を高めて安全な車両が開発されていくと考えられます。
企業の成長性や将来性の分析に効果的
PEST分析は企業の活動に影響をもたらす外部要因を分析するもので、経済や政治など広い視点でリスクをチェックしていく手法です。トヨタ自動車はあらゆるリスクに備えつつ、改善点をスピーディに洗い出す体制を整えており、多角的な視点を有していることがわかります。
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