PEST分析が不動産業界のマーケティングに必須な理由
最終更新日:2022年03月02日
この記事では、不動産業界におけるPEST分析について解説しています。どうぞ貴社の戦略策定にお役立てできれば幸いです。
なお、PEST分析を早速自分でやってみたい方のためには、下記のページにて無料でダウンロードできるPEST分析記入テンプレートを用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
PEST分析/不動産業界編
会社を成長させるためには、まず市場を分析して、つねに最新のニーズを把握しておく必要があります。景気の影響を受けやすい不動産業界は特にこの市場分析が重要となります。
不動産業界はバブル期のような好景気のときは、需要が高まり業界全体としても好調になるのは当然ですが、コロナ禍や人口減少といったネガティブな要因でも一部の不動産バブルが起こる可能性があります。
このように景気の影響をダイレクトに受けてしまう不動産業界において、自社を取り巻く外部環境要因の分析を行い、事業に活かせるかどうかが会社の未来を決めると言っても過言ではありません。
常に変化し続ける外部環境の分析に使用されるフレームワークとして、不動産業界のPEST分析を活用していきましょう。
PEST分析とは、マクロ環境要因を分析するマーケティングフレームワークのことです。PEST分析を活用することで、政治的、経済的、社会的、技術的側面から自社の置かれている状態を分析し、将来のビジネスプランの構築が可能となります。
今回はそんなPEST分析についてと、不動産業界にPEST分析が必要な理由についてをご紹介します。
そもそも、PEST分析とは?
冒頭でも触れたとおり、PEST分析とは、マクロ環境要因を分析するフレームワークのことです。政治的(Politics)、経済的(Economy)、社会的(Society)、技術的(Technology)の頭文字をとったもので、PEST分析を行うことで市場のニーズや自社を取り巻く環境分析を明らかにできます。
PEST分析を不動産業界に当てはめると、下記のような要素が考えられます。
Politics(政治)
政治的側面として、不動産業界に大きな影響が出る「2022年問題」があります。2022年以降は固定資産税や相続税等の税制優遇が受けられなくなることから、離農する農家が増え、農地の宅地化が進むなどして地価の下落が懸念されています。
Economy(経済)
コロナ禍による不況の影響で、空室率が増加していることが挙げられます。電通の本社売却が象徴的ですが、ほかにも本社ビルを売却する企業が今後も増える可能性があります。売買どちらの市場も不安定要素が多く、先が見通しにくくなっています。
Society(社会)
少子高齢化や未婚化の影響により、世帯数が減少し、新築、中古物件の需要が落ち込むことが挙げられます。またその空き物件を中国企業が買いあさる動きも出ており、日々刻刻と社会情勢は変化しています。
Technology(技術)
オンライン会議ツールの普及によりテレワークを実施する企業が増え、会社のあり方、オフィスのあり方を変えるリモート技術が急速に進んでいます。またバーチャル展示会やオンライン商談などもニューノーマルとなり、不動産テックを導入する企業も増えています。
不動産業界になぜPEST分析がマストなのか
国土交通省の調査によると、2017年度の国内不動産業の市場規模は61.8兆円で、右肩上がりとなっており、経済成長を支える重要な産業のひとつであることに変わりはありません。
不動産業の売上高は2015年度が約40兆円弱だったものが、2017年度には43.4兆円、と伸びており、業界全体として拡大傾向にあることがわかります。景気の波の影響を受けながらも不動産業界は、堅調に成長を続けているのです。
国土交通省「不動産業ビジョン2030(参考資料集)」で取り上げられている不動産業界全体の傾向について、いくつかご紹介しておきましょう。
シェアリングエコノミーの定着
近年シェアリングエコノミーが普及し、不動産業界もこの傾向が見られます。民泊を始めとしたスペースシェアリングサービスの需要が高まっています。買い切りの時代から空間もシェアする時代へ、ニーズが移り変わりつつあるのです。
現在はまだアフターコロナを語れる状況にはありませんが、若い世代はとくに「新築持ち家信仰」が薄れてきていることだけは確かです。
空き家へのニーズの高まり
高齢化社会が進む日本では、空き家問題も深刻化しています。一方で、空き家に若い世代を含む働き盛りの世代の関心を集めています。
20年以上も前からある取組みではありますが、地方公共団体がマッチング支援する「空き家バンク」に関する興味深いアンケート結果が公開されています。
「『空き家バンク』について、将来住まいとして検討したいと思いますか」という問いについても全体では「是非検討したい」は5.5%、「検討してもよい」は24.8%と3割程度に留まるものの、20代は9.3%、30代では7.8%が「是非検討したい」と回答しています。引用元:株式会社リブセンス不動産テック専門メディア/スマーブ 異例のコロナ対応で変わる「不動産業界」概説(2020年春版)(https://www.sumave.com/20200428_17183/)
この調査結果からも分かる通り、若い世代ほど、空き家を住まいとして利用することに抵抗がありません。20、30代の若い世代を中心に空き家を中古住宅として再利用する動きが見られます。
※参照元:公益社団法人 全国宅地建物取引行協会連合会「住まい方の意識トレンド調査(2019年3月)」(https://www.zentaku.or.jp/cms/wp-content/uploads/2019/03/201903_trend_report.pdf)
不動産業界にPEST分析は必要不可欠
不動産業界は社会や政治経済の影響を大きく受けて変動するビジネスであることから、マーケティング戦略を打ち出すフレームワークとしてPEST分析は活用すべきです。上記のような、ニーズの変化にいち早く気づくためにも、外部環境要因の分析は常に行う必要があります。
できるかぎり早い段階でPEST分析を取り入れることで、市場のニーズに合わせたビジネスプランの構築が可能となります。国内外の市場を正確に把握したうえで、どこまで俊敏な対応ができるかに自社の発展がかかっています。
不動産テックの活用やWebマーケティングの本格導入などDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進も急務です。
PEST分析を早期の段階で行い、将来起こりうるニーズの変化にも柔軟に対応できる体制づくりをしていけるようにしていきましょう。
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