製造業におけるPEST分析の特徴やメリットなど具体例を交えて説明
最終更新日:2024年06月27日
この記事では、製造業におけるPEST分析の特徴やメリットについて解説しています。どうぞ貴社の戦略策定にお役立てできれば幸いです。
なお、PEST分析を早速自分でやってみたい方のためには、下記のページにて無料でダウンロードできるPEST分析記入テンプレートを用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
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PEST分析とは?
自分の会社を取り巻いているマクロ環境要因(自社ではコントロールができない外的要因)に目を付けて、今後の経営戦略を立てるときに活かすフレームワークのことをPEST分析と言います。
製造業をはじめ、経営戦略をより強固なものにしていくには自社や業界を取り巻く環境変化の把握をすることが欠かせません。
PEST分析とは?基本をチェック!
PEST分析のPESTとはマクロ環境要因である4つの外部環境要因の頭文字から取っています。
P(Politics/Political)政治的要因
- 消費税や政権交代、法改正や助成金など
E(Economy/Economical)経済的要因
- 世界情勢の変動や景気動向、株価や金利や物価、原材料の高騰など
S(Society/Social/Cultural)社会的要因
- 少子高齢化、流行や事件など
T(Technology/Technological)技術的要因
- 新技術開発、特許やイノベーションなど
これら4つの外部環境要因を分析するフレームワークのことをPEST分析と呼んでいます。
PEST分析の概要と特徴
PEST分析の主な目的・活用方法は、「適切な経営戦略の策定」です。
特に会社設立時や新しいビジネスの立ち上げ、既存事業の方針を大きく変えるなどの転換期に、自社が置かれている現状を正確に把握し、正しい経営戦略を立てる際に効果を発揮します。
またミクロな視点から市場を分析する「3C分析」や、マーケティング戦略立案に役立つ「SWOT分析」と連携することで、より精度の高い経営戦略を導き出すことができます。
PEST分析を導入するメリット
PEST分析は自社を取り巻いている外部環境を検証することができるので、今後のビジネスモデルを定めていくためには必要不可欠と考えられています。
マクロ環境は企業へ与える影響が大きく、影響が大きければ大きいだけ早めにリスクを回避する必要があります。
一方良い機会があるのに見過ごしてしまうと損失につながってしまう恐れも出てきますし、機会を逃したことにより、将来的に脅威へと変化していく可能性もあるのです。
成長機会やリスクを回避するためにも、PEST分析を行って世の中の変化を見つめ、トレンドを味方につけていく必要があります。
PEST分析の導入における重要ポイント
一度PEST分析を行ったら終わりではなく、中長期の視点で見ていくことが重要です。
世の中は常に変化と進化を続けていて、世論によって政治が動くこともあれば技術の進歩によって法が制定することもあります。
世の中の動きで変わるものもあれば変わらないものもあるので、できれば3~5年のスパンでPEST分析を行うと良いでしょう。
ただし、製造業においては技術進歩による環境変化のスピードが少しずつ増しているため、定期的に分析をすることをおすすめします。
製造業におけるPEST分析を具体例とは
PEST分析について記してきましたが、どういう発想や進め方をすれば良いのか、自動車業界を例として解説します。
要因を挙げる際に意識すべき点は、現在のトレンドと課題を網羅的に考え、そして将来起こるかもしれない予測をすることです。
政治的要因
現在起こっている政治的要因としてエコカー減税の縮小が挙げられます。
エコカー減税は新車の自動車税と自動車重量税を軽減する措置で、燃費達成率によって変化していきます。
2018年にエコカー減税が見直され、今までは減税の対象だった車も対象外になるなど縮小幅が大きくなりました。
対象が縮小されたことで、軽自動車やコンパクトカー、ハイブリッド車の売り上げは減少傾向になります。
以上を踏まえて自動車産業としては、今後扱う自動車は軽自動車以外の乗用車に重点を置くべきなのかと、検討することができるのです。
経済的要因
景気の後退に新型コロナウィルスの影響もあり、2020年度の有効求人倍率は1.10倍で前年比0.45ポイント低下し46年ぶりに大幅に低下。また失業率も2.9%で前年度比0.6ポイント上昇となり11年ぶりの悪化となりました。
採用率が低く失業率が高くなれば当然消費の落ち込みにつながり、車などの大きな買い物への出費には消極的になるでしょう。
参考:一般職業紹介状況(令和3年3月分及び令和2年度分)について | 厚生労働省 公式サイト(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18223.html)
国内での販売量が低下することで、グローバル生産を強化するなど販売チャネルを見直す機会になるかもしれません。
社会的要因
若者の車離れは公共交通機関が発達するとともに、自動車が無くても困らない都市部を中心に加速しました。
車を所有することに対してのステータス性が落ち、所有するよりシェアすることが主流になるのではないか。
と現状の分析とトレンドを知ることで、マネタイズの方法や今後市場に投下する車種やデザインに反映することができるかもしれません。
技術的要因
自動車技術は世界中で研究が進み進化を続けており、2021年度には実用化に向けた段階に突入すると考えられています。GoogleやApple、Uberといった米国のIT企業の開発状況も気になるところです。
電気自動車の開発も進んでいて、国内主要自動車メーカーも独自の方針を発表するなど今後も開発競争は激化していくと考えられます。
背景には経済産業省がかかげるEV普及目標などの政治的要因や、グローバル生産や貿易といった経済的要因なども関係しているはずです。
このように相関関係も踏まえて適切な経営戦略を導き出せることもPEST分析の特徴の一つといえるでしょう。
参考:EV/PHV普及に関する経済産業省の取り組み | CHAdeMO協議会 公式サイト(https://www.chademo.com/wp2016/wp-content/japan-uploads/2017GA/2017GAMETI.pdf)
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変化する製造業界に対応したPEST分析を使いこなそう
製造業を取り巻く内部環境はもちろん、外部環境も常に変化し続けています。製造業は特に変化が激しく、さまざまな外的要因から影響を受ける業種でもあります。
社会情勢や世の中の動きを注視し、新しい企画を立ち上げる時や業界内で大きな出来事や変化があったときにPEST分析を役立てください。
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