ペルソナマーケティングのメリットとは?デメリット・注意点も解説
最終更新日:2021年07月01日
ペルソナマーケティングとは
ペルソナマーケティングとは、具体的なユーザー像を設定して、消費者の需要を想定し、それに即した商品やサービスを提供する手法です。
マーケティング業界では架空のユーザー像や人物像を「ペルソナ」と呼び、年齢や性別、居住地域、配偶者の有無などを詳細に設定します。
複数人でプロジェクトに取り掛かっている場合、利用者のイメージにバラツキが生じてしまうかもしれません。そのため、マーケティング戦略を立てる上で、共通認識のターゲットを定めることは大切な要素となります。
前もってターゲットのペルソナを設定しておけば、戦略の方向性などにブレが生じにくくなり、スムーズに話を進められます。
「ユーザーは何を望むのか」「どんな課題やニーズを抱えているのか」具体的なペルソナ像があれば、消費者の求めるサービスを明確に示せるようになるでしょう。
ペルソナとターゲットの違い
ペルソナとターゲットを、同じようなものと認識されている方も多いのではないでしょうか。
しかし人物設定をする上で、両者の情報量には違いがあります。
ターゲットは「20代男性」「30代、都内に勤める女性」と少ない項目のみでカテゴライズします。
ペルソナの場合は、実際に存在している人物であるかのように職業、年収、家族構成、身体的特徴、価値観、ライフスタイルまで詳細に設定するのが特徴です。
ターゲットはある程度似た性質を持つ集団というものであり、対するペルソナは個人を想定するものになっています。
ペルソナマーケティングのメリット
ペルソナマーケティングにおいて、下記のメリットがあります。
ユーザー心理の理解が進む
ペルソナを作成すると、ユーザーの視点で意思決定をしやすくなります。
徹底的に生活スタイルや趣味嗜好を分析して、心の動きや行動を予想することで、具体的な課題やニーズが浮き彫りになります。
企業側の視点で、マーケティング戦略を考えてしまうと、ユーザーニーズとずれてしまい、思うような売上や成果につながりません。
ユーザーが課題解決や悩みの解消をする際の行動を予想すれば、集客効果の高いマーケティングを実施できます。
チーム内でのターゲットイメージが統一される
複数人でマーケティングのプロジェクトを進めている場合、ターゲット像の共通認識を持つ必要があります。
それぞれの認識が曖昧だと、目標やタスクを定める際にずれが生じてしまい、余計な時間やコストがかかってしまうためです。プロジェクトの最終段階で「そもそもターゲットがズレている」といったミスが発生しては目も当てられません。
あらかじめ細かいペルソナを設定すれば、方向性を示しやすくなり、コミュニケーションも円滑になります。社外に情報共有をする場合にも、イメージの不一致を防げるでしょう。
またスムーズにプロジェクトを遂行できれば、工数を最小限にできるので無駄なコストの削減にも繋がります。迅速にマーケティングを実施したい企業様にこそ、ペルソナマーケティングが必要不可欠です。
ニーズに沿ったコンテンツやPRを考えられる
マーケティングでは、消費者の行動や思惑、背景にある意識構造を見抜いて購買意欲をかき立てることが重要です。
具体的なペルソナを描くことができれば、ターゲットの好きなものや悩み、商品に期待する要素などが明らかになり、適した訴求方法を導きやすくなります。
自社ホームページや広告掲載時にコンテンツを作成する上でも、ターゲットの心に刺さる企画を立案でき、ファンの獲得にも繋がるでしょう。
例えば育毛剤の商品をPRしたければ、ペルソナに男性・薄毛で悩んでいる層・すでにいくつかの商品を試しているが失敗しているなどいくつかの要素を抽出。
そして薄毛の原因や、日々のお手入れに関するコンテンツを作成することで、狙ったターゲットからの注目を集めやすくします。
ペルソナマーケティングのデメリット
多くのメリットをもたらすペルソナマーケティングですが、デメリットも存在します。リスクヘッジのためにデメリットも押さえておきましょう。
時間やコストがかかる
ペルソナを作り上げるには、いくつかの工程を踏まなければなりません。勝手なイメージだけで設定すると、プロモーション活動で失敗する恐れも。
自社の商品やサービスに適したペルソナを考えるには、インタビューやリサーチの徹底が必要です。どのようなユーザーがどれくらい居て、どんなことに困っているのか、需要はあるのかなど入念に下調べをした上で、ペルソナ像を描きましょう。
ターゲット以外には訴求できない
ペルソナ設定はターゲットの人物像や価値観をリアルにイメージし、ニーズに応えることで効果的な訴求が可能になります。
その反面、ターゲットを限定することによって、それ以外のユーザーへの訴求が難しくなるというデメリットも。
ペルソナマーケティングは広く浅くPRしたい場合には不向きなため、自社のマーケティング戦略の目的とあっているは意識しておきましょう。
またペルソナ像があまりに奇抜なもの・現実離れしている場合や、想定したニーズと自社の提供価値が合致しない場合など、設定にずれがあった場合はまったく成果が見込めなくなるリスクもあります。
常にブラッシュアップが必要
マーケティング戦略全般にいえることですが、一度ペルソナを設定しうまくいったとしても、ずっと順調に売れ続ける・選ばれ続けるということはほぼありません。
時代とともに、ユーザーの価値観や行動は変化します。そういったユーザーの変化に対するアンテナを常にはり、時代にあったペルソナ像にブラッシュアップさせる必要があります。
ペルソナ設定をミスした後の巻き返し
もしペルソナの設定を間違えてしまうと、コストや時間をかけた割に売り上げの低下や横這いといった結果を招いてしまうかもしれません。 どんなマーケティングの手法も、絶対に成功するとは言い難いので、成功率を高める働きかけが求められます。
感覚やイメージでペルソナを決めずに、綿密な調査やリサーチを実施してください。具体的な数値でニーズや市場を分析すると、合理的な根拠に基づいたターゲット像を導き出せるはずです。
ただしすべての会社が、マーケティングに時間をかけられるわけではありません。
自社では難しい場合は、必要に応じてマーケティング会社への依頼も効果的です。
もちろん費用はかかってしまいますが、自社でやっていた場合にかかっていたであろう時間やコストと照らし合わせて、検討してみましょう。
ペルソナマーケティングの進め方
ペルソナを作成する手順は以下の通りです。
- 情報収集
- 詳細な人物像の設定
- ペルソナの検証
- 運用・見直し
ペルソナ像を描くには、いくつかの手段で情報やデータを集めるのが重要です。既存の顧客や定量的なデータをもとに情報をグループ分けすると、年齢や性別、居住地別の人物像が浮かび上がってくるでしょう。
またアクセス解析ツールを用いて、どんなユーザーからの流入があるのか調べることも可能です。性別や年齢だけでなく、興味のあるコンテンツを絞り込めるので、ニーズの分析にも有効です。
揃ったデータの中から実際に共通する特徴を抽出し、人物像の概要を作成して肉付けを行いましょう。背景やストーリー、エピソードなどを加えるとよりリアリティのある人物像になります。
完成したら実際に存在していそうな人物像なのか、アンケートで検証したりや営業スタッフに確認したりしましょう。完成度が低ければ再構築しなければなりません。
最終段階として、用意したペルソナを軸にマーケティング戦略を立てます。顧客の動向や反応を見ながら、定期的に見直すようにしましょう。
まとめ
具体的なユーザー像を作り上げるペルソナマーケティングは、集客効果を高めたい企業様に適しています。年齢や性別、生活スタイル、背景まで想定するペルソナ設定は「何に困っているのか」「どんなニーズを持っているのか」に意識を向けやすくなるでしょう。
また複数人でマーケティングを進めている場合、「ペルソナ」を決めると共通認識を持てるので、方向性のズレを防止できます。イメージをしっかり共有できるため、プロジェクト単位でのマーケティングも無駄な工程を省けるはずです。
マーケティング戦略にお悩みなら
ペルソナの設定やマーケティング戦略を考えるにあたっては、様々なデータの調査・分析やノウハウが必要になります。
「マーケティング戦略を進めたい」と重要性をわかっているものの、中々うまく進めれず時間ばかりがかかってしまうということも少なくありません。
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