「お客様に選ばれる理由」は顧客のインサイトにある

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あなたは自社がなぜ「お客様に選ばれた」のか、その理由がわかっていますか?直接の顧客担当であれば把握できている場合が多いですが、営業部署全体や事業部全体で、それが共有されているでしょうか。

ここでは改めて、お客様(顧客)に選ばれる理由にスポットを当て、マーケティングの本質を深掘りしていきたいと思います。

BtoBのマーケティングにつまづいている、売上に伸び悩んでいるというかたは、参考になさってください。

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BtoBマーケティングの課題とは?

BtoBマーケティングの課題とは

モノやサービスを売るという点ではBtoBもBtoCも本質的には同じですが、BtoBの場合は情報を入手したユーザーから成約・決済までの道のりが遠い、という大きな違いがあります。

新規リードが獲得できても、なかなか成約につながらず売り上げを伸ばせない。多くの中小企業が抱える課題のひとつは、この点にあるのではないでしょうか。

では、なぜなかなか契約につながらないのか。整理しながら確認していきましょう。

「比較検討」を前提とした差別化ができていない

BtoBでは自社が提供したい商材においては必ず同じ市場のライバル会社と比較されるのが前提です。

BtoCでも比較はされるのですがBtoBにおいては一度社内へ持ち帰った上で時間をかけてさまざまな面を比べられてしまいます。

BtoBで比較される点

比較される内容も同じではありません。BtoCなら話題性やブランド力など数値化できない評判が大きく選定基準に影響します。相手が企業だと金額や他企業における導入事例など数値や第三者目線で客観的に判断できる内容が大きなポイントです。

顧客が契約するにあたり、下記の2点を伝えられているか重要です。

  • 与えられるメリット
  • 他社との差別化ポイント

いかに差別化したメリットがあるかを伝えられる戦略を立てておく必要があります。

ブランディングできていない

ブランド力はBtoBにおいて比較時に影響は受けにくいのですが、知名度を高める意味でのブランディングはとても有効です。

知名度が低ければ比較される対象としても挙げられませんが、聞いたことがある企業名なら比較する際に選択肢に含められる可能性が高くなります。

顧客の背景が理解できていない

ターゲットや顧客に対してのインサイトを押さえられていない点も、売上が伸びないケースの課題です。

インサイトの本来の意味は「洞察」とか「見抜く力」ですが、マーケティングにおけるインサイトとは、顧客の本音や心理を指します。

契約に至るバックグラウンドで、何が顧客を購買や契約にまで至らせたのか、その理由がわかっていないとその先の戦略も立てられませんし、アップセルもできません。

BtoBにおけるインサイトは、大きく分けて以下の3種類があります。

  • 機能的インサイト
  • 感情的インサイト
  • 社会的インサイト

顧客からのニーズを集めるには現在契約している顧客が重要です。インタビューを実施したり導入事例を分析したりといった方法で自社が気づいていなかったニーズを把握できます。

他にも顧客と直接接している営業担当者が現場の声を多く聞いているケースもあるので、営業担当者へのヒアリングも大切です

機能的インサイト

機能的なインサイトは、会社や部署の目標に通じるような数値的な課題で、下記のケースが挙げられます。

  • コストを何%削減したい
  • 残業時間を何時間減らしたい
  • 顧客満足度を高めたい
  • 業務で発生するトラブル件数を減らしたい

感情的インサイト

自社が感じたいニーズで機能的インサイトに近い部分がありますが、数値で測れない内容が感情的インサイトで、例として下記があります。

  • 従業員に喜んでほしい
  • 部署内の業務を楽にしたい
  • 部署同士の連絡をスムーズにしたい

社会的インサイト

社会から客観的に見た際、差別化された状況を希望するニーズで下記が一例です。

  • 他社より仕事が早いと思われたい
  • 他社にはない技術をもつイメージがほしい
  • 環境を意識している会社になりたい

具体的な「お客さま像」が見えていない

ニーズに加えて、商材をアプローチするお客さま像が見えていないこともありがちな課題です。

いわゆる5W1Hと呼ばれる下記を意識しましょう。

  • いつ
  • どこで
  • だれが
  • なにを
  • なぜ
  • どうしたい

社内の会議室だけで検討されている問題なのか、日々悩んでいる問題なのかで展開する広告方法も変わってきます。

なに、なぜ、どうしたいのかという部分においては、商材の内容を左右する大きなポイントです。

BtoBではターゲットが商材を認知してから契約するまでのプロセスを4つのフェーズに分けたマーケティングファネルという考え方があります。

ターゲットの5W1Hを意識して進めるマーケティングは、初期段階における認知拡大を実現するために必要な戦略です。

また契約までの段階で離脱しているケースにおいて、離脱防止のフォローを検討する際も5W1Hを意識すると対策が見つかりやすくなります。

こちらのページにてマーケティングファネルにおいて詳しく解説しているので、くわしく知りたいかたは下記記事もお読みください。

社内部署の連携が未成熟

製品を開発した部署と他担当部署に距離がある点も、BtoBのマーケティングとして問題になりがちな課題です。

マーケティング部署が収集した情報を開発部署に伝えられない、反対に製品部署がこだわって作り上げた他社にない差別化ポイントを営業部署が理解していないといったケースが挙げられます。

実際に別部署の横連携における風通しをよくするのは簡単ではありません。しかし会議への相互参加などちょっとした工夫で横断的な連携は可能です。

株式会社INNOVATIONPATHの代表取締役、武下真典氏は下記のように話しています。

製品開発部門とマーケティング部署は分離されているところが多く、それぞれが独立して開発とマーケをやっているところが多いです。マーケが製品開発になかなか意見を言えない、開発には何も携わっていないという状況でなかなかうまくいっていないという企業は、まずマーケ部隊が製品開発部門の会議に参加するというところから始めたら良いと思います。もしかしたら会議の8割の時間は意味ないかもしれないけれど、2割の部分に製品のこだわりなどが出ていたりするので、そこがマーケのメッセージだったりします。

引用元:エッセンス株式会社「顧客に選ばれるためにはどうすればよい?BtoBマーケティングは顧客のインサイトを深ぼること」(https://www.essence.ne.jp/service/propartners/case/btob-marketing-customer-insights)

BtoBでお客様に選ばれる5つの要素

BtoBでお客様に選ばれる5つの要素

マーケティング戦略の立案や商材開発において、他社と比較した際に選ばれるためには、そこに選ばれる理由が必要です。要素としては、大きく5つに分けられます。

  • 購入・導入のメリット
  • 客観的に実証できる証拠
  • 企業への信頼
  • 安心できるサポート体制
  • 製品・サービス認知度

購入・導入のメリット

まず契約した上で得られるメリットは基本的な部分です。通常何らかのメリットがなければ商材は契約されません

もっとも大事な部分で、他社と比較して突出しているか、最低限でも同等のレベル以上が必要です。メリットが他社と同等の場合には他の理由と合わせて比較されます。

仮に競合他社と比較されて勝てない市場でビジネスをしているとすれば、自社が勝てる市場を探さねばなりません。

客観的に実証できる証拠

どんなに他社よりも優れていても、本当にメリットを受けられる証拠がなければ企業や部署における責任者も納得しません。実際にメリットが得られるという証拠を示す方法の例は下記があります。

  • 顧客の声
  • インタビュー記事
  • 報告書
  • 利用者データ

企業への信頼

まったく名前の知られていない企業の場合、BtoBで信用を勝ち取るのは容易ではありません。豊富な実績や上場の有無、プライバシーマーク取得有無なども、企業への信頼度に影響します。

特にBtoBの場合、情報漏洩防止や倒産懸念のため取引企業に対して一定の基準を設けているケースも珍しくありません。

過去に契約を断られた際に提示された条件がクリアできていなかったケースがあった場合、条件を満たせば顧客の間口が広がる可能性があります。

安心できるサポート体制

提供する商材の価値だけではなく、万が一トラブルがあった際のサポート体制も比較時に重要となるポイントです。

サポートは不良品の対応だけではありません。不明点があったときに一社員が相談できる連絡先があればとても心強くなります。

24時間営業のチェーン店で利用するシステムなら、故障時に曜日を問わないサポート体制は必須です。

売って終わり、売り逃げができないのがBtoBです。売った後が勝負のしどころであるということを理解して、体制を見直してみましょう。

製品・サービス認知度

サービスや企業の認知度もBtoBにおいては重要です。比較が基本となるビジネス商材においては、誰かに知られていないとそもそも比較対象に含まれません。

誰でも知っているほど有名なレベルの知名度は必要ありませんが、商材ジャンルについて調べた際にだいたい名前は上がる程度の知名度があるのが望ましい状況です。

BtoBにおいて認知度を高めるのは難しいのですが、Googleなどの検索結果で上位表示させるSEO施策が成功すれば、顧客が検索する際に目にする機会が増えて、認知度がアップします。

継続的な展示会への出展やタクシーサイネージなどの広告、業界誌への広告出稿など、複数の施策を組み合わせて、認知度を高めていきたいものです。

「お客様に選ばれるた理由」をマーケティングに活かそう

「お客様に選ばれるた理由」をマーケティングに活かそう

なかなかBtoBで選ばれないと悩んでいる場合は、過去に自社で契約をした顧客体験を活かした顧客獲得にチャレンジしてみてください。

選ばれる理由における証拠の部分でもご紹介しましたが、製品やサービスを導入した顧客へのインタビューの記事などが有効です。

まだ導入事例がない新規事業やサービスにおいては、テスト利用した上で声を収集する方法もあります。

気が付かなかったニーズが見つかる

顧客との接点となる部署や顧客から声の収集時、自社が今まで気がついていなかったニーズを発見できる場合もあります。

顧客自身も契約するまではニーズと思っていなかったけれど、「じつはこの点もすごくよかった」という、新たなメリットを聞けるケースもあるのです。同業他社との差別化ポイントともなりえます。

メリット以外の新たな発見も

顧客の声を収集する上で実施しておきたいのが、掲載有無は別にして改善してほしい点も聴取しておくことです。

リアルな現場の改善要望は、放置しているとクレームにつながる場合もあります。場合によっては契約終了につながることもあるでしょう。しかしきちんと受け止めて改善しアピールすれば、比較時のポイントとなって多くの顧客獲得につながります。

「どうしようもない」と理由をつけて諦めるのではなく、真摯に受け止めて改善を目指すことが大切です。

新商材開発につながる

顧客の声にはニーズが多く含まれているため、収集した声をもとにすれば類似製品がないような商品開発も見込めます。なかなか新商品がヒットしないと悩んでいる場合は、ニーズを前提にしてアイディアをだしてみましょう。

客観的な証拠となる

具体的なインタビュー記事の場合、会社名を出すことで実際に利用してメリットを得られている企業がある証拠になります。担当者だけではなく業績をもう客観的な理由から説得しなければいけないBtoBにおいてはとても重要な選別ポイントです。

  • 導入している企業の数
  • 自社と同じ規模の企業は利用しているのか
  • 同じ課題をもつ企業の導入で解決した事例

上記を理解してもらえれば、比較された際に大きな選定ポイントになります。誰が書いたかわからない単純な口コミサイトではなく、インタビュー記事が効果的です。

コンテンツマーケティングを実装する

コンテンツマーケティングを実装する

顧客の声をコンテンツに活かすなら「コンテンツマーケティング」がおすすめです。

コンテンツマーケティングとは、広告だけでなく閲覧者にとって役に立つ情報をWebメディアや雑誌などのコンテンツとして展開する方法を指します。

読み物としても責任者に見てもらいやすく、さまざまな事例を並べられる点が大きなメリットです。WebメディアならSEO施策にて検索結果で上位表示させれば、比較の選択肢に入れてもらいやすくなります。

インタビューや記事構成など、作成にあたっての準備は簡単ではありませんが、コンテンツマーケティングを本格導入するのでれば、専門会社に依頼するのがスマートです。

Zenkenでも、ライティングから運用、SEO施策も含むコンテンツマーケティング支援をご提供しています。興味があるかたは、下記資料をダウンロードしてご確認ください。

「お客様に選ばれる理由」を見つけマーケティングに反映を

「お客様に選ばれる理由」を見つけマーケティングに反映を

お客様に選ばれるためには、顧客のインサイトを十分に理解したマーケティングが必須です。しかし複数社で比較される対企業商材は、顧客のニーズに則した差別化ができていないと選んでもらえません。

選択肢に含まれるほどの認知度や、最終的に選ばれるための客観的証拠なども必要です。

もしも顧客に選ばれる理由に乏しいと感じているのであれば、既存客へのアンケートをとるなどして、まず顧客のインサイトを探るところから始めてください。

ZenkenはBtoBの実績も豊富です

しっかりと自社と競合他社を分析して、比較検討で勝てるマーケティング戦略にはちょっとしたコツがあります。

BtoBマーケティングを導入したいが、なにから着手すべきかわからない、という場合はZenkenにご相談ください。これまで120業種以上のマーケティング支援を行い、8,000サイト以上を手掛けてきた知見をもとに、貴社に最適な戦略をご提案させていただきます。

顧客がなにを求めているかをリサーチするところから、Zenkenがお手伝いさせていただきます。

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