マーケティング強化に必要な改善策とはどのようなもの?
最終更新日:2022年07月07日
マーケティングを強化する上で欠かせないのは、現状把握と課題発見です。正しく現状把握しているつもりでも、じつは市場調査や分析がずれてしまっているケースが多々あります。
正しいデータの活用や分析ができていれば、マーケティングの強化策や改善策がずれることはありません。しかし実際には先入観だけでマーケティング戦略を決めてしまうことが少なくありません。
そこでこの記事では、改めてマーケティングの基本やプロセスを確認して、なにを優先すべきなのかを考察していきます。
また、マーケティングの原点でもある「広告に依存しない」マーケティングについて解説した資料もご用意しています。
マーケティング強化策を検討中の方は、ぜひお目通しください。
マーケティング強化の改善策を考える前にすべきこと
強化で必要なことが大きく分けて3点あります。
- マーケティングの基本を再確認する
- 自社の現状を分析し正しく把握する
- マーケティング課題を明確にする
課題が見つからなければ改善策がずれてしまいます。そして現状を分析できなければ課題も見つかりません。基本を押さえていないと、現状のよい部分と問題となる部分の認識がずれてしまいます。
ひとつずつもう少し掘り下げて考えていきます。
マーケティングの基本を再確認する
マーケティングとは企業が顧客を理解し、商品のプロモーションを行なうことを指します。プロモーションといっても広告だけに留まりません。
価格設定やターゲティング、流通や製造の経路など商品開発と販売に関連する全般的な作業が含まれます。
そもそもマーケティングは、売れる仕組みを構築するところから始めなければなりません。なかでも大切なポイントは下記です。
- 顧客を理解する
- 市場を理解する
- 選ばれるための理由をつくる
- 理由に沿って施策を実行する
失敗してしまう事例として顧客や市場の理解不足、そして戦略ミスなどが挙げられます。製造から販売、広告展開までにおける一連の仕組みに問題がないかを確認しましょう。
実際にマーケティングで失敗している事例やポイントについては下記ページでまとめているので、自社でも同じような状況になっていないか参考にしてください。
現状を分析し把握する
マーケティングの基本を押さえたら、次は自社の現状把握です。正しい分析ができていれば、問題の発見にもつながります。
現状を分析するためにはさまざまなリサーチ作業が必要です。ユーザーに実施する場合もあれば、ライバルを調べて比較することもあります。また調査は2種類に分けられます。
- 定量調査:データを数値化できる
- 定性調査:データが文章や行動など数値にできない
定量調査は数値可できるため集計も簡単で、数字が掲載される資料として説得力もあります。しかし深堀りはできません。
定性調査は手間がかかる方法です。しかし商品の感想まで分かります。新たな商品開発のアイディアが見つかるケースも珍しくありません。
課題を明確にする
調査データがそろっていれば課題は浮き彫りになってきます。正しい顧客ニーズや市場調査で進めるのが大切です。
もとのデータが間違っていると、顧客にとっては大した問題ではないのに企業が大きな課題と捉えてニーズのない開発へお金と時間をかけてしまいます。
課題が改善や強化戦略そのものになるケースも多いため、本当に間違っていないか時間をかけて正しいか判断しなければいけません。
マーケティングプロセスに沿って戦略を策定し直す
マーケティングの改善および強化する際にはきちんと手順に沿って実施しましょう。いずれかのフェーズを飛ばしてしまうと、戦略がずれてしまいます。
マーケティングプロセスのフロー
手順はマーケティングプロセスと呼ばれ、大きく4種類のフェーズに分けられます。
分析
課題発見に必要な点として解説した現状の分析です。細かく分けると市場分析の段階とセグメンテーションに分けられます。
分析結果をもとに市場を細かく分ければ、次のターゲットをピンポイントに設定可能です。反対にセグメンテーションできなければ、本来ターゲットとならない顧客にまでアプローチをかけるので無駄な広告展開が増えてしまいます。
ターゲット設定
セグメンテーションされた内容をもとに対象を設定します。ターゲティングだけでなく、自社のポジショニングの認識も重要です。
Zenkenではポジショニングを重視した戦略を得意としており、多くの企業で成果をだしています。詳しくは下記画像をクリックしてください。
詳細についてはお問い合わせください
実行
セグメンテーションした上でターゲットが決まれば、最適な広告やプロモーションを組み合わせるマーケティングミックスなどの手法も活用しながら、中長期的なマーケティング戦略を策定して実行に移します。
評価
施策を実行したら、つねに施策の前後でデータを取得してマーケティング効果の評価を行います。想定していた成果が得られていない場合には、再度市場などの分析を行いマーケティング戦略を立て直します。
成果がでていない場合は、適切なフレームワークを活用して、戦略の根拠をだれもがわかるようにして方針転換するようにしましょう。
マーケティングプロセスに沿ったフレームワーク
以下のマーケティングプロセスにはそれぞれ、活用すべきフレームワークがあります
- 市場分析
- セグメンテーション
- ターゲティング
- ポジショニング
- マーケティングミックス
- 実行と評価
キャククルにもさまざまなフレームワークを紹介する記事が公開されていますが、いくつか代表的なフレームワークをピックアップしてみました。
3C分析
3C分析は、Customer(市場・顧客)・Company(自社)・Competitor(競合)の3つを分析するものです。それぞれの頭文字を取り、3C分析と呼ばれています。
4P分析
価格や広告など、自社で制御可能な範囲内で分析します。マーケティングミックスを検討する際に役立つ手法です。
4Pとは販売する側から分析するフレームワークで次の4つを分析することです。Product(商品・サービス)・Price(価格)・Place(流通)・Promotion(販促)に分けて分析していきます。
5フォース分析
5フォース(ファイブフォース)分析とは、市場や業界内で想定される脅威やリスクを分析して、自社の収益性を高める方法を見出すフレームワークです。
5フォース分析の対象となるのは、以下の5つの脅威(フォース)、いわゆる競争要因です。
- 業界内での競争
- 業界への新規参入者
- 代替品の存在
- 買い手(顧客)の交渉力
- 売り手(サプライヤー)の交渉力
5フォース分析はおもに市場への新規参入や新製品開発時、新ブランドを立ち上げる際などに活用します。
PEST分析
PEST分析はアメリカの経済学者であるフィリップ・コトラー氏が提唱した、企業を取り巻く外的要因を分析するためのフレームワークとして知られています。
- 政治
- 経済
- 社会
- 技術
上記の4要素を主軸に企業がコントロールできない世の中のトレンドを分析して、マーケティング戦略に活かします。
企業の商品やサービスを市場に受け入れてもらうには、世の中のニーズだけでなくマクロ環境ともマッチすることが必要です。4要素のどの項目が企業に大きく影響を与えているのかを分析することで、環境の変化にいち早く対応できます。
STP分析
フロー部分で紹介したセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングを3段階に分けて分析します。
STPは、以下の頭文字をとったマーケティングのフレームワークです。
- (S)egmentationセグメンテーション
- (T)argetingターゲティング
- (P)ositioningポジショニング
3つの言葉の頭文字をとったSTPは、マーケティングの父と呼ばれるフィリップ・コトラー氏が提言したフレームワークです。マーケティングという概念の基礎を形成するためには、欠かせないフレームワークのひとつです。
SWOT分析
SWOT分析とはマーケティングにおけるフレームワークのひとつで、強み・弱み・機会・脅威という4つの観点で自社商品やサービスを考査する方法です。
4つの観点は下記のように分けられ、それぞれの項目の頭文字をまとめてSWOT分析と呼ばれています。
- (Strength)内部環境×プラス:強み
- (Weakness)内部環境×マイナス:弱み
- (Opportunity)外部環境×プラス:機会
- (Threat)外部環境×マイナス:脅威
製品やサービス、ソリューションの強みと弱みを分析して活かせるチャンスを見出し、売上に影響する懸念材料も見つけられます。
マーケティング強化の戦略立案に先入観は禁物!
戦略を強化するにあたり、現在の状況をできるだけ客観視することが大事です。業界の常識や既存の動向といった先入観にとらわれず、マーケットを俯瞰して見ることが非常に重要です。
もちろんニッチなBtoB業界などの場合は市場規模などおさえておくべきポイントはありますが、マーケティングは売れる仕組みの構築が目的です。
従来の手法で成果が出ないのであれば、その原因がどこになるのか、第三者的な目線で検証していく必要があるのです。
適切かつ的を射たターゲティング
ターゲティングするにあたって属性は当然設定しますが、ターゲットを単にイメージだけで決めていないでしょうか。
例えば下記のように思い込みで自社に都合のいいターゲティングをしていないか、見直してみてください。
- ダイエット:女性向け
- 仕事用:男性向け
- 自動車:男性向け
- スマートフォン:若者向け
- 住宅:富裕層向け
同じ年代や性別でもライフスタイルや環境によって顧客となりえるかは異なります。大まかなターゲットではなく、詳細まで決めたペルソナを設定しなければ効果がでないのが現在のマーケティングの実情です。
データに基づかない昔ながらのイメージによるターゲット設定では、ずれている可能性があり高い効果は得られません。
さらにターゲットに対し旧来の固定概念をおしつけると、ジェンダー問題などの面で広告が社会問題化するリスクもあります。
たとえば直近で話題となった「男女共用セパレーツ水着」などは、ジェンダーレスという概念から一歩進んだコンセプトも打ち出しています。
このように社会全体の潮流に合わせて、マーケティングも進化させていかねばなりません。
製品やサービスの価値
製品に対する価値も同様に先入観で決められてしまうケースがあります。誰しもが安価な商品を求めているとは限りません。他の類似商品と比較して高額でも、魅力的な部分があれば購入してくれたり、ファンになってくれたりします。
反対に有名なブランドの高額商品でも、商品の本質として魅力がなければ購入されません。顧客が商品やサービスになにを求めているのかは、客観的なデータを取得するアンケートやカスタマーボイスなどから判断しましょう。
新たな販売チャネルに合わせたマーケティング手法
販売チャネルや物流も社会のニーズに合わせて大きく変化してきています。その変化を後押ししたのは、皮肉なことにコロナ禍です。
消費者の行動変容だけでなく、BtoBでもリアル展示会の訪問者数や出展企業数が減るなど、さまざまな影響を受けています。
コロナがきっかけとなって生まれた販売チャネルや物流のフローが、新たなビジネスチャンスにつながる可能性もあります。
SNSから直接商品を購入できるシステムや、動画閲覧しながら商品を購入できるライブコマースなども、過去の販売方法にとらわれていると生まれないアイディアです。
顧客管理
顧客管理もフラットな視点で考えましょう。LINEを使った問い合わせ対応や、あえて新規顧客ではなくリピーターへの営業に力を入れるといった方法も実際にある事例です。
Webデータベースや顧客管理システムを活用すれば、購入回数や利用金額などで顧客ランクも細分化できます。収益性だけでなく自社の方向性に沿った顧客管理を考えてみましょう。
マーケティングの改善には部署間や他部署との連携強化も重要
販売戦略はマーケティング部門や上層部だけで考えるのではなく、部署内、そして他部門ともしっかり連携をとりましょう。目指す方向性が統一化され、より効果的なマーケティング戦略を実施していくことができるようになります。
部署内におけるマーケティングの情報共有
まず連携を強化すべきは同部署。特に下記は全体が正確に把握しておかねばなりません。
- ターゲットを絞り込むためのペルソナ設定
- マーケティング戦略の骨子
- マーケティング戦略の手法と優先順位
- マーケティング戦略を強化する理由
部署の上層部だけが認識するのではなく、マーケティング戦略策定の概要やの方針などを、一般社員にもきちんと共有しましょう。
部分的には広告代理店などの外部パートナーにもマーケティング戦略を共有して、効果的なマーケティングが実現できるようにしていきましょう。
他部署との連携を強化する
部署間で連携は問題なくても、他部署との連携はできていないケースが多くみられます。
BtoB事業の場合などは、営業部門が聞いているリアルな顧客の声を他部署にまで共有できているケースのほうが少ないのではないでしょうか。
顧客の反響データが社内にあるなら、マーケティングツールなども導入して、積極的に活用しましょう。
普段から同じ会議に参加する、話す機会を設けるなどして連携を強化しましょう。
どちらが主導権を握るかといった軋轢が生まれることもありますが、売上向上や業績アップという大きな目標は同じであるということを理解して、変なテリトリー意識や部署間の壁を取っ払うようにするのがベターです。
ツールや外注も活用
部署間連携や市場調査が現状では限界と感じたら、マーケティングツールの導入や分析ツールの採用、部分的な外部委託などの選択肢も検討してください。難しい環境のなかで改善しようとしても、実際には目的が達成されずに終わってしまいます。
特に市場調査は過去実績から豊富なデータをもっている専門企業に依頼すれば、正しい情報が素早く手に入ります。Webの広告展開においても専門知識がなければ、ただ検索順位が上がるだけで利益率が上がりません。
得意作業以外は、他社の力を借りることも検討しましょう。
マーケティングの強化改善は役割分担を明確に
マーケティング戦略を強化する際には、顧客と市場を理解するという基本に立ち返りましょう。
現状を正しく分析し課題を明確にすることが改善につながりますが、顧客や市場が正しく分析できていなければ最終的な方向性がずれてしまいます。
社内で複数の部署が連携する際は、それぞれの得意領域を担当してひとつのマーケティング戦略を立案するなど、役割分担を明確にするようにしましょう。
その際注意したいのは、プロジェクト全体の進捗を把握するプロジェクトマネージャーなどがしっかり管理することです。
各部署の垣根を超えた連携が、マーケティングの強化と改善に直結することは間違いありません。
もしも他部署との連携を強化しても調査や分析、広告展開が難しい場合には、マーケティングツールの活用や外注も検討しましょう。
正確なデータを集めるための時間と人手が必要な調査やポジショニングの検討は他社に依頼し、マーケティング展開など得意分野の作業に集中すれば、マーケティングの改善効果は高まります。
マーケティング強化や改善にWeb施策を加えたいなら
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