マーケティング戦略に役立つフレームワーク集
最終更新日:2022年01月18日
今や集客においてマーケティングの考えを取り入れるのは必須といっても過言ではありません。
しかし重要とはわかっていても「どうやって始めればいいのか…」と、雲をつかむような感覚で頭を抱えてしまうかもしれません。
そんな際に役に立つのがフレームワークです。一定の型にしたがって考えていけば進められるので、気軽に取り組みやすいでしょう。
この記事ではマーケティング戦略や施策を考える際に役立つフレームワークをまとめて紹介しています。
また自社とマッチするユーザーだけを狙える具体的なマーケティング戦略として、ポジショニングメディアもあわせて紹介。
ターゲットユーザーに的確に情報を届ける施策としてぜひ参考にしてみてください。
マーケティング戦略にフレームワークを活用するメリット
マーケティング戦略をする上でフレームワークを用いると、現状分析や課題の抽出がしやすくなります。
「集客はできているのに、売上が伸びない」「そもそも集客ができていない」これらの原因がどこにあるかを導くのに、すでに確立された方法なので現状分析に最適です。
また、フレームワークを使うと課題や問題点を可視化できるようになります。課題を共有すればチーム全体で理解できるようになるため、社内でPDCAを回しながら戦略を進めるのに効率的です。
マーケティング戦略に必要な工程
マーケティング戦略は、ひとことで言うと「誰に」「どんな価値を」「どのような方法で」提供するかを決めることです。
そのために、まずは現状の市場や自社の立ち位置を振り返りましょう。
現状を分析する
現状分析が十分でないと、対応策も不十分になってしまいます。現状分析のためのフレームワークを使って、課題や問題点を正しく突き止めていきましょう。
現状を分析するのに有効なフレームワークには、以下のようなものがあります。
- 5WHY分析
- ロジックツリー分析
- 3C分析
市場と顧客を決める
次に、どの市場を狙うか、ターゲット(顧客)にズレはないかを確認します。狙う市場や顧客にズレがあると、どんなに価値のある商品・サービスを売り出しても「ターゲットの目に届かない」「見込み客に価値が響かない」ようなことが起きてしまうからです。
市場や顧客を決めるために知っておくべきフレームワークは、以下の方法です。
- STP分析
- 4C分析
自社の立ち位置を決める
市場や顧客を選定したら、次に自社の商品・サービスの価値は何かを深堀りしていきます。
その価値を見極めた上で決まるのが自社の立ち位置「ポジショニング」です。STP分析では、市場・顧客だけでなくポジショニングを知るためにも用います。
- STP分析
- 4P分析
流通や価格、販促方法を決める
市場と顧客、自社の立ち位置を把握したら、その商品・サービスをいくらで、どこで販売し、どのように広めるのが最適かを決めていきます。
その際に役立つフレームワークは以下の3つとなります。
- 4P分析
- KPIツリー
- カスタマージャーニーマップ
マーケティング戦略で活用できるフレームワークまとめ
ここからは、「マーケティング戦略に必要な工程」で紹介したフレームワークについて詳しく解説していきます。
5WHY分析
「その問題が起きるのはなぜか?」を5回繰り返して、問題を掘り下げていく方法です。見つけた問題点が本当に重要な要素か、今解決すべき課題かを見極めるために行います。
5WHY分析は5回に限らず、掘り下げられるまで繰り返しても構いません。問題の根底に突き当たるまで「WHY?」を繰り返してみてください。
真の原因にたどり着くためには、その事象に対して知識が必要な場合もあります。社内の知識で不足を感じる場合は、有識者を交えての分析も効果的です。
ロジックツリー分析
1つの問題に対し複数の原因を並べ、さらにその「原因の原因」を、ツリーの枝のように複数並べていく方法です。
それぞれの問題の原因を分析しやすくなるほか、問題となる原因を可視化してチームで共有しやすくなります。
ロジックツリー分析を用いると、問題に対し複数の原因が見つかります。5WHYを試みたあとにロジックツリー分析を用いると、分析の精度を高められるでしょう。
3C分析
市場や顧客を意味する「Customer」、競合を意味する「Competitor」、自社を意味する「Company」の3つの関係性を分析して、戦略の立案を練るフレームワークです。
3C分析ができていると、成功要因となる「KSF(Key Success Factor)」を見つけられるようになります。3つの要素を正しく把握するためにも、さらにそれぞれで分析を行うのがポイントです。
以下で3つのCについて解説していきますが、それぞれのCを整理するために別のフレームワークを用いるとより効果的な分析になるでしょう。
顧客(Customer)
ここで言うCustomerは「顧客」のほか、「市場」という意味も含まれています。市場の規模やリスク、成長性について知っておくことが大切です。
自社を取り巻く市場をより正しく把握するために、PEST分析を用いてマクロ環境を、5フォース分析でミクロ環境を分析していきます。
PEST分析では景気変動や人口の推移、流行の移り変わりなど、社会的な変化を認識するのに有効です。
5フォース分析では、5つの「脅威」を軸に環境を分析します。今後起こり得るリスクや課題、業界を取り巻く環境への変化にも対応しやすくなります。
市場環境を正しく把握できたら、次に顧客分析に移りましょう。分析で得られた視点が顧客にどう影響を与えるか、購入するのはどのようなターゲット層か、顧客がどんなニーズを持ち合わせているかを市場分析をもとに導き出していきます。
競合(Competitor)
同じような商品・サービスを提供する競合他社を分析するには、まずは競合の成功事例をあつめ、成果を上げた要因を考えていきます。
市場全体でのシェア率や顧客数、広告・プロモーションにかけた費用など、競合が出した結果をもとに成果の要因を観察します。
競合を調べる上で、その企業の経営手腕が優良であると判断した場合には、ベンチマーキングをして観察を続けましょう。そして競合の良い部分を自社戦略に取り入れていく改善方法もあります。
競合の仕組みを理解できると、自社の強みや弱みの洗い出しにもつながります。
自社(Company)
自社を客観的に振り返るのは難しいですが、正しい自社分析は戦略立案の重要なファクターとなります。
SWOT分析やVRIO分析を用いて、定性的な分析を行いましょう。
SWOT分析では自社の強みや弱み、機会や脅威を洗い出せるほか、要素を掛け合わせることで強みを生かし、弱みの影響を少なくすることができます。
VRIO分析は、自社の経営資源に着目したフレームワークです。
経済価値や希少性、模倣困難性、組織のそれぞれを分析することで、最も優位性のある経営資源を把握していきます。
VRIOを明確に分析できれば、他社との差別化ポイントも見つかるでしょう。
STP分析
STP分析とは、「Segmentation(セグメンテーション)」「Targeting」(ターゲティング)」「Positioning(ポジショニング)」を決めるためのフレームワークです。
STPはそれぞれの頭文字をあらわしており、セグメンテーションで市場を細分化し、ターゲティングで顧客の選定、ポジショニングで自社の立ち位置を明確にします。
市場や顧客に対して「本当に必要とされているもの」を届けるための土台をつくる考え方です。
4C分析
現在開発中の商品や今後打ち出す新商品について、商品・サービスの細かい内容や仕掛けていく方法を具体的に決めるためのフレームワークです。
4Cの由来である4つのCは、Customer value「顧客にとっての価値」、Customer cost「顧客の負担」、Convenience「顧客にとっての利便性」、Communication「顧客とのコミュニケーション」と、すべて顧客の視点で考えることが重要です。
4C分析を実践すると顧客の持つニーズや顧客が想定する価格、購入の利便性、コミュニケーションによる愛着度の向上などを考えられるようになり、顧客と企業との認識のズレを防げます。
4P分析
4C分析が顧客視点のフレームワークであるのに対し、企業側の視点で自社の商品・サービスについて考えるのが4P分析です。
4PはProduct「商品・サービス」、Price「価格」、Place「流通」、Promotion「販促」からなっています。
これらの分析によって、商品の価格や流通、販促、プロモーションの適切な組み合わせ施策ができます。このような組み合わせの検討をマーケティングミックスと言います。
ただし、4P分析は市場と顧客、ポジショニングが正しく調査された上ではじめて活かされるフレームワークです。
まずは3C分析やSTP分析を実践して、市場とターゲット、そして自社の市場における立ち位置の把握からはじめましょう。
KPIツリー
KPIとは、Key Performance Indicator(重要業績評価指標)の頭文字をとったもの。文字通り、組織の目標達成のための重要な業績評価の指標を意味しており、達成の度合いを観測することでパフォーマンスの向上を図れるようになります。
KPIツリーは、「KGI」という企業の大きな目標を頂点にし、その実現のために構成されたKPIとの関係を可視化したものです。KPIが設定できていると、組織の具体的なアクションプランが作成しやすくなります。
カスタマージャーニーマップ
カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品・サービスを知ってから最終的に購入するまでのプロセスを図に表したものです。
図式化することで顧客の隠れたニーズ「インサイト」が見つかるほか、逆に顧客が購入にまで至らない理由を探せます。
カスタマージャーニーマップでは、まずターゲット層の架空の顧客モデル「ペルソナ」を細かく設定し、その上でペルソナと実際の顧客の行動が合っているかを検証します。
得られた結果をベースにマップを作成し、購入場所や広告手法などの改善点を見つけていきます。
バリュープロポジションを見つける戦略
これらの基本的なフレームワーク以外にも、近年マーケティング界で注目されている方法があります。それがバリュープロポジションキャンバスの活用です。
バリュープロポジションキャンバスとは、自社の製品やサービスと顧客のニーズとのあいだのズレを解消するためのフレームワーク。
バリュープロポジションとは、日本語にすると「顧客に提案できる価値」という意味を持ちます。
ターゲットが求めるニーズや解決したい課題に対し、「自社の強みや商品がニーズに応えられる」かつ「競合には提供できていないが、自社ならば提供できる」条件を満たしたものがバリュープロポジションにあたります。
バリュープロポジションが分かっていると、マーケティング戦略はもちろん、セールスやサポート、製品開発など、企業活動全体の指針になります。
自社がターゲットに「求められている」と思って提供していたことが「実は違っていた」という状況が起こると、思ったように成果につながらないどころか、せっかくのコストや労力もムダになりかねません。
これを防ぐためのフレームワークがバリュープロポジションキャンバスです。
自社の製品・サービスに対して想定しているバリュープロポジションと、顧客のニーズとの「ズレ」を確認して改善していきましょう。
まだ自社のバリュープロポジションを明らかにしたことがない方は、バリュープロポジションキャンバスを使って「自社独自の価値」について掘り下げてみてください。
マッチするユーザーだけを狙うマーケティング施策「ポジショニングメディア」
自社独自の価値を伝え、それを求めるユーザーとのマッチングが可能になる施策がポジショニングメディアです。
ポジショニングメディアとはその名の通り、自社の市場での立ち位置を明確に伝えられる方法です。
上記のバリュープロポジションの考え方を活かし、競合他社と比較しながら自社ならではの強みを見せることで、ユーザーは「自分に最もあっている会社・商品はこれだ」と納得して選ぶことができます。
ユーザーは自社の商品・サービスの魅力を十分に理解した上で選んでくれるため、購入や成約率の高い、売上につながりやすい見込み客を獲得できます。
「〇〇と言えば自社」というイメージをユーザーに持たて企業ブランドの醸成ができるほか、中長期的な目線での安定した集客につながります。
ポジショニングメディアでは価格以外の「独自の価値」を示すため、価格競争から脱するきっかけにも活用できます。価値が浸透してブランド力が向上すれば、顧客単価アップも目指せます。
実際にポジショニングメディアの導入によって、次のような成果を実感されている企業が多くあります。
- 自社の強みを求めて問い合わせてくれるので、商談率が8割を超えた
- 価格の安さではなく、自社の強みを見て選んでくれているので、受注単価が2.5倍にアップ
- 自社の強みを説明する営業が不要になり、契約までのリードタイムが1/3に短縮された
いままでのマーケティング戦略ではうまく集客できていない、成約につながらない、という場合はぜひ導入をご検討ください。
まずは現状分析からはじめよう
自社の商品・サービスをどう売り出すか、どんな広告やプロモーションで攻めるかを決める前に、まずは自社の現状を分析し、市場での立ち位置や顧客を知ること。
そして、顧客のニーズと自社の考えとの間に認識のズレがないかを検証するのがマーケティング戦略の基本的な考え方となります。
まずは、確立されたフレームワークで一から分析を行い、現状を知ることからはじめましょう。
マーケティング戦略の肝となる「独自の魅力・強み」「自社ならではの価値」を意識して取り組んでみてください。
マーケティング戦略って難しい…とお困りなら
Zenkenでは、クライアントならではの強みを軸とした集客・マーケティング戦略のご提案を得意としています。
これまで120業種を超えるクライアント企業を支援してまいりました。
培ってきたノウハウを活かし、徹底した分析の上で最適な戦略をご提案いたします。
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