顧客から「選ばれる会社」になるためのポイントまとめ
最終更新日:2024年04月19日
「ホームページやカタログもしっかりつくって、いろんな広告も出しているのに成約にならない…」
顧客から「選ばれる会社」になるためにはどうすればいいのか…という悩みを抱える企業は少なくありません。
この記事では選ばれる会社を目指す上での、戦略のポイントや意識しておくことなどをご紹介します。
顧客はなぜモノやサービスを買うのか
自社が選ばれている状態とは、自社商材であるモノやサービスが買われている状態です。ではそもそも顧客はなぜモノやサービスを買うのでしょうか?
それはモノやサービスによって課題を解決したい、自分の欲求を満足させたいといったニーズがあるから。つまり自社を選んでもらうには、購入動機や背景となる悩みやニーズなどを前提とした戦略が必要になります。
BtoBにおける購入の特徴
BtoCとBtoBでは購入や契約にあたっての動機が異なります。
BtoCの場合
BtoCでは以下の個人的な欲求が主な動機です。
- 生きるために必要である
- 負担を減らしたい
- 美しく見られたい
- 資金を増やしたい
- コレクションしたい
- ストレスを解消したい
- 楽しい時間を過ごしたい
BtoCでは上記欲求を満たせる場合、スピーディーに購入や契約につながるケースもあります。しかし対象が法人の場合、集団・組織としての判断になるため、個人的な欲求が購入動機になりにくいです。
BtoBの場合
BtoBにおける主な購入動機は下記です。
- コストを節約したい
- 売上・利益を増やしたい
- 従業員の負担を減らしたい
- 企業イメージをアップさせたい
- 社内で起きるトラブルを防止したい
- 発生しうるデメリットを解決したい
- 現在のメリットでは不満
- 従業員に喜んでほしい
個人のように購入動機は様々ですが、共通していえるのは部署や会社内で課題があるという点です。
負担を減らしたいという状況は、現時点において従業員の負担増が問題となっている課題を抱えています。企業イメージアップについても、市場内における自社イメージが不足しているという課題です。
顧客に選ばれる会社になるためには
顧客のニーズに基づいた自社の提供価値が明確になっている、つまりは誰に向けてどういった価値を提供しているのかという、独自のポジショニングを確立することが選ばれる会社になるためのポイントです。
また選ばれる理由は提供価値そのものになりますが、価値がほぼ同じという場合は流通経路や価格の安さなどが差別化ポイントになる、つまり選ばれる理由になることもあります。
ニーズを調査し商品に反映させる
まずはBtoBで購入や契約に直結する理由となる、課題のニーズをきちんと捉えてサービスや商品に反映させることです。ニーズを調査する方法には複数の種類があります。
キーワードからニーズを調査する
Googleのキーワードプランナーなどを活用する方法です。商材と関連して表示されるキーワードからニーズを調査します。
どのような検索キーワードがあるのか、その中で頻繁に検索されているキーワードはなにかといった点からニーズを探っていきます。
顧客満足度などのアンケートを実施する
既に契約している顧客または見込み顧客などからアンケートを実施する方法です。まだ見込み客にもなっていない相手に対しては、リサーチ会社などを活用してアンケートで声を集められます。
直接現在の顧客に聞く
もっとも簡単な方法が、営業担当者などを通じて現在取引している顧客に対し直接質問する方法です。普段から信頼関係があり世間話ができるような間柄であると情報収集もしやすくなります。
既に営業担当者が声をたくさん聞いていながらも社内共有していないケースもあるものです。まず営業担当者へヒアリングしてみるだけでも新たな発見があるかもしれません。
新商品にもニーズを反映させる
イノベーションを目指すなど今までになかったような新商品の開発段階でマーケティングを検討しているケースもあるでしょう。
しかし新商品を開発するにあたり類似製品がないような新分野であってもニーズは必要です。
従来商品で解決できなかったニーズを踏まえておらずただ新しい技術を取り入れただけでは、必要とされず誰にも選ばれません。
新商品で選ばれた事例
例えば有名な決済システムPayPayは、2022年におけるMMD研究所の調査にてQRコード決済のシェア1位を獲得しています。上位3サービスは下記のとおりで2位を大きく離している状況です。
- PayPay:45.4%
- d払い:16.7%
- 楽天ペイ:16.7%
※引用元:MMD研究所「最も利用しているQRコード決済サービス、トップは「PayPay」で45.4%、次いで「d払い」「楽天ペイ」が16.7%」https://mmdlabo.jp/investigation/detail_2020.html
政府が現金から電子決済の利用を後押したことで、多くのQRコード決済が登場しました。しかし大きく差がついたのは、店舗に設置してもらうためPayPayが店舗の背景を捉えていたことにあります。
- 導入手数料無料
- 初期時は決済手数料無料→有料化業界低水準
- クーポンやスタンプカードの発行
- PayPay独自のキャンペーンを実施
単純に「バーコード決済というシステムを提供すれば大丈夫」という考えではなく、店舗が抱えている顧客を増やしたいという背景を捉えたサービスを提供していたのがシェア獲得につながったポイントです。
ニーズに影響を与える心理
ニーズにつながる要因を知っておくことは損になりません。例えばBtoBではニーズを生むふたつの主な要因を押さえておきましょう。
企業的要因
企業内に発生している要因で、下記は一例です。
- 急遽注文が増えて対応できない
- 従業員の離職が増加した
- 移転に伴う環境変化
同規模の企業においては同じ悩みが発生しやすいため、過去に企業的要因でサポートをしたケースが新たなサービスに活かせる場合があります。
社会的要因
日本における文化や社会からの影響を受ける要因です。例えば下記などが挙げられます。
- 働き方改革
- SDGs(持続可能な開発目標)
- ジェンダーレス
- 副業解禁企業の増加
働き方改革で勤務時間の短縮やSDGsを踏まえた資源の削減など、今まで当たり前だった内容が変わる状況はニーズが生まれるチャンスです。
特に日本の場合は他の同規模企業が始めたことをならって同じように進めていく風潮があります。
自社の価値を明確にする
BtoBにおいては、解決したい課題のニーズを捉えた価値の提供が前提です。しかしニーズを捉えているだけでは、複数の会社と比較した際に自社が選ばれる理由にはなりません。
選ばれる上でポイントとなるのは、他社との差別化。ひとつのニーズに対する価値だけでは競合が多いのであれば、複数の価値を掛け合わせることで差別化も可能です。
たとえば以下のような価値を組合わせて、そのすべてを兼ね備えた商材が自社しかないのであれば、差別化できる点になります。
- 商品やサービスの品質
- 使いやすさ
- 保証、サポート
市場内において従業員全体が利用するために使いやすさを重視しているケースもあれば、万が一トラブルが起きた際にサポートしてくれるかどうかなどが選ばれるポイントになる場合もあります。
価値が同じ場合の比較ポイント
同じ価値をもつ商品同士で比較される場合、ポイントとなるのが流通経路や価格の安さなどの付随点です。
例えば流通で考えると納品の速さやトラブル発生時の対応があります。同じ商品を比較していて、発注または相談したいことがあった翌日に担当の方が来てくれる企業があれば、すぐに対応してくれる企業を選ぶのが一般的です。
また比較していて付加価値の差がなく商品自体の価値が一緒ならば、最終的には経費がかからない企業を選択します。
「お客様の声」も選ばれる後押しに
複数の会社で比較される際、利用者の声が掲載されているかどうかは大きな選定ポイントとして挙げられます。BtoCなら個人のブログやツイッターなどでも口コミ情報は集めやすいのですが、BtoBとなると簡単に口コミは集められません。
なかなか情報を得られないとき、公式サイトになぜ選んだ理由が第三者目線で掲載されているととても参考になります。
ジャンルによってはBtoBでも口コミサイトが存在するケースもありますが、多くの場合は匿名で簡単な口コミしか確認できません。上席に決裁確認が必要なBtoBにおいては、説得材料としての効果は小さくなってしまいます。
公式サイトに掲載されている利用事例は、下記の点が見込み客側の判断基準に影響を及ぼします。
- 具体的な企業名が掲載されている
- 利用シーンが分かりやすい
- 実際に使ってみての気づきが分かる
- 最終的に利用すると判断した理由
特に同規模企業で選択されていれば自社でも導入してみようという話になりがちです。インタビューではなくデータ分析だけでも大きな影響を与えます。
Webサイトを訪問してくれた顧客から選ばれるためには、過去に利用または契約してくれた顧客にインタビューできないか相談してみたりアンケートを実施したりしてコンテンツを作成しましょう。
選んでもらった理由が自社で認識していなかった新たな価値として見つかる場合もあります。
自社を選ぶべき理由が伝わっているか
他社よりも優れた差別化ポイントがある商材も、知られていなければ選択肢に含まれず選ばれません。ターゲットに選択肢として認識してもらうために伝えるマーケティングが必要です。
ペルソナを設定する
まずは伝えるべき対象を設定します。例えばBtoBなら下記の通り複数設定しなければいけません。
- 情報を見ている担当者
- 担当者の上席
- 責任者
- 企業役員
すべての担当者に説得が必要なわけではありません。しかし担当者の上席など決定権をもつ責任者までは対象として考えます。
また大まかな分類であるターゲットよりも、詳細まで練り込んだペルソナとして考えるのがおすすめです。アプローチ方法も具体的に決められやすくなります。
訴求方法を決定する
ペルソナが決まったら続いて訴求方法を検討します。アプローチは扱う商材によって異なりますが、押さえておくべきなのは下記の点です。
- 不要な情報は省く
- 目的の情報にすぐにたどり着ける
- 信頼感を持たせる
訴求方法事例
訴求方法として大きく分けるとオンラインとオフラインがあり、オンラインでは下記が挙げられます。
- コンテンツマーケティング
- バナー広告
- 検索連動型広告
- SNS広告
- Web記事広告
- プレスリリース
- ホワイトペーパー(分析・報告書)
反対にオフラインコンテンツにおける訴求方法は下記があります。
- マスメディア広告
- 雑誌広告
- セミナー集客
- テレアポ、飛び込み営業
- 展示会参加
各方法には長所短所がありターゲットによって向き不向きもあります。商材を問わず万能な広告方法というのはありません。
例えば一度に多くの方へ認知できるマスメディア広告。事務系など業種を問わず必要となるジャンルなら効果的です。しかし製造系などニッチなジャンルの場合には費用対効果が少なくなります。
一方で課題解決につながるホワイトペーパーは、製造業との相性が高い方法です。また課題解決事例を複数並べるコンテンツマーケティングなら検索からの流入が見込めるため、相手側からの自然な流入が見込めます。
選ばれる会社になるためのポイントまとめ
複数ある企業の中から自社を選んでもらうためには、下記をポイントとして押さえておきましょう。
- 自社商材で解決できるユーザーニーズを明確にする
- 自社ならではの提供価値を定める
- 自社商材に魅力を感じるペルソナを設定する
- ペルソナに適した媒体で認知を広げる
- 顧客の声など第三者による評価を掲載する
選ばれている企業というのは、誰にとって価値がある商材なのか、その強みや魅力がしっかり伝わっています。だからこそ「自分のニーズと一番合致する商品はこれだ!」と見込み客は感じて、自社を選んでくれるのです。
自社ならではの価値を定め、それを求めてくれる人に情報を届けられるような、分析と戦略策定を行っていきましょう。
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