ビジネス戦略の立案手法とは?役立つフレームワークも解説
最終更新日:2024年04月19日
ここでは「経営戦略」3本柱のひとつ、ビジネス(事業)戦略の立案手法について説明していきます。さらにビジネス戦略立案に役立つフレームワークも紹介しています。
ビジネス戦略立案でおさえておくべきポイントの中から、即アクションを起こせる施策についても解説。実現可能な施策をリサーチしているかたは、参考になさってください。
ビジネス(事業)戦略を立て直したいと考えているとしたら、今のビジネスが停滞気味でテコ入れしたい、ローンチする新事業をロケットスタートさせたいなど、さまざまな状況があると思います。
自社がどの立ち位置で戦略を立てようとしているかによって優先事項も変わってきますが、大手企業が優位となりがちな経済活動の中で、中小企業が勝機を見出すのは簡単ではありません。
まずは経営戦略3本柱を整理しつつ、ビジネス戦略立案に必要な要素について解説していきたいと思います。さらに事業の推進を後押しする施策としてのメディア戦略も紹介します。
このメディア戦略はBtoCにもBtoBにも有効な施策で、
- 飛び込みのお客様が月間で30件増えて3割は契約している
- 自社コンセプトにマッチした見込み顧客が増え、契約単価が1000万円向上した
- 資料請求100件に対し1アポだったのが、資料請求10件で8アポを獲得
といったお声が寄せられています。それが、競合他社との差別化が図れるWebメディア施策「ポジショニングメディア」です。
ポータルサイトなどの他社運営メディアと異なり、自社独自の集客・営業チャネルが確保できるWeb戦略としてご注目いただいています。
※Zenkenが提供するポジショニングメディアについてはこちら(記事の後半へジャンプ)からすぐにご覧いただけます。
経営戦略の3つのレベルとビジネス戦略の関係
グローバル化の加速やAI技術の進歩、消費者ニーズの多様性などの要因から、企業を取り巻く環境は日々変化し続けています。
さらに2020年からは、新型コロナウイルスの影響もあり、事業の方向性の見直しや業種・業態の転換を検討されている企業も多いのではないでしょうか。
さまざまな要因から絶え間なく変化し続ける時代に、企業が長期的に事業を続けていくためには明確な経営戦略が必要となります。自社の強みや市場内での立ち位置を理解して、経営戦略をたてることが重要です。
そもそも経営戦略とはなにを指すのか
そもそも経営戦略とはどのようなものを指すのでしょうか?端的に言うと、企業が経営目的を達成できるような施策全般のことを経営戦略と言います。
経営戦略は、人材や資金などの経営資源を企業の経営目的に応じて適切に分配することで、競合が並ぶ市場の中で企業として生き残るための計画のことです。民間の企業にとどまらず、非営利組織などあらゆる組織で必要なものとされています。
客観的な視点で自社の位置づけやニーズを分析するといった外的要因、人員配置や予算の見直しといった内的要因など、さまざまな施策が経営戦略に含まれるのです。
そんな経営戦略は企業戦略、事業(ビジネス)戦略、機能戦略の3つのレベルに分けられます。それぞれどのような戦略なのか、それぞれ説明していきます。
経営戦略における企業戦略とは
企業戦略とは、企業全体としての将来的な方向性を決めるものです。一般的には下記のような具体策が企業戦略として挙げられます。
経営理念の策定と事業業域の決定
経営理念とは、企業経営していく上での基本となる考えを明確にしたものです。事業領域は、企業が長期的に事業を行っていく生存領域のことで、業種・業態転換した際には、この事業領域も変化することになります。
事業の基本構成と経営資源配分の方向づけ
事業の基本的な構成と経営資源配分の方向づけにおいて、戦略事業単位(SBU)の設定が非常に重要です。
SBUは、Strategic Business Unitの頭文字をとった略語で、ひとつの企業内で事業や製品を戦略ごとにまとめたグループを指します。SBUの設定基準として、下記のような条件が挙げられます。
- 独自の競合相手が存在すること
- 明確な事業使命があること
- 経営責任者を設けること
といった条件を満たしていることが必要です。
多くの大企業は、高度成長期に新たな市場や分野へ多角化戦略を展開して、さまざまな事業に経営資源を割り振りました。
多角化戦略とは、既存の主要事業とは別の市場や分野に経営資源を投入して、新しい分野へ事業を拡大させる戦略のことです。
多角化戦略は成功すれば、新規事業の拡大や損失が出た場合のリスク分散といったメリットがあります。一方で、既存の主要事業とは違って、顧客データやニーズなどのデータがない事業に対して、人材や予算を投入することはかなりのリスクを伴います。
グローバル化が進む現代においては、幅広い事業に経営資源を投入するよりも、自社の強みとする事業に集中して経営資源を投入する戦略が主流とされています。
グループ経営戦略
現代では日本でも多くの企業が、グローバル化に対応するために、グループ連結経営を採用する流れになっています。連結経営とは親会社や子会社、関連会社も含めてグループ全体をまとめてひとつの組織として経営することを指します。
しかし日本では未だに、グループ経営戦略は親会社の企業戦略として捉えられているのが現状です。
ビジネス(事業)戦略とは
事業戦略は事業レベルの経営戦略のことです。事業の多角化や事業部制の展開によって、個々の事業の経営戦略を明確化させることが必要になったため、事業戦略という概念が生まれました。
事業の多角化を経験した大企業においては、事業本部やその組織下にある事業部、関係会社がたてる戦略が事業戦略となり、事業の取捨選択行う企業戦略と共に、各々の事業戦略が非常に重要になっていきます。
中小企業においては、事業部や関係会社が立てる戦略、規模によっては企業全体で立てる戦略が事業戦略となります。事業戦略は、具体的に下記のような施策が挙げられます。
事業レベルでの事業領域の設定と方向づけ
どのような市場・ターゲットを対象とするのか、どのような商品・サービスを展開するのか、など事業レベルでの事業領域の設定と方向づけを行います。
また、SBUをブレークダウンした事業ユニットであるBUの設定と資源配分も重要です。BUとは、Business Unitの略で、会社組織の中で部署やグループなどの事業単位を指す言葉です。
市場・顧客戦略、商品・サービス戦略
顧客満足度の向上や競合のいる市場の中で自社が優位となれるような、「市場・顧客戦略」と「商品・サービス戦略」をBU単位で設定を行います。
事業(ビジネス)モデルの設定
企業において、事業モデルは収益が還元するような事業の仕組みのことになりますが、アウトソーシングやITの発展に伴い、事業戦略のひとつとして重要であると言われています。
機能戦略とは
機能戦略は、企業が具体的に事業を展開するために必要となる機能レベルでの戦略のことで、機能領域単位で目指す方向性を決定することが重要です。機能戦略として、下記のような項目が挙げられます。
- 生産戦略
- マーケティング戦略
- 営業戦略
- 人事戦略
マーケティング戦略はこの機能戦略のひとつであり、さまざまな集客施策は機能戦略の一部として用いられています。機能戦略は、事業戦略の目的・目標を達成するために設定します。そのため、個々の機能戦略の目標達成を機能間で整合性を持たせ、事業戦略に繋がらなければ意味がありません。
ビジネス戦略立案の手法
ここまで、経営戦略の意味と3つのレベルについて説明してきました。ビジネス戦略は経営戦略の内のひとつであり、事業レベルでの経営戦略を指します。
事業戦略がない状態では、事業の現状の分析から、計画・目標の設定ができないため、事業において問題点が見つかってもその場しのぎで解決することになります。
そうなると、企業が経営において本来やるべき対策も見えにくくなり、競合他社に顧客が奪われたり、経営資源不足を招いたりすつことにつながります。
ビジネス戦略の策定手法
それでは、具体的なビジネス戦略はどのように立案すればよいのでしょうか。ビジネス戦略の立案は、大きく分けて下記5つのステップで策定します。
1.定量目標と目的の設定
まず、第一段階として、事業を通して何を達成したいのか、どれくらいの業績を目標とするのか、目的・定量目標の設定を行います。これは、事業の最終的なゴールとなります。
ゴールが明確にされていないと、事業戦略を行う意味がなくなるため、ビジネス戦略策定フローのなかでも、最も軸となるフローです。
2.現状の分析
次に第二段階として、企業の属する市場や競合企業の分析を行います。具体的には、競合他社と比較した時の自社の強み・弱み、自社を取り巻く外部環境を洗い出して整理します。
この現状分析は、ビジネス戦略全体の方向性を決めるために、重要なフローです。
3.事業戦略の方向性の決定
自社の強みや弱みといった内部環境、自社を取り巻く脅威・機会といった外部環境のデータを基に、SWOT分析などのフレームワークを用いて検討することで、事業戦略の方向性を決定します。
この時、戦略の方向性は必ずひとつでないといけないということはなく、複数の戦略の方向性を用意しておきます。
4.フィジビリティスタディ
フィジビリティスタディとは、新規事業が実現可能かどうか、どれくらいの利益が見込めるのか、などを事前に調査・検討することで、実行可能性調査とも呼ばれています。
調査の結果によっては、戦略の内容を変更したり、戦略そのものを取り消すこともあります。
複数ある戦略の中から、最も実現性の高い戦略を選択することがこのフローの目的です。戦略が実現した時の費用対効果やリスクなど、シュミレーションを行うことで客観的に戦略を評価する必要があります。
5.施策の策定と実行
戦略の方向性が決まったら、最後は戦略レベルから実行が可能なレベルの施策に落とし込んでいきます。戦略の落とし込みを行うときには、論理的展開が重要です。
戦略はあくまで方向性なので、方向性から具体的な実行の内容へ落とし込みます。複数ある施策のうち、重要度や施策に対して自社のリソースなどを考慮して優先順位を決め、実行スケジュールを立てます。
ビジネス戦略立案でおさえておくべきポイント
上記で説明した通り、事業戦略の立案には5つのフローがあります。また、事業戦略立案の際には、下記のようなポイントを抑えることが重要です。
- 自社の強みを明確にして競合他社との差別化ポイントを可視化する
- 自社の強みと親和性の高い顧客とターゲットのすり合わせを行う
- 現実的に即アクションを起こせる事業戦略を立てて実行する
戦略レベルから実行が可能なレベルの施策に落とし込んでいく必要があるわけですが、実現可能性の高い施策を外部施策から採用するという手法もあります。
その具体的な施策のひとつとしてZenkenが推奨するのが、「ポジショニングメディア」というメディア戦略です。
ビジネス戦略の具体的手法「ポジショニングメディア」
ビジネス戦略が立てられたら、その戦略を実現するために必要な施策を選択して実行に落とし込みます。たとえば新規事業に注力するなら、人材採用を強化する施策なども該当します。
Zenkenでは、競合他社との差別化に有効な「ポジショニングメディア」の活用をおすすめしています。
ポジショニングメディアとはターゲットとなるユーザーを分析・特定したうえで、顧客の求めるコンテンツを中心に盛り込んでいくメディア戦略です。
BtoB向けにポジショニングメディアを作るとしたら、技術面や顧客のニーズなどいくつかの資料で競合他社もピックアップして、公平な目線でユーザーファーストな中立なメディアを立ち上げます。
徹底的に顧客のニーズを分析して「顧客の頭の中にある要望」をかなえるコンテンツ、顧客が本当に知りたい内容が書かれている有益な情報を盛り込んだサイトを設計して、顕在顧客のリードを獲得します。
セグメントした業界やターゲットを絞り込み、該当する競合他社も紹介しつつ自社の強みや競合他社との違いを第三者の立場、つまり制作会社であるZenkenが客観的視点でサイトを設計し、制作・運用を行ないます。
ポジショニングメディアでは、ホームページやポータルサイトではできなかった「差別化・効率的な集客・ブランディング」を図ることができます 。
ポータルサイトに比べるとアクセス数は劣りますが、「自社との親和性が高い顧客」がポジショニングメディアには集まってきます。
ポジショニングメディア導入企業の声
ポジショニングメディアを導入された企業からは、
- 商材の強みや特徴を理解した上で反響に至るため、価格競争から脱却し受注単価が2.5倍になった
- 数ある競合から自社に興味を持ってもらえるようになり、反響獲得後から契約までの期間を3分の1に短縮できた
- 今まで下請け仕事ばかりだったが、Webから月2件元請けの契約が取れるように
といった施策の効果を実感していただいています。
ここでご紹介した事例のほかにも、ポジショニングメディアの導入事例をご紹介している資料がございますので、下記ボタンよりダウンロードしていただければと思います。
ビジネス戦略立案に役立つフレームワーク
ここまでビジネス戦略の定義、立案手法について説明してきました。事業戦略の立案には、自社の弱み・強みといった内部環境、脅威・機会といった外部環境などの分析が必須です。
ここからは分析に活用できる代表的なフレームワークをいくつかご紹介します。
戦略基本方針を考えるためのフレームワーク
戦略基本方針を考えるためのフレームワークとして、代表的なものにSWOT分析があります。
SWOT分析
SWOT分析は自社の強み・弱みといった内部要因、機会・脅威といった外部要因、これら4つの項目を分けて分析を行う手法です。事業に対するアプローチ手法としては、最もポピュラーな分析方法となります。
外部環境の分析に役立つフレームワーク
外部環境の分析に役立つフレームワークとして、代表的なものにPEST分析とファイブフォース分析があります。
PESTEL分析
PESTEL分析は、自社や事業が置かれているマクロな外部環境を分析するためのフレームワークです。自社を取り巻く政治的要因や経済的要因、社会的要因などを、事業戦略を立案する上で把握するために行われます。
ファイブフォース分析
ファイブフォース分析は、競合他社や業界全体の収益構造を明確にして、その中で自社が利益をあげられるかを分析するフレームワークです。フォースとは脅威のことで、自社がさらされている脅威を5つに分類して分析し、自社の競争優位性を探ることが目的となります。
https://www.shopowner-support.net/glossary/fiveforce/ 図を入れる?
内部環境の分析に役立つフレームワーク
内部環境の分析に役立つフレームワークとして、VRIO分析が挙げられます。
VRIO分析
VRIO分析は3C分析の内、自社についての項目をさらに掘り下げた、内部環境を分析するためのフレームワークです。3C分析を行っていることが前提で、経済価値・希少性・模倣困難性・組織の4つの項目に分けて分析を行います。
VRIO分析を行うことで、自社の持つ経営資源の市場における競争優位性を明らかにできます。
競争優位の源泉の決定に役立つフレームワーク
競争優位の源泉の決定に役立つフレームワークとして、コアコンピタンス分析が挙げられます。
コアコンピタンス分析
コアコンピタンス分析は、事業の核となる部分で競合他社にはない強みを分析するためのフレームワークです。商品力や企画力、営業力といった、自社の顧客へ商品・サービスを提供する能力を分析するために行います。
事業の再構築を考えるためのフレームワーク
事業の再構築を考えるためのフレームワークとして、代表的なものにバリューポートフォリオがあります。
バリューポートフォリオ
バリューポートフォリオは、株主と経営者2つの視点から分析を行うことで、経営資源の割り振りを検討し直すためのフレームワークです。企業のビジョンと利益の整合性を取ることを目的としています。
TOWSマトリクス(クロスSWOT分析)
TOWSマトリクスは、SWOT分析の項目をぞれぞれ掛け合わせて具体的な事業戦略に落とし込むためのフレームワークです。企業経営に直接関わってくる役員クラスの方が対象のフレームワークとなります。
PPM分析
PPM分析は市場成長率と市場占有率の2軸で構成される座標上で、自社の商品・サービスを分類することによって、経営資源の適切な投資配分を決定するためのフレームワークです。自社の事業を、花形、金のなる木、問題児、負け犬の4つのポジションに分類することで、事業の将来性や他社との差を明確にできます。
ビジネス戦略立案手法とフレームワークまとめ
ここまでビジネス戦略の意味や策定手法について説明してきました。事業戦略は経営戦略の内のひとつで、事業レベルでの戦略のことであることが理解できたかと思います。
ビジネス戦略は単体で立案できるものではありません。企業理念から現場の施策まで、全体を俯瞰したうえで、目的別にフレームワークなどを活用して分析してからビジネス戦略を立案する必要があります。
ビジネス戦略が固まる前でも、機能戦略に該当するマーケティング戦略についてもご提案が可能です。
先ほどご紹介させていただいたポジショニングメディア導入にご興味があるかたも、ビジネス戦略の立て直しに外部マーケティング会社の意見が聞きたいという経営陣のみなさまも、一度Zenkenまでご相談ください。
これまで120業種以上の企業にマーケティング支援を行ってきた実績を活かし、貴社に最適かつ具体的な施策のご提案をさせていただきます。
ご要望があれば、オンライン商談の設定も可能です、下記フォームよりご遠慮なくお申し付けください。