マーケティングDXとは?事例やメリットなどまとめて解説
最終更新日:2022年03月25日
「マーケティングDXとはなんだろう?」「なにから考えればいいんだ?」と、聞きなれない言葉に疑問だらけの方も多いのではないでしょうか?
この記事ではマーケティングDXのメリットや導入にあたっての問題点などを解説。企業事例なども含めてご紹介しています。
マーケティングDXとは?
まずDXという言葉についてですが、 デジタルトランスフォーメーションという言葉の省略です。
進化していく技術によって、日々の生活をよいものに変えていくという意味合いをもっています。そしてマーケティングDXとはマーケティングにおいてDXを活用することです。
基本的なマーケティングでは下記のプロセスは欠かせません。
- フレームワーク
- 市場調査
- 広報活動
- PDCA
上記のプロセスの中に新たな技術であるAIやITを活用して、新たなビジネスモデルを創出することが、マーケティングDXの意味するところになります。
マーケティングDX導入で得られる効果やメリットとは?
マーケティングDXで得られるメリットについてご紹介します。
業務効率化とコスト削減
まず代表的なのは業務が効率化し、コストも削減できる点です。今までアナログで進めていた作業もデジタル化されれば効率的に進められるようになり、人員コストも削減されます。
さらにデジタルで自動的に進めると人為的なミスも起こりません。
ひととおりの業務が効率化されれば PDCAの回転も早くなるので、改善点をすぐに活かして改良につなげられます。
データでの分析が可能
マーケティングには数字の蓄積や分析が欠かせません。豊富なデータを扱わなければいけませんが、デジタル化されれば計算や分析が簡単になります。
Excelにて複雑な計算式に当てはめることもなく利用するサービスが 自動的に分析し、かつ改善点まで導いてくれるのです。
データをもとに分析した際の特徴として下記が挙げられます。
- 思い込みに影響されない
- ニーズの変化もすぐに捉えられる
- 施策に問題があっても気がつける
市場変化への柔軟な対応
自社のシステムが変わらなくても、人々の一般的な生活や市場は常に変化していきます。自社内でデジタル技術を取り入れておけば、周囲の変化にも対応可能です。いつまでもアナログで古いやり方を進めていると、競合に遅れをとるばかりか、淘汰される可能性すらあります。
在宅ワークが求められる情勢になった際、対応できる企業とすぐには対応できなかった企業がありました。状況に応じて社内ルールを変更しなければ社員の下記に影響します。
- モチベーション
- 定着率
今までにないサービスが生まれる
マーケティングDXと呼ぶ条件にもなりますが、技術を活用することで今までになかった新たなサービスを展開できます。
同様の技術を用いて追従される可能性はありますが、いち早く他にはないサービスを展開した企業は市場のトップを狙えるのです。
社内システムの共通化
社内にデジタル技術を取り込むと、一般的には社内間において同じシステムを使用するため、部署ごとにルールが違った場合も 統一化されます。
また大切な業務ではありながら個別で対応しがちな下記業務も全体で進められます。
- データ分析
- 企画開発
- PDCA
社員ごとの能力で左右されるのではなく、 組織全体として力が向上します。
デジタルマーケティングとは何が違うの?
なおDXとデジタルマーケティングという単語は同じ意味ではありません。同じ点や違う点をまとめると下記のとおりです。
同じ点
- 新たな技術を活用する
- マーケティングに活用する
異なる点
- 新たなビジネスを創出している
- マーケティングのプロセス自体を変更する
例えばマーケティングのためにSNSやITツールを活用するだけであれば、DXとはいえません。
つまり今までになかったような大きな変革をもたらすのがマーケティングDXです。
マーケティングDX導入で問題となる点とは
必要でありながらも、簡単には導入できないのがマーケティングDXです。導入にあたっての障壁についてご紹介します。
マーケティングDX導入の障壁とは
マーケティングDXを導入できない大きな要因はふたつです。
- ノウハウをもったスタッフの不足
- 古くからある慣習を変えられない
- 既存ツールの変更
特にツールを活用するためのノウハウがないと、反対に業務が複雑になってしまいがちです。マーケティングDX部分だけ 依頼して、自社ではデータを基にした施策を進める方法もあります。
また、知識がなければ導入で得られるメリットも分かりにくく、「今までどおりでいいのでは」という結論になりがちです。
現在使っているツールとの相性のよさも導入にあたって大切になってきます。
マーケティングDXを導入しないとどうなるのか
導入にあたり障壁がありながらも、今後は企業の業種を問わずマーケティング DX は不可欠です。導入しない場合には下記のデメリットがあります。
- 市場の変化に対応できない
- 革新的なサービスを提供できない
- ライバル企業と差がひらく
ライバル企業がマーケティングDXを導入しているのに自社が導入していない場合、まず市場が変化した場合にスピーディーに対応できません。
しかしライバル企業は効率よい作業で新たなサービスを展開していきます。常に市場の変化を捉えて新しいサービスを展開する企業と、今までより少し変化させたサービスを展開する企業ではどちらが伸びていくのか一目瞭然です。
障壁となりやすいポイントを押さえつつ、導入を進めましょう。
マーケティングDXを実現させるポイントとは?
続いて導入にあたり成功させるためのポイントをご紹介します。
経営層の理解
まずは経営トップからマーケティングDXを導入して改革を進める意識をもたなければいけません。経済産業省の調査結果では成功させるポイントのひとつに下記が挙げられています。
全てのDX銘柄・注目企業は、経営トップがデジタル・ITの課題把握・分析、戦略の見直しに反映されている。また、取締役会等でDX推進の報告・議論がなされている傾向にある。
引用元:経済産業省「デジタルトランスフォーメーション調査2021の分析」(https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/keiei_meigara/dx-bunseki.pdf)
社内システム自体を変更する可能性が高く、下記のように会社全体を巻き込む点も多く経営トップが変わる意識をもつ必要があります。
- 複数の部署をまたぐ
- 取引先とのやりとりも変わる
- 流通ルートやシステムを見直す
パートナーとの連携
マーケティングDXを導入するにあたり、自社開発システムだけで進めるのは限界があります。ほとんどの場合はシステムを提供している企業と 連携しなければいけません。
しかし開発会社からは、システム内容についての話はされるけれど、将来もマーケティングに活かせるかという話までいかないケースも多くあります。あらかじめしっかりと連携し、下記の点は押さえておきたいポイントです。
- 今後どんなマーケティング手法になるか
- 戦略のサポート方法は
- 顧客体験は変化するのか
- 社内システムはどう変わるか
マーケティング分野に知見のある会社を選ぶことが大切です。
目的を設定し共有する
自社の作業が効率的になるのは大切ですが、最終的には マーケティングの質を高めなければいけません。デジタルを活用しないマーケティングでも当然のことではありますが、マーケティングDXの導入において忘れがちになるので、 本来の目的を見失わないようにしましょう。
特に目標として設定しておきたいのは下記です。
- 顧客体験の向上度合い
- KPI
他にも多角的なデータを分析し、可能な限り導入前後の変化を分析できる状況にしておきたいものです。
マーケティングDXの企業事例
実際に言葉で説明されても、具体的なイメージがわかない方もいると思います。日本でも知られている企業でマーケティングDXを導入し、成功している 事例をご紹介します。
Coke ON
画像引用元:Coke ON公式サイト(https://c.cocacola.co.jp/app/)
会社名
日本コカ·コーラ株式会社
マーケティングDX化のポイント
- 自動販売機のブランディング、差別化
- できなかったユーザーデータの収集
- クーポン配信
顧客体験
- スマートフォン操作でドリンク購入
- 購入スタンプ15個で一本無料
- 小銭が不要
- 歩くだけでもスタンプが貯まる
詳細
お札のみで小銭がないために自動販売機で購入できなかったという経験をした方もいるのではないでしょうか。あらかじめ設定しておくと、スマートフォンの操作だけで自販機にてドリンクを購入できます。
今まではターゲットが全くわからなかった自動販売機で顧客データを収集できるようになりました。クーポンの配布やドリンクプレゼントによるプロモーションも可能です。
コカ・コーラの自動販売機でなければ利用できないため、利用者の多くが気にしていなかった自動販売機のブランディングもできています。
進研ゼミ
画像引用元:進研ゼミ公式サイト(https://www.benesse.co.jp/digital/)
会社名
株式会社ベネッセコーポレーション
マーケティングDX化のポイント
- 書籍のみだった自宅学習にタブレットを導入
- 子どもごとの最適なカリキュラムを設定可能
- 社員個人のデジタルスキルを可視化
- 蓄積したデータを学習支援ソフトに活用
顧客体験
- ゲーム感覚で勉強できる
- オンライン進学塾を受けられる
- 学習管理が簡単
詳細
自宅学習のサービスにおいて 電子端末を導入したBenesse。学習データを蓄積していたことで学習現場のソフト提供にも応じています。累計で300万以上の生徒にソフトを提供。
他にも子ども向けの学習事業が中心でしたが、成人向けの学習プラットフォーム事業も展開しているなど、DXにより得られたノウハウの活用が上手な事例です。
GO(JapanTaxi)
画像引用元:GO JapanTaxi公式サイト(https://go.mo-t.com/)
会社名
株式会社Mobility Technologies
マーケティングDX化のポイント
- タクシー搭載のタブレットで広告を展開
- 利用者のセグメントが迅速になった
- リアルタイムな情報で顧客とコミュニケーション
顧客体験
- スマートフォンアプリでタクシーが呼べる
- タクシー搭載のタブレットで広告を展開
- 呼んだタクシーの現在場所がわかる
- 急いでいるときも社内決済が不要
- エリアプロモーションを実施
詳細
タクシーの配車アプリを提供しているJapanTaxi。アプリ内にて事前にクレジットカード登録ができ、降りるときには金銭もやりとりも不要です。
顧客体験のために社内で取り入れたのが「KARTE」という顧客体験向上のプラットフォーム。取り入れるまでは施策が将来に続かない状況で、効果検証にもアナログ作業で時間がかかっていました。
しかし利用ケースが1週間もしくは1ヶ月に1回という方も少なくないのがタクシーサービスです。アプリを利用した際の天候などリアルタイムなデータを接客に反映し、顧客体験を向上させました。
アプリは「全国タクシー」から「JapanTaxi」へとリニューアルし、2022年では一部を除き「GO」へと変換してきました。協力パートナーとともに歩んできたことが分かります。
マーケティングDXとは今後不可欠となる戦略
導入に成功すれば下記のようにメリットが多いマーケティングDX。
- 顧客体験の向上
- 新たなビジネスモデルの提供
- 他社との差別化
- 社内のマーケティング効率向上
しかし導入は簡単ではありません。
成功させるためには経営トップから改革する意識が必要で、特に歴史の長い企業ほど導入において障壁が高くなります。
ただ、将来的には業種を問わず DXを活用した営業は当たり前になってくるでしょう。早めの段階で取り組まなければ市場内において他社に差をつけられてしまいます。
マーケティング部門だけではなく社内全体が大きく変わるためには不可欠です。
デジタルを活用した集客でビジネスを変化
マーケティングDXでは、デジタルの力を活用して得たデータをもとにビジネスそのものに大きな変革をもたらします。
マーケティングや集客のプロセスを可能な限りデジタル化して、データを蓄積できるようにしていくことで、根拠に基づいた戦略を立てやすくなるでしょう。
マーケティングとはモノが売れる場をつくること。集客の最初の入り口となるマーケティング施策をWebで展開することができれば、その後のプロセスのデジタル化や、データの活用もスムーズに行えます。
Webを活用した集客・マーケティング施策でお悩みなら
キャククルを運営するZenkenでは、これまでに120業種を超えるクライアント企業の集客・マーケティングを支援してまいりました。
様々な業種で8,000を超えるWebメディアを制作運用して得たデータやノウハウを活かし、クライアント企業ならではの強みを活かす戦略提案を得意としています。
自社でデータを蓄積し、新たに戦略を立てるには時間がかかるものです。いち早くマーケティングにデジタルやWebを取り入れたいという際には、ぜひZenkenへご相談ください。