しまむらの経営戦略、「集中戦略」のポイント

しまむらの経営戦略、「集中戦略」のポイント
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衣料品店「しまむら」は、全国展開のファッションチェーン店。「アベイル」、「バースデイ」、「シャンブル」などの店舗も展開する大手アパレル小売業です。

この記事では、しまむらの経営戦略のポイントを、「集中戦略」に着目して調査しました。他社との差別化を図り、より集客や売上につなげるにはどうすれば良いか、戦略事例から考察しています。

しまむらの経営戦略のポイント

ポイントのイメージ画像

しまむらは、創業当初はごく普通の総合衣料品店でした。1970年半ばからチェーン化を前提に店舗数を増やし続け、2022年2月時点では全国に1421店舗を展開するまでに至っています。

しまむらの経営戦略のポイントは、「地域集中出店」ターゲットに合わせた店舗展開、そしてコスト集中戦略にあります。

地域人口数に合わせた出店

しまむらは、地域に集中して出店する「ドミナント開発」によって、在庫管理や物流の効率化を図っています。人口10万人当たり1店舗の目安で出店しているとのこと。この数値で出店すると、知名度も一気に上がりやすい効果があるといいます。

ドミナント開発を実現するためには、店舗の立地や規模にもこだわっています。適正なコストを保つのに商圏調査から地主との交渉、契約までを、すべてしまむらの開発部が行っています。また、売場へのアクセスのしやすさ・商品の選びやすさを重視。大規模な店舗しすぎず、1000~1300㎡を最適規模としてこだわっています。

ターゲットに合わせた専門店舗

しまむらのメインターゲットは、20~50代の主婦層です。「服にはお金をかけずに節約したいけれど、日常のおしゃれも楽しみたい」というニーズにこたえ、低価格なデイリーファッションを提供しています。

また、しまむら以外にもアパレル小売店を展開。10~40代の男女向けには「アベイル」、マタニティーや小さな子供を持つ親をターゲットにした「バースデイ」、婦人ファッションのほかに雑貨やインテリアも取り扱う女性向けの「ジャンブル」など、特定市場にターゲット層を絞り、ターゲットニーズに合わせた専門店を展開しています。

ターゲットに合わせた専門店の出店は、しまむらの客単価が落ちてきた転換期に力を発揮。それぞれの専門店が補完しあって集客力を高め、さらなる成長の糧となりました。

コスト集中戦略

しまむらでは、地域に店舗を集中させるドミナント開発とともに「コスト集中戦略」も行われています。コスト集中戦略とは、徹底したコスト管理で低コストを実現するもの。地域集中出店や専門店の展開も、低コストを実現するための戦略のひとつです。

また、経験を積めば積むほど効率よく仕事ができるようになる「経験曲線」に基づいて、商品管理や物流、システム開発、店舗販売など、あらゆる場面でシステムの効率化を試行錯誤。

仮説と検討、実行を繰り返して効率的な仕組みをつくり続けています。これにより、仕入れルートや物流センターの業務効率化、パート社員の比率増など、経営コストを大幅に削減。コストを大幅に削減して利益率を高めています。

しまむらの経営戦略まとめ

ラックにかかっている洋服の写真

しまむらは、ターゲットに合わせた専門店を地域に集中することで、物流や管理のコストカットを実現しました。また、同じ「主婦層」をターゲットにしたアパレル事業でも、年代やコンセプトに違いをもたせ、目にする商品を変えることによって、それぞれの店舗で高い集客力を維持しています。

集客力を高めたい、経営のコストカットにも目を向けたいという場合は、しまむらのように徹底したターゲット選定と、ターゲットが訪れやすいエリアについて考えてみてください。

利益を高めるための「効率化」について常に考え、現場の従業員と経営・管理側が協力し合って行動する当事者意識の高さや人材教育の環境整備も大切です。

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