サムスンの経営戦略・マーケティング戦略とは
公開日：2022年07月12日
品質力や生産方式では、世界トップクラスと言われる日本企業。ところが、ここ十数年で成長が鈍化し、国政市場で存在感が薄くなっている企業も少なくありません。
そんな中、頭角を現しているのが韓国のサムスン電子（Samsung Electronics）です。スマートフォン市場ではアメリカのApple社と常に首位を争い、日本国内でも多くのAndroidシェアを獲得しています。日本企業がグローバル市場で苦戦する中、なぜサムスンは力強く動き回っているのでしょうか。
この記事では、サムスンの経営戦略・マーケティング戦略のポイントを紹介しています。自社の経営戦略の見直しを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
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サムスンの経営戦略のポイント
日本企業が世界の市場に置いて行かれたのは、グローバル化の波に乗り遅れたことが原因と言われています。
これまで、韓国や台湾をはじめ、アジアのさまざまな企業が必死に日本企業の技術力を模倣し、世界市場へと挑んでいました。サムスンもそのひとつでしたが、ある時から日本を「後追いする」戦略をやめてしまいます。グローバル化の流れのもとで、日本市場にこだわるよりも、アジアの新興国と呼ばれる国々にビジネスチャンスがあると考えたからです。
そこでサムスンは、従来のものづくりまでの手順を根本的に見直すことからはじめました。
デジタルデータを活用して開発期間を短縮
サムスンは、製品開発や生産のプロセスをより効率的にするため、デジタル化を進めました。事業所ごとにバラバラだった部品コードを統一して、すべての情報を一元管理できるシステムを整備。社内に情報を集約するハブをつくることで、それぞれのプロセスを同時進行できるようにしました。
これまでは企画、設計、デザイン、製造…と順番に行っていた製品開発を、複数の人が同時に進められるようになったことで、商品開発から製造までの業務が効率化。短期間でより多くの製品を生み出すことができるようになりました。
現地の特性に合わせた製品開発
サムスンは、デジタル化が進んだことによって、誰もが難しい技術を持たずとも、世界中のどこにいても製品を作れるようになったことを知ります。
そこで、デジタル化の波に乗り、新興市場をターゲットに現地のニーズに対応する製品を開発していきました。製品の設計から開発までを徹底して現地化し、その地域や国の特性に合わせた製品に工夫したのです。現地のニーズを見極めたことで、サムスンの製品は、どの地域の人々にも受け入れられるようになりました。
現地の特性に合わせたマーケティング
「アジアの新興市場」とひと口に言っても、言葉や文化、宗教、商慣習などは各地域でさまざまです。国や地域によって異なる人々の商品・サービスに対する受け入れ方に合わせたマーケティングが必要でした。
そこでサムスンは現地のニーズに対応するマーケティングを徹底研究し現、それぞれの市場に合わせたマーケティング・ブランディング施策を打ち出しました。価格も現地のマーケットに合わせて策定し、消費者側から見える「表の競争力」にも力を注ぎました。
このように、徹底的に地域に合わせたマーケティングでアピールした結果、大きなシェアを獲得することに成功したのです。
サムスンの経営戦略まとめ
サムスンは、製品が生まれるまでのプロセスに目を向け、デジタル化によって製品開発を効率化したことで、さまざまな国や地域で地盤を固めていきました。
そして、国や地域でターゲットのニーズが異なることを見抜き、徹底的に現地に合わせた製品開発とマーケティング戦略で市場シェアを獲得。現地のマーケットに合わせたポジションを確立し、グローバル企業として一目置かれる存在になりました。
企業において業務効率の根本を見直す取り組みは、ときにクリエイティブを生み出し、成長を促進する大きなきっかけとなり得ます。より多くの顧客を集め、売上向上を目指すのであれば、サムスンのようにエリアごとに異なるターゲットニーズを見極め、それぞれに合わせたマーケティングを展開することも有効です。
自社の考えるターゲットニーズと実際のニーズにズレがないか、商圏ごとのニーズに違いはないかを、いま一度見直してみましょう。
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