村田製作所の経営戦略・マーケティング戦略のポイントを分析
公開日:2022年06月06日
コンデンサなどの電子部品で高い評価を得ている村田製作所。国内のみならず中国にも生産拠点を持ち、さらにはシンガポールやフィリピン、タイなどの東南アジアにも生産拠点を広げています。
このようにワールドワイドに活躍の場を広げる村田製作所の戦略とはどのようなものなのでしょうか。
この記事では高品質で開発力の高い村田製作所の経営戦略、マーケティング戦略について分析してみました。
村田製作所の経営戦略、マーケティング戦略のポイントを解説
特徴として村田製作所には生産工程や品質を維持する確固たる管理体制があります。
社内で一貫して社是に基づいたコアコンピタンス(自社の核となる強み)を基盤としているからこそ、他社を圧倒するイノベーションや収益力の創出につながっているのです。
中でも以下の施策に力を入れています。
- 品質管理基本方針を徹底している
- 他社を圧倒する技術開発投資と設備投資
- デジタルマーケティングも積極的に行っている
- オウンドメディアを複数所有し使い分けている
品質管理基本方針を徹底している
村田製作所の社是の一つに以下の文言があります。
良い機器システムは良い部品と良い設計から、良い部品は良い材料と良い工程から作られる。
引用:村田製作所(https://www.murata.com/ja-jp/products/capacitor/ceramiccapacitor/overview/strength)
この社是のもと村田製作所では設計及び、材料の選定から、調達、生産、販売に至るまですべての工程を一貫して管理しています。この高い品質を維持する「品質基本方針」を厳格に定めているのです。
他社を圧倒する技術開発費と設備投資費
村田製作所は技術開発とそれに伴う設備費用に多額の投資を行っています。
2022年度の業績予想では売上高の6%近くを研究開発費としており、これは競合他社の平均を大きく上回る数値となっています。
また設備投資費においては競合他社の2倍近くの費用を充てています。
出典:村田製作所(https://corporate.murata.com/ja-jp/ir/financial/highlite)
このように自社の強みを理解し、高品質な商品やサービスを提供するという目的達成に必要な分野に重点的に投資。こういったメリハリの効いた施策も村田製作所の強みなのです。
デジタルマーケティングも積極的に行っている
村田製作所では早々にデジタルにシフトしたマーケティングを開拓しつつ展開してきました。
コロナ以降では「オフラインとオンラインの主従関係が逆転する」とまで発言しており、村田製作所では今後もデジタルマーケティング及びインサイドセールスを加速させていく方向で動いています。
オウンドメディアを複数所有し使い分けている
村田製作所では複数のオウンドメディアを所有しており、全て異なった用途で使い分けを行っています。
企業のメインサイトとなる「コーポレートサイト」、自社製品をアピールしその良さや用途を知ってもらうための「コンテンツサイト」。
そして村田製作所の製品がどのような場面で使用され、いかに人々の生活に必要不可欠であるかを知ってもらうための「ブランディングサイト」など、あらゆる方面から切り口を変えて「村田製作所」という企業をアピールしています。
BtoBサイトのランキングで1位になったことも
ランキング事業やシンクタンク事業、リサーチサービス事業などを手掛けているトライベック・ブランド戦略研究所。
同研究所が実施した「BtoBサイトコンテンツコミュニケーション力診断2021編」では、村田製作所が総合スコア86.50で「BtoBサイトのコンテンツコミュニケーション力」第1位となっています。
出典:トライベック BtoBサイトのコンテンツコミュニケーション力ランキング 第1位は「村田製作所」 ~ユーザーが求める役割を十分に果たしながら共感・ロイヤルティを高める~(https://www.tribeck.jp/newsrelease/2021/20210719.html)
購入検討に役立つ製品情報やお役立ちコンテンツの充実度、ユーザーが求める情報が提供されているか、などスコアは総合的に判断され評価されます。
村田製作所は他にもユーザーの共感や理解、リピート率などでも高いスコアを獲得しています。
この記事のまとめ
村田製作所は、まず自社の強みを明確に定めて、その強化に重点的に投資をすることで、コアコンピタンスつまりは自社ならではの強みを保ち続けています。
またその強みを発信することにも注力しており、デジタルマーケティングの導入やオウンドメディアの運用など、オンラインでの集客やブランディングにつながる施策を積極的に実施。
強みを確立し、それを伝える手段をアップデートすることで村田製作所の価値や魅力を伝えることができ、日本のみならず世界の企業から選ばれています。
「〇〇といえば自社」という強みを確立
村田製作所の戦略を自社で取り入れるのなら、まず自社がどういった点を強みとするのかを明確にしましょう。強みを考える際には顧客のニーズを出発点にすることが重要です。
なぜなら自社が顧客に選ばれているのは、あるニーズに合致するベストな選択が自社になるから。
「〇〇といえば自社」という強みを定め、それを広めるマーケティング戦略をセットに実施することで、自社のブランディングができ、相性の良い顧客を集めることができます。
当メディア「キャククル」を運営するZenkenでは、クライアントの強みに則したWebマーケティング戦略の提案を得意とし、いままでに120業種を超えるクライアントを支援してきました。
ユーザーニーズや競合などの市場分析を徹底的に行い、貴社がどのようなポジショニングをすれば優位性を伝えられるのか、戦略を立案。さらにはメディア制作・運用、すべてワンストップで対応可能です。
「他社との差別化ができていない」「伝えたい強みが顧客に伝わっていない」といった集客・マーケティングのお悩みがあれば、ぜひご相談ください。