サイボウズの経営戦略・マーケティング戦略を分析
最終更新日:2022年07月15日
「kintone(キントーン)」や「サイボウズオフィス」などのクラウドサービス事業で知られるサイボウズ。1997年の創業以来、チームワークを支援するグループウェアの開発や販売を行っています。
MicrosoftやGoogle、Salesforceなどの超大手企業がひしめくSaaS業界で、サイボウズはどのような経営戦略で成長を遂げたのでしょうか。
ここでは、サイボウズの経営戦略やマーケティング戦略について、成功のポイントを調査しました。
サイボウズの経営戦略のポイント
サイボウズは、大人の「遊び心」を取り入れたプロモーションで企業イメージをつくり、他社と差別化する戦略を展開しています。
この方針は、商品やサービスのマーケティングはもちろん、株主や取引先などのステークホルダーに対しても行われ、独自のブランドを形成している会社です。
「目立つ」マーケティングで成長
創業当初のサイボウズは、とにかく「目立つ」「目を引く」ことを目指してプロモーションを展開していました。
競合会社となるマイクロソフトやIBMは、世界をマーケットに展開している超大手グローバル企業。
設立したばかりのベンチャー企業だったサイボウズは、それらに比べて圧倒的に認知度が低く、自社の製品を売るためには不利な市場だったからです。
そこで、思わず読みたくなるようなメール広告や遊び心を取り入れたキャッチコピー、インパクトのあるキャンペーンなどで、会社の存在感をアピールしました。
まずは知ってもらい、「面白い会社だ」と覚えてもらう戦略で認知を拡大していきます。
メール広告では、無料で試せるダウンロード形式のソフトウェアをPRし、試用者を増やしていきました。また、大手と差別化するためにリーズナブルな価格に設定して、徐々に顧客を増やしていきます。
働き方改革に着手
創業から10年間、売上や社員数を順調に伸ばし成長を続けていたサイボウズでしたが、離職率が高いという問題を抱えていました。
また、市場の中心が企業ではなく一般層に変化していくと、試用に誘導するプロモーションが機能しなくなり、ビジネスが停滞してしまいます。
そこで、サイボウズは、社員の働く環境を改善すべく、働き方改革に着手しました。
「100人100通りの働き方」を掲げ、育休6年や副業解禁、子連れ出社OKなど、柔軟な働き方ができるようにし、コロナウイルスによるパンデミック前からすでにリモートワークにも取り組みました。
その結果、離職率を5%以下に収めることに成功。
そして、当時ではまだ真新しかったオウンドメディアを立ち上げ、ヒット記事を生み出していきます。
参照元:サイボウズの組織コンサル・研修プログラム(https://teamwork.cybozu.co.jp/assets/pdf/teamwork_service_02.pdf)
オウンドメディア運営に注力
法人会計やオフィスの勤怠管理など、業務効率化につながるサービスを展開するサイボウズは、自社の事業を認知してもらうために「働く」をテーマにしたオウンドメディアを設立しました。
チームで働く楽しさやむずかしさ、仕事に対する向き合い方、そもそも働くとは何かなど、オウンドメディア内では、さまざまな人によるコラムやコンテンツが展開されています。
このオウンドメディア「サイボウズ式」が働く人からの共感を得て注目されるようになり、いっそう認知度が向上しました。
オウンドメディアに一定の読者がつき「ファン化」することで、企業に対する信頼度や愛着心を高める効果も生み出されています。
この記事のまとめ
サイボウズは、はじめに目立つマーケティングを仕掛けて認知度を高め、自社が抱えていた課題を解決しながら、「働く」をテーマにコンテンツを発信し続けて、企業や社会への信頼度を高めていきました。
サイボウズのように「自社の想い」や「理念」をメディアで発信することは、自社や自社のサービスを深く理解してもらい、ファンを育成することにつながります。
集客や売上をアップしたい、成果につながるWebマーケティングを探している方は、サイボウズの実践したオウンドメディアを活用した経営戦略をぜひ参考にしてみてください。