経営戦略課題の抽出&解決方法をまとめました
公開日:2021年11月19日
この記事では、経営戦略における課題の抽出や分類の仕方と、抽出した課題の解決方法を紹介しています。どのような考え方(フレームワーク)で課題を特定し、適切な解決策が見いだせるか、詳しく解説していきます。「ターゲットとしている顧客が集客できない」「集客はできているが、売上には繋げられていない」といった悩みをお持ちの方は参考にしてみてください。
なお、ここで紹介する一部のフレームワークを応用した具体的な課題解決施策としてポジショニングメディアを紹介しています。
経営課題の抽出&解決に役立つフレームワーク
フレームワークは戦略を立案する際に考え方に一貫性を持たせ、分析や検討の結果を共有したり次の行動に繋げたりする上で役に立ちます。
経営課題はフレームワークを使わず解決方法を模索し始めると誤った方向に進むリスクもあります。なお、それぞれの社員の認識や知識の個人差によって戦略にズレが生じることもあります。課題抽出・解決を実証されてきた型通りに進めることができれば、誰が関わっていても進め方が大きく変わる心配もなくなります。
ここではどのようなフレームワークをどの場面で活用すればいいのか詳しく解説していきますので、経営課題に取り組む際の参考にしてみてください。
環境分析に役立つフレームワーク
営業課題は社内が原因となっているものもあれば、外部環境によるものもあります。環境分析に利用できるフレームワークは現状を客観視し、課題と繋がっている要素を抽出するのに有効です。経営戦略を立てるうえで大切な導入部分で、環境分析を行わないと顧客や市場の動向を掴めず、売上に繋げるのは難しいでしょう。
環境分析に役立てたい「3C分析」
3C分析は英語でCから始まる3つの要素、カスタマー(顧客)・コンペティション(競合他社)・カンパニー(自社)を分析するためのフレームワークです。
顧客を理解するために市場を細分化し、それぞれの顧客の属性やニーズ、またはそのセグメントの規模と成長可能性といった項目を掘り下げていきます。ここで大事なのは、ターゲットとする市場のセグメントを徹底的に絞ることです。
顧客の次には競合他社を分析し、どのような戦略と規模で取り組み、どのくらいの業績をあげているかを確認します。最後には市場・顧客と競合他社の分析結果を照らし合わせながら、自社のみが提供できる価値の抽出に移ります。この「強み」こそが、あらゆる経営課題の解決に繋がる足がかりとなります。
上記のように顧客 → 競合他社 → 自社という流れ以外の進め方もあります。キャククルの運用元であるZenkenは、3C分析を活かし120以上の業種において集客効果アップを実現してきました。下記のページにはその分析プロセスを基にしたワークシートを用意していますので、ご興味のある方はぜひダウンロードして使ってみてください。
環境分析に役立てたい「PEST分析」
PEST分析は、ポリティックス・エコノミー・ソサエティ・テクノロジーの観点から分析するフレームワークとなります。
まずは、ポリティックス(政治)が与える社会的な影響を分析し、自社の経営状態にどう影響するかを調査します。次には変動するエコノミー(経済)の視点から、自社の経営に与える影響を計っていくことが大事です。消費者の動向や為替相場から、自社の経営状態の予測を立てていきます。
さらに、ソサエティ(社会)を考え、消費者のライフスタイルの変化や将来の人口構成から、自社が取り組むべき経営課題を浮き彫りにさせます。最後にはテクノロジー(技術)の観点から、技術の進化が自社の経営に与える影響を分析していきましょう。
4つの分析を行うと、様々な視点から自社の経営課題と繋がっている要因が見つけられるため、俯瞰して経営戦略を立てられて便利です。
環境分析に役立てたい「SWOT分析」
SWOT分析は、ストレングス・ウィークネス・オポチュニティー・スレットという4つの観点から自社の経営が分析できるフレームワークです。
自社のストレングス(強み)である技術力やブランド力などを分析し、資金や労働力不足といったウィークネス(弱み)があるかどうかを明確にします。強みと弱みは深く関係しており、見方を変えると強みが弱みになったり、弱みが強みとしてアピールできたりします。
さらに、いつ・どこで・どのような事業を展開していけば業績が向上するか、オポチュニティー(機会)を見極めることが大事です。環境が自社に与える影響を判断し、チャンスを掴めるか施策を練っていきましょう。
最後に、環境の変化が自社に与えるスレット(脅威)について、予測しておかなければなりません。市場を競合他社に奪われる危険性などを考慮しておくと、不足の事態が起きたときに対処しやすくなります。
環境分析に役立てたい「クロスSWOT分析」
クロスSWOT分析は、SWOT分析と同じで、強み・弱み・機会・脅威を調べるフレームワークです。ただし、SWOT分析と異なるのは、4つをバラバラに考えるのではなく、複合的に考えるという点です。
機会を得るために活かせる強み・機会損失になり得る弱み・脅威を軽減できる強み・脅威が増す弱みを見つけ出すことで、より実践的な環境分析が行えるようになるでしょう。
環境分析に役立てたい「アンゾフの成長マトリクス」
アンゾフの成長マトリクスは、企業経営の方向性を分析できるフレームワークです。製品・市場を軸にした分析法で、誰にどのような製品を販売するのかを考えます。
分析する項目は4つあり、既存顧客・新規顧客・既存製品・新規製品の観点から、誰にどのような製品を販売するのか決めていきましょう。
既存製品×既存顧客の観点で分析する「市場浸透戦略」
既存製品と既存顧客の複合的観点から分析する手法を「市場浸透戦略」といい、競合他社に勝つことで、市場シェア率を高めていく方法です。利用頻度の低い顧客を、優良顧客へ持っていく戦略などが該当します。
既存製品×新規顧客の観点で分析する「新市場開拓戦略」
既存製品と新規顧客の2つの軸から分析する方法を、新市場開拓戦略と呼びます。既存製品を新規顧客に売る戦略で、販売するエリアを拡大したり、今までとは別の客層に販売したりする手法となります。
新規製品×既存顧客の観点で分析する「新製品開発戦略」
新製品を生み出し、既存顧客へ販売する手法を「新製品開発戦略」と言います。既存顧客のニーズを調査したうえで、足りない技術・知識を補って、新規製品を開発していきます。
新規製品×新規顧客の観点で分析する「多角化戦略」
新しい分野の新規製品を、新たな市場で販売する手法を考えるのが「多角化戦略」です。現在の事業とは異なる事業を展開することで、企業成長の機会を生み出せるでしょう。今まで展開してきた事業で培ってきた、技術・知識・ブランド力を活かせるかがポイントとなります。
経営資源を有効活用するのに役立つフレームワーク
経営資源を有効活用するうえで、役立つフレームワークをいくつか紹介していきます。自社が置かれている環境が把握できていても、非効率の資源の使い方が経営戦略課題と繋がっているケースもあります。経営資源を無駄なく配分できれば、より少ない資源で利益を生み出せるようになるでしょう。
経営資源を有効活用するのに役立つ「プロダクトポートフォリオマネジメント」
プロダクトポートフォリオマネジメントは、事業ごとの現状を見極めて、経営資源を最適に分配して課題を解決するためのフレームワークです。自社の事業を花形製品・問題児・金のなる木・負け犬の4つに分類します。それぞれ市場の成長率とマーケットシェアの観点から、経営資源の分配について考えていきます。
花形製品【市場の成長率(高)×マーケットシェア率(高)】
花形製品には、市場成長率・マーケットシェア率がともに高い事業が該当します。マーケットシェア率が高いので稼げる事業ですが、市場成長率が高い分、競争が激しく多額の投資が必要です。
問題児【市場の成長率(高)×マーケットシェア率(低)】
問題児は、市場成長率が大きいものの、苦戦していてマーケットシェア率が低い事業となります。市場成長率は高いので、投資する価値がある事業だといえます。今後の投資次第では、花形製品に成長する見込みがあるでしょう。
金のなる木【市場の成長率(低)×マーケットシェア率(高)】
金のなる木は市場成長率が低くて、マーケットシェア率は高い事業です。自社が強みとしている事業で、競合が少ない分、投資が少なくても利益が出ます。得られた利益を他の事業に回せるため、企業の成長には欠かせない事業だといえます。
負け犬【市場の成長率(低)×マーケットシェア率(低)】
負け犬は、市場成長率・マーケットシェア率がともに低い事業です。少ない投資で済みますが、利益率も低いため、継続か撤退かを真剣に検討しなければなりません。
経営資源を有効活用するのに役立つ「VRIO分析」
VRIO分析は、競争で優位に立つために、また優位な状態を持続させる目的で、経済資源を分析するフレームワークです。バリュー(価値)・レアリティ(希少性)・イニマタビリティ(模範加工性)・オーガニゼーション(組織)の4つの観点から、経済資源における自社の強みと弱みを明確にできます。
- 価値なし
ニーズを満たしていないので、競合他社との競争で劣位になる - 価値あり×希少性なし
ニーズを満たしており、価値はあるので、競争で均衡を保てる - 価値あり×希少性あり×模範加工性あり(真似しやすい)
ニーズを満たして希少性があるものの、真似しやすいため競争で一時は優位に立てる - 価値あり×希少性あり×模範可能性なし×組織の協力体制・支援なし
ニーズを満たして希少性があり、真似しにくいものの、組織の協力が得られないので持続的な競争優位に留まる - 価値あり×希少性あり×模範性なし×組織の協力体制・支援あり
ニーズを満たして希少性があり、真似しにくく組織の協力体制も得られるので、経済資源を最大限に活用できる状態
顧客理解を深めるのに役立つフレームワーク
ターゲットとしている顧客のニーズや悩みを理解していないと、マーケットシェア率を高めることはできません。顧客理解の追求は、競合他社ががまだ提供できていない商品を開発したりして経営戦略課題の解決に繋げられます。ここでは、顧客理解を深めるためのフレームワークを紹介していきます。
顧客理解を深めるのに役立つ「ポジショニングマップ」
ポジショニングマップは、自社の製品・サービスの市場内での立ち位置を確立するためのフレームワークです。適切なターゲット層に訴求できるように、顧客視点から製品・サービスを評価していきます。
ポジショニングマップという名前の通り、マップを作成すると分かりやすく、縦横軸には顧客の購買決定に繋がる要因をあげましょう。たとえば、縦軸に実用性・デザイン性のどちらを重視しているかの軸を設け、横軸に価格の軸を設ければ、自社と競合他社の立ち位置が良く分かります。競合他社の立ち位置と被らない戦略を打ち出すと、自社が優位に立てるポジションを獲得できるでしょう。
顧客理解を深めるのに役立つ「バリュープロポジションキャンバス」
バリュープロポジションキャンバスは、自社の製品・サービスを顧客視点から評価し、自社にしかない強みを生み出すフレームワークです。顧客への提供価値・顧客セグメントを考え、両者がお互いに与える影響を明確にします。
顧客への提供価値とは?
顧客への提供価値を考えるうえで大切なのは、自社の製品やサービスが顧客の悩みを取り除き、利益をもたらせるかどうかという点です。顧客に利益のない製品やサービスは、高いマーケットシェア率を獲得するのは難しいといえます。顧客視点を取り入れるためにも、自社が顧客に提供できる価値を考えてみましょう。
顧客セグメント
顧客セグメントでは、顧客の利益・顧客が解決したい課題・顧客の悩みについて分類していきます。製品やサービスの価値抜きで考えるため、顧客が本当に求めているニーズを把握するのに役立ちます。
顧客への提供価値×顧客セグメントでマーケットシェア率を高める
自社が顧客に提供できる価値を掘り起こし、顧客のニーズとすり合わせれば、自社の製品・サービスで強みとなる部分が見えてきます。差別化を図るためには、顧客視点を取り入れることが大切です。自社が顧客に提供できる価値で、顧客のニーズに合っているものは何か、よく考えてみましょう。
課題分析から解決策を導き出した施策例
ポジショニングメディア事例
詳細はお問い合わせください
フレームワークを使って経営戦略課題の洗い出しができれば、結果を様々な解決したに活かせます。最後にはそういった施策の一つとして、ポジショニングメディアを紹介いたします。
ポジショニングメディアは自社と親和性の良い顧客に特化した、専門性の高いWebメディアです。
インターネットで情報収集を行っているユーザーは、「情報が多すぎてどの商品が自社に合っているか分からない」「専門知識がなく商品選びに迷ってしまう」という課題を抱えています。自分のニーズにピッタリ合ったものが見つからなければ、ユーザーが「とりあえず価格が安い・知名度が高い商品を選ぶ」といった行動を取ることが多いです。
ポジショニングメディアは、自社を選ぶべきユーザーが競合他社を選んでしまうケースを防ぐツールです。
特定の顧客のニーズに合わせて専門性の高いメディアを築くことで、自社の競合との違いと自社の魅力が明確に伝えられます。こして、ニーズが合う顧客が自社を選んでくれるという状態を作り出します。
ポジショニングメディアは既に120以上の業種で導入されています。実際に導入した企業様から、下記のような声をいただいています。
- 年間100件以上の会員登録が増え、そこから大体月2棟が契約
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ポジショニングメディアについて詳しく知りたい方は、下記のページをご覧ください。
マーケティング戦略で経営課題の解決を支援します
フレームワークで経営課題を抽出し、自社が取り組むべき問題を明確にできると、成約率を向上させていけるでしょう。
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特にクライアントにマッチするユーザーを集客して、成約率・売上アップを重視する「ポジショニングメディア」戦略を得意としています。安定して集客できる施策を探している、しっかり利益を確保できる状態をつくりたい、と考えている企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。