【5分で理解】広告戦略に成功した企業事例を踏まえて戦略を考える
最終更新日:2024年06月17日
本記事では広告戦略の概要と、成果に繋がった広告戦略の成功事例について解説いたします。自社や自社商品の知名度を上げたい・集客をしたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
広告戦略とは
広告戦略とは、商品やサービスを買ってもらうために知ってもらうことを指します。モノを売るためには何かしらの方法で知ってもらう必要があり、この知ってもらうということを果たすために広告戦略が必要になります。
ただし、情報が手軽に取れるようになった今では、他社との違いを明確にしてユーザーから選ばれる広告戦略が必要です。ユーザーから選んでもらうには、自社の商品・サービスが他社と何が違うのか、つまり「差別化できるかどうか」が事業成功のカギを握るといっても過言ではありません。
競合他社と差別化する広告戦略とは
差別化とは、競合よりも優れている点は何かを明確にすることです。では、どうすれば競合と「差別化」できるのでしょう。そこで必要なのが、市場分析、ターゲッティング、ポジショニングです。
- 市場分析…消費者ニーズ・市場・競合他社の動向など、自社を取り巻く環境を分析する
- ターゲッティング…販売すべき市場を絞り込み、市場のニーズに応える商品・サービスを選定
- ポジショニング…競合他社と何が違うのかを明確にし、自社のポジションを確立する
中でもポジショニングは特に重要です。ここが確立されていないと、溢れる競合商品・サービスに埋没してしまい、結果的に「高いか安いか」だけで判断される価格競争に陥ってしまいます。
とはいえ、市場分析や競合調査など、市場での自社の立ち位置を見つけ出す作業を、社内的なリソースもない中で、どのように進めたら良いのかわからない方が多いのではないでしょうか。
また、例え自社の立ち位置を見つけ出せたとしても、具体的な広告戦略に落とし込み、ターゲットユーザーへ届ける施策を実行しなければ受注を獲得することは難しいでしょう。
Web広告を打っても反響がなかったり、あったとしても成約の温度感が低い、競合他社と比較される問い合わせで終わる可能性があります。
しかし、ある方法を活用することで、競合他社と差別化した広告戦略を策定からターゲットユーザーへ届ける具体的な方法まで、「成約に繋げるWeb施策」を打つことができます。
それが、自社の強みを打ち出し必要とするユーザーのみを集客するポジショニングメディアです。
自社の強みを欲しい客にアピールできるポジショニングメディアとは
詳細についてはお問い合わせください
上記で触れたポジショニングは、言葉で説明するより図で見たほうがわかりやすいかもしれません。
コストや技術、品質などのセグメントで市場における自社の立ち位置(ポジション)がどこにあるかをまず明確にします。これができていないと、競合としてベンチマークする企業の選定からして間違ってしまいます。
戦うべき相手ではないにもかかわらず、そのライバル会社に合わせて費用を下げてしまったり、顧客が納得するような「購入する理由」が提供できなかったりしてしまうと、どんなに広告費用を投じても、満足の行く結果は得られません。
ユーザーが求める「商品専門Webメディア」
ポジショニングメディアとは、「御社の商品を購入したい」という温度感が高いユーザーだけを集客する、ユーザーが求める「商品専門Webメディア」です。たとえば注文住宅を例に挙げましょう。
注文住宅と一口に言っても、「自然素材の家」「狭小住宅」「ローコスト住宅」など、種類もさまざま。ユーザーの家づくりへの関心も多種多様です。
注文住宅の広告戦略の具体的な方法として利用されるのが、豊富な住宅情報を集めたポータルサイトなどがあります。アクセス数が非常に多いのが特徴で、より多くのユーザーに自社の家づくりをPRするには効果的です。
しかし、だからといって、「今すぐ住宅会社へ商談の問い合わせをする」わけではありません。あくまでも、購入前の「情報収集」の手段として利用するユーザーが多いのも事実です。
ユーザーはどの商品を購入すべきかがわかる
一方、ポジショニングメディアは、たとえば「狭小住宅」「自然素材の家」「ローコスト住宅」など、ユーザーが求める注文住宅に特化したWebメディアを独自に開設し、それぞれの住宅に高い関心を持つユーザーだけを集客する広告戦略です。
注文住宅に関する専門的な知識がなくても、自分が気に入った注文住宅やハウスメーカーを簡単に探し出せ、どの住宅会社(工務店)に家づくりの相談をすべきかを判断することができます。
ポジショニングメディアに掲載する住宅会社にとっても、自社の家づくりの「特徴」や、競合にはない「価値」をしっかりと理解してもらった上で、自社の価値に納得してくれるユーザーと出会えます。その後の商談もスムーズに進み、最終的には成約に繋がる反響が獲得できます。
このように商品を使うべきユーザーだけを集めることで、無駄な労力をかけずに効率的な営業を展開できるのが、ポジショニングメディア最大の特徴です。
広告戦略で企業の成功事例を参考に検討する
自社の新たな製品やサービスを開発、またはリニューアルする際に広告戦略は欠かせませんが、なかなかよい案が思い浮かばずに悩んでいる担当者の方もいるでしょう。
広告戦略を練る際に企業の成功事例をチェックしておき、考え方や手順など参考になる部分は取り入れておくと成功しやすくなります。
ここでは日本でも有名な企業の成功事例をまとめていますので、企業の広告戦略を参考にしたい方はチェックしてみてください。
企業事例1:コカコーラの広告戦略
画像引用元:コカコーラ公式サイト(https://www.cocacola.jp/)
コカコーラが成功した理由
コカコーラの広告戦略ポイントは音。キャップやプルタブを開ける音、グラスにコカコーラを注いだ泡の音をCMで多用し、共感覚でコーラを飲んだときを思い出させるように仕上げています。
CM以外でもチームのスポンサーやパートナーになるなど、スポーツに関して積極的。ファンが一体感をもって楽しみやすいスポーツを一緒に盛り上げる戦略なのです。
コカコーラの広告戦略成功ポイント
- CMはコーラを思い出させる共感覚を活用
- 一体になり楽しめるスポーツチームへ協力
企業事例2:ナイキの広告戦略
画像引用元:ナイキ公式サイト(https://www.nike.com/)
ナイキが成功した理由
CMや広告方法に興味をもつ方のなかには、2020年終わり頃にナイキのCMが「日本国内で差別があるように見せている」と炎上したニュースを見た覚えがある方もいるでしょう。
実は従来も同様に問題提起するCMを制作してきました。
しかしナイキの目的はCMでみんなに考えてもらいたいことが一番ではありません。しっかりペルソナに向けたCMを制作しているだけなのです。
問題となったCM例でいうと、差別の対象となりえる可能性のある移民や人種をターゲットとしています。周囲からの扱いを高い壁として表現し、スポーツでも同様に高い壁を乗り越えていく人をナイキは応援するという内容に仕上げているのです。
ナイキの広告戦略成功ポイント
- 伝えるべき相手に刺さるCMを展開している
- 広告対象を一番に考えて制作
企業事例3:任天堂の広告戦略
画像引用元:任天堂公式サイト(https://www.nintendo.co.jp/)
任天堂が成功した理由
任天堂はさまざまな家庭用ゲーム機とソフトを販売していますが、今回は複数あるなかからNintendo Switchを取り上げます。
前機種であるWiiUはあまり販売台数が伸びなかったため、SwitchのCMでは「家族でワイワイ」という印象にしたのが大きなポイントです。
またスマートフォンアプリのゲームも広まっていることもあり、外出時の携帯と在宅の据え置きの両方で使える、シェアプレイする、といったゲームプレイ生活に合わせている点もニーズを重視しています。
SwitchLiteの販売は抑えた価格で複数子どもがいる家庭でも追加分として購入しやすく、持ち運びしやすいように軽くなったというのも大きな魅力です。
任天堂の広告戦略成功ポイント
Nintendo Switchは4Pを捉えた広告展開です。
- プライス:他ゲーム機と比較してもお手頃な価格
- プレイス:在庫過多で割引されないよう一定在庫を保つ
- プロモーション:YouTubeのゲーム配信にも協力的
- プロダクト:オリジナルのハード、ソフトを展開
企業事例4:レッドブルの広告戦略
画像引用元:レッドブル公式サイト(https://www.redbull.com/)
レッドブルが成功した理由
レッドブルは一般的な飲料系企業と体制が大きく異なっています。製造、流通は他社に委託し、レッドブルが直接行なっているのは広告展開です。
マーケティングに全力を注ぐことで、従来にはなかった商品カテゴリとして「エナジードリンク」というジャンルを確立。
レッドブルの広告戦略成功ポイント
- エナジードリンクを飲むシーンを提案、告知する
- ターゲットに対してコンテスト開催やスポンサー契約を展開
- SNSもプロモーションに活用
- サンプリング配布に目立つレッドブルカーを採用
レッドブルの広告・マーケティング戦略を分析任天堂の経営方針から学ぶ差別化戦略
企業事例5:ニトリの広告戦略
画像引用元:ニトリ公式サイト(https://www.nitori-net.jp/)
ニトリが成功した理由
ニトリはWeb広告工数の削減に成功しています。Googleの来店コンバージョンを分析し、手動にて調整した広告入札をAIに落とし込み自動化させました。結果として自動入札化後には来店客数が36%も増加したのです。
ニトリの製品を使えば生活が豊かになると伝え、売る宣伝という意識でなく豊かさを伝えるコミュニケーションとして考えています。
ニトリの広告戦略成功ポイント
- 広告費は自動入札で効率化
- 広告内容は担当者だけで考えない
- 広告を宣伝ではなくコミュニケーションとして捉える
企業事例6:ポカリスエット(大塚製薬)の広告戦略
画像引用元:ポカリスエット公式サイト(https://pocarisweat.jp/)
ポカリスエットが成功した理由
若い世代へ向けた戦略が上手くいった事例です。優秀作品をCMに起用する「ポカリ鬼ガチダンス選手権」の開催、SNSでハッシュタグを活用したキャンペーンを展開しました。
若い世代を狙った理由としては以下があります。
- 従来は商品の機能性をメインとしていた
- 体調不良時の飲料水のイメージを払拭したかった
- 昔のキャンペーンガール起用時のファンは40代など
- ライバル製品は10代が主に顧客だった
ポカリスエットの広告戦略成功ポイント
- 現状のブランディングイメージで欠点を認識できていた
- 年代に合わせた広告展開を実施
企業事例7:メルカリの広告戦略
画像引用元:メルカリ公式サイト(https://www.mercari.com/)
メルカリが成功した理由
メルカリは状況に合わせて広告内容を変えています。
最初は女性に絞り、広告効果の高さを意識。まずは新規ユーザーを増やすために機能やフリマアプリならメルカリ、というブランディングを伝えるCMを展開していました。
そして徐々にストーリー性をだしてさまざまな年代や性別でも利用できるものと認知してもらうためのCMに変えていきました。
またInstagramやFacebookのWeb広告も効果が高いと認識しており、2015年当時では一般的ではなかった横に画像がスライドできる「カルーセル広告」を早く導入しています。
メルカリの広告戦略成功ポイント
テレビの広告戦略を下記の3段階で展開。
- 認知向上、機能訴求をメインに伝える
- ユーザーが得られるメリットを伝える
- ターゲットを広げる
企業事例8:ダイソンの広告戦略
画像引用元:ダイソン公式サイト(https://www.dyson.co.jp/)
ダイソンが成功した理由
ダイソンは自社を「エンジニアリングカンパニー」と考えており、技術開発に力を入れています。
製品開発する際には直属のエンジニアが消費者の自宅で使われ方を見るなどの方法で製品開発を検討。家電製品にもスタッフを配置し、現場のレイアウトを調整しています。
広告展開を検討しつつも社内にてマーケティングとは呼ばないため、市場調査しない企業ともいわれます。しかし一番力を入れているのは研究開発というだけでプロモーションのレベルは高いブランドです。
ダイソンの広告戦略成功ポイント
- マーケティング調査からの製品開発は行わない
- エンジニアが消費者の利用をチェックし製品を検討する
- 販売コーナーまでサポート
企業事例9:無印良品の広告戦略
画像引用元:無印良品公式サイト(https://www.muji.com/)
無印良品が成功した理由
無印良品は自社の理念をユーザーにしっかり伝えているのが特徴。ターゲットを絞らずに、WebサイトだけではなくアプリやSNS、YouTubeを活用して多くの人に伝えています。
Webサイト以外のアプリの利用者やSNSのフォロワー数が多いのも特徴です。
宣伝することに力を入れているのではなく、顧客とのつながりを特に重要視。自然に他社との差別化も印象づけられています。詳しくは下記で解説してます。
無印良品の広告戦略成功ポイント
- 企業理念をユーザーに伝える
- ターゲットは絞らない
- Webサービスを活用する
- 顧客とのつながりを重要視
企業事例10:Amazonの広告戦略
画像引用元:Amazon公式サイト(https://www.amazon.co.jp/)
企業Amazon成功が成功した理由
日本でも通販といえばAmazonを一番に思い浮かべる方もいるでしょう。企業の理念として最高の顧客体験を掲げており、従来の通販にはなかったワンクリックでの購入ボタンを搭載し、かつ物理的なボタンとしても提供してきました。さらに自宅で在庫が無くなりそうな商品を自動的に注文する機能にも登場しています。
利用者のことを考えて商品購入につなげる方法をよく考えているため、現在のように大きな企業へと成長したのです。
Amazonの広告戦略成功ポイント
- 最高の顧客体験を掲げる
- 他社にはない利便性を提供
- サービスを日々進化させていく
企業事例11:トヨタ自動車の広告戦略
画像引用元:トヨタ自動車公式サイト(https://toyota.jp/index.html)
トヨタ自動車が成功した理由
トヨタ自動車は古くからある日本の有数自動車メーカーですが、Web戦略もとても強い企業です。数年ぶりに発売したRAV4ではWeb上で動かせる3D Cubeの広告を活用。
ブランディング戦略として社長自らの発案で2019年にスタートした「トヨタイムズ」は、自社内に編集部を設置し、1年間で180本の記事を更新しました。従来の広告方法ではユーザーに伝わらない会社の想いを伝えています。
トヨタ自動車の広告戦略成功ポイント
- Web広告を活用
- 新しい技術の広告も展開
- ブランディング戦略のオウンドメディアを自社内で制作
企業事例12:ハーゲンダッツの広告戦略
画像引用元:ハーゲンダッツ公式サイト(https://www.haagen-dazs.co.jp/)
ハーゲンダッツが成功した理由
さまざまな商品のラインアップがありますが、バニラファーストとして主力製品を店頭でよい位置に並べてもらうようにしています。
テレビCMでは高級感あふれるイメージに仕上げている他、テレビから離れている世代にはSNSでおしゃれな印象を与えるコンテンツを展開しているのも成功のポイントです。
ハーゲンダッツの広告戦略成功ポイント
- 店舗の陳列で主力商品をよい位置に
- 高級感やおしゃれな広告を展開
- テレビCMとSNS、両方の世代にアピール
- 高級感のあるブランディングを意識
企業事例13:資生堂の広告戦略
画像引用元:資生堂公式サイト(https://www.shiseido.co.jp/)
資生堂が成功した理由
資生堂は従来までマスメディアの広告がメインだったのですがSNSも展開。しかし完全に移行させるのではなく、あくまで広告チャネルの増加として考えておりターゲットを逃さないようにアプローチしています。Web検索よりもInstagramのタグで探すタグルが主流となっている若年層へもブランディングを意識しつつ展開。
Web広告のメリットである、データ分析もスピーディーに活用しています。
資生堂の広告戦略成功ポイント
- マスメディアに加えSNSも広告として活用
- タグ検索する若年者へ効果的なアピール
- Web広告データはスピーディーに活用
広告戦略の策定で困っているWebご担当者の方へ
現在、Webマーケティングを行っており、ある程度の問い合わせはあるものの、成約になかなか繋がらない…とお困りではありませんか?
集客をしているからには、売上に結びついていないと意味がありません。
Zenkenでは、業界における貴社の「強み」を打ち出し、「強み」を必要とするユーザーを繋げる「ポジショニングメディア」をはじめとしたWeb集客戦略づくりを得意としており、これまで120業種以上のWebマーケティング支援実績があります。
単なるWeb広告の提案ではなく、自社の商品(サービス)の強みを理解してくれる反響をしっかり獲得したいご方針があれば、お役立ちできます。
ご案内の際には、貴社の市場分析、市場におけるポジショニング設計、競合他社のリサーチしたWeb戦略資料を貴社用に作成してご案内いたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。