Netflixの広告戦略とは?戦略の概要と自作事例を紹介
公開日:2022年04月20日
1997年にオンラインんおDVDレンタルサービスとしてスタートし、今や世界最大級の動画配信サービスとなっているNetflix。いったいどのような広告戦略を実施して、有料会員数をここまで伸ばしたのでしょうか。
本記事ではNetflixが実施している広告戦略について紹介しています。自社の広告戦略の策定にお役立ていただければ幸いです。
Netflixの広告戦略のポイント
Netflixの広告戦略は新聞や看板、バナー広告、YouTubeの動画広告、SNSなどあらゆる手法を活かすオムニチャネル戦略となっています。すべてのチャネルでユーザーの興味を呼び起こす広告で、広い層に対して自社サービスをアピールしています。その中でも顕著なポイントを見ていきましょう。
プログラマティック広告への投資
2018年以降のNetflixは、広告費用の大半をプログラマティック広告を主体としたデジタル分野に投入していると言われています。
プログラマティック広告とは、リアルタイムで広告枠への入札を行い、広告を表示するシステムです。1つの枠に対して複数の入札があると、予め指定した条件とマッチした広告が表示されます。
プログラマティック広告の特徴は、閲覧しているユーザーの興味関心がデータとして蓄積されることです。蓄積されたユーザーデータをもとに、Netflixが届けたい相手に適切なタイミングで広告を表示できます。
一定期間に集中した広告キャンペーン
新シリーズの配信広告などの通常の広告に加えて、Netflixが会員登録が増えやすい期間に広告を集中的に打ち出すこともあります。
例としては、2020年の年末年始に行った大規模なプロモーションが挙げられます。特に新聞広告のインパクトが強く、SNSでも話題となりました。年末年始に一点集中して、Netflixが以下4タイプの広告を仕掛けてました。
- 新聞広告:朝日新聞・読売新聞
- 交通広告:山手線車内
- 屋外広告:六本木・渋谷に登場
- デジタル広告:TikTok・LINE・Twitter
年末年始のおうち時間に会員数が増加することを見込んで、一気に畳み掛けている印象です。2020年は新型コロナウイルスの影響で在宅を強いられており、会員数を増やす絶好の機会でした。
年末年始に暇を持て余していた方にとっては、深く刺さる広告となったでしょう。
印象に残る野外広告
2021年6月に、オリジナル作品「全裸監督シーズン2」を宣伝するための広告が渋谷駅前に突如出現しました。白いバックに文字だけが書かれたシンプルなものでしたが、そのインパクトから多くの通行人を釘付けにします。
「上を見ろ、星がある。下を見ろ、俺がいる。Netflix」
恐らくほとんどの方がこの広告を見ても意味を理解できなかったでしょう。
引用元:広告ラボ「【2021年7月版】ネットで話題となった面白い広告3選」( https://media.bizpa.net/ad-news/funny8.html )
本来の広告表現では作品名を必ず明記して、見た人が疑問を抱えないように表現されるのが一般的です。しかし、Netflixの全裸監督シーズン2の宣伝では、作品名が分からない広告をあえて打ち出したことで、広範囲な層の興味と関心を惹きつけています。
また、アメリカではNetflixによる消費者の違和感を逆用するゲリラ・マーケティングの事例がいくつかあります。たとえば2017年に麻薬組織をテーマとする「ナルコス」の新シーズ配信開始に伴い、90年代に麻薬が配られたナイトクラブでステッカー広告を展開しました。
大胆な表現でユーザー獲得数を伸ばす
2021年の東京オリンピック開催中に放送されたCMでは、やや過激な表現で新規ユーザーの獲得に成功しています。CMが始まると「退屈は犯罪です」と表示され、その後Netflixのクレジットが表れるシンプルなものでした。
新型コロナウイルスによる巣ごもり状態も手伝って、CM放送後にはNetflixの会員数が増えたのです。見込み客の心理状態やニーズを分析し、深く刺さるコピーを提案した例と言えるでしょう。
アメリカで大胆な表現を活かしたNetflix広告として有名なのは、2017年にロスアンゼルスなどに突然現れた看板広告です。看板には白をバックに黒で「Netflix is a joke.」以外、何も書かれていませんでした。一見Netflixを揶揄するような内容の看板はSNSなどで話題となり、Netflixの認知度向上に繋がりました。
引用元:Netflix公式ツイッター ( https://twitter.com/netflix/status/905244989638156289 )
Netflixの広告戦略まとめ
Netflixはオンライン・オフラインであらゆるチャネルに対応しながら、印象に残るような画期的な広告を打ち出して、顧客の獲得に成功しています。刺激的なコピーが多いことで賛否両論もありますが、話題に上がっているのはそれだけ多くの方の関心を惹いたということです。
また広告費用の大半をプログラマティック広告に投入したことで、見込み客に適切なタイミングで広告を届けています。大手企業の広告戦略をいきなり真似することはできませんが、顧客を惹きつける攻めたコピーでインパクトを与えることも、検討しておきたいひとつのマーケティング手法でしょう。
広告戦略を成果に繋げるには、自社とターゲットユーザー、そして競合他社の理解が必要不可欠です。今打ち出している広告は効果がないと感じているのであれば、一回原点に戻って自社が置かれている環境を捉えなおすのはいかがでしょうか。
下記のページでは、自社と競合を分析できるワークシートを無料で用意しております。ご興味のある方はぜひダウンロードしてみてください。