【3分で理解】メディアプランニングとは?方法・事例・ポイントまとめ
最終更新日:2024年04月24日
メディアプランニングとは
自社の商品を求めているユーザーへ効率よく広告を届けるためにはどういったメディアを活用すべきか計画することがメディアプランニングです。日本では1990年頃から、この考え方が取り入れられてきました。
2020年の新型コロナウイルスの感染拡大によりさまざまな業界で影響が出ている今日、広告の出稿に関しても、費用を抑えよう・削減しようと考える企業は多いはずです。
また、いままでのオフラインの広告では効果が出ず、Web広告やネット広告を中心とする戦略への方針転換を強いられているかもしれません。
限られた予算の中で効率的にコンバージョン(申込や購入等)を得るためにはメディアプランニングを考えることは必須。
もし計画や戦略もなしに広告を出稿してしまっては、効果があるかないかはギャンブルのようなものになってしまいます。
費用対効果が高い広告を出すためには、なぜその広告を出すのか、なぜそのメディアで広告掲載をするのかという事前の計画が重要になるわけです。
この記事では、メディアプランニングを考えるにあたって重要となるトリプルメディアの解説と、実際にメディアプランニングを行うにあたって考えることや注意点などを紹介していきます。
トリプルメディアとは
メディアプランニングのフレームワークとして活用されているのがトリプルメディアという考え方です。
自社とユーザーをつなげるメディア(媒体)を大きく3つに分類し、その特徴やメリットの大枠がとらえやすくなります。
ユーザーが接触するメディアを3つに分けたものが以下のとおりです。
- ペイドメディア
- オウンドメディア
- アーンドメディア
3つのメディアには、それぞれオフライン広告とオンライン広告があります。詳しく見ていきましょう。
ペイドメディア(Paid Media)
ペイドメディア(Paid Media)とは、Paidとあるように有料、つまりは費用を支払って広告を出す従来型のメディアのことです。
主に自社ブランドや商品を知らないユーザーに向けて発信し、認知度を高める効果が期待できます。
ペイドメディアのメリット・デメリット
短期間で実施できるため、計画的なユーザーへのアプローチが可能です。ただし広告の露出が増えればユーザーに「広告」として認識されコンバージョンへつながりにくい側面もあります。商品・サービスの伝え方、伝えたいことは何かを見直しなが打ち出すとよいでしょう。
ペイドメディアの例
ペイドメディアのオフライン広告は以下のものがあります。
- テレビ・ラジオCM
- 折込チラシ
- 新聞・雑誌広告
- 交通・施設広告
オンライン広告は以下です。
- ディスプレイ広告
- タイアップ広告
- リスティング広告
オウンドメディア(Owned Media)
オウンドメディア(Owned Media)とは、自社で所有し管理・運営を行うメディアのことです。
自社のブランドや商品に興味のあるユーザーやすでに購入したことがあるユーザーへ向けて、さらに詳細な魅力を伝えるにはぴったりのメディアです。
また自社で運営するということもあり、自社商品やサービスが提供する価値を求めるユーザーのニーズや、課題を解決するコンテンツを作成することで、商品認知がなくてもたどり着いてくれるユーザーを増やすことも可能です。
オウンドメディアのメリット・デメリット
オウンドメディアのメリットは自社が、訴求したい強みや価値を最も伝えやすい形でコンテンツや表現方法、デザインを決められることです。
ペイドメディアのように既存の広告枠の場合、スペースや載せられる情報などに制限がある場合がほとんど。その制限によって伝えたいことを100%表現できないこともあるでしょう。
オウンドメディアではそういった制限はありません。(※景品表示法などの広告表現において守るべきルールはあります)
とにかく自社商品やサービスが最も輝く形で広告展開できるメディアということです。
デメリットとしては、メディアが育つまで時間を要するという点。オウンドメディアは短期的施策ではなく、長期的に費用対効果がよくなるメディアです。
立ち上げ段階では初期制作費用もそれなりにかかるため、いますぐに集客したい・売上につなげたいという場合は不向きでしょう。
ですがペイドメディアを利用して、オウンドメディアへ流入させることでこの弱点を補うこともできます。こういった組み合わせを考えることもメディアプランニングです。
オウンドメディアの例
オウンドメディアのオフライン広告には以下があります。
- 自社店舗POP広告
- 商品パッケージ
オンラインは以下です。
- 自社運営メディア
- メルマガ
- 自社コーポレート・ブランドサイト
アーンドメディア(Earned Media)
アーンドメディア(Earned Media)とは、第三者によって発信されるメディアのことです。メディアというと大きくとらえてしまいますが、例えば口コミやレビューを載せているブログやSNSもアーンドメディアになります。
アーンドメディアの特徴・メリット
企業や商品と直接の関係がない第三者が発信することによって、リアルな声としてユーザーに届くためその情報の信頼性や参考度が高くなります。
うまく自社の情報や評判の発信・拡散を促すことができれば、コストをかけずに行うことも可能です。
ただし発信内容はユーザーの手にゆだねられるので情報の操作が難しい点はリスクとしてあります。自社商品やサービスがユーザーにどのようにとらえられているかをしっかり把握してから行いましょう。
ポジティブな拡散を想定していたのに、悪評やクレームの拡散を助長してしまった…といった失敗も増えています。
アーンドメディアの例
アーンドメディアにはリアルなユーザーによる口コミがあります。オフライン広告は以下のとおりです。
- 自社運営メディアの掲示板
- ソーシャルメディア
- SNSによる口コミ・評判
- ユーザーのブログ
- 専門家の評価
メディアプランニングの方法・注意点
以下ではメディアプランニングを行うための方法と気をつけたい注意点を紹介します。
訴求する商品を決める
数ある自社製品のうち、どの商品を訴求する広告を出すのかを明確に決めましょう。
当たり前のことではありますが、訴求商品を決めなければ、広告のターゲットすら決めることができません。
広告出稿に関わるスタッフや関係各所で認識のずれがないように、しっかりと示しておきましょう。
広告の目的を決める
効果的なメディアプランニングのためには、広告を出す目的を決める必要があります。
目的を決めておかないと、最適な戦略の検討・決定が難しくなります。
また、そもそも目的が決まっていなければ、なにをもって広告が成功・失敗だったのかという振り返りもできません。
- ブランディングをおこなう
- 認知度アップ
- 申込や購入の増加
このような目的を掲げることで、自社のメディアプランニングは何のためにおこなうのかという方向性が定まります。
広告予算の設定
メディアプランニングではCPA(Cost Per Action)による予算の算出方法が代表的です。
CPAとはデジタルマーケティングにおける顧客獲得単価のこと。コンバージョン(CV)1件につきどのくらい費用が発生するのかを求めます。
CPAは「広告費用÷コンバージョン数(CV)」という計算式で考え、例えば商品を100件販売した場合、投じた広告費が30万円だったなら「30万円÷100件=3千円」となります。
上記の計算例では1件のCVあたり3千円の広告費がかかっていますが、商品単価が3千円以下だった場合は100件以上のCVがないと利益は出ないということになります。
投じる予算に対してどれくらいの効果が期待できるか、逆に期待する効果を得るためにはどの程度の予算が必要なのか、といったことを考えておかないと、予算と成果のバランスが取れた広告戦略はできません。
自社商品・サービスのセールスポイントを分析
広告で打ち出すべき点を明確にするためには、自社商品のセールスポイントを正しく把握する必要があります。
例えば、「自社商品のバリュープロポジションはなにか」という考え方をしてみましょう。
バリュープロポジションとは、ユーザーニーズがあるのに競合は提供できていない、自社ならではの提供価値のことです。
このバリュープロポジションとは、ユーザーが自社商品を選ぶ理由ともいえます。
広告ではこのバリュープロポジションを軸とすることで、その独自の強みや価値を魅力に感じるユーザーを狙った訴求が可能になります。
このようなユーザーは購買意欲も高く、成果につながりやすいため、ターゲット選定や媒体選定において、バリュープロポジションを軸に考えると広告の費用対効果もよくなります。
計画と結果を可視化
「出だしの計画」と「最終的な結果」を目に見える形にすることが重要です。2つのデータを比較し隔たりがどのくらいあるのかを見極めます。
- かかった費用
- かかった時間
- 購買が発生した商品の量
- 売上金額
計画から結果までの経過を辿り差異をはっきりさせましょう。
こうした振り返りから想定を見直すことで、次の広告検討の精度も高まります。
また、自社商品の思わぬ強みや特徴が見つかることもあるでしょう。
カスタマーズジャーニーを描きターゲティングをおこなう
カスタマーズジャーニーとは、ユーザーが購入や契約にいたるまでの道のりを時系列によって可視化することです。
カスタマーズジャーニーを作成するとユーザーがどのような心理、過程を経て購入や契約をするのか、ユーザー目線で知ることができます。
またメディアプランニングにおいてターゲティングも重視すべきポイントです。例えば30~40代会社員の男性向けの商品と、30代主婦向けの商品ではユーザーの求めるもの、刺さる言葉が違います。広告を考える前にターゲットを明確に選定しましょう。
そしてターゲットについては、年齢性別だけでなく、居住地やライフスタイル、趣味趣向などの詳細なペルソナ設定をすることで、効果的な広告をさらに選びやすくなります。
ターゲットに合ったメディアを選ぶ
ターゲティングをおこなったらターゲットにふさわしいメディアを決めましょう。ターゲットの目に触れる確率が高いメディアを選定します。
例えばターゲットが専業主婦であれば正午前後の時間帯に放送するテレビCM。また会社員ならば通勤中にスマホでネットニュースを読むのが予想できます。ターゲットの行動を分析・予測し、接触する最適なメディアを選びましょう。
メディアごとの予算を決める
ターゲットを絞りメディアを選定したら、メディアごとに予算を決めます。カスタマーズジャーニーによるターゲットの行動や心理、感情を加味し有効なメディアに予算を配分しましょう。
メディアプランニングの事例
メディアプランニングでは、3つのメディア(ペイド・オウンド・アーンド)の特徴や、個別の広告メディアの特徴・メリットを把握し、最適な組み合わせを考えることが重要です。
複数のメディアをかけ合わせることで相乗効果が期待でき、効率的にターゲットへのリーチが可能です。
以下ではメディアプランニングの例をご紹介していきます。
ペイドメディア+オウンドメディア
例えば関連キーワードでリスティング広告を出稿し、自社のオウンドメディアへと流入させる方法。
上述しましたが、オウンドメディアがコンバージョンにつながるまでは一定の時間がかかりますので、それまでの期間をペイドメディアであるリスティング広告でカバーする形です。
またオウンドメディアが検索で上位表示されていれば、例えばテレビなどのマス広告で「〇〇で検索」という広告を出すのも有効でしょう。
アーンドメディア+オウンドメディア
例えばSNSで自社商品に対するレビューや口コミに返信やリアクションをすることで、自社認知を高めたり、オウンドメディアへの流入を増やすことも可能です。
SNSでの企業アカウントの運用は手間がかかる部分もありますが、フォロワーを増やしておくことで情報拡散力が大きく向上するため、活用も検討してみてください。
また一定の予算はかかってしまうため純粋なアーンドメディアではありませんが、第三者の視点を借りるという点ではアフィリエイト広告を利用して、アフィリエイターのコンテンツ制作を促す方法もあります。
ペイドメディア+アーンドメディア
ペイドメディアを活用して、口コミやレビューを促進する方法が代表的です。
例えば「Twitterで特定のハッシュタグをつけて感想をつぶやくとプレゼントが当たる」といったキャンペーン告知をペイドメディアで行い、SNS上に自社商品の口コミや評判を増やすといった方法があります。
メディアプランニングの成功に不可欠なもの
自社独自の強みを活かし効果的なメディアプランニングを実現させるには、さまざまなメディアの知識やノウハウ、どのような効果が得られるかを知っておく必要があります。
「広告戦略やマーケティング戦略を考えたい」「メディアプランニングを考えたい」と思っても、何から手をつけたらと迷ってしまうかもしれません。
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