「ドコモ」の広告戦略・マーケティング戦略のポイントとは
最終更新日:2022年01月18日
この記事では、日本最大の携帯電話の無線サービス「ドコモ」の広告戦略について解説しています。貴社の今後の広告戦略の策定にお役立ていただければ幸いです。
また、事業計画の見直しや新商品・サービスの販売に向けてマーケティング戦略を検討される方へ、自社がどんな立ち位置でマーケティング戦略を立てるべきかが分かる「市場分析シート」も無料でご提供しています。ご興味のある方はこちらからダウンロードしてください。
KDDI、ソフトバンクと肩を並べる日本の3大ケータイキャリアdocomo(以下ドコモ)。楽天モバイルやWiMAXなどの格安SIMを提供する移動系通信を含めても、ドコモのシェアは37.1%(※1 MVNOへの提供を除く)と国内トップです。
人口減少が続く日本で、新規ユーザーの獲得を続けていくには限界があります。競合同士で既存ユーザーを取り合う今の携帯電話業界において、どのような戦略を打ち出しているのでしょうか。ここでは、ドコモが取り組む広告・マーケティング戦略について紹介します。
※1参考元:総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表
(令和2年度第1四半期(6月末))」:
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban04_02000173.html
ドコモの広告・マーケティング戦略のポイント
人口減少により、回線契約者がこれ以上増えることがないといわれる日本のマーケット市場において、競合他社と顧客を奪い合うだけでは成長し続けることが難しいのは明らかです。
そこで、ドコモは「携帯電話の契約有無にかかわらず、どうすれば多くの人がドコモのサービスを使ってくれるか」を考えました。
dポイントで顧客を拡大
従来の「携帯電話サービスを使うユーザー」に固執せず、顧客の基盤を「dポイントクラブ」に移す戦略を打ち出しました。ドコモユーザーには購買行動以外でもポイントを優先的に付与し、ベネフィットを感じさせて離脱を防ぎます。
一方で、dポイント加盟店の拡大にも注力。ドコモユーザーではない人も気軽にポイントを貯められるようにして、ポイントを貯めて加盟店での支払いに使えるようにしました。
dポイントのような共通ポイントプログラムは、Tポイントや楽天スーパーポイント、Pontaポイントなど、すでに多くのライバルがひしめき合っています。しかし「共通ポイントプログラム」は携帯電話のように必ずしも対立するわけではなく、複数のプログラムを利用するユーザーも多いとし、顧客の奪い合いにはならないと考えたのです。dポイントを通じて、ドコモユーザーではない人にもブランドを身近に感じさせ、企業価値を高めていきました。
好感度の高いCM戦略
人気アーティスト星野源をはじめとした複数の人気タレント起用。タレント同士の掛け合いや可愛らしいマスコット人形とのやりとりが人気のCMシリーズです。リモート通話風の画面を採用するなど、時代に合わせたCM展開も行っています。「みんなを、ドまんなかに。」をキャッチフレーズに、性別や年代を問わない幅広いターゲットに向けてPR。サービスを身近に感じられるような仕上がりになっています。
既存ユーザーに親切な新プラン
ドコモは2020年12月に新たな料金プラン「ahamo」を発表し、2021年3月からサービスをスタートさせました。従来の携帯料金プランにはなかった、条件のない安くてシンプルな料金体系が注目を集めています。ここでも、顧客が離れないような施策がとられています。
既存のドコモユーザーがahamoに移行したいとき、新しい契約手続きをしなくてもプラン変更のみで移行が完了できるようにしたのです。ユーザーの手間を省くことをメリットに転換し、MVNOや競合サブブランドへの顧客流出防止につなげています。
ドコモの経営戦略
ドコモは2020年代の持続的成長のために、「会員を軸に据えた事業運営への変革」と「5Gの導入とビジネス創出」を基本方針として打ち出しました。分かりやすくリーズナブルな料金プランで顧客に還元し、還元によって深まった会員基盤をもってパートナーと収益機会の協創を目指しています。
ドコモの広告・マーケティング戦略まとめ
ドコモユーザーではない「非顧客層」にも身近に感じられるブランディング戦略が、ドコモの根強い人気につながっていると言えます。これまでの実績や成功に甘んじることなく、視点を変えながら変化を続けていくことが成長につながっているのでしょう。
そして、回線サービスを利用している顧客に対しては、非ユーザー以上に「価値」を感じられるサービスを提供しています。このような姿勢も、往年の顧客の心を掴んで離さない理由と言えるのではないでしょうか。
下記の記事では、商品やサービスを認知させるだけでなく「成果」に繋がる広告戦略の具体的な方法や、その他の企業の事例を紹介しています。今後の広告戦略策定におけるアイディアが詰まっていますので、こちらも合わせてご覧ください。