コカコーラの広告戦略・マーケティングから学べること
最終更新日:2022年01月18日
この記事では、アメリカの飲料大手メーカー「コカコーラ」の広告戦略について解説しています。貴社の今後の広告戦略の策定にお役立ていただければ幸いです。
また、事業計画の見直しや新商品・サービスの販売に向けてマーケティング戦略を検討される方へ、自社がどんな立ち位置でマーケティング戦略を立てるべきかが分かる「市場分析シート」も無料でご提供しています。ご興味のある方はこちらからダウンロードしてください。
コカコーラの広告・マーケティング戦略のポイント
コカコーラは、広告によって人々の身近な存在となるだけでなく、日常生活や潜在意識の中にまで入り込む戦略を得意としています。それが、音を使った「共感覚マーケティング」です。
誰でも一度は飲んだことのあるコカコーラだからこそ、といえる方法で人々の五感に訴えかけました。
音を連想させる広告で訴求
コカコーラを飲むときに聞こえる「あの音」。炭酸飲料水を飲んだことがある方なら、誰にでも聞いた経験があるのではないでしょうか。
コカコーラはこの音の効果を最大限に活かすため、「コカコーラの音」を連想させるような写真や画像による広告を多用しています。
- 缶のプルタブを開ける瞬間
- グラスに注がれたコカコーラの泡がたつ様子
- ビンからキャップが外れる瞬間
そして、「この音を聞かずにいられますか?」というキャッチフレーズとともにメッセージを発信しました。すると、人々はコカコーラの写真を見ただけで自然と「コカコーラの音」を頭の中でイメージします。人々の「音の記憶」と広告の写真が頭の中で紐づいたとき、商品の存在にあらためて気づかされるようになります。
この戦略で「子どものころは飲んでいたけれど、大人になってめっきり飲まなくなった」という人にも、改めてコカコーラの価値や存在を感じられるインパクトを与えました。
音によるブランド戦略は、マーケティングにおいて重要視されている項目のひとつです。また、音による認知反応が社会全体に浸透することで、競合他社との差別化にもつながります。
スポーツマーケティング
オリンピックやワールドカップなどの世界的なスポーツ大会が開かれたとき、テレビ観戦をしているとコカコーラのCMをよく見かけますね。スポーツに熱狂している最中にシュワっとよく冷えたコーラが映ると思わず飲みたくなって、買いに行ったことがある方も多いでしょう。
コカコーラは積極的にスポーツマーケティングを行っており、国際的なイベントやスポーツ大会では必ずといって良いほどパートナー協賛に参加しています。オリンピックとも1928年からパートナー契約を結び、聖火リレーの公式パートナーとしてもサポートを続ける企業です。
これは、スポーツコンテンツの場でプロモーションを行うと人々の共感を得やすいから、と言えます。
「スポーツをみんなで一緒に楽しんでいる」という一体感が生まれることによって製品が売れていきます。スポーツを通じて人々が得られる興奮や感動を、「一緒に盛り上げる=共感を得る」ことでブランドの価値を高めているのです。
共感による価値の創出は、ブランドに対し親近感や愛着を持てる「顧客エンゲージメント」にもつながっています。ブランドの印象が人々に強く残ることで「スポーツ観戦といえばコカコーラ」「日常生活であたり前にある存在=コカコーラ」という認識を根付かせることが可能です。
コカコーラの広告・マーケティング戦略まとめ
コカコーラのブランド戦略は、私たちの生活の中に溶け込む「身近さ」にあるとお伝えしました。音を使ったプロモーションもスポーツマーケティングも、人々の中にある「共感覚」を活用したマーケティング戦略です。
コカコーラ社は、大衆に向けた「マスマーケティング」や特定のニーズにこたえる「ターゲットマーケティング」をうまく使って世界的に成功した企業です。大戦後から高度経済成長期の大量消費時代と、長い歴史を経て知識や経験を培いながら、時代とともに成長してきました。これからも幅広い世代に受け入れられるさまざまなプロモーション戦略を仕掛けて、ブランドのファンを増やしていくことでしょう。
企業の世界的な成功や継続的な成長にも、綿密に計画されたマーケティングや広告戦略が不可欠であることがわかりました。マーケティング戦略は、企業や会社の規模に限らず顧客を創出・集客する上で欠かせない一手です。
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