ファイブフォース分析事例【スターバックス編】
最終更新日:2022年12月01日
そもそもファイブフォース(5F)分析とは?
ファイブフォースを直訳すると、「five=5つの」「force=力・勢力」となります。「5つの力」を分析するとは、どういうことなのでしょうか。
ファイブフォース(5F)とは?
ファイブフォースとは、業界の収益性を左右する「5つの要因」との関係性を分析するメソッドです。
5つの要因とは、「競合他社」「新規参入業者」「代替品」「売り手」「買い手」のことを指し、これらを分析することで、業界の構造を把握できます。
ファイブフォース分析の目的とは?
ファイブフォース分析の目的は、業界内の変化や売り手・買い手との力関係を分析することで、いかに多くの利益を得るかを考察することです。ファイブフォース分析は、明快な分析ができるのが特徴で、多くの企業の経営環境分析に用いられています。
スターバックスをファイブフォース分析してみると…
5つの要因で業界構造を把握するファイブフォース分析を使った、スタバの分析事例をみてみましょう。
スターバックスにおける「業界内の競合」とは?
スタバにおける「業界内の競合」に挙げられるのは、ドトールやサンマルクカフェ、タリーズなどのカフェチェーン店です。
大きな駅の周辺には、多くのカフェが点在している状況なので、競争が激しい業界といえます。
スターバックスを取り巻く「新規参入の脅威」とは?
スタバにおける「新規参入の脅威」のひとつが、くら寿司やスシローなどの回転ずしチェーン店です。メインの回転ずしに加えて、スタバよりもお手頃な価格で、カフェのようなコーヒーやスイーツを楽しめるようになっています。
いずれも回転ずし業界の中で、勢いのある企業なので、今後さらにレベルの高いメニューの開発をすれば、スタバをはじめとしたカフェ利用客が取り込まれる可能性もありそうです。
スターバックスを取り巻く「代替品の脅威」とは?
スタバに代わる商品として挙げられるのは、セブンイレブンの「セブンカフェ」や、ローソンの「マチカフェ」といった、コンビニカフェです。
いずれも、100円台で出来立てのコーヒーを味わうことができ、味のクオリティもカフェと劣らないと評判です。おいしいコーヒーを、スタバよりも安く、24時間いつでも味わえるコンビニカフェは、スタバにとって大きな脅威といえます。
スターバックスにおける「売り手の交渉力」
スタバの「売り手」にあたるのは、コーヒー、デリやスイーツなどの原材料を供給する仕入先と、土地や建物などの不動産業者です。
スタバは、高品質高単価のコーヒーを売りにしているカフェではないため、原材料の仕入先は、比較的多くの選択肢から選べる立場にあると考えられます。そのため、原材料に関しては、売り手の交渉力はそれほど強くないといえそうです。
しかし、立地に関しては逆になります。スタバは、こだわりの個人経営カフェのように、わざわざ予約して行くということは少ないので、人通りの少ない場所に出店してしまうと、収益が見込めません。
そのため、利便性やアクセスのよい好立地を選ばなければなりません。その結果、いい土地を販売している不動産業者の交渉力が強まり、賃料が高くなりやすい=収益性が低くなるという状況になります。
スターバックスにおける「買い手の交渉力」
スタバの「買い手」にあたるのは、利用客です。買い手の交渉力というのは、値段のことだけではありません。利用する店の選択肢も該当します。
例えば、スタバが混んでいた場合、カフェがスタバしかなければ待つという選択肢があります。
しかし、周りに多数のカフェがある状況で、「とりあえず落ち着いてコーヒーを飲めればよい」というのであれば、別の店に行けば済んでしまいます。
つまり、利用者の選択肢が多い=買い手の交渉力が強いということなのです。
スターバックスのファイブフォース分析まとめ
街に人があふれるような状況に戻った今、相変わらず賑わいを見せているスターバックス。ライバルが多くても、限定メニューやスタバで過ごすことの「価値」を感じる若者が多いのは事実です。
働き方のバリエーションが増えたことで、サードプレイスとしてのスタバのバリューは、さらに高まっているようにも思えます。
コーヒーやフラペチーノに600円も700円も払える人がこれだけいる、ということにも驚きますが、経済や社会情勢が厳しいからこそ、あのコーヒーの香りに癒しを求める人が増えているのかもしれません。
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