多角化戦略で前進するソニー。成功のポイントと多角化のメリットとは
最終更新日:2024年03月29日
この記事では、カメラからゲーム機、音楽など、多様な事業に取り組んでいるソニーを多角化戦略という時点から解説します。日本を代表する企業を分析し、成功の背景にある仕組みや原因に対する理解を深めましょう。
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多角化戦略はソニーに根付く開拓者精神から生まれた
「ソニー」という社名が使われるようになったのは、1958年からです。社名の変更後、ソニーの多角化は一気に進んでいきました。
事業の意味を含まない世界に通じる社名
「SONY」という名称は、はじめは電気製品のブランド名として考案されました。なるべく短く、どこの国の人でも発音しやすいという点を重視して「SONY」と決まったのです。
「ソニー」に変わる前の社名は「東京通信工業」です。当時、事業の意味や創業者の名前と関係のない「ソニー」という社名に変更したことを、奇妙に感じる人もいました。
しかしそこには「当時の主力であった通信関連の製品にこだわらず、新しい分野に挑戦しよう」という、創業者の盛田昭夫と井深大の明確な意思が込められていたのです。
ソニーが行った多角化戦略のポイント
ソニーは現在、グループ内に多くの異なる事業を抱えています。エレクトロニクス、ゲーム、金融、イメージング、音楽、映画などです。なぜソニーの多角化戦略は成功したのか、ポイントをお伝えします。
本業に関連する分野からスタート
ソニーの多角化における最初の一歩は、本業に関連する分野からでした。それまでの通信関連の電気製品ではなく、計測器の製造・販売を始めたのです。
あくまでそれまでの事業と同じく、技術力が活かせる製品を活かせる事業に取り組んだのがポイントです。多角化に成功しているソニーも、いきなり音楽や映画など、まったく異なる分野に進出したわけではありません。
業種にこだわらない多角化戦略へ
ソニーはその後もしばらくは、「製造業」の中での多角化を進めていきました。他業種に進出するきっかけとなったのが、1968年に設立した「CBS・ソニーレコード(現在のソニー・ミュージックエンターテインメント)」です。
さらに金融業や保険業など、業種にこだわらない多角化をどんどん推し進めていきます。多角化に計画性がないように見えたため、会社の内外から批判も多くありました。
それでも「成長性があって国際的にも有望であれば業種にはこだわらない」という経営陣のぶれない姿勢をもとに事業を拡大し、多くの業種で狙いどおりの成功を収めたのです。
グローバル化にもいち早く対応
「SONY」というブランド名を決めたころから、ソニーはつねに日本だけでなく世界を意識していました。そして海外市場に進出するだけでなく、海外企業との協力を進めたのです。
ソニーの新たな分野への参入の多くは、アメリカ企業との合弁会社の設立によるものです。アメリカ企業との結びつきを強めて、グローバル化にいち早く対応したことが、ソニーの多角化が成功した一因となりました。
ソニーが行う多角化戦略のメリット
ソニーの多角化戦略は、事業間で生み出されるシナジー効果や経営リスクの分散に効果を発揮しました。
事業間のシナジー効果
ソニーグループとして多くの事業を抱えることで、異なる事業間でシナジーが生まれます。たとえばグループ会社が制作した「映画」に「音楽」事業から楽曲を提供することで、全体の売上や利益を伸ばすことが可能です。
他にも流通経路が共有できたり、ソニーのブランドが浸透したり、事業運営のノウハウが共有できたりするなど、シナジー効果は多様です。
リスクの分散
どんな事業でも、市場の変化などによって縮小や撤退に追い込まれる危険は常にありますが、多角化によってリスクを分散できます。ひとつの事業で失敗しても、他の事業での利益でカバーできるからです。
たとえばソニーは、エレクトロニクス事業の利益が減った2000年代、金融などの事業で会社を支えて危機を乗り切りました。
ソニーの事業多角化はブランドイメージの向上へ
ソニーは多角化戦略によって、ブランドイメージも向上させています。どんな分野でも「ソニーらしさ」を感じさせる経営をすることで、人々がソニーに抱く思いをポジティブなものにしているのです。
多角化戦略を考えるうえで、ソニーの事例を参考にしてみましょう。
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