チャレンジャー戦略を知って業界1位を狙う【事例付き】
最終更新日:2024年03月28日
この記事では、チャレンジャー戦略でビジネスを成功させる方法を事例つきで解説してきます。業界トップからシェアを奪い、事業を拡大したいと考えている方は参考にしてみてください。
なお、あらゆる戦略の土台となっているのは「現状把握」です。チャレンジャー戦略に取り組む前には、自社の強みや課題、ターゲットとすべき顧客を明確にしましょう。そのためには下記のページにて、自社と競合の分析を通じてマーケティングを成果に繋げるためのワークシートを用意しています。どうぞ貴社の戦略策定にお役立てください。
チャレンジャー企業とは?
チャレンジャー企業とは、「チャレンジャー」という競争地位にある企業のことです。競争地位という考え方は、アメリカの著名な経営学者であるフィリップ・コトラーによって考え出されました。コトラーは市場における企業の立場のことを競争地位と呼び、以下の4つに分類しました。
- リーダー
- チャレンジャー
- ニッチャー
- フォロワー
このうち「チャレンジャー」は、業界のシェアで2番手や3番手に位置する企業です。チャレンジャーは、業界でトップシェアを持つ「リーダー」の地位を目指します。チャレンジャー企業は業界内では上位企業であるものの、リーダの企業と比べると、経営資源の量や質が劣っている点が特徴です。
チャレンジャー戦略の目的
チャレンジャー戦略は、市場をリードしている企業(リーダー戦略を取っている企業)との競争に勝ち、自らリーダーになることを目的として戦略です。リーダー企業と直接競争し追い越す・打ち負かす他には、差別化により同じ市場の現在のリーダーと並んでリーダー的存在になるケースもあります。
リーダー戦略はチャレンジャー戦略やニッチャー戦略の取り組みを無効化することを目的にしているので、自社の強みやビジネスチャンスを最大限に活かした戦略設計が必要です。
チャレンジャー戦略の具体的な内容や施策
チャレンジャー企業がリーダー企業をシェアで逆転するためには、戦略を立てる必要があります。何も考えずに正面からリーダー企業と競争するだけでは、チャレンジャー企業に勝ち目はないからです。チャレンジャー企業がとるべき戦略を4つ紹介します。
差別化戦略
リーダー企業との差別化を進めることは、業界内でのシェアを高めるために有効な戦略です。他社にはない独自の商品やサービスを販売することで、顧客は他社と比べることなく、自社の商品やサービスを購入してくれるからです。
逆にリーダー企業と同じような商品で勝負しようとすると、経営資源で上回るリーダー企業が圧倒的に有利です。リーダー企業は同じ品質の商品を、より安く生産して販売することが可能なので、顧客はチャレンジャー企業の商品を選ぶ理由がなくなります。チャレンジャー企業は、リーダー企業と同じ土俵で戦わないことが大切です。
自社ならではの強みを活かしたマーケティング施策なら
自社ならではの強みを活用して業界トップに挑むなら、ポジショニングメディアがおすすめです。他社との違いをわかりやすく伝えられるため、成約率の高いリードが獲得できるマーケティング施策です。
シェアの取り込み
自社より小さい企業のシェアを奪うことも、チャレンジャー企業の有力な戦略です。業界トップではないとはいえ、チャレンジャー企業は充実した経営資源を持っています。小さい企業と勝負をすれば、シェアを奪いやすいでしょう。
リーダー企業以外からシェアを奪っていくことで、いずれリーダー企業のシェアを上回る事も可能です。ただしリーダー企業のシェアが圧倒的に高い場合は、小さい企業からのシェアの取り組みだけでは、トップシェアは獲得できません。
リプレース
他社がまだ進出していない商圏を攻める「リプレース」という戦略もあります。ライバルがいない地域であれば、シェアを奪われる心配はありません。その地域での売上を簡単に独占できることになります。
ただし他社が進出していないということは、「物流コストがかかるため採算が合わない」など、何らかのマイナス要因がある場合が多いです。たとえシェアを獲得できても、むしろ損失を生む可能性があります。リプレースが有効な戦略となるかは、実行前にしっかりと検証しましょう。
戦力がついたら一気に攻める
タイミングを見計らって総力戦に持ち込むことで、チャレンジャー企業がリーダー企業のシェアを超えることも可能です。地道に経営資源を蓄えながら、仕掛けるチャンスを待ちましょう。
リーダー企業は自社より下位の企業を、過小評価していることが少なくありません。市場や顧客の動きがチャレンジャー企業にとって有利になったタイミングを逃さず、準備を重ねたうえで正面から勝負をすれば、一気にシェアを奪えるでしょう。
業界別:チャレンジャー戦略の事例
チャレンジャー企業が成功した事例を業界別に5つ紹介します。他の業界での事例を知ることで、自社の業界に応用できる施策を見つけられるかもしれません。自社の戦略を考える参考にしてください。
コンビニ業界(1)
コンビニ業界では、シェアで2番手であるローソンが、差別化戦略で成功しました。店内でコーヒーを販売する「マチカフェ」で売上アップを実現したのです。
コンビニ業界のリーダー企業はセブンイレブンです。セブンイレブンも店内でのコーヒー販売に力を入れていますが、安価である代わりにセルフサービスで提供しています。
一方でローソンでは、定員が一杯ずつコーヒーを作って顧客に手渡すことにこだわりました。手間がかかるぶん高価にはなりますが、セブンイレブンとは明確に差別化し、こだわりのコーヒーを飲みたい顧客を集めたのです。
コンビニ業界(2)
コンビニ業界で3番手であるファミリーマートは、ブランドの統合によって売り上げを伸ばしました。自社の体制を固めることによって、経営資源をより効果的に活用できるようにしたのです。
ファミリーマートはグループ傘下に「サークルK」と「サンクス」のブランドを抱えており、複数のコンビニブランドを持つことで、ムダが生じていました。これらを「ファミリーマート」ブランドに統一することで、広告やキャンペーンの費用対効果が高まるなど成果を得たのです。
さらに物流を統合することで、効率的な配送を実現。大量発注によるスケールメリットも活かして、収益性を高めています。
銀行業界
銀行業界においては、メガバンクがリーダー企業、地方銀行や都市銀行がチャレンジャー企業にあたります。都市銀行の「りそなホールディングス」は、差別化戦略を実行しました。
メガバンクが行っていない施策として、アプリに新機能を導入したのです。具体的には、アプリから振り込みをすることで、ポイントを還元する仕組みを取り入れました。
新型コロナウィルスの影響により、銀行業界では顧客の来店機会を減らすことが課題になっています。りそなホールディングスの施策は、振り込みのために訪れる人を減らせるため、世間の情勢をうまくとらえたと言えるでしょう。
コンタクトレンズ業界
コンタクトレンズ業界では、業界シェアが2位だったジョンソンエンドジョンソンが、1位のメニコンを上回り、業界トップとなりました。チャレンジャー企業がリーダー企業を逆転することに成功したのです。
アメリカから日本市場に参入したジョンソンエンドジョンソンは、当初はコンタクトレンズの販売に苦戦しました。そこで自社の強みである使い捨てコンタクトレンズのメリットを、眼科医に地道に広めることにしたのです。
すると日本でも使い捨てコンタクトレンズが普及し、ジョンソンエンドジョンソンの商品の品質が認められるようになりました。自社の強みを活かす戦略は、多くのチャレンジャー企業にとって参考になるでしょう。
電子楽器業界
電子楽器業界では、チャレンジャー企業であるカシオ計算機が大きく成功しました。電子楽器の新商品を開発し、新しい市場を作ることに成功したのです。
カシオ計算機の電子楽器事業は苦戦し、電子ピアノ事業は撤退に追い込まれたため、残る電子キーボード事業に注力することを迫られました。電子ピアノ事業ではヤマハがトップシェアを握っており、正面から競争を挑んでも勝ち目はないためです。
そこでカシオ計算機は、高価な電子ピアノと安価な電子キーボードの中間にあたる新商品を生み出すことで差別化を目指し、見事に商品をヒットさせたのです。自社の強みである軽量化技術を活かしたことも、成功を実現できたポイントだと言えます。
チャレンジャー企業はフェーズに合わせた戦略を
チャレンジャー企業がとるべき戦略について解説しました。経営資源の質と量で上回るリーダー企業と正面から勝負をしたのでは、チャレンジャー企業は負けてしまいます。紹介した事例を参考にしつつ、2番手や3番手だからこその戦略を考えましょう。
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