環境分析とは?手法・フレームワークを解説
最終更新日:2022年01月18日
企業が事業を行う上で成功するためには、優れた経営戦略を立案する必要があります。しかし、経営戦略を立案するといってもどこから手をつければいいのか分からない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、まず最初にすべきことが環境分析。ここでは、環境分析の様々なフレームワークについて分かりやすく解説します。
環境分析とは
環境分析とは、自社を取り巻く経営環境を分析することです。周りの環境を正しく把握することで優れた経営戦略を立案することができるのです。
環境分析は、大きく分けて外部環境分析と内部環境分析の2つに分けられます。それぞれフレームワークを紹介していきながら説明します。
外部環境分析
外部環境分析では、自らコントロールすることができない、市場の「機会」や「脅威」について把握することで、事業の方向性を定めることができます。
主に「PEST分析」「5フォース分析」「3C分析」のフレームワークを活用します。
PEST分析で現代の流れや世界の状況を把握する
外部環境分析の手法の一つであるPEST分析は、外部環境を捉えるフレームワークで、政治的要因(Politics)、経済的要因(Economy)、社会的要因(Society)、技術的要因(Technology)の4つ観点からできています。
政治的要因(Politics)
政治や法律、税制などです。これらは、市場のルールそのものに影響を及ぼすものになるため着目する必要があります。
経済的要因(Economy)
景気の動向や経済状況、為替、株価などを指します。世の中は需要と供給のバランスによってモノの価格が決められるため、これらの要因を見ることは必要不可欠です。
社会的要因(Society)
人口動態や構成、価値観、流行などをいいます。流行など時代の流れは、予測しにくいですが、企業はこれらにも目を向けるべきです。
技術的要因(Technology)
インフラやイノベーション、新技術などです。新しいテクノロジーや技術の変化に対応していかなければならないため注目しておきましょう。
戦略立案にPEST分析を活用しよう
PEST分析をすることにより、外部環境が自社に与える要因を把握できます。環境分析の分析結果をもとに、事業活動の方向性を定めていきましょう。
5フォース分析で競争環境を把握する
外部環境分析の手法の一つである5フォース分析は「売り手の交渉力」「買い手の交渉力」「業界内競争」「新規参入の脅威」「代替品の脅威」の5つの観点からできています。
売り手の交渉力
売り手の交渉力とは、仕入れ先の要求の強さのことです。希少性の高いレアメタルなど、代替のきかない材料などは、市場の独占に近い状態であり、価格の変動が難しく売り手の交渉力が強いということになります。
買い手の交渉力
自社の製品を購入する、消費者との関係性を表しています。日用品などは、消費者が価格を比較しながら購入することができるため、買い手の交渉力が強いといえます。
業界内競争
自社の業界の中で競合となる企業との関係性を表しています。寡占化が進んでいる業界では競争が穏やかであり、反対に同じ規模の企業が多く参入している業界は競争が激しくなります。
新規参入の脅威
既存市場に新規参入企業との関係性を意味します。容易に新規参入できる業界では、同程度の企業が増えることにより競争が激しくなり、収益性が低下します。
代替品の脅威
既存製品よりも優れた製品の登場による影響ことです。今まで業界トップであっても、より費用対効果の高い製品の登場で市場シェアを奪われることもあります。
戦略立案に5フォース分析を活用しよう
5フォース分析をすることにより、外部環境からの自社への影響や脅威を把握することができます。的確に環境分析を行い、多くの利益を生み出せる戦略を立案しましょう。
3C分析で成功要因を見つけ出す
外部環境分析の手法の一つである3C分析は、Customer(顧客)、Competitor(競合他社)、Company(自社)の3つ頭文字をからなるフレームワークです。
3C分析のやり方
Customer(顧客)の分析
Customerとは直訳すると顧客という意味ですが、ここでは市場という意味を持つので覚えておきましょう。Customer分析の目的は、自社の製品やサービスへの購入意欲がある潜在顧客を把握することです。
Competitor(競合他社)の分析
競合となる企業が市場での様々な変化にどのように対応しているかを把握することが目的です。競合が出している結果と要因を分析することで、自社の事業の仕組みや差別化を図る点を明確にします。
Company(自社)の分析
これまでやってきた顧客、競合他社の分析に基づき自社の戦略について考えていきます。「市場の変化と競合企業がその変化にどう対応しているのか」に注目しましょう。
戦略立案に3C分析を活用しよう
このように、3C分析をすることにより、自社の立ち位置や自社を取り巻く環境について把握することができます。環境分析の一つ、3C分析を活用して市場での自社の強みや戦うべきところを明確にして優れたマーケティング戦略を立案しましょう。
内部環境分析
内部環境分析では、自社の内部を細かく分析することにより「強み」や「弱み」を明確化し、変化に柔軟に対応できます。
ここで、活用されるフレームワークが「SWOT分析」です。
SWOT分析で市場における課題を明確にする
内部環境分析の手法の一つであるSWOT分析とは、企業を強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の4つの観点から分析する手法です。
強み(Strength)
自社の製品やサービス、ブランド力などマーケティングにおける強みとなる部分です。強みとなるポイントを営業に生かしていくことで利益を上げることができます。
弱み(Weakness)
強み反対に他者と比較し、敵わない、または得意ではない部分のことです。
機会(Opportunity)
時代の流れや世界情勢の変化に対応することで生まれるチャンス(機会)のことです。
脅威(Threat)
機会と反対に、時代の流れや世界情勢に変化によって生まれる自社に悪影響を及ぼすことを指します。
SWOT分析のやり方
まずは、目的や、何のためにSWOT分析をするのかを決めましょう。続いて、企業の外部環境である「機会」と「脅威」から分析します。そして、外部環境に合わせて自社の内部環境の「強み」と「弱み」を見ていきます。外部環境と内部環境が整理できたら、方向性を決めます。
戦略立案にSWOT分析を活用しよう
このように、環境分析を取り入れることで、客観的に全体の流れを把握することができます。自社の強みと弱みを把握し、機会と脅威にどのように対処するか戦略を立案しましょう。
簡単に説明してきましたが、実際に環境分析のフレームワークに触れてみると難しさを感じる方も多いのではないでしょうか。当社では、クライアントのマーケティング戦略策定時に利用しているフレームワークのワークシートをご用意しております。自社の強みや狙うべきターゲット、競合を明確にできますので、環境分析にぜひお役立てください。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。4つのフレームワークをご紹介しましたが、これらを組み合わせることで細部に渡る環境分析が可能となります。
より優れた経営戦略を立案するうえでは、自社を取り巻く環境を把握することが欠かせませんので、ぜひ環境分析に取り組んでみましょう。
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