ダイレクトレスポンス広告とは何か代表的な種類・事例について解説
公開日:2021年07月24日
ダイレクトレスポンス広告とは?
ダイレクトレスポンス広告とは、その場で商品やサービスの購入、問い合わせなどを行うことを目的に作られた広告のことを指します。商品に対する顧客の反応(レスポンス)が広告を出している企業に直接(ダイレクト)伝わるのが特徴です。
ダイレクトレスポンス広告で取り入れるマーケティング手法は「ダイレクトレスポンスマーケティング」となります。ダイレクトレスポンスマーケティングを広告上で行うのがダイレクトレスポンス広告だと考えるとわかりやすいでしょう
どのような特徴があるのかについて解説します。
ダイレクトレスポンス広告の効果や重要性
ダイレクトレスポンス広告に期待できる効果として、広告に掲載されている商品をその場で購入してもらえることが期待できます。広告の中には自社サイトやECサイトに誘導することが目的のものもあります。
一方ダイレクトレスポンス広告は、その広告の中で商品やサービスを理解してもらい、直接的な購入につなげるのが特徴です。
例えば「最近肌荒れがひどい」と悩んでいるターゲットに対し、「肌荒れケアにおすすめのサプリはコレ」といった形で広告を出します。自分の悩みを解決してくれそうなアイテムだと感じてもらえれば、すぐに購入してもらえる効果が期待できます。
ダイレクトレスポンス広告は大企業はもちろんのこと、中小企業にとっても注目すべき重要な手法だといえるでしょう。中小企業の場合、大企業とは異なり売り場の棚を確保するのが難しいケースがあります。
しかしダイレクトレスポンス広告であれば自社の商品を直接アプローチできるため、棚を確保できない中小企業でも効果を出しやすいのが魅力です。
ダイレクトレスポンス広告のメリット
ダイレクトレスポンス広告を選択する大きなメリットとして挙げられるのが、成果が可視化できてわかりやすい点です。出稿した広告に対してどの程度の問い合わせや商品購入があったか正確にわかります。
広告の効果がわからない場合、広告費を増額したほうが良いのか、減額する必要があるのか判断が難しくなるケースも多いです。成果から見て適正な広告費を設定することによって間違った判断を避けられるのもメリットだと言えるでしょう。
またABテストを用意して広告を比較すれば、よりコンバージョンを獲得できている成果の高い広告を見強めることにもつながります。テストを繰り返すことによって、より多くのターゲットが興味を持ってくれるような広告作成につなげられるメリットも大きいです。
更にどういった方が商品の購入や資料請求などのレスポンスを行ったのかがわかります。そのためターゲットを絞り込みやすいのもメリットです。
媒体によって「若年層からのレスポンスが多い」などの偏りが見られる場合、その媒体は若年層に響く広告に切り替えるなど対策をとることもできます。
媒体ごとに適した広告を設定して効果的に集客することもコスト削減に繋がるポイントです。低予算で出稿し、成果やターゲット層などを判断しながらPDCAサイクルを回していくのも良いでしょう。
ダイレクトレスポンス広告とブランド広告の違い
ダイレクトレスポンス広告は、企業が自社の商品やサービスの認知度を高めるために出す「ブランド広告」と対になる言葉です。
ブランド広告は実店舗まで送客することを目的としているのに対し、ダイレクトレスポンス広告の場合は商品やサービスの紹介から販売までを行います。
またブランド広告の場合は、企業や商品に良いイメージを持ってもらうためデザイン性を重視した広告が一般的です。
一方ダイレクトレスポンス広告は、その広告を見てすぐに商品購入などのレスポンスをしてもらいたいので、商品の魅力など情報を詰め込むのが特徴だといえます。デザインよりもいかに商品の魅力を伝えられるかがポイントです。
利用されるメディアも異なります。ダイレクトレスポンス広告はインターネット上のバナーやダイレクトメール、新聞の折り込みチラシ、テレビ通販などが中心です。これらは直接的なアクションがしやすいメディアだといえるでしょう。
ブランド広告はあくまで認知拡大やイメージ向上のために行うので、それよりも広く呼びかけられるメディアが使われます。テレビCMやSNSなどでの宣伝、街頭ビジョンなどが代表的です。どちらも広告ではありますが、異なる目的、宣伝方法となります。
ダイレクトレスポンス広告の媒体
ダイレクトレスポンス広告には大きく分けて3つの種類があります。それぞれの特徴についてご紹介します。
マス広告
マス広告はマスメディアを媒介として形成される広告です。主にテレビ広告、ラジオ広告、新聞広告、雑誌広告の4つを指します。
マス広告のうち、定量的に反応の測定ができるものはダイレクトレスポンス広告として活用できます。
テレビ広告
テレビ広告は非常に普及率が高いテレビを活用して自社の製品やサービスのアピールができるのが魅力です。テレビ広告はその他3つのマス広告とは異なり、映像と音声の両方でアピールできるのが最大の特徴だといえるでしょう。
またタイムリーに情報を届けるのにもテレビ広告が向いています。
ラジオ広告
ラジオは家事や勉強、運転など、何かをしながらでも聴くことができます。そのため幅広いユーザーに聴いてもらえる機会があるのがラジオ広告の特徴です。時間帯によってターゲットを絞りやすいことに加えてテレビ広告よりも低コストである点も見逃せません。
新聞広告
新聞広告は毎日新聞を読んでいる人に確実に情報を届けられるのが魅力です。また信頼度が高いメディアとされているため、ダイレクトレスポンス広告だけではなくブランド広告にも活用されています。
雑誌広告
雑誌広告についてはその雑誌を読んでいる年齢層などを限定した広告を出すのに効果的です。マーケティングしやすいマス広告で宣伝したい場合にも適しています。
SP広告
販売促進を目的としているSP(セールスプロモーション)広告は、マス広告(テレビ・新聞・ラジオ・雑誌)と、インターネット以外の媒体を使用した広告です。マス広告やインターネット広告とはまた違った形でアプローチすることができます。
屋外広告
例えば看板広告などの屋外広告もSP広告の一種です。商品やサービスに関する看板を作成し、すぐにアクセスできるように検索ワードを掲載することもできます。
またQRコードを設置すれば効果的なダイレクトレスポンス広告になってくれるでしょう。看板の設置場所によっても費用が変わるので、目的や予算に合わせて設置場所について検討してみてはいかがでしょうか。
DM広告
封書やハガキで情報を送るDM広告もSP広告です。事前に適切なターゲティングができていればターゲットに対して効果的に情報を届けることができます。
DM広告は昔からある手法ですが近年は手軽に配信できるメルマガなどで情報を届けている企業も多いので、差別化を図るのにも役立つでしょう。
折り込み広告
新聞の折り込み広告もダイレクトレスポンス広告として活用できます。高齢者やファミリー層にアプローチしたいと考えた際に特におすすめです。
Web広告
Web広告はネット広告とも呼ばれるものであり、テキストのほかにも画像や動画などを活用した広告を出すことができます。その広告をクリックすることにより広告主のサイトなどにアクセス可能です。
またキャンペーン専用の広告を作り、キャンペーンページに直接誘導することもできます。代表的な種類についてご紹介します。
リスティング広告
大手の検索エンジンとして知られているGoogleやYahoo! JAPANが提供している広告です。検索したキーワードと連動して広告が表示されます。コンバージョンにつながりやすいキーワードでリスティング広告を表示すると特に効果が期待できます。
ディスプレイ広告
テキストや画像、動画などの形でWebサイト、またはアプリの広告枠に表示される広告のことです。あらかじめターゲティングを行い、狙っているユーザーに対し効率よく広告を届けることもできます。
視覚的なアプローチも可能であるため、ユーザーの興味を引くのにも役立つでしょう。
リターゲティング広告
過去にサイトを訪問した履歴のあるユーザーに対して表示する広告です。複数回にわたってサイトを閲覧していることになるので、自社の商品やサービスに関心の高いユーザーが相手となります。
そのため購入や会員登録などのコンバージョンを獲得しやすいタイプの広告です。
SNS広告
TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSを活用した広告です。日常的にSNSを利用している方は多く、自然に目に入ってくる形で広告を出すことができます。
ネイティブ広告
いかにも商品を売るための広告だとユーザーが構えてしまうことがありますが、その問題を解決できるのがネイティブ広告です。
ディスプレイ広告の一種なのですが掲載されるサイトと同じコンテンツのような見た目であるため、広告として警戒されることなく興味を持ってもらいやすくなります。
他にもWeb広告には様々なものがあり、ダイレクトレスポンス広告として活用できます。
ポジショニングメディア
単なるお問い合わせを獲得するのではなく、成約につながる反響を獲得していきたいという方針があればポジショニングメディアがマッチしています。
ポジショニングメディアとは自社商材関連を検討しているユーザーに対して展開していく専門Webメディアで、ユーザーはどの商材を選べば自分の課題を解決できるのかわかるとともに、企業側は自社と親和性の高いユーザーを集客できるため、成約につながる反響を得ることができます。
ダイレクトレスポンス広告の成功事例
実際にダイレクトレスポンス広告で成功している事例を6つご紹介しましょう。
それぞれの広告媒体や集客、販売方法については以下となります。
企業名 | 広告媒体 | 集客・販売方法の特徴 |
---|---|---|
ライザップ | テレビCMや 雑誌広告 |
テレビCMなどで知名度の高い有名人を活用。 30日の全額返金保証があり安心感のある販売方法。 |
スニッカーズ | SNS広告、 その他 |
割引などユニークな取り組みで注目を集める販売方法。 |
再春館製薬 | テレビCM | ブランド広告の効果と組み合わせて信頼度を向上させる販売方法。 |
DHC | DM広告 | DMによるプレゼントやサンプルの送付で定期購入の離反を防ぐ販売方法。 |
ライフネット生命 | Web広告 | オンライン専業保険の草分け的な存在として同業他社と異なる販売方法。 |
ZOZOTOWN | メール広告 | 特別感の高いセール情報を不定期に配信する販売方法。 |
詳細について解説します。
ライザップ
短期間で高い効果が期待できるプライベートジムとして人気の「ライザップ」の事例です。
有名人が大幅なダイエットに成功し、話題となりました。この有名人を活用した広告がダイレクトレスポンス広告にあたります。ビフォーアフターを紹介することにより変化が一目でわかるのも特徴です。
大きく変化しても一般の方だと「ただの合成では?」と思われてしまう可能性がありますが、有名人を活用し、変化の様子を動画などでも紹介することにより信頼度を獲得しました。
スニッカーズ
アメリカのマース社によって製造されているチョコレートバー「スニッカーズ」の事例です。
様々な取り組みを行っているのですが、その中の一つに「ハンガリズムキャンペーン」があります。これは、怒りに関するSNS投稿が増えるほどスニッカーズが安く購入できるキャンペーンです。
セブンイレブンで購入する際、専用サイトにアクセスして固有のバーコードを生成、レジで見せるだけで簡単に割引が適用される手軽さも話題となりました。
再春館製薬
基礎化粧品ドモホルンリンクルを販売している「再春館製薬」の事例です。
テレビCMによるダイレクトレスポンス広告を行っています。CMの中では製品づくりにまじめに取り組んでいることが宣伝されており、一見するとブランド広告のような形ですが、CMの最後は無料サンプルの請求につなげています。
ブランド広告に近い形でイメージを向上させ、申し込みにつなげているCMです。
DHC
化粧品や健康食品の会社である「DHC」の事例です。
サプリの定期購入において特に3ヶ月目ころから急激に離反率が高まる点に目をつけました。このタイミングにDMでターゲットに合わせたプレゼントを贈ることにより、定期購入の継続率を高めています。
ライフネット生命
生命保険会社である「ライフネット生命」の事例です。
インターネットを活用した販売に注目し、デジタルマーケティングに力を入れてきました。従来の保険商品とは異なり、インターネットで24時間いつでも申し込みができるのが特徴です。
的確なターゲティングでユーザーに響く広告を作成したことに加え、利便性の高さから評価され多くの顧客を獲得しました。
ZOZOTOWN
アパレルECとして有名な「ZOZOTOWN」の事例です。
お気に入りに登録した商品がセール価格で購入できる、「あなただけのタイムセール」と呼ばれるその人限定のセールを行っています。
個人を対象にメールでセール情報を送ることにより特別感を覚えてもらえることに加え、「今買わなければ」と思わせることに成功しました。
ダイレクトレスポンス広告を適切な形で活用することが大切
ダイレクトレスポンス広告は、直接的に商品購入を促したり、資料請求などのレスポンスにつなげたりできる広告です。しかし単に商品やサービスを全面的にアピールした広告を作れば、必ずしも効果が期待できるわけではありません。
ダイレクトレスポンス広告を作成する際には適切なターゲティングやマーケティング方法について検討しなければなりません。キャククル運営元のZenkenでは、これまで行ってきた実績を踏まえて効果的なターゲティングを含めたマーケティングが可能です。お気軽にご相談ください。