【3分で理解】差別化戦略の象徴、スターバックスの経営方針
最終更新日:2023年11月08日
この記事では、1971年にアメリカのシアトルで開業した、世界最大のコーヒーチェーン店「スターバックス」の差別化戦略について解説しています。貴社の今後の企業戦略の策定にお役立ていただければ幸いです。
また、貴社が市場でどんな立ち位置でマーケティング戦略を策定すべきかが分かる「市場分析シート」を無料でご提供しています。自社の強みを活かしたマーケティング戦略を立てたい方は、今後の戦略策定にご活用ください。
スターバックスの差別化戦略とはどのようなものか
経営戦略のセミナーなどでテーマとして扱われることも多いスタバ。ここではスタバの差別化戦略や経営方針、経営戦略について見ていきましょう。
スターバックス日本初上陸のインパクト
1971年度にワシントン州のシアトルにて1号店がオープンしたスターバックス。日本に上陸したのはそれから25年後の1996年の8月で、東京の銀座に第一号店がオープンしました。
この東京銀座の第一号店は、スターバックスコーヒー店舗として北米地区以外に出展した初めての店舗となりました。その後スターバックスは、日本市場において成長を加速させていきます。日本におけるスターバックス店舗数は、
- 2000年:店舗数117
- 2005年:店舗数551
- 2010年:店舗数877
- 2015年:店舗数1,096
このようにどんどん店舗数が増加しており、今では1,497店舗にまで達しています。(2019年9月末時点)
スターバックスの経営方針
■引用元:スターバックス公式サイト https://www.starbucks.co.jp/company/mission.html
「人々の心を豊かで活力あるものにするために—ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから」
スターバックスはこのようなミッションを掲げ、顧客との心のこもったコミュニケーションを大切にし、顧客に誠実に向き合いながら、コーヒーをはじめとするさまざまな飲食物やサービスを提供しています。
また、時代の流れを汲み取りながら、新たな文化や価値を生成してきたスターバックス。
お店の中だけでなく、街中でカップやタンブラーを持ち運びながらドリンクを楽しむ、といったスタイルを産み出したのもスターバックスです。
現在では脱プラの動きを本格化させ、リユーザブルカップや紙ストローへの切り替えを進めるなど、時代の流れに合わせた経営を行っています。
スターバックスの経営戦略
スターバックスが重要と考えている理念の一つが、サードプレイスです。ファーストプレイスとは、自分の家や生活の基本となる部屋のことをいいます。セカンドプレイスは、職場や学校のことです。
そしてサードプレイスとは、
- 自宅や職場とは違った
- 自分らしく過ごせ
- 寛ぐことができる
- 第三の居場所
を意味します。スターバックスのコンセプトは、このサードプレイスにて心あたたまる空間と時間を提供することです。ここが競合との大きな差別化ポイントとなっています。
スターバックスから学べること
スターバックスはさまざまな差別化戦略を行ってきました。以下にいくつか紹介しておきましょう。
女性にフォーカスし禁煙を貫く
日本における喫茶店は、かつてはサラリーマンがコーヒーとタバコでひと息つくような、男性に利用される場所でした。そのため、スターバックスがターゲット顧客を女性に定めることが、他のカフェとの差別化を図る軸でした。
スターバックスは、
- 外観
- 店内
- 商品名
などを女性から好まれるようなものに仕上げてきました。また、数多くのカフェが喫煙スペースを設けていましたが、スターバックスは、全面禁煙を貫き通しています。このことがスターバックスの付加価値にもなり、差別化戦略の成功へと導いた要因のひとつとして挙げられます。
ドトールとの差別化に成功
かつて日本では、ドトールがカフェ業界でのトップでした。しかし、現在はどうでしょう?明治大学に通う学生100人に対するアンケート調査によりますと、ドトールよりもスターバックスを選択する学生が約7割という結果になったといいます。
ドトールは今でも店内に喫煙スペースが設けられており、ビジネスパーソン向けのサービスを提供しています。しかし、
- Wi-Fiの提供
- コンセントの提供
などを以前は行っておらず、このことが業界トップの座を奪われた原因ではないかと推測することができます。
また、ドトールといえば庶民的で入りやすいカフェ。一方で、スターバックスはオシャレで、高級感を感じさせるカフェです。店内装飾や高価な飲み物などに力を入れることで、ドトールとの差別化に成功したといえます。
スターバックス差別化戦略まとめ
スターバックスの経営方針や経営戦略、またターゲット層を女性に絞るなど、競合との差別化戦略ついてご紹介しました。
事業規模や業態が異なると学びが具体的な戦略がイメージしにくいかもしれません。ただ、差別化という概念は必ず必要になってきます。
キャククル内には差別化戦略を立てるための基礎知識をまとめたコンテンツがありますので、ぜひこちらのページもお読みになってください。