【3分で理解】ファミリーマートの経営方針に学ぶ差別化戦略
最終更新日:2022年07月17日
この記事では、日本発祥のコンビニエンスストア「ファミリーマート」の差別化戦略について解説しています。貴社の今後の企業戦略の策定にお役立ていただければ幸いです。
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ファミリーマートの差別化戦略とはどのようなものか
ファミリーマートは「セブンがやらないことをやる」
これまでのファミリーマート
ファミリーマートは現在の合同会社西友が1978年に事業を開始しました。「ファミリーマート」という名前になったのは1981年で、沖縄など国内の南側から徐々に勢力を拡大していきました。
これまでコンビニ事業を展開する会社を買収することで勢力を拡大してきたという背景があり、am・pmやサンクスなどを買収することで、コンビニ業界第2位まで上り詰めました。
ファミリーマートの方針
現在ファミリーマートは、大きく2つのことを実践しています。
ひとつは、セブンイレブンが「やらないことをする」ということです。もうひとつは、社内に必ずある「優れているのに埋もれてしまっている商品」をピックアップして強力に打ち出すというものです。
圧倒的強者・セブンイレブンと同じ土俵では闘わない、という方法は差別化戦略を構築するにあたりとても重要なポイントです。
ファミリーマートの経営方針
■引用元:ファミリーマート公式サイト https://www.family.co.jp/company.html
ファミリーマートは「あなたと、コンビに」というキャッチフレーズに象徴されるように、お客様一人ひとりはもちろん地域に寄り添いながら、まるで家族のように繋がっていくことを目指しています。
コンビニは地域にとって生活の拠点であり、インフラの役割を果たします。だからこそ、地域に根付いたよりどころとして機能させることに価値があるという考え方です。
ファミリーマートの経営戦略
どれだけ経営側が素晴らしい戦略を立てたとしても、その戦略に店舗が共感し実践に至らなければ意味がありません。だからこそ、ファミリーマートは店舗、そしてその店舗で働くスタッフのことを重要視した施策が目立ちます。
物流網や情報インフラを活用しながら、店舗の価値や店舗の収益力が強化できるように努めることで、結果としてお客様に還元される価値が高くなる、という思想があります。
ファミリーマートから学べること
コンビニのかたちを変化させる、攻めの姿勢で臨むこと
2016年に代表取締役社長に就任した澤田氏の戦略は、攻めの姿勢で事業戦略を打ち出しています。
その理由は明確で、コンビニ業界はセブンイレブン、ファミリーマート、ローソンによる3社寡占状態と表現されますが、実際のところセブンイレブンが頭ひとつ飛び抜けている状態です。
だからこそ、「セブンイレブンと同じことはやらない」という攻めの姿勢で臨むことで、差別化戦略に成功しているのです。
仲間を作って巻き込む
ファミリーマートはプライベートブランドに力を入れていくという方針ではなく、各分野のプロとタッグを組み、商品力を強化していくことに長けています。
ドン・キホーテとの提携や、ファミリーマートで洗濯ができるファミマランドリー、そして多くのポイント提供会社と手を組んだファミペイなど、1社完結ではないビジネスを展開しています。
新型コロナウイルスの影響によりコンビニの便利さや手軽さが再認識された一方で、より地域住民との関係性構築が求められていくでしょう。
ファミリーマートが持つ柔軟かつ挑戦的な施策で、今後コンビニ業界をけん引する可能性は高いのではないでしょうか。
ファミリーマート差別化戦略まとめ
コンビニ業界2番手の状態を上手く利用し、強力なパートナー企業を味方に付けながら、圧倒的な地域密着でお客様の取り込みを目指すファミリーマート。セブンイレブンとの差別化を明確にしたことが、成功の要因であることは間違いありません。
ほかの業態でも「圧倒的な1位」は必ず存在します。二番手、三番手を狙っている事業者にとって、ファミリーマートの差別化戦略に学ぶところは多いのではないでしょうか。
自身の事業でも差別化戦略に着手したい、もしくは事業戦略を見直したいと考えているのであれば、キャククル内には差別化戦略を立てるための基礎知識をまとめたコンテンツもあります。ぜひこちらの記事もお読みください。
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マーケティング戦略策定後には施策に落とし込もう
マーケティング分析をした上で大切なのは、その分析結果をもとに行うマーケティング戦略の施策と戦術の実行です。しかし、ほとんどのケースで見受けられるのが、
- そもそも適切な分析ができていない
- 分析はできたが、それを支える戦略と戦術まで落とし込めていない
- 分析や戦略までは組み立てたが、戦術と連動していない
という問題の発生が多くあります。そのため、多忙な中、分析や戦略策定をしたのにもかかわらず、
成果に繋がらなければ、あなたの貴重な時間もお金も無駄にし、また練り直さなければなりません。
時間がさらにかかれば、状況も変わり市場からさらに置いてかれること可能性もあります。
下記の記事では、商品やサービスを認知させるだけでなく「成果」に繋がる差別化戦略の具体的な方法や、その他の企業の事例を紹介しています。今後の差別化戦略策定におけるヒントが詰まっていますので、こちらも合わせてご覧ください。