マーケティングで理解しておくべき高関与・低関与について事例を紹介
最終更新日:2024年06月12日
マーケティングの業界で使われることが多い「購買関与度」について解説します。商材の高関与、低関与とはどういったものなのかについてまとめました。それぞれのマーケティング事例や、低関与商材を高関与商材にするためにはどういったポイントがあるのかについても紹介します。
消費者の購買関与度とは
マーケティングでは「購買関与度」という言葉が使われることがあります。まずは購買関与度とは何か、購買関与度を決める要素としてはどのようなものがあるのかについて解説します。
購買関与度とは?
購買関与度は、消費者関与や単純に関与とも呼ばれるもので、消費者と製品・サービスがどの程度の強さで結びついているのかを示す度合のことです。
商品やサービスに対する関心の強さともいえるでしょう。購買関与度が高ければ消費者は積極的に情報を収集しようとしますし、失敗を避けるために念入りな比較検討を行います。
購買関与度を決める要素
購買関与度を決める重要な要素はいくつかあります。中でも大きいのが、価格、購買頻度、社会的評価の3つです。
価格については、高額なものほど購買関与度が高くなります。例えば車やパソコン、住宅などです。高額なものは失敗するリスクを避けたいとの考えから、多くの方が高い関心を持って情報収集します。
購買頻度については、多頻度で購買し、なおかつ価格が高いもののほうが購買関与度が高い
です。趣味に関するものや、仕入れなどが挙げられます。一方で、多頻度で購買しても価格が低いものは低関与の傾向が強いです。
社会的評価や社会的ステータス性も購買関与度と関連しています。例えば高級外車に乗っている人に対して「事業で成功していそう」と感じることがあるでしょう。
社会的評価が高いものを所有している人と社会的評価を結びつけて考えることが多い
です。そのため消費者個人の評価を高める要素ともいえる製品やサービスの社会的評価も購買関与度と関連しています。
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低関与商材のマーケティング事例
まず低関与商材についてはどのようなマーケティングを行えば良いのかについて解説します。事例についても参考にしてみてください。
飲料
高級品とは異なり、低額で購入できる飲料は低関与商品に分類されます。低関与商品にあたる飲料のマーケティングとして、考えたいのがパッケージデザインです。
一般的に大衆ウケを目指している商品であれば、好みが分かれないパッケージを採用しています。一方でマーケティング戦略の一環としてこだわり層向けに自由度の高いデザインを採用した商品もあります。
思わず手に取ってじっくり見たくなるようなデザインにできれば、低関与商品に分類される飲料であったとしても高関与商品を目指すことが可能です。またネット通販を行っている企業の中には、店舗よりも自由度が高いパッケージを採用することで関与度を高めているものもあります。
参考:北欧パッケージのミカタ(https://note.com/scndnv/n/n3419db6f0df4)
菓子
お菓子も低関与商材です。低関与商材は、じっくり商品を比較しなくともそれほど変わりがないことから、価格や好みを重視して選ばれてきます。ですがマーケティングでは、工夫次第で特別感のあるお菓子にすることが可能です。
事例として、ロングセラーお菓子を販売するメーカーがその商品のファンが集うサイトを立ち上げました。商品に関する知識を授業として学べたり、貯めたポイントを関連グッズに交換できたりするなどの特別感があるサイトです。
他社商品との差別化につながるだけではなく、ファンの心もつかむ取り組みをすることにより、低関与商材でも更にファンの興味を引くことができています。
参考:宣伝会議デジタル版(https://mag.sendenkaigi.com/senden/201904/marketing-of-mid-funnel/015719.php)
ヘアケア用品
ヘアケア用品については、毎回新しいものを調べて購入している方は少なく、お決まりの商品を購入する方が多い低関与商材です。ですがマーケティングとしてWeb施策を取り入れることにより、従来とは異なる層にアプローチした事例があります。
長く人気の商品ではありますが新鮮味にかけてしまう問題を解決するため、商品のリニューアルを行いました。その際広告ではより若年層にとって身近に感じられるような若いモデルを採用し、新しい層へのリーチを図っています。
さらには若年層に人気の番組とコラボ企画を行ったり、ソーシャルメディアと連携したマーケティング活動を行ったりすることにより、商品の認知度や、新しい顧客層の拡大に成功しました。
参考:YAHOO!JAPANマーケティングソリューション(https://marketing.yahoo.co.jp/blog/post/2012020130151005.html)
高関与商材のマーケティング事例
続いて高関与商材のマーケティング事例や、成功のポイントについてです。車、パソコン、住宅などの高関与商材について紹介します。
車
車は非常に高価な商品ということもあり、高関与商材の代表ともいえます。走行性能や安全性、デザインなど、ユーザーが慎重に検討するポイントは非常に多いです。
そんな自動車業界の中で他社との差別化に成功した事例を紹介します。女性にターゲットを絞ったマーケティング戦略をとり、女性人気を獲得した事例についてです。
男女問わず人気が高いベーシックなカラーの他、女性人気が高い水色や黄緑、ピンクなどの可愛らしいカラーを充実させました。Web上の紹介ページでも女性が採用されており、ターゲットに刺さる形で宣伝することに成功しています。
参考:マナミナ(https://manamina.valuesccg.com/articles/636)
パソコン
パソコンは数万円~数十万円することもあり、購入する際は慎重に検討する方が多い高関与商材です。他社と比較しながらどれにしようか選んでいる方が多いといえます。どのようなポイントが比較されるのかよく検討し、ターゲットに選ばれるためのマーケティングを行うことが重要です。
消費者側から見た商品選択の幅を広げることにより成功している事例について解説します。大きな特徴として、自分にとってぴったりな一台が選択できるようにしました。例えばCPUやメモリなどの性能が選択できることに加え、高性能のバッテリーや画面サイズも組み合わせて幅広く選択できます。
他社と比較して優れている商品というよりも、自分の理想を詰め込んだ一台を選択できることにより、他社と比較された際に選ばれやすくなるマーケティング戦略です。
参考:FUKUI/WORLD(https://note.com/mityu_ka0503/n/n32a8644f7e2d)
住宅
車やパソコンよりも高額な住宅は、非常に慎重に検討される高関与商材です。多くの方がさまざまな形で情報収集をしていますが、SNSをマーケティングに活用している事例を紹介します。
Instagramを使って間取りや住宅の中の雰囲気を詳細に紹介したり、SNS広告によってより明確なターゲティングへのアプローチを行ったりしている企業が多いです。
さらにはモデルルーム見学会に人気のインフルエンサーを招待し、その様子をSNSで発信して話題となった例もあります。住宅は高額なこともあり、多くの方がたくさんの情報を求めているので、SNSなどを活用して詳細な情報を届けられるマーケティングが効果的です。
参考:Insta Lab(https://find-model.jp/insta-lab/sns-marketing-house-real-estate/)
高関与商材にコンテンツマーケティング手法が有効な理由
高関与商材については、さまざまなマーケティングの中でもコンテンツマーケティング手法が効果的だといえます。高額な高関与商材の購入を決める際、より詳しく情報を調べようと考える方が多いです。
そういった方に対し、コンテンツマーケティングではWebサイト上で必要な情報を公開し、潜在的なユーザー獲得を目指せます。近年はオフラインの媒体ではなく、Web上で情報収集をする方が増えました。
コンテンツマーケティングで展開するコンテンツは、インターネット上に公開されます。そのため幅広く、多くの潜在的なユーザーにアプローチが可能です。ユーザーにとって役立つ情報をコンテンツとして配信できれば、潜在顧客の関心度を高めることにもつながるでしょう。
高額の商品ほど購入は検討になってしまいますが、コンテンツマーケティングでは見込み顧客の育成も行えます。時間をかけて慎重に検討されたとしても他社に見込み顧客を逃がすことなく、アプローチできるのがコンテンツマーケティングの強みです。
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低関与商材を高関与商材に変える方法
低関与商材は消費者の製品やサービスとの結びつきが弱い商品です。そんな低関与商品を結びつきが強い高関与商品に変えるためには、以下のような方法があります。
消費者ニーズへ訴えかける
例えばいつもコンビニで適当に選んでいるお弁当は、低関与商品といえます。ただ消費者の中には「いつもお弁当ばかり食べていると栄養素が偏ってしまうかも」といった不安を抱えている方もいるでしょう。
そういった消費者に対し「栄養バランスを考えて作られたお弁当」とアピールして提供できれば、手にとってもらえる可能性が高まります。
社会問題に結びつける
社会的問題を重視している消費者に対し、心に響くような商品やサービスを提供するのも効果的です。例えば世界的に問題になっている環境問題を気にしている方に向け、環境に優しい商品であることをアピールできれば、その消費者にとって高関与商材にすることが可能です。
消費者の趣味や関心を利用する
人によって趣味や関心を持つことは異なりますが、自分の趣味に合うものであれば低関与商材でも手を伸ばす方が多いです。例えば自分の好きな動物やキャラクター、アイドルなどが描いてあったとの理由で商品を選ぶ方もいます。
商品のターゲットとなる方に響きそうなアーティストなどとのコラボ商品を開発するのも良いでしょう。それをきっかけとして、将来的に自社の他の商品やサービスに興味を持ってもらうことも期待できます。
商材の情報を提供する
商材の情報は消費者の購買を決定する際の重要な判断ポイントにもなってくるため、求められている情報をしっかり提供することが重要です。
消費者が情報を収集する方法はいろいろあります。例えば家族や友人から聞いた話やSNSの書き込みなどのほか、テレビCMや企業のホームページ、広告などです。他にも新聞や雑誌、体験会、試供品なども挙げられます。
商品について理解していない方に突然売り込みをしても効果は期待できないので、そういったユーザーに対してはまずは体験会に誘導し、実際に使ってもらうなどの方法が効果的です。
他社と比べてどのような点が優れているのか、機能性や安全性はどうなのかなどもわかりやすく情報を伝えることにより、商品に興味を持ってくれるユーザーを増やし、高関与商材につなげられます。
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高関与・低関与でそれぞれ適したマーケティングが必要
購買関与について解説しました。価格が高いものや頻度が高いもの、社会的な評価が高いものについては、購買関与度が高くなる傾向があります。
購買関与度が高ければそれだけ消費者とサービス・商品の結びつきが強いといえるので、マーケティングでは高関与商材を目指しましょう。
低関与商材と高関与商材では、適したマーケティングの方法が異なります。従って、より消費者に響く形でマーケティングを行っていくことが重要です。
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