フォルクスワーゲンの競争優位戦略で着目すべきポイントを解説
最終更新日:2022年06月14日
この記事では、競合との競争を有利に進める「競争優位性」について、マーケティングの視点から見た戦略や優位性の獲得手法にスポットを当てています。
世界中に知らない人はいない「フォルクスワーゲン」の競争優位の戦略とはどのようなものなのでしょうか。
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自社の強みを活かしたマーケティング戦略を立てたい方は、今後の戦略策定にご活用ください。
競合他社と自社を比較したときに、他社よりも有利に立てる要素や状況があることを示す競争優位性。
特定の市場で競争優位性があると他社よりも利益を増大できますし、事業やプロジェクトをスムーズに進めることができます。
ここでは、自動車メーカーという競争の激しい市場で成功を収めた「フォルクスワーゲン」の競争優位性と、その戦略で着目すべきポイントについて解説していきます。
フォルクスワーゲンの競争優位戦略のポイント
内燃エンジン車(ICE)からEVへシフトしつつある自動車業界。自動運転技術の開発競争も過熱しており、いかに優れた技術をいち早く開発するかが求められています。
ドイツに本社を置く自動車メーカー・フォルクスワーゲンも、すでに自動車のハード面ではなくソフト面に目を向け、企業を上げて開発に臨んでいるようです。
ソフトウェア開発で差別化を狙う
フォルクスワーゲンは、「ソフトウェアの開発こそが、次世代の自動車開発において最も重要だ」という考えを述べています。
実際に、予定される機能すべての実装が揃う前段階で、ソフトフェアを一般提供する「アジャイルソフトウェア」の開発に着手しており、新しい機能を開発するたびにアップデートを通じて提供する取り組みをはじめています。
独自のソフトウェアを持てば、EV市場や自動運転市場で競争優位性を獲得できる可能性が高いからです。
ソフトウェア開発に対し、集中的に経営資源を投下しているフォルクスワーゲンは、集中戦略によってEVの市場シェアを獲得しようとしているとわかります。
ソフトウェア統合で顧客層を広げる
フォルクスワーゲンは、自らが開発するソフトウェアを統合して、フォルクスワーゲンが持つ複数のブランドでプラットフォームとして共通利用できる計画を進めています。
「アウディ」や「ポルシェ」といった異なるデザインや見た目のブランドを、ソフトウェアを統一することで生産工程を減らし、収益を生みやすくしようというものです。
車両のハードウェアのブランドは異なってもソフトウェアの機能は共通しているため、顧客は「デジタルエコシステム」を使用すればいつでも必要な機能を追加できるようになります。
わかりやすくいうと、PCやスマホの本体(ハード)とアプリ(ソフト)といった捉え方です。
この戦略で生産の複雑さ工数を軽減しつつ、顧客に新しい価値を提供することを目指しています。
e-モビリティの普及加速で差別化
フォルクスワーゲンは、全世界で加速しているe-モビリティの攻勢をさらに早めようと、電気自動車の販売比率の計画目標を、計画当初の35%から70%に引き上げました。
この販売台数目標を達成するため、EV社の加速性能や充電容量、航続距離の改良を継続的に行っているといいます。
そして、少なくとも毎年1台の新しい電気自動車を発表すると宣言しました。
世界中のマーケットでいち早くEV市場のシェアを獲得することで、「EV車と言えばフォルクスワーゲン」というポジションを確立しようとしています。
参照元:フォルクスワーゲン「Media Information」【PDF資料】(https://www.volkswagen.co.jp/idhub/content/dam/onehub_pkw/importers/jp/pc/volkswagen/news/2021/info210308_2_web.pdf)
フォルクスワーゲンの競争優位戦略まとめ
フォルクスワーゲンはEV市場にいち早く目を向け、ソフトウェア開発に注力することでシェア拡大を目指す「集中戦略」を行っていることがわかりました。
また、開発したソフトウェアをプラットフォームとして統一して、複数のブランドで使用することで、収益の拡大や新たな顧客層の獲得も狙っています。
競争優位性は、市場の状況や、人々のライフスタイル、価値観の変化に左右されやすい特性があります。
フォルクスワーゲンのように、市場の変化にいち早く反応し、未来の顧客ニーズに柔軟に応えるための準備が重要であると言えるでしょう。
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