モノタロウの競争優位戦略で着目すべきポイントを解説
最終更新日:2024年03月26日
この記事では、競合との競争を有利に進める「競争優位性」について、マーケティングの視点から見た戦略や優位性の獲得手法にスポットを当てています。
事業者向けに工具や現場で必要な資材に特化した通販を展開する「モノタロウ」の競争優位の戦略とはどのようなものなのでしょうか。
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モノやサービスがあふれる市場で生き残るためには、競合との差別化を図り市場で優位に立たないと、勝つことができません。
競合他社が真似できない方法によって競争優位性を獲得できる企業は、他社よりも利益を増大でき、大きく成長できると言われています。
このページでは、間接資材のインターネット販売で成長を遂げた「モノタロウ(MonotaRO)」の競争優位性にについて、着目すべき戦略のポイントをまとめました。
競争優位性が確立できれば、事業やプロジェクトの推進力にもなります。業界違いであっても、参考にできるポイントがあるはずです。
モノタロウの競争優位性とは
製造業で製品が製造・加工されるまでに、直接製品に変わる原料や原材料を「直接材」と呼びます。
一方で、製品には変わらず直接的な影響も与えないが、製造業の周辺に付随して必要となる商材が「間接材」です。
モノタロウは、この間接材のニーズに目を向けて成功しました。
「工具」という狭い領域に照準を合わせた
モノタロウが本格的に通販ビジネスをスタートさせる前、市場ではすでに間接材を販売している通販会社が存在していました。
文具では「アスクル」、ネジや部品などのアッセンブリーは「ミスミ」などです。
すでに間接材の専門店が中小企業向けに事業を展開していた中で、モノタロウは「工具」の専門店が存在していない所に目を向けます。
アメリカのグレンジャー社との合弁会社として、まずは金属加工業者をターゲットにビジネスをスタートさせました。
間接材という同じ領域でありながら、他の通販ビジネスが取り扱っていない「工具」の専門性を高め、他社が入り込めない領域で顧客に価値を提供できたのです。
狭い領域の需要を見据えて市場に展開し、その後独自のポジションを獲得したモノタロウの戦略は、競争優位の基本戦略の「差別化戦略」にあたることが分かります。
ロングテール商材の取り扱いで差別化
さらにモノタロウは、顧客の幅を広げるために取り扱う商品のラインナップを豊富にするのではなく、あえて顧客を金属加工業者に絞って商材も絞り込みました。
品揃えのニッチさを追求したのです。
このようなロングテール商品の取り扱いを増やしたモノタロウの戦略は「集中戦略」にも当てはまると考えられます。
工具というジャンルに集中し、確実に顧客を増やしていきました。
当日出荷で在庫リスクを回避
ロングテール商品は、狭い層のターゲットには確実にニーズがあるものの、人気の高い商品ではないため、在庫リスクが発生しやすいリスクがあります。
このようなリスクを回避するために、モノタロウは「当日出荷」にこだわりました。
サイトで「当日出荷」と掲げると、商品の売り上げは5割上がるケースもあると言われています。
この「時間価値」を顧客に提供したことで、ニッチな商品を売れ筋商品に変えていきました。
ロングテールという価値に新たな価値をつけることによって、より多くの顧客を「ファン」に変えることもできます。
リピーターの獲得によって、再購入率も高められるのです。
これらの戦略が功を奏し、モノタロウは金属加工業界で評判の存在となりました。
スタート当初は中小企業からの受注がメインだった通販ビジネスは、順調に事業を拡大。今では大企業からも求められる企業へと成長を遂げています。
モノタロウの競争優位戦略まとめ
モノタロウは、製造業の工具などの「間接材」のニーズと、間接材にまつわる顧客の悩みにいち早く目を向け、市場へ参入して競争優位性を獲得しました。
このように、市場での視点を少しズラしてみることで、どの企業も入り込んでいない需要の高いマーケットを見つけられることがあります。
自社がどの市場でたたかうべきか、市場のどこかに自社が優位に立てそうなポジションがないか、今一度市場を俯瞰で見渡してみることも大切です。
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