ベンチャー企業におけるブランディングの必要性と戦略の作り方を詳しく解説
最終更新日:2022年12月07日
ベンチャー企業において、ブランディングは厳しい競争を勝ち抜くために非常に重要な戦略です。この記事ではベンチャー企業でのブランディングの必要性や具体的な戦略の作り方、ベンチャー企業で有効な施策について詳しく解説します。
また、下記のページにはブランド戦略やブランディングの基本的な情報をまとめている資料も用意しております。ブランドの価値構造やブランディングの各ステップを解説していますので、ぜひこの記事と合わせてお役立てください。
ベンチャー企業におけるブランディングの必要性
ブランディングと聞くと、Appleやスターバックスなど名だたる企業のものと思う方もいらっしゃいますが、ベンチャー企業にこそブランディングは重要なものです。
ベンチャー企業は、当然のことながら販路も少なく知名度も高くありません。国内企業の約9割が中小企業と言われる中、販路も知名度もない起業直後から、競合他社との競争に打ち勝つ必要があるわけです。
ブランディングとは、自社の魅力・強みを市場に伝え、他社との差別化を図ることで自社のファンを増やすことを指します。数ある競合他社や名だたる大企業との競争に勝つためには、自社の商品・サービスの価値を市場に評価させ、差別化することが非常に重要です。
ブランディングより自社に共感するファンが増えれば、他社に比べて価格が高かったとしても、自社の商品を選んでもらえる可能性は高くなり、競争に打ち勝つことができるでしょう。
ベンチャー企業のブランディング戦略の立て方
では実際にベンチャー企業がブランディング戦略を立てる際の手順について見ていきましょう。
市場を調査する
まずは市場における自社の現状や市場動向を調査することから始めます。
市場調査においては、自社の特徴や強み、商品やサービスに関する情報、ターゲット層に関する情報などをできるだけ細かく正確に抽出することが重要です。
そのうえで現在の自社の認知度、競合他社とのポジションの違い、ターゲット層の反応など、市場における自社や商品・サービスの現在地を分析します。
ターゲットを選ぶ
現状分析ができたら、次はターゲットを選びます。
ブランディングでは自社が提供する価値を、ユーザーに対してわかりやすくアピールすることが重要です。この際アピールするユーザー層を自社の商品・サービスを支持してくれる有望な層に絞り込み、どう伝えるかを検討する必要があります。
ユーザー層の絞り込みは、性別や年代などの大まかな属性情報だけではなく、生活スタイルや趣味・嗜好なども加味し、できるだけ具体的に絞り込むのがおすすめです。
ポジションを決める
次に行うのがポジションを決める作業です。ブランド・ポジショニングと言います。
ブランド・ポジショニングとは、簡単にいうと自社と競合他社との差別化のポイントを決めることを指します。
例えばスターバックスは利用客に自宅以外にもくつろげるサードプレイスを提供するというコンセプトで、店舗で過ごす時間の快適性を他社との差別化ポイントとして、ブランディングに成功しました。結果として他社に比べて高い価格でも、ユーザーはスターバックスを選びます。
まずは市場分析や自社の強み・特徴などから、市場においてどのような立ち位置を目指すのかを明確にしましょう。価格帯や品質、デザイン、機能性、提供する価値などさまざまな切り口で競合他社と自社の違いを洗い出し、独自性のあるポジションを目指しましょう。
ブランドコンセプトを考える
ユーザー層やポジションが決まったら、次にブランドのコンセプトを検討します。
ブランドに対してユーザーにどのようなイメージを持ってほしいか、どのような独自性を打ち出すのかなど、メッセージとして伝わりやすいコンセプトを明確にしましょう。この際、市場やユーザーの要望などを踏まえつつも、自社の特徴・強みや企業理念などに沿ったコンセプトにすることが重要です。
コンセプトがある程度定まれば、ブランドコンセプトに合わせたロゴやデザイン、キャッチコピーなどを作りましょう。例えばAppleのりんごマークなどが良い例です。多くの人が目にするだけで企業をイメージする象徴的なものが作れれば、ブランディング戦略を進めるうえで強い武器になるでしょう。
ブランドを訴求する
ブランドコンセプトやデザインが確定したら、いよいよブランドを市場に対して訴求していきましょう。
ブランドを訴求する方法には、以下のようなものがあります。
- 広告(マスメディア、屋外広告、Webなど)
- イベントなどのプロモーション活動
- SNS(Youtube、Twitterなど)
近年ではスマホやインターネットの普及により、ユーザーに対する接点を増やすことが容易になっています。特にTwitterやInstaramなどのSNSでは、インフルエンサーと呼ばれ広くユーザーに影響力を持つ人物の起用などで爆発的に知名度を上げることも可能です。反面、悪いイメージなどもあっという間に拡散してしまう可能性もあります。
ブランドイメージと訴求方法のバランスが取れているかどうかを、常に確認しながら進めるようにしましょう。
ベンチャー企業のブランディングに有効な施策
次にベンチャー企業のブランディングに有効な施策についてご紹介します。
ブランドの名前とキャッチコピーを工夫する
1つめの施策はブランドの名前とキャッチコピーを工夫することです。
ブランドの名前やキャッチコピーは、自社のブランドが認知されるキーワードとなるもので、最も強いメッセージです。自社ブランドのコンセプトを端的に表す表現を検討しましょう。ロッテの「お口の恋人」や、コスモ石油の「心も満タンに」などは代表例です。
ブランド名やキャッチコピーを検討する際は、あまりアイデアを詰め込み過ぎないように注意してください。特にキャッチコピーは作文ではありません。できるだけ端的にブランドの価値観やメッセージを表現できるように工夫してみてください。
ブランドのロゴやカラーをデザインする
2つめの施策はブランドのロゴやカラーをデザインすることです。
ブランディングに成功した多くの企業では、名前を聞くだけでロゴが浮かんできたり、ロゴを見ただけでブランドがイメージできたりするでしょう。それだけロゴやカラーはブランドにとって象徴的なものです。
ロゴマークで言えば、GoogleやApple、ナイキなど枚挙に暇がなく、ブランドロゴそのものが企業価値となっています。カラーについてもコカ・コーラの「赤」などが有名です。
ロゴの検討に関しては、さまざまな媒体で利用されるため、拡大・縮小が可能でできるだけ認知されやすいシンプルなデザインを検討することをおすすめします。また自社ブランドの提供する価値やコンセプトがイメージできる、連動性の高いものであるとなお良いでしょう。
商品・サービスにロゴを用いる
作成したロゴやカラーは商品・サービスに積極的に用いましょう。
ロゴはブランディングにおいて非常に重要な役割を果たすもので、企業のシンボルとして企業の存在価値の象徴となるものです。
一般的に、人の記憶には文字よりも絵や写真などのほうが残りやすくなっています。つまり商品やサービスを利用して、好意的な印象を持った際に人は企業名などよりも、ロゴマークとともに記憶します。これが繰り返されることで、ロゴマークと愛着が結びつき、ブランド価値へと昇華していくのです。
そのために自社の商品・サービスにはロゴを積極的に採用し、自社ブランドの象徴的存在として、認知されるようにしましょう。
ブランドコンセプトに基づいてオフィスをデザインする
ブランドコンセプトに基づいてオフィスをデザインするのも良いでしょう。
オフィスは自社の社員が毎日のように過ごす場所であり、社外のお客様が訪れることもある場所です。オフィスをブランドコンセプトに基づいてデザインすることで、社内外に向けてブランドイメージを定着させるツールとなります。
ブランディングでは、ユーザーなどの社外向けのブランディングだけでなく、社内向けのインナーブランディングが非常に重要な要素です。なぜなら社員一人ひとりの行動や対応が企業のブランドイメージを形作るものだからです。
どれだけ社外にブランドイメージをアピールしても、接客態度がよくなければブランドイメージは定着しません。オフィスをブランドイメージと統一することで、社内向けにもブランドイメージを定着させ、価値向上につなげられるでしょう。
ブランディング広告を発信する
ブランディング広告とは、直接的な購買行動を促さず、企業や商品・サービスへの認知度や理解度を向上させることを目的とした広告のことを指します。つまり商品・サービスの機能や効能などを細かく説明せず、ブランドのイメージや世界観を表現し、ユーザーの認知度向上や共感を獲得するものです。
ブランディング広告は、一般的にテキストなどよりも動画などビジュアル化されたもののほうが伝わりやすいと言われているため、テレビやYouTubeなどの動画配信媒体での配信が効果的です。特にテレビは多くの人に一気に配信が可能なため、ブランディング広告の目的である認知度の向上には向いている媒体と言えるでしょう。
ブランディングサイトを運営する
ブランディングサイトとは、ブランドの認知度や信頼度を向上させ、ユーザーロイヤリティを向上するために構築するサイトのことです。
ブランディング戦略構築の際に定めたターゲット層に向けて、ブランド価値やロイヤリティをうまく伝えるようなものにしなければなりません。まずはユーザーに認知され、理解してもらうためにどう伝えるべきかについて十分に検討しましょう。
SNS上で顧客と接点をもつ
SNS上で顧客と接点を持つことも重要です。
近年ではスマホの普及により、若年層を中心にSNSは情報発信の中心となっています。一部の発言力を持ったユーザーの発信によって、ブランドイメージが作られることも少なくありません。
多くの企業でもSNSの発信力を利用するため、公式アカウントを作成し、ユーザーと直接交流することも多くなってきました。SNSで顧客と接点を持つことで、ユーザーに愛着を持ってもらいブランドイメージを定着させられるだけでなく、ユーザーの声や反応を抽出し改善につなげることも可能です。
ベンチャー企業こそブランディングで競争に打ち勝とう
今回はベンチャー企業におけるブランディングの必要性や、具体的な戦略の作成方法、有効なブランディング施策について詳しく解説しました。
販売力や資金力などが大手企業にはどうしても劣るベンチャー企業において、自社の理念やストーリーを認知させ、信頼を勝ち取るブランディング戦略は非常に重要なものです。
ブランディングに成功すれば、自社の理念に共感した信頼関係の高いユーザー層を獲得でき、商品・サービス売上の安定やさらなる商品力の向上につながるでしょう。
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